今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年1月19日分)

“南北協力への不当な介入”/駐南米国大使発言に批判 | 朝鮮新報

・米国のハリス駐南大使が南北交流・協力事業について「韓米ワーキンググループ」の承認が必要という趣旨の発言を行ったことに対して、政界、市民社会から反発が起こっている。
・6.15共同宣言実践南側委員会や民族和解協力汎国民協議会(民和協)、開城工団企業非常対策委員会など1千余団体からなる開城工団・金剛山観光再開汎国民運動本部は17日、声明を発表し、「現在、全世界の多くの国で北側観光を行う中、韓国だけに限定し、米国と協議しなければならないというのは、主権を露骨に否定する行為である」とし、「韓国は米国の従属国家ではない」と主張した。また、「朝鮮半島の平和と南北協力のさまざまな法案を模索し、推進することは主権国家であり、朝鮮半島当事者としての固有な権限である」とし、「米国政府は南北関係への不当な介入と干渉を中断すべきだと主張した。
・共に民主党のソル・フン最高委員は、「内政干渉とも取れる発言」に対して「遺憾の意を表明」。同党のソン・ヨンギル北東アジア平和協力特別委員長は、「文化放送」(MBC)に出演し、「(駐韓米国)大使は朝鮮総督のつもりなのか」と不快感をあらわにした。

 ということでハリス氏への批判のメインは「ひげ」ではなく「内政干渉行為」のわけです。こうした米国の内政干渉行為と「それに対する北朝鮮の反発」は文在寅大統領の年頭記者会見:南北関係|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページで浅井基文先生も指摘したところですが。


東京新聞:駐韓日系米大使 批判高まる 口ひげ「朝鮮総督連想」:国際(TOKYO Web)
 小生がハリス氏の立場なら「ひげぐらいいくらでも剃りますよ」といってすぐに剃り落としますけどねえ。ハリス批判派はひげだけで反発してるわけではありませんが、「反発の種」は少なければ少ないほどいいことは確かですので。彼の職業において「口ひげが必要」なわけでもないですしね。


北朝鮮の拉致「丁寧に捜査、全容解明目指す」 警察庁の松本光弘新長官が就任会見で抱負 - 産経ニュース

 「丁寧に捜査を行い、被害者やご家族のお気持ちを十分に受け止め、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現、全容解明を目指す」と、方針を示した。

 冷静に考えればもはや「警察の捜査による拉致事件の全容解明」など不可能と言っていいでしょう。「帰国の実現」と言うのも意味不明です。それは外務省が北朝鮮との外交交渉で実現することであって、警察が犯罪捜査で実現することではない。
 にもかかわらず、こういうことを「(政治家の圧力で?)言わされてるのか」と思うと唖然とします。


文在寅大統領の年頭記者会見:南北関係|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

・「メアリ」の韓国政府に対する批判の内容は、私が文在寅大統領の上記発言に接したときに、「朝鮮はこのように受け止めるのではないだろうか」と予想したとおりのものでした。
・両首脳が合意したケソン工業団地の再開、金剛山観光事業の推進、南北鉄道・道路連結について、文在寅大統領がアメリカ・トランプ政権の顔色を窺って約束を履行しなかったために、金正恩委員長は文在寅大統領に対する不信感を強めたことは間違いないと思います。
 特にケソン工業団地の閉鎖は朴槿恵政権が独自に行ったものであり、国連安保理制裁決議の履行としてではありません。また、金剛山観光事業が中断されたのも安保理制裁決議とは関係ありません。アメリカの横やりが入ってもそれを払いのけるべきだ、というのが金正恩委員長の言わんとするところでしょう。
 今回、文在寅大統領が南北関係を推進すると言うとき、私はまず、文在寅大統領としては以上の点についてハッキリ釈明すること(仮に公ではなくても、最小限私信を送ること)が、金正恩委員長の「(文在寅大統領に対する)失われた信頼」を回復するために必要な第一歩だと思います。また、南北関係推進の具体的事業として、制裁決議に引っかからないものとして「"離散家族故郷訪問"と"個別観光"の結合案」を出したというのも、私からすればますます「いただけない」という印象です。ケソンと金剛山に取り組む姿勢を示すことこそが文在寅大統領の「本気度」を示すカギであるのに、「"離散家族故郷訪問"と"個別観光"の結合案」というのではあまりにも腰が引けていると思います。
 私は、以上の判断が「間違いに終わる」ことを願います。しかし、今の時点ではこういう判断を示さざるを得ません。今後の朝鮮側の公式反応が出るのを待って、改めて私の以上の判断について検証したいと思います。

 浅井先生の指摘には全く同感ですので紹介しておきます。