「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/27分:荒木和博の巻)

天才【調査会NEWS3036】(R01.7.26): 荒木和博BLOG

 「米国は誰が敵か間違える天才だ」とは東南アジアの閣僚の言葉とか言われています

 「なら、その閣僚の名前挙げてみろ」ですね。荒木の捏造じゃないか。
 なお、話が脱線しますが「拉致被害者家族会は誰が敵か間違える天才」でしょうね。何せ田中均氏や蓮池透氏を敵視してるのだから呆れて二の句が継げません。

 イランにしても近代化を進めていたパーレビ国王が追い出されたときは米国は(ボーガス注:ホメイニ政権のイランに)冷たかったように思います。今大騒ぎするくらいならあのとき(ボーガス注:米国がホメイニ政権のイランを)支援していればはるかに常識的な国になっていて米国にとっても安上がりだったかと。

 やれやれですね。「敵視による経済制裁ではなくイランをむしろ経済支援すれば親米的になった」と言うその理屈ならそれこそ「敵視による経済制裁ではなく欧米や日本が北朝鮮を支援すれば(以下略)」で「韓国の太陽政策」や「日本や米国と北朝鮮の国交樹立」を支持し、「対北朝鮮制裁に反対」すべきではないのか(勿論荒木はアンチ北朝鮮の立場から太陽政策に反対し、制裁を支持しますが)。荒木の脳みそはさっぱり理解できません。
 ちなみにイラン・米国関係では「イランコントラゲート」という有名な事件があります。拉致解決を考える上で興味深い事件だと思うので紹介しておきましょう。

■イラン・コントラゲート(ウィキペディア参照)
レーガン政権が、イランと裏取引をした上に、同国への武器売却代金をニカラグアの反共ゲリラ「コントラ」の援助に流用していた事件。1986年に発覚するやレーガン政権を揺るがす一大スキャンダルに発展した。
■概要
 1985年8月に、アメリカ軍の兵士らがレバノン(内戦中)での活動中、イスラムシーア派系過激派であるヒズボラに拘束され、人質となってしまった。
 人質を救出する為、レーガン政権は、ヒズボラを軍事支援していたイランと非公式ルートで接触し、イラン・イラク戦争で劣勢であったイランに対し、極秘裏に武器を輸出する事を約束した。
 しかし当時のアメリカは、イラン革命後の1979年に発生したイランアメリカ大使館人質事件によりイランとの国交を断絶しており、当然のことながらイランに対する武器輸出を公式に禁じていた。さらにイランの敵国であるイラクアメリカは国交があり、イランイラク戦争ではアメリカがイラクを軍事支援したため、このことが明るみに出た場合アメリカとイラクとの外交上の問題となることは必至であった。
 レーガン政権は極秘裏にイランに対して武器を輸出したばかりか、国家安全保障担当補佐官のジョン・ポインデクスターと、国家安全保障会議軍政部次長でアメリ海兵隊のオリバー・ノース中佐らが、イランに武器を売却したことで得た収益を、左傾化が進むニカラグアで反政府戦争(コントラ戦争)を行う反共ゲリラ「コントラ」に与えていた。
 ニカラグアは、1979年のニカラグア革命により、40年以上続いた親米のソモサ王朝独裁政権が崩壊し、キューバおよびソ連に支援され、社会主義寄りのサンディニスタ民族解放戦線FSLN)政権が統治しており、中南米の赤化を警戒するアメリカにとっては看過出来ないことであった。
 しかし、イランへの武器輸出と、反共ゲリラへの資金提供は、必要である議会の了解を取っていなかったばかりか、当時民主党が多数を占めた議会の議決に完全に反していた。
 なお、この時、アメリカのイランとコントラの双方の交渉窓口は、レーガン政権副大統領だったブッシュ父(後の大統領)であったとされ、このブッシュ父の関与疑惑が、後の民主党政権下の連邦議会における公聴会で取りあげられたが、その真相はいまもってうやむやである。
イスラエルの活動
 この頃のイスラエルは、アメリカによる極秘裏の支援が開始される以前から「イラクもイランも反イスラエルだが、より脅威なのはイラク」と言う認識から、イランを支援し、武器を密輸出していた。イランは、国際的には敗北必至と判断され、実際に戦死者はイラクをはるかに上回っていた。
 革命後のイランは「反イスラエル・反シオニズム」が国是であったが、戦争敗北の恐れから、イスラエルからの武器援助を快諾した。
 アメリカはこれに目をつけ、人質解放のために、身代金としてアメリカの武器をイランへ輸出するようにイスラエルに要請した。これによって人質の一部が解放されたが、次第にイスラエルアメリカの代理人としてイランへ武器を輸出することを渋るようになった。そのため、アメリカ政府は直接、イランに対して武器を密輸出するようになったが、これが発覚してスキャンダルになってしまった。

