今日の産経ニュース(2019年10月21日分)(追記あり)

【正論】「家族の解体」ここまできている 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫 - 産経ニュース

憲法第24条は婚姻に関わる条文である。その第1項を改めて記すならば、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」である。
・日本の年間出生数は、1947(昭和22)~49(同24)年には260万人を上回っていたが、1971(同46)~74(同49)年には200万人ほどとなり、2016(平成28)年にはついに100万人を切って昨年は92万人を下回った。
少子化とは、人間という生命体の再生産の機能が日本の家族から失われつつあることを意味する。少子化が高齢化と同時に進めば、高齢者の老いを支える共同体の基盤はほどなく危うい。
 生命体を再生産する機能をもつのは家族である。この機能を代替するものは家族の外にはない。少子化とは、家族維持への指向性がこの社会から消失しつつあることを示唆する。少子化の主因が未婚と離婚率の増加にあるからだ。
・西教授は、家族が「社会の基礎的単位であること」「国および社会の保護を受けること」、この2つを柱とする家族条項を憲法に導入すべしと提唱している。

 そんな「復古主義改憲(戦前家制度の復活?)」なんか国民が望むとも思いませんね。自民党支持層ですらそんなのを希望するのはかなりの極右でしょう。
 そもそも「24条を改憲すれば少子化の歯止めになる」と思うこと自体も非常識です。
 既に多くの人間が指摘していますが
1)少子化自体は近代化するとほとんどの国で発生する事象(欧米しかり中国、韓国しかり)
2)しかしフランスなどは少子化の進行が比較的緩やか(昔のレベルまでには回復してはいないが持ち直してる)でその理由としては「子育て支援少子化の一因としては子育ての負担が挙げられる)」「(子育て支援にも関係がありますが)シングルマザーに対する社会の寛大な態度」「移民の存在(移民は発展途上国から来ることが多く、発展途上国だと多産傾向が強い)」などがあげられてる
つうことぐらい知っていてほしいもんです(知った上で故意にネグってる可能性もありますが)。
 「少子化克服のためにやれ」とは言いませんがまだ「24条改正」なんて寝言より「移民本格導入」のほうが少子化の歯止めになるでしょう。
 それにしてもこんな非常識なことを言えば「彼らウヨにとって改憲の最大の目標」であるはずの九条改憲に支障を来すだけでしょうに「バカに付ける薬はない」というか何というか。
 まあ「(九条改憲に逆効果と)わかっちゃいるけどやめられない」、つまり「そういう国家主義的なウヨ放言(憲法24条は「未婚でも離婚でも個人の自由*1」という間違った個人主義を蔓延させた、24条を改定すれば離婚と未婚が減り少子化の歯止めになる)をしたくてたまらない」のが産経文化人のわけですが。それどころか、「他の改憲右派はともかく」下手したら西や渡辺は「9条より24条を改定したい」とすらいうかもしれない。
 まあ「キチガイ」「常軌を逸してる」としか言いようがないですね。


【台風19号】日本女性会議を中止に 台風被害の栃木県佐野市 - 産経ニュース
【台風19号】佐野市、日本女性会議を中止 市長「市内の被害を考慮」|地域の話題,社会,県内主要|下野新聞「SOON」ニュース|台風19号|下野新聞 SOON(スーン)

【台風19号】日本女性会議を中止に 台風被害の栃木県佐野市 - 産経ニュース
・台風19号で甚大な被害を受けた栃木県佐野市は、同市浅沼町の市文化会館などで25~27日に開催を予定していた「日本女性会議2019さの」の中止を決めた。同市では市内を流れる秋山川が氾濫して幅広い地域が浸水被害に遭い、復旧作業が続いている。
・36回目となる佐野市での開催は平成28年に決定。
・岡部正英市長は「甚大な被害の中、大会開催は困難と判断し、苦渋の決断となった。全国の参加者、大会開催に尽力くださった皆さまに心からおわび申し上げる」としている。

【台風19号】佐野市、日本女性会議を中止 市長「市内の被害を考慮」|地域の話題,社会,県内主要|下野新聞「SOON」ニュース|台風19号|下野新聞 SOON(スーン)
佐野市は15日、台風19号の被害を考慮し、25~27日に市内で予定していた「日本女性会議2019さの」の開催を中止することを決めた。
 同日夜、市役所であった同会議実行委員と運営委員の合同会議で、大会長の岡部正英(おかべまさひで)市長が「市内の状況を考えると中止せざるを得ない。3年かけ準備を進めてきて非常に残念だが、次回を目指したい」と提案した。参加者も了承したという。

