「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年6/8分:高世仁の巻)(追記あり)

シリアで勝利しつつある「殺戮の主犯格」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 シリアではアサド政権軍が多くの地域で反政府武装勢力を駆逐し、軍事的にはほぼ決着がついたように見える。この情勢を前に、内戦を終わらせるためにはアサド政権でいいではないかという意見がある。しかし、そもそもシリア問題とはアサド政権の非道をどう終わらせるかなのだった。
 黒井さんは「どっちもどっち」論に陥らないよういつも警告を発している。

 イヤーはっきり言って「どっちもどっち」でしょうよ。
 いかに「アサドが独裁であろうとも」、そしてそんなアサドを「ロシアやイランなどが支援しようとも」、反体制派に民衆の支持があればアサド政権は崩壊してるんじゃないか(そもそも反体制派に民衆の支持があればいかに利権があろうともロシアやイランも介入しないんじゃないか)。反体制派の方もトルコやサウジ、米国などが支援していますしね。
 いい加減、「このまま内戦が続くくらいなら、もうアサドでええ」みたいな空気が出てもおかしくないでしょう。
 まあ「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年6/6分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで小生が触れた「タイの軍政継続」もそうでしょう。
 「もうタクシンと軍政でゴタゴタするの嫌や」みたいなのがあるんでしょう。そういえば高世も過去にタイの記事書いてるし、元タイ駐在員なのにいつまでたってもタイの記事(3月の総選挙と6月の軍政首相再選、軍政継続決定)を書きませんね。
 さて興味深いのは「シリアについては常岡もツイートしてる」のに高世が紹介してるツイートは「黒井文太郎」「桜木武史」「安田純平」であって「常岡がいない」つうことですね。

 ジャーナリストの常岡浩介さんへの旅券返納命令では、30人の有志によるアピールに私も名を連ね「海外渡航の自由が著しく制約され、取材の自由や、市民の知る権利も奪われかねない深刻な状況だ」と国側の行為を強く批判した。

として常岡に簡単に触れてはいますが、やはり高世も常岡とは縁切りしたいんでしょうか。正直「高世、お前、どんだけ常岡、嫌ってるンや」ですね。

 9日(日)のNスペで「天安門事件 運命を決めた50日」が放送される。
NHKスペシャル | 天安門事件運命を決めた50日
《中国政府の発表で「反革命動乱で319人が死亡した」とされている天安門事件
 今回、NHKはその真相に迫ろうと、中国や世界各地に当事者を訪ね、新たな史料を探し出した。さらに、西側各国の外交文書からは、欧米の指導者が改革開放を進める中国との経済関係を重視し、表向きは非難しながら、水面下で緊張関係の回避を図ろうとしていた実態も浮かび上がってきた。天安門事件による民主化の挫折は、中国の人々に深い傷を残し、その後共産党が強権的な一党支配を進める素地を作った*1と言われる。》(ボーガス注:太字強調は高世ではなくて小生)
 ぜひ観なくては。

 だから「そういうこと」のわけです。「日本の早期経済制裁解除の是非」はともかく何も「日本のために中国は経済大国になった」んじゃない。欧米だって制裁解除したかったわけです。