 まあ人質解放に当たってアメリカは「軍事作戦」なんか発動しなかったわけです。

 アフガンにしてもイラクにしても米国のやり方は結局マッチポンプのようなもの

 アフガンやイラクに軍事介入したあげく、結果としてイスラム過激派の活動を助長していますからね。

 日本との戦争にしても日本を開戦に追い込んで、勝ったのは良かったにしても(もちろん米国にとって、ですが)、気付いてみたら日本の向こうにはるかにとんでもないソ連がいて、しかも日本憎しで米国はそのソ連にも膨大な援助をしていました。

 「荒木はアホか」ですね。
 まず第一に米国は日本を戦争に追い込んではいません。当時の日本は石油の大部分を米国から輸入していました。そうした状況で「蒋介石支持」の米国が「対日石油禁輸」して日本の中国政策を「蒋介石政権打倒から容認」に変えようとするのはある意味当然の話です。
 日中戦争では「中立法発動による米国の対日軍事物資禁輸(石油に限らない)」を恐れてついに日本は中国に宣戦布告しませんでした。
 しかも「中国相手に戦争で勝利してない」状況で「日本にとって最大の石油輸入国・米国」相手に戦争するなど無謀の極みです。日独伊三国同盟があるとは言え、独伊の軍事支援など全く期待できませんし。米国の対日制裁はあくまでも「日本は対米戦争など出来ない、米国に屈服するしかない」と言う判断によってされていました。 
 しかし米国の対日制裁を「アメリカは日本を戦争に追い込んだ」と言う輩は対北朝鮮制裁や「安倍の韓国への無法」は支持するのだから呆れて二の句が継げませんね。
 第二に「日本憎し」ではなく日本やドイツに早急に勝利するためにソ連支援をしたわけです。
 大体「愚か」と言うならむしろ当時の日本でしょう。
 以前本多勝一氏が

「どうせ戦後に台湾蒋介石政権を支持するなら、戦前日本政府は、蒋介石と和平してればよかったのに。中国共産党政権をかえって誕生させるのだから戦前日本の支配層はバカだ」
「まあ、日本ウヨは逆に『戦後に自民党と手を組むくらいなら、なぜ蒋介石は戦前日本に屈服しなかった』と自分勝手なことを思ってるんでしょうけど」

と言う趣旨のことをコラムに書いていましたが俺も同感です。
 まあ、ウヨは戦前も戦後も「バカなのは戦前日本に抵抗して、結局、戦後は毛沢東に負けて台湾に逃亡したあげく、自民党の支援を要望する蒋介石だ。日本は全く間違ってない」「戦前、日本に頭を下げてこなかった蒋介石が悪い」としか思ってないでしょうね。
 一方蒋介石からすれば「台湾に亡命してから支援するくらいなら、日本は戦前に、戦争なんか仕掛けてくるな!」と思っていたでしょう。

 中国では日本が引いたことで共産党政権が成立しました。

 以前も書きましたが「日本が蒋介石相手に戦争を仕掛け、結果として、蒋介石中国共産党打倒戦争を妨害したこと」がむしろ「中国共産党を利した」わけです(日本が侵略しなければ蒋介石毛沢東を絶対に打倒できたとまでは言いませんが)。
 なんでそういう理解が荒木には出来ないのか。
 なお以前も別記事で紹介しましたが

