今日の中国ニュース(2021年7月29日分)(副題:楊海英のアホさに呆れる)(追記あり)

【追記】
 楊海英静岡大学教授も、完全にトンデモの域だと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事を紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
◆楊海英のツイッター

https://twitter.com/Hongnumongol99/status/1421268311996698628
楊海英
 左は文化大革命期に毛沢東語録を手にして踊る日本人の「はぐるま座*1」。右は習近平語録を学ぶアラブ共産主義者*2。もう少しで、今の日本人も習近平語録を手にして踊り出す*3かもしれない。ウイグル人ジェノサイドとモンゴル人*4弾圧*5を無視する人々*6が。

 「文革時代の毛沢東語録宣伝ならともかく、今日本国内のどこで中国関係者(大使館職員など)が習近平語録の宣伝なんかやってるんだよ(呆)」ですね。
 そもそも「文革時代の毛沢東語録」が「聖書やコーラン」「共産主義者にとっての資本論」のような「神聖な扱い」だったのに対し「習近平語録」なんてせいぜい『田中角栄首相の日本列島改造論』のような扱い(重要著作とは言え、神聖不可侵なんて扱いではない)でしょうに。
 なお、はぐるま座については劇団はぐるま座 - Wikipediaを紹介しておきます。文革時代の「毛沢東路線支持」をどう総括しているのか、よくわかりませんが、いずれにせよ、さすがに「毛沢東路線支持」はやめたことはうかがえます。

【参考:福田正義とはぐるま座

毛沢東盲従集団―福田一派の虚像と実像』[日本共産党中央委員会出版局発行(1972/03/25)]
4.福田正義という男
 時は昨年の九月二十日夜、ところは北京の迎賓館。福田正義は日本の反党盲従集団の代表団長として周恩来らと会見、「日本の真の革命政党の代表」「不屈の革命戦士」などともちあげられ、「わが生涯の最良の日」とばかり得意満面でした。
 福田正義。一九一一年(明治四十四年)一月一日、山口県下関市の商人の家の生まれ、六十一歳。一九六六年九月、日本共産党山口県委員会常任委員だったかれは、中国の干渉者たちのさし図にしたがって公然と反党活動を開始し、祖国の人民と党を売った最悪の裏切り者として日本共産党を追放されました。その後、党転覆の策動をつづけ、一九六九年には「日本共産党(左派)*7」などという荒唐無けいで許すことのできない看板をかかげ、その「中央委員会議長」の座におさまっています。ここには、外国*8に魂を売って、五十年の日本の革命的伝統*9を裏切り、その転覆をはかる反党分子の醜い顔があります。

6.盲従劇団
 劇団「はぐるま座」。
 この山口市の一小劇団が、こんど、一九六七年についで二度目の訪中公演をしました。
 一月十五日夜の北京・首都劇場の初日には、周恩来(首相)、朱徳*10(人民代表大会常務委員会委員長、政治局委員)、李先念*11(副総理、政治局委員)、李徳生*12(政冶局委員候補)、姫鵬飛*13(外相)らの最高幹部がずらり顔をみせ、公演のあと出演者一人ひとりと握手し、花かごまで贈り、テレビでも中継するほどのもてなしぶり。
 地方公演でも、かならず現地の革命委員会が宴会をひらき、「人民日報」も連日のように「はぐるま座」の動向を報道したり、レパートリーの紹介や劇評をのせたりしています。一月二十六日付では四面のほぼ全面を「はぐるま座歓迎」の特集記事でうめたほどです。
 いったい、中国側が、なぜこんなにも一小劇団に大騒ぎするのでしょうか?
 中国側がこのような破格のもてなしをして激励するのは、この劇団が「毛沢東思想宣伝隊」と名のる福田一派の「盲従劇団」にほかならないからです。
 この盲従劇団は、前回『野火』という劇をもって訪中したときは、中国人といっしょになって北京空港で、日本共産党の中央委員会代表*14と「赤旗」特派員*15に集団リンチをくわえるという、恥しらずな暴挙*16をおこないました。さらに、芝居そのものも、中国側から「とっくりと批判され」(同年十一月三十日、帰国直後の記者会見)て、芝居の筋もむちゃくちゃに改作してしまいました。
 この芝居は、明治十七年の農民一揆秩父事件)を題材にしたものなのに、タイトルに「造反有理」「偉大な毛沢東思想の勝利万歳」のスローガンがかかげられ、幕間には毛語録が朗読され、フィナーレでは秩父事件当時まだ生まれてもいなかった毛沢東の後光のさした肖像がでてくるというありさま。およそ国籍不明、歴史超越の珍妙な劇となってしまったのです。

【参考終わり】

https://twitter.com/Hongnumongol99/status/1421270864515846144
楊海英
 毛沢東語録は50億も翻訳された。習近平語録は何冊かな。左は毛沢東語録を「読む」アルジェリア人。右はどこの石油王?。こうして、中国は世界に革命思想を輸出してきた。

