今日の産経ニュース(2020年2月9日分)

新型肺炎の恐怖で逆風の北 拉致解決へ政府は局面見極め大胆に動け (1/2ページ) - 産経ニュース
 やれやれですね。新型コロナでは「北朝鮮ガー」以前に日本観光業が「中国人観光客激減」ダメージを受けているし、今、日本人同胞が「横浜港の豪華客船で足止め状態になって苦しんでる」のですが、そんなことは産経や巣くう会といったウヨにとってはどうでもいいようです。
 そもそも「新型コロナ」で「北朝鮮が中国人観光客の入国をやめてる」からといって、「北朝鮮崩壊」と言う話ではない。
 そもそもいずれ新型コロナは終息するでしょうし、そうなれば中国人観光客は北朝鮮に戻ってくるでしょう。新型コロナのダメージは一時的なものでしかない。
 というと産経などは「新型コロナの影響が続くことを望む」といい出しかねませんが、そうなったら「日本観光業にもダメージ」です。
 「日本にはダメージはないが、北朝鮮にはダメージがある新型コロナ」なんて都合のいいもんはない。

 「雑草を食べても核開発計画を止めない」とロシアのプーチン大統領が指摘したように、しぶとい。

 このプーチン発言を『ただの事実認識』と見るお人好しは普通いないでしょう。
 プーチン政権は北朝鮮を明らかに支援している。つまりは「雑草」云々とは「だから制裁路線などやめるべきだ」という思惑がプーチンにあるわけです。
 そう言う状況下で「北朝鮮制裁」に効果なんかあるのか。どうみてもないでしょう。