 つまり約3年前から準備してたものがあの台風でぽしゃったわけで、台風のすさまじさを改めて実感します。まあ、台風が直撃した佐野市じゃなくて、北海道や東北なら開催できたかもしれませんが、間が悪い話です。もちろん関東においてはこの種の悲劇は他にもいろいろとあるでしょう。わが埼玉県も川越、坂戸、東松山などは相当の被害のようです。

【参考:佐野市の台風被害】

防災相「財政不安なく対策を」 茨城・栃木を視察 :日本経済新聞
武田良太*2防災相は21日、台風19号の被害を受けた茨城県大子町と栃木県栃木市、同県佐野市を視察した。
・大川秀子*3栃木市長と岡部正英*4佐野市長からは、激甚災害への早期指定や河川・道路などの復旧への早期着手、JR両毛線の復旧に向けた支援などが要望された。

東京新聞:新酒仕込みどうすれば 栃木・佐野 老舗蔵元に押し寄せた泥水:社会(TOKYO Web)
 台風19号による濁流は各地の酒蔵も直撃した。栃木県佐野市では、創業三百四十六年になる県内最古の老舗蔵元「第一酒造」が浸水被害を受けた。ちょうど酒づくりの仕込みが本格化する時期。社長の島田嘉紀(よしのり)さん(53)は「こんな事態は初めて。仕込みの遅れは避けられない」と硬い表情。配線が水に漬かり、固定電話やファクスがつながらない状態で、不安な日々が続いている。 

【台風19号】ふるさと納税相次ぐ 栃木県佐野市 - 産経ニュース
 台風19号で甚大な被害を受けた栃木県佐野市ふるさと納税を通じた寄付が相次ぎ、既に500万円超の支援金が集まっている。市は善意を生かそうと、年度内に災害支援事業として活用する考えだ。
 同市が利用する納税サイト「さとふる」では台風19号被害を受け、「ふるさと納税で支援しよう」と特設ページを開設。返礼品を希望しない場合、全額が市に寄付され、同運営会社側も市から手数料を徴収しない仕組み。
 16日までの寄付総額は500万円を超えた。ちなみに平成30年度の佐野市の寄付総額は2400万円。
 市政策調整課は「大変ありがたい。まさかこれだけ多くの寄付が集まるとは思っていなかった」と話す。通常、寄付金は翌年度の事業に活用されるが、今回は緊急措置として年度内に活用するという。
 同市では台風19号の影響で、市内を流れる秋山川が氾濫し、赤坂、大橋両町中心に家屋の浸水が相次ぎ、復旧作業が進められている。

【追記】
【台風19号】江戸情緒伝えるイベント中止に 河川が氾濫 水運で栄えた栃木県栃木市 - 産経ニュース

・栃木県栃木市で開かれる江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿にちなんだイベント「第9回歌麿まつり」の目玉の一つで、11月2日に予定されていた「歌麿道中」が、台風19号によって会場になる巴波(うずま)川が氾濫したため中止することが決まった。
・10月26日~11月4日の歌麿まつりは規模を縮小して開催する。

 今回の台風は栃木に甚大な被害をもたらしたようです。


北の石炭密輸船、日本に寄港100回以上 国連制裁逃れか - 産経ニュース
北朝鮮密輸船 寄港百回超、日本各地に 韓国は禁止、国連制裁逃れに利用の恐れ - 毎日新聞
 真偽は不明です。しかし事実ならば完全に落ち度でしょうが、まあ安倍は何もしないでしょう。安倍にとって北朝鮮問題は「自分の右翼性をアピールするネタ」でしかなく真面目に何かを考えてるわけではないからです。
 「日本政府の制裁システムに抜け穴があるかもしれない」なんて自らの恥に当たることを直視する気にはならないでしょう。
 何せ下手にこの問題に突っ込んだら「そんな日本が良く我が国をホワイト国除外なんか出来る」「日本の方こそそうしたペナルティを受けるべきでは?(韓国の批判)」と言うことで藪蛇になりかねない。
 そしてそんな安倍について、救う会も家族会もろくに批判しないでしょう。

【追記】
北朝鮮船籍の日本寄港を把握 官房長官 :日本経済新聞

 菅義偉官房長官は21日の記者会見で、北朝鮮産の石炭輸入に関与した疑いで、韓国政府が入港を禁止した北朝鮮の密輸船が日本の港に入港していることを把握していると認めた。関係省庁が連携して立ち入り検査などを実施していると明らかにし「これまでに北朝鮮産の石炭の運搬や国内法に違反する事実は確認されていない」と述べた。

 やれやれですね。「韓国政府が寄港を禁止した北朝鮮船舶」が「日本に入港」なんてホワイト国除外の正当性(勿論最初から徴用工判決への無法な報復であることはモロバレでしたが)が崩壊する話でしょうに。よくもまあ「法令に違反する事実はなかった」で済ませられるもんです。