 吹き出しました。「アフガンゲリラへの米国の支援」「タリバンへのパキスタンの支援」のような話ならまだしも、たかが「毛沢東語録の刊行」が革命輸出だそうです(呆)。まあ楊の持ち出した写真の出所や写真の「5W1H(いつ、どこ、誰など)」が全く解らないのも「何だかなあ?」ですが。
 なるほど、ということは

◆『毛沢東語録』(1995年、平凡社ライブラリー)
◆『抗日遊撃戦争論』(2014年、中公文庫)

などといった「毛沢東の著書を刊行している日本の出版社(中央公論新社平凡社)」は中国の「革命輸出」に加担する「売国奴」なのでしょう(もちろん皮肉)。
 ちなみに平凡社からは『モンゴル草原の文人たち』(2005年)、中公新書からは『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年)、中公文庫からは『モンゴル騎兵の現代史』(2020年)という「楊の著書」が刊行されています(楊海英 - Wikipedia参照)。
 大体「本を読む=本の内容全面支持」じゃ「必ずしもない」でしょうに。また「毛沢東の著書」のような「ある種の古典」は「刊行」も「本の内容全面支持」では「必ずしもない」わけです。
 たとえば「わかりやすい例」だと

ヒトラー『わが闘争』(1973年、角川文庫)

はまさか「ナチズムの宣伝」ではないでしょう。
 しかも「文革時代」ならまだしも今「改革開放の中国」は毛沢東思想なんか指導理念にしてないでしょうに(建国の父・毛を糞味噌に罵倒するわけに行かずそのあたり曖昧にごまかしてはいますが)。


台湾民主化の父、李登輝元総統死去1年 福岡で偲ぶ会 - 産経ニュース
 おそらくは日本李登輝友の会 │ 新しい日台交流にあなたの力を!のような極右の集まりでしょう。
 もちろん「民主化ガー」とは口から出任せであり、例えば、この種の極右連中が「朴正熙独裁と戦った金大中氏」等を評価するかと言ったら評価しないでしょうし。
 それにしても「総統退任後、日本ウヨとズブズブの関係になった李登輝の自業自得」とはいえ「元台湾総統」が「日本ウヨの政治的道具」として扱われてるのは実に哀れです。


【正論モーニング】ある中国共産党文化人の対日工作 「南京」反日宣伝と日中〝友好〟と - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが、「おいおい」ですね。
 思わせぶりな書きぶりの産経ですが、おそらく、日中友好での郭沫若 - Wikipediaの行為に「法律や道徳に反する行為」などないでしょう。また、彼は「1978年死去」であり、既に40年以上前の人物です。そんな人間を今あげつらう事に何の意味があるのか。少なくとも今の日中関係や「中国の対日外交」を評価するにおいては関係ない話でしょう。
 なお、郭沫若がなくなった1978年には日中平和友好条約が締結されました。

*1:劇団幹部福田正義(1911~2001年、日本共産党(左派)議長、『長周新聞』主幹など歴任)が「日本共産党・中国派(文革当時)」なんてマイナー団体を持ち出して「中国の脅威ガー」て楊は正気なんでしょうか?

*2:そもそも出典が不明なので楊が「アラブ共産主義」呼ばわりする根拠が「習近平語録だから」程度の根拠でしかないのか、もっとまともな根拠があるのかも不明です。

*3:言うまでもありませんが文革期中国だって「毛沢東語録を手にして踊る人間」なんかどれほどいたことやら。

*4:もちろん外モンゴルではなく内モンゴル

*5:『ジェノサイドの定義、何?』『ジェノサイドと弾圧と書き分ける理由、何?』となるのでそのあたりを楊がきちんと説明する気がないならどちらも「弾圧」と書いた方が無難かと思います。

*6:具体的に誰のことなのか?

*7:日本共産党(左派) - Wikipediaによれば「現在も本池涼子氏(元長周新聞記者)を下関市議に送り出している」ものの、「党として山口県議を送り出すなど」それ以上の目立った活動はないとみられる。

*8:勿論中国のこと

*9:日本共産党の結党(1922年)から50年がたったという意味

*10:1886~1976年。中国人民解放軍総司令官、国家副主席、全国人民代表大会常務委員長など歴任(朱徳 - Wikipedia参照)

*11:1909~1992年。湖北省党委員会書記、武漢市党委員会書記、副首相(財政相兼務)、党副主席、国家主席全国政治協商会議主席などを歴任(李先念 - Wikipedia参照)

*12:1916~2011年。北京軍区司令官、瀋陽軍区司令官、党副主席など歴任(李徳生 - Wikipedia参照)

*13:1910~2000年。外務副大臣、外相、副首相、全国人民代表大会常務副委員長など歴任(姫鵬飛 - Wikipedia参照)

*14:砂間一良 - Wikipedia氏のこと

*15:紺野純一氏のこと

*16:いわゆる北京空港事件 - Wikipediaのこと。