「お互いが抱き合えてこそ解決」 “タイムリミット”意識の拉致被害者家族、政府に一層の奮起促す(1/2ページ) - 産経ニュース
 当たり前ですが「即時一括帰国」が可能ならそうすべきでしょう。
 誰も「即時一括帰国が簡単に可能」なら「段階的帰国も可」なんていわない。
 これは何だって同じです。沖縄県知事選だって「元自民党の翁長なんか立てたくない」「左派から立てたい」「当選しても、翁長は結局裏切るんじゃないか」という声は沖縄の左派(社民、共産、沖縄社会大衆党)からはあった。しかし「勝つ可能性」を考え「当選後、翁長が裏切らないよう厳しく監視しよう」ということで翁長擁立に踏み切ったわけです。
 失礼ながら「翁長氏に代わる候補」が左派にいれば共産党だって「元自民党の翁長氏」なんか立てたくはなかったでしょう。しかし「現実を考えて」翁長擁立に踏み切った。
 それは幸いにも翁長氏が裏切らなかったことで成功だったと言えるでしょう(ただし翁長氏が裏切らなかった理由の一つは「『政府方針は一切変更しない、沖縄県は政府方針を丸呑みしろ』という無茶苦茶な態度を安倍がとったため、翁長氏に妥協の余地がなくなったこと*1」であり、「橋本首相、小渕首相などある程度まともな首相なら、翁長氏が共産党などを裏切り妥協した可能性がないとは言えない」という意味では「翁長氏が裏切らなかったこと」は手放しで喜べない面がありますが)。
 北朝鮮拉致だって同じです。
 「翁長は裏切る可能性があるから他の奴がいい」といった場合、「自民が県知事選に勝利」し、結果として安倍自民を利した、つまり「沖縄基地問題が政府にとって有利になった(そして沖縄の基地反対運動にとって不利になった)」可能性があるのと同様、北朝鮮拉致だって「段階的帰国では帰れない人間が出る可能性がある」などといってメリットがあるのか。むしろ「帰れない人間が出る」どころか、今のままでは「一人も帰れない」でしょう。
 「一人も帰れないゼロ」と「たった一人でも帰ってくること」とどっちがマシか。それを考えたら「段階的帰国」こそが正道でしょう。
 「ふと気づいた」のですが、結局家族会がこうなるのは「巣くう会や安倍へのしがらみ、精神的依存」もあるでしょうが、帰国拉致被害者である「蓮池一家、地村一家、曽我一家(あるいは彼らの親族)」が必ずしも巣くう会、家族会運動に好意的でないことが大きいのではないか。
 まあ、「蓮池一家、地村一家、曽我一家(あるいは彼らの親族)」が帰国後、巣くう会や家族会に一定の感謝をしながらも彼らから離れるのはある意味当然でしょう。
 「帰国拉致被害者とその家族(あるいは彼らの親族)」にとっては「北朝鮮に残ってる人間の帰国」なんぞよりも「日本から長く離れて、浦島太郎状態になった帰国拉致被害者とその家族」が日本に適応していくことの方がよほど重要です。しかも巣くう会、家族会は「後に蓮池透氏が批判したように」、拉致の解決ではなく、反北朝鮮や九条改憲といった右翼的目的のために拉致を利用しているようにしか見えない。
 ところがそうした「帰国拉致被害者とその家族」の態度から「今は仲良しこよしだが一人でも帰国したらそいつは蓮池一家などのように家族会から離れてしまうかもしれない」「蓮池透氏にいたって俺たちを裏切って非難すら始めた」という疑心暗鬼に駆られた。ええ、俺は人間が「純真素朴ではなく、人並み程度にはゆがんでる*2」ので家族会についてもそう言う悪意の目で見てます。そもそも、そう言う「悪意の目」で見なければ「横田夫妻が孫と会うことを家族会が妨害したこと」も「横田夫妻が家族会を無視して孫と会っても何一つ横田夫妻批判しないこと」も理解が出来ないでしょう。
 家族会にとって大事なことは「拉致が解決すること」でも「横田夫妻が孫と会うこと」でもなく「横田夫妻が家族会から離脱しないこと」「離脱者が家族会から出ないこと」なんでしょう(ただし裏切り者と認定した蓮池透氏は家族会から除名する)。
 その結果が「そう言う離脱者を出さないためにも即時一括帰国しかないんだ」「帰国した拉致被害者の家族はいつ蓮池透のように裏切るか分からない」というふざけた話なのでしょう。
 「即時一括帰国なら俺だけが不幸になることはない。段階的帰国なら『俺の家族だけが帰国せず』、俺だけが不幸になるかもしれない。段階的帰国なら、また蓮池透のような裏切り者がでるかもしれない。そんなのは嫌だ!」ということでしょう。
 もちろん「段階的帰国」なら「自分の家族が帰国して」、「自分が幸せになる可能性」もあるわけですが「自分が不幸になる可能性があってもいい、とにかく自分だけが不幸になるのだけは嫌だ。だから即時一括帰国なんだ」という話なのでしょう。
 なんだかんだいって家族会には「拉致被害者家族相互の真の人間的信頼関係」などないのでしょう。「真の人間的信頼関係などないこと」を彼らもおそらく自覚している。
 だからこそ「組織の崩壊を避けるため」として「蓮池透除名」などという暴挙も平然とやった。その結果、「世間から見すてられて」、『もう俺たちには信用できるのは家族会仲間しか居ないんだ』とさらに世間無視に走って行った。しかしそれでも内心では「真の人間的信頼関係など家族間にないこと」を自覚している。

・失業者仲間から就職者が出たとき(しかし失業者である自分は就職できないとき)
・大学受験浪人仲間(同じ予備校に通う仲間)から合格者が出たとき(しかし自分は合格できないとき)
・婚活仲間(同じ合コンや婚活パーティーに参加している仲間)から結婚者が出たとき(しかし自分は結婚できないとき)

などで心から「おめでとう」といえない人間、「俺はあいつに見すてられた、裏切られた」「あいつは自分だけ幸せになればいいのか?」と逆恨み(?)する人間も当然中にいますが、それが「即時一括帰国」にこだわる家族会でしょう。
 俺のあげた例で言えば「お前だけ就職(あるいは進学、結婚)するのか!。俺を見すてるのか!」と因縁付ける馬鹿の集まりが家族会です。
 「お前が就職(あるいは進学、結婚)するまで、俺に就職(あるいは進学、結婚)するな、つうのか?」「俺が何でお前の犠牲にならないといけない?」と困惑するような馬鹿なことを家族会は言っている。
 にも関わらず「我々家族会は信頼関係で結ばれてる」と強弁する。ここまで、見ていて胸くその悪い醜悪な風景もあまりないと思います。


