「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/3分:荒木和博の巻)

男鹿湯の尻漁港漂着船現地了解(R3.5.1): 荒木和博BLOG

 救う会秋田の皆さんの協力で男鹿市の湯の尻漁港近くに漂着している北朝鮮木造船を「現地了解*1」してきました。

 11分20秒程度の動画です。馬鹿馬鹿しい。見る価値は全くありません。実際、飽きたので途中で視聴を辞めました。
 なぜなら漂着した「北朝鮮の物と見られる船」は荒木等が目的とする「拉致被害者の帰国」には全く関係ないし、そもそも「北朝鮮の船」だとしても、「荒木等が強弁する」ような「北朝鮮工作船」とみなすまともな根拠もないからです。
 また、仮に「工作船」だとしても荒木等「捜査の素人」が現地調査したところで何か分かるとは思えません。実際、この種の調査で荒木等から「拉致解決などに役立つ、まともな報告」がされたことは一度もありません。


憲法と拉致(R3.5.3): 荒木和博BLOG
 7分の動画です。もちろん「拉致と憲法」は関係ないので馬鹿馬鹿しい。見る価値はありません。
 荒木ら巣くう会は「自衛隊特殊部隊を北朝鮮に送り込み、拉致被害者救出を」といい、「憲法九条の制約でそれが出来ない」と強弁しますが、「拉致を九条改憲のダシにするな」て話です。
 1)九条などない米国でもイランアメリカ大使館人質事件 - Wikipediaやワームビア君救出が「米軍特殊部隊」での救出では無く外交交渉だったこと
2)改憲などしなくても金丸*2訪朝で第18富士山丸船長、機関長*3が、小泉*4訪朝で5人の拉致被害者が帰国したこと
でわかるように「九条のない米国も軍事作戦では無く外交交渉で救出した」し「九条改憲しなくても拉致被害者救出は出来る」。
 そもそも九条の制約が無くても拉致被害者の居場所が分からない以上、自衛隊での救出のしようが無い。
 「拉致被害者救出のために改憲を」などというのは「護憲派に拉致敗戦の責任を転嫁する」悪質なデマでしかない。
 だからこそ、蓮池透氏が「拉致を改憲のダシにするな」「改憲しなくても小泉訪朝で拉致被害者が帰国したじゃ無いか」「改憲できる政治的見込みなんかあるのか?」「救う会とは拉致を口実に改憲をもくろむ右翼組織では無いのか、本気で拉致を解決する気があるのか」「こんなこと主張したら護憲派(社民、共産と言った左派だけで無く、宮沢喜一*5のような自民党ハト派も含む)が拉致問題から距離を置く」「田母神(元航空幕僚長)のような極右が自衛隊高官である現状で改憲して良いのか危惧を感じる」などと救う会批判を始めたのに、救う会をかばって、蓮池氏を会から除名する家族会には心底呆れます。
 それにしても動画内で荒木が「自衛隊北朝鮮に突っ込むことが違憲だというなら私の勤務する拓殖大学ももらってる私学助成だって違憲じゃ無いのか。だから合憲、違憲なんてどうとでも解釈すれば良い(いわゆる「理屈と膏薬はどこにでもつく」と言う奴です)。明文改憲しなくて解釈改憲自衛隊北朝鮮に突っ込めばいい」。
 おいおいですね。私学助成違憲論なんて(少数説としてあるものの)通説、判例じゃない。

私学助成 - Wikipedia
第八十九条  
 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

の「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業」の「公の支配に属さない」とは「私立の組織」と言う意味では無く、「法規制が全く掛かってない組織に税金を給付するのは問題である*6」と言う観点からの定めと理解されているので「一定の法規制が掛かってれば」公の支配に属しており、当然ながら「学校教育法に基づいて設置されてる学校(荒木が例に挙げた大学の場合、「幸福の科学大学(学校教育法上の大学)」を「幸福の科学」が設置できなかったことで分かるように大学は文科省の許可が無いと設置できない)」は「公の支配」に属しており私学助成は違憲では無いというのが通説、判例です。
 まあ、仮に「私学助成違憲論」にたったところで「私学助成の合憲性と、自衛隊北朝鮮に突っ込むことの合憲性と関係ねえだろ」て話ですが。

*1:北朝鮮では現地視察、現地調査のことをこう言うらしい

*2:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*3:拉致被害者ではないものの「北朝鮮による身柄拘束」と言う点では拉致被害者と共通点があります。

*4:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*5:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*6:当たり前ですが、例えば「天地創造説を事実として教えるようなトンデモ学校」や「エセ医療(ホメオパシーなど)を実施するようなトンデモ医療施設」に国や自治体が補助金出して良いのかつう話ですね。「法規制が全く掛かってない組織」ならそういう「ヤバイ話」が当然あり得るわけです