【追記】

プラユット首相続投でタイ軍政が言論統制強化 反体制活動家らが謎の失踪や殺害 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
<軍事政権から民政移行のために行われたタイ総選挙では、大方の予想に反して親軍勢力が(ボーガス注:議席数第2位と)得票を伸ばし、民政とは名ばかりの実質的に軍政継続となった。そんななか、反体制活動家への締め付けが強まって──>
 ワチラロンコン新国王の戴冠式(5月4〜6日)という一大国家行事のために延び延びになっていたが、総選挙(3月24日)で軍政を率いていたプラユット氏の首相続投が6月5日にやっと正式に決定し、新体制による政治が進み始めようとしているタイ。だがその裏では昨年末から反王政、反軍政の活動家や評論家の行方不明や殺害事件が相次ぎ、政府による言論統制がさらに厳しくなっている。
 国際人権団体の「アムネスティ・インターナショナル」などが明らかにしたところによると、タイ王室などを批判して不敬罪容疑が持たれていたタイ人活動家など3人が滞在先のベトナムで身柄を拘束されて以後消息不明になっているという。
 ベトナムの首都ハノイで身柄を拘束されたのはチューチープ・チワスット氏、シアム・ティラウット氏、クリシャナ・タプチャイ氏の3人で、不法入国と不法滞在、資格外活動の容疑でベトナム当局に身柄を拘束され、5月8日に身柄をタイに引き渡されたと人権団体などは指摘している。
 しかし3人の消息はその後途絶えており、5月10日の米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)ネット版」によるとタイのプラウィット副首相はタイ当局による3人の身柄拘束に関して「なんら報告を受けていない。情報はネットで知っているが、この問題は外務省や警察が確認するだろう」と述べるにとどまったという。一方、外務省報道官はRFAに対して「全く知らない」と回答したとしており、依然として3人の消息は不明のままという。
 チューチープ氏は「サナム・ルアンおじさん」の名前でも知られ、ハノイを拠点に週2回インターネット経由で放送される反体制放送局のDJを務めていた。他の2人もチューチープ氏の仲間で反王政、反軍政の評論活動を続けていた。ネット上の放送は1月28日を最後にその後は途絶えているという。
■死体で発見された活動家2人
 2018年12月12日にはラオスで事実上の亡命生活を送りながら反王政・反軍政の活動をしていたスラチャイ・セーダーン氏(78)と同氏の側近のグライデート・ルールート氏(46)、チャチャル・ブッパワン氏(56)(通称"プーチャナ")の3人が行方不明になったことをAFPなどが伝えた。
 3人の活動家は2014年にクーデターでインラック政権が倒されて軍政が政権を掌握したのを機にラオスに出国、そこを拠点に海外での評論活動を続けてきた。当時ラオスには軍政の追及を逃れるために数10人のタイ人活動家が逃げ込んだといわれている。
 スラチャイ氏は75歳ながら元タイ共産党幹部という筋金入りの反軍政、反王政活動家で国内外に支援者も多く、ネットラジオを通じた活動を続けていた。
 そして2週間後の12月27、29日にタイ東北部、ラオスとの国境を流れるメコン川で男性2人の遺体が相次いで発見された。遺体は顔面をひどく損傷され、内臓が取り出されてコンクリートが腹部に詰められていたという。
 1カ月後の2019年1月22日、2遺体のDNA照合などの検死結果や、親族の確認などから遺体がグライデート氏とプーチャナ氏であると身元が判明した。スラチャイ氏は依然として行方不明のままで安否が気遣われている。
 人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、上記の6人の他にも過去5年間でラオス在住のタイ人活動家5人が行方不明になっており、スラチャイ氏とともに深刻な状況に陥っている可能性があると警告を発している。
■プラユット首相続投でさらに弾圧強化か
 タイでは1月26日に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に難民申請をしようとしていたベトナム人人権活動家でブロガーのトゥルオン・ドゥイ・ナット氏がバンコク近郊で行方不明となる事件が起きた。
 その後ナット氏はタイ当局の了解を得たベトナム秘密警察のメンバーらしき人物らによってタイ国内で拉致された後にベトナムに移送され、ハノイにある警察施設に収監されていることが判明した。
 こうした事例からタイ、ベトナムはそれぞれ国外で活動する人権運動家、民主化活動家やブロガーなどへの監視を強め、その情報収集や身柄拘束、移送などで協力体制を築いている可能性も指摘されている。
 タイでは5月4日の新国王戴冠式の際、英BBC放送の映像が遮断され、タイ国内での視聴が不可能になる事件も起きた。
 人権重視で反軍政の姿勢をとるBBC戴冠式に関連する生中継を軍政側が阻止したものとみられ、画面には「番組は間もなく再開される」という字幕のみ表示されるという異例の措置がとられた。
 軍政によるこれまでのこうした反軍政、反王政の言論、報道、活動を制限する動きは、プラユット首相の続投が決まったことで今後もさらに継続、強化されるものとみられ、タイ国内外の人権団体や報道機関そして活動家たちは戦々恐々としている。
■執筆者
 大塚智彦(ジャーナリスト)
 PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊*2」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日*3」(小学館文庫)など。

 高世もいい加減「天安門事件30年ガー」「シリアガー」ばかりじゃなくてタイについても触れたらどうなんですかねえ。

*1:「はあ?」ですね。天安門事件に問題はないとは勿論言いませんが「毛沢東の反右派闘争、大躍進や文革」に比べたら全然強権的じゃないでしょうよ。そして中国の統治において「強権的な面がないとは言いませんが」、基本的にもっと重視されてるのは「経済発展によるあめ玉」でしょう。

*2:1995年刊行

*3:2001年刊行