今日の産経ニュースほか(2019年7月16日分)

7月16日(火) 大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっている:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログ
 五十嵐先生や香山リカ氏、山本太郎*1が言うようになんとしても辰巳氏の当選を勝ち取りたいもんです。しかしこうなると立民が候補なんぞ立てたことが本当に恨めしい。共倒れの危険性を考えれば立民は候補を立てるべきではなかったでしょう。京都の福山と言いどれほど立民は自己中心的で反共なのか。
 そして未だに維新なんぞ万歳し続ける大阪府民には心底呆れます。一体、維新でどんないいことがあったのか。


リベラル21 参院選終盤戦で情勢はどう動くか

日経新聞は1面トップの見出しで「改憲勢力3分の2迫る」と大きく打ち出し
・これに対して、毎日新聞は「改憲 3分の2厳しく」「1人区 自民防戦」と反対の見方を示している。

 これは勿論当然ながら「日経は安倍よりの改憲派、毎日は野党よりの護憲派」「我田引水報道」を示す話でしかないわけです。
 なお広原氏に寄れば、「日経と毎日」が一番わかりやすいそうですが朝日や読売も似たような見出しだそうです(もちろん「読売は安倍よりの改憲派、朝日は野党よりの護憲派」)。
 「1人区の選挙戦」で「与野党接戦の選挙区が多い*2」というのも勿論あるでしょうが。あえて言えば「どちらが正しいのか」といえばある意味、「どちらも間違いであり、どちらも正しい」でしょう(小生の家は「定年退職金を元手に株式投資をしてる両親」が日経をとってるので、日経の見出しを見て、ぎょっとしましたが、そういう意味では日経報道は割り引く必要があるかもしれません。ただし毎日報道でも「自民過半数の見込み」ではありますが)。
 あり得る可能性のウチ、日経、毎日ともにお互い、「バンドワゴン効果(勝ち馬に票が集まる勝ち馬効果)を狙った世論誘導目的で*3」自分に都合のいい可能性だけを宣伝しているわけです。「おそらくどちらの可能性もありうる」と言う点ではどちらも正しいが「見出し」で「2/3厳しい」「2/3迫る」などと特定のトーンを強調するのは正確な報道という意味では間違っています。
 「新聞を読み比べるなどしたメディアリテラシーがいかに大切か」を教えてくれる格好の事例ではあるでしょう。

 後半戦では維新2人が当選圏内に入ったとの情勢が確定的となり、その煽りを喰って共産現職が弾き飛ばされそうな状況になっている。
 若手の共産現職は、国会論戦でも他党を圧する力量を発揮した実力派である*4にもかかわらず、なぜポット出の維新新人候補がこれほどまでに支持を集めることが出来るのか*5、不思議でならない。聞けば、大阪ダブル選挙で圧勝した維新の勢いが今も続いており、維新は「大阪改革*6」の代表選手だと見なされているのだという。しかしそれ以上に、今回の参院選における共産現職の苦戦は、直前の衆院補選における共産現職の「惨敗」が大きく響いていると私は考えている。周知のように、この前の衆院補選(大阪12区)では共産現職が「無所属」になって出馬するという大胆な行動に踏み切ったが、結果は得票率9%で最下位、供託金を没収されるという前代未聞の惨敗に終わった(トップは維新新人、39%)。この作戦の誤りが運動員や支持者に与えた衝撃は殊の外大きく、多くの運動員がその時の衝撃から未だ立ち直れないでいるという。しかも、その時の総括が「市民と野党共闘の展望を切り開いた」というこれも前代未聞の内容だったので、多くの支持者からブーイングが起り、大規模な「共産離れ」が起ったというのである。

 という広原氏の主張「ダブル選での共産現職立候補が参院選苦戦を助長してる」には何ら具体的な根拠は示されていません。広原氏の知人(共産党支持者?)が「そういった」などということは何らの根拠にもなりません。
 もしかしたら「選挙疲れ」で共産党員、後援会の動きが鈍いと言うことはあるかもしれない。しかしそれは「ブーイング」「共産離れ」と言う話ではないし、基本的に「維新の勢いが未だに強い」と言う話が主要因でしょう。
 結局の所、「あの出馬を評価しない」広原氏(そもそも阿部治平同様、共産党に余り好意的でない御仁ですが*7)が「辰巳氏苦戦予想」を前にここぞばかりに共産党に悪口してるだけでしょう。およそ建設的ではない。正直、こんなことをすれば、あの出馬に批判的な人間や共産党に敵対的な人間ですらまともな人間は「広原はバカか?」「そんな悪口より、7月16日(火) 大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっている:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログのように、まずは大阪の野党として一番当選可能性が高い共産への投票でも呼びかけろよ」と呆れるでしょう。
 大体、この件、7月16日(火) 大阪市の存続は辰巳幸太郎候補の当選にかかっている:五十嵐仁の転成仁語:So-netブログについてのコメントでも触れましたが攻められるべきは共産よりも立民の方ではないのか。なぜ広原氏は立民に「候補を立てるべきではなかった」ときちんと批判しないのか。
 正直、阿部治平もそうですがリベラル21を読んでると「何の根拠もない勝手な決めつけ(特に日本共産党や中国への悪口が多い気がします)」が多いので呆れることが少なくありません。