皇軍に感謝した毛沢東?
佐々木*1
  今日、毛主席の非常に寛大なお気持のお話をうかがいました。過去において、日本軍国主義が中国を侵略し、みなさんに多大の損害をもたらしました。われわれはみな、非常に申し訳なく思っております。
主席
  何も申し訳なく思うことはありません。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらし、中国人民に権力を奪取させてくれました。みなさんの皇軍なしには、われわれが権力を奪取することは不可能だったのです。
 われわれはなぜ、日本の皇軍に感謝しなければならないのでしょうか? それは、日本の皇軍がやってきて、われわれが日本の皇軍と戦ったので、やっとまた蒋介石と合作するようになったことです。 感謝しなくてよいと思いますか。

なんてジョーク(日本の侵略のせいで蒋介石国共合作せざるを得なくなった、日本の侵略は結果的に中国共産党にとってプラスだった)を毛沢東は飛ばしてるそうです。
 まあ毛沢東のジョークは「我々、日本共産党員は安倍首相に感謝しないといけません。安倍のおかげで日本共産党立憲民主党、国民民主党社民党や市民団体との共闘が進みました。反共国家だった韓国でも、安倍を批判する日本共産党への好意的な理解が進んでいます」と志位氏がジョークを飛ばすレベルの相当にきわどい代物ですが。
 あるいは

皇軍に感謝した毛沢東?
 ただこれは、政治家としては、かなりきわどい発言、と見ることもできます。
 この言葉を、例えば「アメリカが原爆を落としてくれたおかげで日本は「本土決戦」を免れ、戦後復興することができました。われわれは、アメリカに感謝しなければなりません」というように置き換えれば、 「あやうさ」は明らかでしょう。
 もし日本の政治家なり首相なりがこのような発言を行なったら、間違いなく政治生命を断たれます。

と言うレベルのきわどい代物です。
 ちなみに

アメリカが原爆を落としてくれたおかげで日本は「本土決戦」を免れ、戦後復興することができました。われわれは、アメリカに感謝しなければなりません」

に近い発言を「長崎選出」でありながら発言して大臣(第一次安倍内閣防衛相)辞任に追い込まれたのが久間章生*2です。 
 大臣辞任後の彼は

久間章生
・2009年8月 第45回衆議院議員総選挙に出馬するも、民主党公認の新人福田衣里子に敗れ、比例復活もならず落選。
・2012年12月 第46回衆議院議員総選挙には出馬せず、翌年政界引退を正式表明。

ですからまさに「このような発言を行なったら、間違いなく政治生命を断たれます」でしょう。

【参考:久間発言

原爆投下「しょうがない」/久間防衛相が暴言
 久間章生防衛相は三十日、千葉県柏市麗澤大学で講演し、米国の広島、長崎への原子爆弾投下について「しょうがないなと思っている。米国を恨むつもりはない」と述べました。被爆国の現職閣僚が原爆投下を容認したのは、閣僚の資格にもかかわる重大問題であり、被爆者、平和団体などからいっせいに強い抗議の声が上がっています。
 久間氏は被爆地・長崎県出身で衆院長崎2区選出です。講演の中で久間氏は、当時の戦況について「(米国は)日本が負けると分かっているのに、あえて原子爆弾を広島と長崎に落とした。そこまでやったら日本も降参し、ソ連の参戦を止めることができるということだった」と説明。原爆投下が日本の無条件降伏につながり、ソ連の北海道侵略・占領を防いだという認識を示しました。
 その上で「(原爆で)本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている」と述べました。
 講演後、記者団の質問に久間氏は、「『しょうがない』という言葉が、アメリカの原爆を落とすのをしょうがなかったんだと是認したように受け取られた」などと弁解しました。
被爆者ら一斉に抗議
 広島、長崎の被爆者はじめ市民団体は強い抗議の声をあげています。
 日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳事務局長は「広島・長崎の地獄を体験した被爆者として言葉がない。無残にも命を奪われた数十万の死者のことを思うと絶対に許せない。核兵器はどんなことがあっても使用してはならないもの。現役の防衛相が核兵器を容認する発言をしたことはその資格が問われる」と話します。
 広島県原爆被害者団体協議会の金子一士理事長は「日本が憲法を改悪して、アメリカとともにたたかうときに備えて、核兵器使用は『やむを得ない』と知らせようとしているように聞こえる」といいます。
 原水爆禁止日本協議会の高草木博事務局長は「広島・長崎への原爆投下は当時、二十一万の市民の命を奪っただけでなく、いまなお二十六万にのぼる生存被爆者を心身にわたって苦しめつづけている残虐行為です。世界で唯一、惨状を経験した国の閣僚として久間氏の発言はあまりに非常識としか言いようがない」として発言の撤回を求めました。