「即時一括帰国は絶対に譲れない」 拉致被害の家族会らが新運動方針を決定 - 産経ニュース

 即時一括帰国の方針に疑問を呈したり被害者の一部を帰国させる「部分的解決」案を呼びかけたりする主張も国内にあると指摘。一方で、厳しい制裁が北朝鮮を確実に追い詰め、拉致解決のチャンスは高まっているとし、「即時一括帰国こそが絶対に譲れない私たちの要求であり、その実現のためにこれからも戦い続ける」と訴えた。

 家族会はどこまでバカなのかと心底呆れます。
 「北朝鮮の崩壊を望まない」「北朝鮮の存在を緩衝国として利用している」「冷戦時代から強いつながりがある」中露が北朝鮮支援していることは明白なのにどこが「制裁が北朝鮮を追い詰めてる」のか。
 そもそも「中露の北朝鮮支援」を考えたら「制裁で追い詰める」というなら「中露の支援を断ち切る必要がある」(俺個人はそんなことは出来ないと思いますが)。
 従って「北朝鮮支援を断ち切ったら、中露にこういうお土産を日本からあげます」というアメであれ、「北朝鮮支援を続けてるならこういう制裁措置を日本から中露に加える」というムチでアレ、とにかく中露に支援をやめさせる必要がありますが、「こういう手段で中露の支援をやめさせる」と述べることができずに「中露の北朝鮮支援」から目を塞いでるのが巣くう会、家族会ですから心底呆れます。
 せいぜい「中露の北朝鮮支援」を理由に「安倍訪ロなんかやめろ」「習近平国賓訪日などやめろ」と中露や「巣くう会ほど反中露ではない安倍政権」に悪口する事ぐらいしか家族会、巣くう会はしません。
 何で「北朝鮮制裁」「拉致被害者即時一括帰国」なんてもんに固執するのか。そんなもんに固執して拉致解決の展望があるのか。従来通りの方針でどこが新方針なのか。
 この点、「思い切ったイメチェン。安倍打倒のためなら何でもする悲壮な覚悟を感じた。安倍批判派として共産党を高く評価したい」と肯定的に評価するか、「悪しき堕落、野合。中村や小沢のような疑惑政治家とつるむとは何事か。安倍打倒のためなら何でも許されるわけではない。共産党に失望した」と否定的に評価するかはともかく、「ゼネコン汚職での有罪判決を理由に批判していた中村喜四郎(宮沢内閣で建設相)に党大会での祝辞を述べさせたり*3第28回大会 共闘する野党・会派などからあいさつ/ゲスト 中村喜四郎さん/総選挙勝利 共産党の力必要)参照」、「西松建設疑惑を理由に批判していた小沢一郎・元民主党幹事長が主催する政治塾で志位委員長が講演したりする(野党連合政権へ「あとは政治決断」共産・志位氏が小沢塾で講演 - 産経ニュース参照)」日本共産党を「少しは見習え」といいたくなります。
 共産党の昨今の態度の方がよほど「新方針」でしょう。
 なお、俺は共産支持者ですので、基本的に共産党への見方は甘くなります*4が、まあ、中村の祝辞や小澤政治塾での講演は「安倍打倒のためにそれが有意義なら仕方がない」と容認する立場です。それくらい俺は「安倍政権の存在」に我慢がなりませんので。


【聞きたい。】池田悠さん 『一次史料が明かす 南京事件の真実』 - 産経ニュース(喜多由浩)
 産経が紹介するので勿論南京事件否定論というデマ本で、版元は例の「展転社」です。さすが喜多も『アキとカズ』(2015年、集広舎)なんて与太本を書く阿呆右翼だけのことはあります。
 南京事件については南京事件−日中戦争 小さな資料集を紹介しておきます。ここで紹介されてる「南京事件否定論デマ」を知っていれば大抵の南京事件否定論デマには反論できます。俺がブログに書いてる「南京事件否定論デマ批判」の元ネタの一つもこのサイトであり、大変感謝しています。
 あと、『南京大虐殺否定論13のウソ』(1999年、柏書房)も割とわかりやすくていいかと思います。

