今日の中国ニュース(2019年10月24日分)(追記あり)

毛沢東思想の光と影 集団所有制の村発展|【西日本新聞ニュース】河南省南街村・川原田健雄)

 中国河南省省都鄭州市の約100キロ南にある南街村。資本主義的な格差が当たり前になった中国で、今も毛沢東時代の「集団所有制」を実践する村だ。村民は住居から家具や家電、日用品まで支給され、電気や水道も無料。大学進学までの教育費も村が負担*1する。
「もし大学受験に失敗しても予備校の費用は村が払ってくれる。本当にうらやましい」。
 近隣から出稼ぎに来ているという観光案内の30代女性がこぼした。
 人口約3700人の村の財政を支えるのは、年商約20億元(約300億円)の村営企業だ。即席麺やビール、製薬など約30の村営工場では8千人に上る村外からの出稼ぎ労働者が働く。
 80年代前半、日本の技術を導入して始めた即席麺工場が成功。次々と村営工場ができ、村の経済は急発展した。

 毛沢東云々と「即席麺(インスタントラーメン)やビール、製薬など約30の村営工場の金儲け」がどう両立するのか謎ですが、当然ながら「村営工場の金儲け」はそれこそ「トウ小平流の改革開放(毛沢東主義の事実上の否定)」そのものです。
 まあ、この村における「毛沢東主義」とは「儲けた金を皆で分配しよう」「独り占めしてはならない」、その程度の物に過ぎないんじゃないですかね。そこで「欧米的社民主義」にならない辺りが「中国的」なのかもしれません。
 いずれにせよ、この村は「毛沢東思想の光でも影でもない」でしょうねえ。どう見てもこの村は「毛沢東思想」ではないからです。

 楊海英静岡大教授は(中略)「(中略)中国の少数民族地域では今も文革が終わっていない」と訴える。

 何でもかんでも文革呼ばわりすることはかえって中国の現実を見えなくするだけでしょう。

【追記】
 後で気づきましたが、この村については以前今日のMSN産経ニュース(12/24分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで触れていました。

*1:そうした「村の負担」が「村に利益をもたらしてる」のであればもちろん何ら非難されることではありません。