被爆者を傷つけた/久間防衛相の原爆投下での暴言/長崎・広島から抗議
 久間章生防衛相が「『あれで戦争が終わったんだ』という頭の整理で今しょうがないなと思っている」と発言したことは、この被爆国としての決意と核兵器廃絶への願いを二重三重に踏みにじる許しがたい暴言です。
 久間発言のように「戦争を終わらせる」ためなら、原爆投下もしょうがないとするとしたら、なにか理由がありさえすれば大量破壊兵器の使用も許されるということにつながりかねません。
久間氏は、アメリカが原爆投下した理由について「ソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、原爆を広島と長崎に落とした」などとものべ、「選択としてありうる」と理解を示しました。
 アメリカ政府が当時から展開してきた正当化論「原爆を保有し、その威力を示すことによって、ヨーロッパにおいてソ連を御しやすくする」(バーンズ国務長官)などと同列です。
 しかし、どんな正当化論を出そうとも、原爆投下が許されないことは、広島、長崎の惨状がなによりも雄弁に物語っています。原爆投下時の米統合参謀本部議長で大統領首席補佐官だったレイヒ海軍大将でさえ「われわれは暗黒時代の野蛮人並みの倫理基準を選んだことになる」と、のちにのべたほどです。
■擁護の首相
 それをもっとも承知し、発信していなければならない日本の政治家が正当化論に理解を示すなどということは、絶対に許されないことであり、「陳謝」ではすまされません。
 「アメリカの考え方を紹介した」と擁護した安倍晋三首相の責任も重大です。

久間氏発言/首相、「注意」のみ
 首相としては、参院選を控え、これで幕引きを図る狙いがあるとみられますが、今回の発言は通り一遍の注意で幕引きできる問題ではありません。
 発言について両氏とも、「誤解を与える発言」だったとして片付けようとしています。しかし久間発言は、原爆投下で「戦争が終わった」のだから「しょうがない」という明確な主張をもったものであり、「誤解」の余地はありません。
 同氏の論理によれば、過去の核戦争が仕方なかったというだけでなく、将来起こりうる核戦争についても、何らかの目的を達成するものなら「しょうがない」として正当化されることになります。核兵器の使用は、どんな状況でも許されるべきではありません。
 今回の発言は、「(ボーガス注:戦争での核兵器使用という意味では)唯一の被爆*3」として核兵器廃絶の先頭に立つべき国の安全保障政策に直接の責任を負う閣僚として、あまりに無責任であり、許容しえないものです。ところが、これだけ重大な発言に対し安倍首相は当初、「米国の考え方について紹介したと承知している」(三十日)と述べ、問題視しない立場をとりました。
 日本は「核の廃絶」への「責任を果たしていかなければならない」と言うのなら、安倍首相が第一になすべきは、久間氏の罷免です。(坂口明)

*1:社会党副委員長、委員長などを歴任した佐々木更三のこと

*2:橋本内閣防衛庁長官自民党総務会長(小泉総裁時代)、第一次安倍内閣防衛相など歴任

*3:原爆実験まで含めれば「唯一ではありません」。