南京大虐殺否定論 13のウソ(一般書/単行本/日本歴史/) 柏書房株式会社
4 戦争時期の中国側の認識について*5(井上久士)
5 数字いじりの不毛な論争は虐殺の実態解明を遠ざける*6笠原十九司
6 据えもの斬りや捕虜虐殺は日常茶飯事だった*7本多勝一
8 虐殺か解放か――山田支隊捕虜約2万の行方*8(小野賢二)
9 国際法の解釈で事件を正当化できるか*9(吉田裕)
10 証言の不当な解釈で正当な事実認定はできない*10(渡辺春己)
11 妄想が産み出した「反日攪乱工作隊」説*11笠原十九司

などということで南京事件否定論というデマに突っ込みが入っています。
 「新しいデマを毎日量産する」なんてことは出来る話ではない。また「オレオレ詐欺」と同じで「だまされやすい人間をだませれば、それだけでも御の字」なので、大抵の否定論デマは「手垢のついたワンパターンなもの」が多く、南京事件否定論デマも

◆「ラーベ日記」のラーベ(ジーメンス社社員)は中国軍に武器を売っていた武器商人であり、中国軍のためにありもしない南京事件をでっちあげた。
→批判:
 そもそもラーベ以外にも山ほど事件の証言者はいるので彼一人をあげつらっても無意味ですがそれはさておき。大正時代のジーメンス事件(海軍を舞台にした贈収賄事件)のイメージから「ラーベ=武器商人」と言うデマが生じたのでしょうが、そもそもジーメンス事件でジーメンスが海軍に納入していたのは無線電信設備であって武器ではありません。また「ラーベ=武器商人説」を唱えるウヨも「印象操作をしているにすぎず」、ラーベ(あるいはジーメンス社)が中国軍に商品を納入していたとする具体的な証拠を提出したことはありません(たとえばラーベは武器商人か?参照)
◆南京には20万人しか人口がないから「30万人の虐殺」はありえない。
→批判:
 実際には30万人を超える人口が南京市にいたと推定されています。また、事件の被害者数には軍人(捕虜)虐殺が含まれるので、「軍人の数が含まれない南京市の人口」を持ち出すのは不適切です。したがって30万人の死者がいたとしても、何らおかしくありません。なお、30万人説は一つの説にすぎず「東京裁判での事実認定」や笠原十九司氏、秦郁彦などは30万人説ではありません(たとえば二十万都市で三十万虐殺?参照)。
◆ゲリラ兵狩りは合法だ
→批判:
 南京には「私服に着替えた兵」はいてもゲリラ兵(便衣兵)などいません。中国軍の敗残兵が私服(便衣)に着替えて逃げようとすることは「ゲリラ行為」ではなく違法ではありません。実際、日本軍は捕虜を軒並み虐殺していたので、私服への着替えを非難など出来ません(たとえば東中野氏「再現南京戦」(8) 国際法論争1東中野氏「再現南京戦」(9) 国際法論争2参照)。

などデマはワンパターンで批判は比較的容易です(詳しくは南京事件−日中戦争 小さな資料集を参照下さい)。
 比較的入手しやすい、南京事件関係著書(新書や文庫、ブックレット)としては、

【刊行年順】
藤原彰南京大虐殺』(1988年、岩波ブックレット)
笠原十九司南京事件』(1997年、岩波新書
笠原十九司南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)
秦郁彦南京事件(増補版)』(2007年、中公新書)
清水潔『「南京事件」を調査せよ』(2017年、文春文庫)
 北村稔『「南京事件」の探究』(2001年、文春新書)、早坂隆『松井石根南京事件の真実』(2011年、文春新書)という南京事件否定論本の版元・文春の本なのに「否定論を批判している」というある意味面白い本です。
笠原十九司『増補・南京事件論争史』(2018年、平凡社ライブラリー)