思想的民族的「鎖国」にこだわる改正入管法:日本の前途を誤る安倍政治(浅井基文)

 私は「(ボーガス注:移民ではなく)外国人労働者の受け入れを拡大する」ことを目的とする出入国管理法改正について、これを推進した安倍政権、そして枝葉の問題にこだわって反対するだけだった野党に通底する思想的民族的「鎖国」心理がこの国の将来への可能性を閉ざしていると思います。1868年及び1945年の「開国」のチャンスを逃した日本に残されている最後の「開国」のチャンスは「移民受け入れ」による日本の多民族国家への転換以外にないと私は確信するのですが、与野党を通じて、いや、日本社会全体を見渡しても、このことを認識し、提起する向きは皆無に近い状況です。
 日本に残されている最後の「開国」のチャンスは「移民受け入れ」による日本の多民族国家への転換以外にないと私が確信するに至る上では、シンガポールで長く首相を務めたリ・クアンユ(李光耀)の「日本はなぜ凡庸な国に変わったのか?」と題する文章の啓示が大きいです。
 リ・クアンユの文章を読んだときは正に「青天の霹靂」であると同時に「コロンブスの卵」とはこのことだと私は思いました。
 リ・クアンユが指摘するとおり、「移民受け入れ」によって多民族国家になることにより、日本は人口減少を食い止めることができますし、「高齢化社会」に伴って日本社会が直面している社会保障問題を解決することにつながります。
 そしてなによりも、異なる文化・歴史・思想を背景に持つ大量の新・日本人の存在は思想的民族的「鎖国」を打ち破る強力な刺激剤・促進剤となるでしょう。シリア、アフガニスタンリビアをはじめとする中東難民の大量流入に直面する欧州諸国における移民排撃の動きを取り上げて反対する主張は当然考えられます。しかし、それは一気の大量流入現象に対する動揺・反発であって、多くの国々(特に旧西欧諸国)では第二次大戦後は「移民受け入れ」を制度化し、多民族国家になってきている歴史があります。そしてその歴史は人権意識の高まりとその国際法的確立の歴史という裏付けを持っているのです。

 現状の「極右・安倍が首相」の日本で移民政策など進めたら「排外主義の助長」になりかねませんが一方で浅井先生が言うように「もはや移民以外に少子化克服の道はない」ようにも思いますし、浅井先生の言う「ヨーロッパを模範とした多民族国家日本による文化的多様性の可能性(極右排外主義の撲滅)」にある種の魅力を感じるのも事実です。そして実際「昔に比べれば」日本に住む外国人は明らかに増えています。
 もちろん「それ(多民族国家日本による文化的多様性)を実現するには相当の覚悟と労力が必要」ですが。
 なお、正直「国内に異民族をあまり数的に抱えていらず」、かつ「現在抱えている異民族(在日朝鮮・韓国人、アイヌなど)に対して人権を十分保証してるとはとても思えない日本」が「自分を棚上げして」中国に対し「やれウイグル、やれチベット」というのは「非常に偽善的だ*8」と思いますね(この点、I濱Y子女史や、M谷N子女史がどう考えてるのか聞きたいところです)。日本人が中国の今置かれてるような立場だとして「今の中国よりまともな少数民族政策が出来る」「チベットウイグルを強制的に同化しない」といえる自信は俺には全くありません。
 この点、「移民をかなり抱え込んで、共生社会をめざしてるフランスやドイツ」の「中国批判」だとそういう偽善な感じはしないのですが。


文科省時代の答弁と矛盾 前川喜平氏の教育勅語批判 - 産経ニュース
 前川氏ははっきりと「役人時代は本心が言えなかった(言っていたら左遷されていた)」と言ってるのだから矛盾などどこにもないのですが。
 産経の発言は「スターリン存命中の発言とスターリン死後の発言が違うのはおかしい」としていわゆる「フルシチョフスターリン批判」を否定するくらい馬鹿げた話です。
 あるいはその産経の理屈なら「韓国亡命後のファンジャンヨプ(主体思想の創設者)」の発言はどうなるのか。もちろん「北朝鮮時代」とは180度まるで違うわけですが。
 そして前川氏の発言が矛盾ならたとえば「元日本共産党政策委員長・筆坂秀世の言動(党幹部時代の発言と、離党後の反共発言)」も矛盾ですが、筆坂を「反共活動家」として持ち上げてる*9のが産経ですから全く馬鹿げています。
 しかし「筆坂のクズさ」に比べて「前川氏の立派さ」には頭が下がりますね。
 産経の悪口雑言はもちろん「逆の立場から」も「退官後ではなく、在任中から筋を通してほしかった」と言う批判はあるでしょうし、「毀誉褒貶」を避けたいなら退官後「ノーコメント」が一番無難です。しかし彼はあえて「役人時代の発言は本心じゃなかった」「教育勅語なんか教育に持ち込むのはおかしい」「朝鮮学校無償化除外なんかおかしい」と言ってるわけです。