【産経抄】10月21日 - 産経ニュース

「オランダは小さな国に不相応なほどに多くの絵画の巨匠たち*5を出した」。
 司馬遼太郎さんの『オランダ紀行*6』の一節である。司馬さんは、その一人であるフィンセント・ファン・ゴッホについて、多くのページを費やした。
 ▼恥ずかしながらこの本を読むまで、ゴッホをフランス人だと信じていた。

 なぜそうした誤解を産経がしていたかと言えば
1)ゴッホの活動場所がもっぱらフランスだから
2)ゴッホが属するとされる「ポスト印象派」の代表的な画家であるゴーギャンセザンヌはフランス人だから(ゴッホは一時ゴーギャンとフランスで共同生活をしていた)
です(ウィキペディアゴッホ」参照)(追記:ただしコメント欄で指摘があるように新聞記者としてはあまりにもお粗末なので、話を面白おかしくするために故意に嘘をついてる可能性もあるでしょうね)。

 ゴッホをモチーフにした作品もある作家の原田マハさん*7は、日本美術のDNAを受け継いだゴッホゴッホが大好きな日本人は、「相思相愛」だと指摘する(『ゴッホのあしあと*8』)。

 ただし、「浮世絵に何らかの影響を受けた」と評価されるのはポスト印象派の画家は皆そうですからね。その中で「ゴーギャンセザンヌ」に比べてゴッホが人気がある理由は興味深いところです。


「女系天皇」を危惧 「王朝変わってしまう」自民有志提言 - 産経ニュース
 何でそういう非常識なことを言い出すのかさっぱり分かりませんが、もはや常識の通用しない相手として無視するほかない気がします。


旧宮家男子の皇族復帰を可能に 自民有志の提言案 - 産経ニュース
 なんでこう現実性の低い案にこだわって女帝を否定するのか、全く意味不明ですね。元皇族なんて「今の天皇家から遠い親戚」なので、敬愛の念など国民にあまりないでしょうし、「臣籍降下してから大分時間も経っている」。その期間内に何か不祥事をやらかしてないという保証もないわけで、皇族復帰後に不祥事なんか炸裂したらかえって皇室のイメージが破壊されるでしょうに。


【主張】北大教授拘束 政府は早期解放を求めよ - 産経ニュース
 さすがに水面下では交渉してるでしょうね。

 準公務員である国立大学の教員の拘束が確認されたのは初めてだ。

 「準公務員」とやらに産経がこだわるのが意味不明です。
 「国立大学教員であるが故に拘束された」のでなければ「私立大学教員の拘束」と何ら変わりません。こうした物言いは「私立大学を馬鹿にしてる」と理解されても文句は言えないでしょう。

 22日には、天皇陛下即位の礼王岐山*9国家副主席が出席し、来年春には、習*10国家主席国賓として招く予定だ。日中要人の往来が活発化する中、政財界では日中関係の好転が語られている。
 だが、日本人の不当な長期拘束や投獄に目をつむったままでの関係改善などあり得ない。

 それとこれとは話が別ですね。

*1:好きで未婚や離婚という人はまずいないでしょうにねえ。よくもこんなふざけたことが言えたもんです。恋人や結婚相手との相性などがあわなければ「未婚」「離婚」せざるを得ないつう話です。「人間の結婚」は「動物の交配」とは違うわけですから。

*2:福田、麻生内閣防衛大臣政務官、第二次安倍内閣防衛副大臣などを経て第四次安倍内閣防災相(国家公安委員長兼務)

*3:栃木市議を経て栃木市

*4:佐野市議、栃木県議を経て佐野市

*5:ゴッホ(1853~1890年)以外で、「芸術音痴の俺でも知ってる人間」では「フェルメール(1632~1675年)」「レンブラント(1606~1669年)」がいます(ウィキペディア「オランダの画家」参照)

*6:街道をゆく週刊朝日に連載)」シリーズの一つ。朝日学芸文庫から刊行

*7:ペンネームはフランシスコ・ゴヤの「着衣のマハ」「裸のマハ」に由来する。『楽園のカンヴァス』(2014年、新潮文庫)、『モネのあしあと:私の印象派鑑賞術』(2016年、幻冬舎新書)、『いちまいの絵:生きているうちに見るべき名画』(2017年、集英社新書)『暗幕のゲルニカ』(2018年、新潮文庫)など美術を題材にした作品も多い(ウィキペディア原田マハ」参照)

*8:2018年、幻冬舎新書

*9:海南省党委員会書記、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*10:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席