があります(秦は「10万人を超える死者が出た」と推定する笠原氏から「死者数が過小評価だ」と批判されていますが、その秦ですら「犠牲者4万人説」であり、産経のような否定論ではありません)。
 まあ、常識があれば、南京事件に限らず「その問題についての詳しい知識がなくても*12」、「日本・ユダヤ同祖論」であれ、「源義経・チンギスハン説」であれ、「本能寺の変豊臣秀吉黒幕説*13」であれ「地球温暖化原因CO2否定論(あるいはそもそも地球温暖化自体を否定する論)」であれ、「ホロコースト否定論」であれ、「911テロ・米国自作自演説」であれ、何であれ

・世界中のほとんどの人間、組織、国がその事実を認めてる(あるいは逆にその事実を否定している)がそれは、皆がぐるになったデマの拡散であり、そのことを俺が指摘する

なんて主張には「アホと違うか」「陰謀論もいい加減にしろ」で終わる話です。
 また「中国が捏造した、欧米なども共犯(ぐる)で嘘を広めてる」とネトウヨが強弁する南京事件の場合、「そんな政治力がある中国が香港デモやウイグル問題で欧米から批判をされてるのは何故か?」という問題もある。
 「皆がぐるになって嘘を流布させるほどの政治力を中国が保有してるのに、三流ライターの本一冊潰すことが出来ない」「南京事件について中国は欧米に嘘の流布をやらせてるのにウイグル問題や香港デモでは欧米の批判を受けている」なんてことは常識で考えてあり得る話ではない。それよりも「こいつの主張は陰謀論であり、故意に戦前日本を美化し、中国を誹謗するデマを拡散してる」「主観的にはデマではないが客観的にはデマ(つまりは妄想)」と見る方が自然です。
 何せ南京事件では現地軍最高司令官(中支那方面軍司令官)である松井石根東京裁判)と、第6師団師団長・谷寿夫(南京軍事法廷)が死刑になっています。
 ありもしない事件で死刑になってそれが未だに通用してるなんて事も通常あり得ない。
 こういう常識を働かせればある程度「詐欺」から逃げることも出来るわけです。つまり常識的に考えて「儲け話なんかそうそうない」ということですね。もちろん「詐欺のよくあるテクニックを事前に知っていた方が自己防衛に役立つことは確か」ですが。
 もちろん過去に「蒋介石秘録」で「蒋介石日記での南京事件批判」を紹介し、南京事件の実在を認めていた産経について言えば、「現在の南京事件否定論垂れ流し」は明らかに故意のデマ垂れ流しです。まあ、ほとんどの南京事件否定論者は故意のデマ垂れ流しでしょう。

参考
「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺 - 誰かの妄想・はてなブログ版
産経新聞は歴史戦をするなら『蒋介石秘録』の南京事件の記述に対する総括をするべき! - 日の本の下で


自民・稲田氏、14条改憲による女性議員増目指す 独自案を表明 - 産経ニュース
 「新型コロナを口実に緊急事態条項導入論」にも呆れましたが、何でもかんでも改憲にこじつけようとは呆れます。
 そもそも「改憲政党」自民党改憲に反対する「立民党」「国民民主党」「共産党」「社民党」の候補と比べて「国政選挙での全候補者に占める女性割合」が極端に低い。それで何が「女性議員を増やすために改憲」なのか。
 女性議員を増やしたければ「自民党の議員候補者」にしめる女性の割合を「野党各党並みに」増やせばいいだけの話です。
 あるいはいっそのこと「いわゆるクオーター制を導入してはどうか*14」?。あるいは「女性議員当選を阻んでる」といわれる「小選挙区制」「供託金」の廃止*15などをしてはどうか。「小選挙区や供託金の廃止」にはもちろん改憲など必要がない。
 これが「女性議員増加のためにクオーター制を導入したい、しかしそのためにはホニャララという改憲が必要だ*16」という具体的提案ならまだしも、稲田*17の主張はどう見てもそんなまともなものではない。
 まあ、仮に「クオーター制導入改憲論」だとしてもそんなものが稲田の本心ではないことはモロバレですが。「改憲の本丸・九条改憲を飲ませるための目くらまし」でしかない。
 「男尊女卑・日本会議とズブズブの野郎がフェミニスト面してんじゃねえよ!」て話です。
 いずれにせよ「新型コロナガー、緊急事態条項ガー」「女性議員の増加ガー、男女平等条項(現行憲法第14条)の改正ガー」と言い出すこと自体「本丸・九条改憲」をストレートに出したら「自民支持層からも批判が出るだろう」と自民が恐れてることは分かります。