【産経FNN合同調査】内閣支持率回復、51%に 自民支持率40%超え - 産経ニュース
 信じられないですね。「非常識極右」安倍*10のいったい何を支持するのか。
 これが「大平*11首相」「宮沢*12首相」など「非常識極右の安倍とは違う、それなりにまともな自民党首相」ならまだ理解*13も出来ますが。
 日本人とはそこまでレベルの低い「韓国差別の極右国民だった」のか。
 心底絶望的な気持ちになります。


【産経FNN合同調査】参院選最重視は社会保障42%(1/2ページ) - 産経ニュース
 福祉重視42%で「自民改選議席過半数予想」など出るとは思えないので「きれい事を回答してるだけではないか」と疑いますね。
 内心は「就職でセンセイに世話になった」「センセイが地元に工場を持ってきた」などが理由なのに「自己中心的だと言われそうで、恥ずかしくて正直に言えない」「福祉といえば誰も文句言わないだろう」つうだけではないのか。しかし「恥ずかしくて正直に言えないのなら建前の理由で支持しろよ」「本音の理由で支持してるのなら正直に本音を語れよ」と思いますが、そうでないのが「日本人のダメなところ」なのでしょう。もちろんこうした「嘘つきな態度」は「日本人は何考えてるか分からない」と国際社会に不信感をもたれる元でしょう。


【政界徒然草】国民民主、参院選後に草刈り場に 小沢氏は孤立か(1/4ページ) - 産経ニュース
 まあ野党陣営では立民や共産より支持率が低いですからねえ*14
 その結果、選挙後は、ぱっとしない成績に終わり、「細野のような右翼的な輩は自民入党を目指し」、「細野ほど右翼的でない輩は立民入党を目指し」、さらに国民民主の沈没が進むだろうという話です。
 その結果、国民民主と自由の統合を進めた小沢氏の政治力も落ちる。
 今思えば「れいわ新選組」をやってる「山本太郎(元自由党政策審議会長)」を前面に出して、「リベラル保守ぽいイメージ」を形成した上で、立民との連携でもした方が小沢氏にとってよかったと思いますが、まあ、小沢氏は根が「社民嫌い」なのでそうもいかなかったのでしょう。

*1:「一時は自由党所属」の彼が共産応援とは意外です。

*2:と言うことで最後の最後まで野党の奮起を期待したい。

*3:としか思えませんね。もちろん「アンダードッグ効果(負け犬効果:敗北の見込みという報道に対し判官贔屓で票が集まる)」も場合によってはありえますが。

*4:残念ながら日本の選挙において「国会論戦」などというものはあまり影響しません。

*5:つまりは「人でなく所属党派(維新)で選んでる」わけです。まあそれでも「非常識な維新より共産候補の方がましだろ」なら「所属党派での選択」でも意味はわかりますが、逆というのは理解に苦しみます。

*6:俺に言わせれば「大阪改革って何?。維新じゃないとできないの?」「維新でどんないいことがあったの?」て話です。

*7:以前は共産の支援で京都市長選に立候補したことがあると思うのですが。

*8:「中国を批判するな」とか、ましてや「中国の少数民族統治が正しい」とか言っているわけではありません。単に「日本が偽善的だ」といっています。

*9:勿論内心では「産経らウヨ」は筆坂のことを「哀れな奴だ」と、とことん馬鹿にしてるでしょうし、そのことは筆坂も分かってるでしょうが。それでも飯のために反共発言にいそしみ、それでも「大して儲かってるとは思えない(産経くらいしか活躍の場がないので)」筆坂も本当に哀れな男です。

*10:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*11:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*12:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相を経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*13:ということで小生は共産支持者ですが、それは「小林節氏の共産支持」に近いもんがあります。立民や国民民主、あるいは自民が「まともなリベラル保守政党」なら正直な話、「共産党員」の皆さんには失礼ながら俺は「何が何でも共産党」ではありません。もちろん「まともなリベラル保守政党と思ってない」からこそ共産支持の訳ですが。

*14:「自民により近い国民民主が立民や共産に比べて不振(まあこれは以前からそうで今回に限りませんが)」と言う事実からは「野党支持層(安倍自民に批判的な層)の支持を得る」には「ある種のリベラル性(反右翼性、反「安倍自民」性)」が必要だということがわかります(個人的には立民がそんなにリベラルだと思いませんが)。したがって野党各党にとっての問題は「現在、与党(自民)支持層や無関心層」である人間をどうやって「野党支持層にするか」と言う話でしょう。まあ正直、小生も何をどうしたらいいのかさっぱり分かりませんが。小生にとって「安倍はどうしようもないバカ」というのは「議論の余地がない」ので支持する人間の気が分かりませんので。