*1:さすがに何のメリットもなしに妥協することは翁長氏に限らず誰だって出来る話ではない。

*2:まあ、でも「赤旗日曜版や岩波世界に過去にコラムを持ち、リベラルぶっていた義家浩介」が「自民党から出馬して反共、反日教組発言」をし、「安倍政権下で文科副大臣をやるほどの変節野郎」とは思ってなかったし、誠実ぶってるid:Mukkeid:noharraが「あそこまでクズだとは当初思ってなかった」ので割と「純朴な人間ではないか」と思っています。

*3:勿論メインは中村ではなく「来賓として出席した立民、国民民主、社民の党幹部」ですが。

*4:この点は「守る会幹部・三浦小太郎批判を逃げながら身びいきを否定する、守る会会員id:noharra」「ダライラマ批判、ペマ・ギャルポ批判を逃げながら身びいきを否定する自称チベット支援者id:Mukke」のような「卑劣で下劣な事」はしたくないので正直に「できるだけ共産党評価について公正中立でありたいと思うが、無意識に身びいきしていると思う」と認めておきます。

*5:「戦争時期の中国側の認識」についてはたとえば中国は知らなかったか?中国共産党は知らなかったかを参照下さい。

*6:「虐殺の推定被害者数」については南京事件の犠牲者数を参照下さい。

*7:「据えもの斬りや捕虜虐殺は日常茶飯事だったこと」についてはたとえば捕虜の試し斬りを参照下さい。

*8:「山田支隊捕虜約2万の虐殺」についてはたとえば東中野氏「再現南京戦」(5) 「幕府山事件」(1)東中野氏「再現南京戦」(6) 「幕府山事件」(2)東中野氏「再現南京戦」(7)を参照下さい。

*9:国際法の解釈でいわゆる便衣兵狩が正当化できないこと」が論じられています。東中野氏「再現南京戦」(8) 国際法論争1東中野氏「再現南京戦」(9) 国際法論争2で紹介されてる吉田氏の主張と概ね内容は同じです。

*10:「証言者を嘘つき扱いする暴論」についてはたとえばマギー証言への評価マギーの偽証?夏琴淑さん事件ベイツ=中華民国顧問説ラーベが報告する「犠牲者数」平気で嘘をつく人?夏淑琴さん事件 SAPIO編夏淑琴さん事件 東中野修道氏「徹底検証」編を参照下さい。

*11:反日攪乱工作隊」デマについてはたとえば反日撹乱工作隊(1)反日撹乱工作隊(2)反日撹乱工作隊(3)反日撹乱工作隊(4)中国軍隊の仕業?を参照下さい。

*12:あった方がいいのは勿論ですが、全ての問題について詳細な知識を持つことは不可能ですので。

*13:まあ、結果的にあの事件で一番得をしたのは「織田信長を暗殺した明智光秀」ではなく、「光秀を討ち、その後も、柴田勝家を滅ぼし、徳川家康を屈服させ、信長に代わって天下人に成り上がった」秀吉ですのでね。「桜田門外の変で一番得をしたのは暗殺犯の所属した水戸藩ではなく薩長」「朴正熙暗殺事件で一番得をしたのは大統領に成り上がった全斗煥」みたいな話です。もちろん、娯楽歴史小説ならそう言う「秀吉黒幕説」の設定のものもありますが、学問的には全く無価値な陰謀論にすぎません。

*14:俺個人が導入派というわけではなく、「クオーター制導入」のような具体策もなしで女性議員が増えるわけもないという話です。

*15:女性差別国家・日本」においては女性議員の多くは「いわゆるサンバン(看板(知名度)、鞄(資金力)、地盤)」が弱いので、「サンバンが弱くても当選できるようにする→小選挙区や供託金の廃止」つう話です。まあ「小選挙区や供託金の廃止」は自民にとっては不利益なのでやりたがらないでしょうが。

*16:クオーター制の導入には改憲は必要ない、法律の制定だけで問題ないというのが通説です。

*17:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任