「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年5/15分:荒木和博の巻)

5・15と5・16【調査会NEWS3266】(R02.5.15): 荒木和博BLOG

 「5・15」はお分かりだと思いますが昭和7年(1932)の海軍(ボーガス注:青年将校)を中心としたクーデター未遂。

 「クーデター?。犬養*1首相暗殺しただけでしょ?」と思った方も居るでしょうが、実は515事件とは

◆515事件(ウィキペディア参照)
・海軍青年将校率いる第一組は総理大臣官邸、第二組は内大臣*2官邸、第三組は立憲政友会本部を襲撃する。つづいて昭和維新に共鳴する大学生2人(第四組)が三菱銀行に爆弾を投げる。
・第二段として、第四組を除く他の3組は合流して警視庁を襲撃*3する。
・これとは別に農民決死隊を別働隊とし、午後7時頃の日没を期して東京近辺に電力を供給する変電所数ヶ所を襲撃し、東京を暗黒化する。
・これによって東京を混乱させて戒厳令*4を施行せざるを得ない状況に陥れ、その間に軍閥内閣を樹立して国家改造を行う、というものであった。

というものでした。その意味では単独テロである原敬*5首相暗殺や浜口雄幸*6首相狙撃と515事件はかなり性格が違います。
 実際には力不足で犬養首相暗殺だけに終わりますが。なお、この頃の軍の極右派は「515事件」に限らず
三月事件 - Wikipedia(1931年、宇垣一成*7内閣の樹立を目指す)
十月事件 - Wikipedia(1931年、荒木貞夫*8内閣の樹立を目指す)
二・二六事件 - Wikipedia(1936年:真崎甚三郎*9内閣の樹立を目指す)
と「軍部内閣の樹立を目指すクーデター計画」目白押しです。
 また、終戦直前には半藤一利『日本のいちばん長い日』(岡本喜八で映画化)で有名なクーデター未遂があります。
 小生の持ってる本、須崎慎一『226事件』(2003年、吉川弘文館)は『計画倒れに終わった三月事件、十月事件、515事件と違い、本格的なクーデター計画として一時は首都を占拠したのが226事件』『三月事件、十月事件がもみ消されてろくに処罰されなかったこと(そしてそのことが軍において公然の秘密だったこと)が、226事件を助長した』としています。
 なお、荒木と真崎は皇道派ですが、宇垣は統制派であり、何もクーデターを画策したやばい連中は「皇道派限定」ではありません。
 イフの話ではありますが、『三月事件、十月事件』がきっちり処罰されていれば226事件はなかったかもしれない。しかし小生も須崎慎一『226事件』(2003年、吉川弘文館)等を読んで知ったので「あまり偉そうなことは言えませんが」、まあ515,226を知らない人はまず居ませんが『三月事件、十月事件』は知らない人が多いと思いますね。
 『三月事件、十月事件』がきっちり処罰されていれば226事件はなかったかもしれないとか、『三月事件、十月事件』への関与を理由に東京裁判橋本欣五郎が訴追されたと言う意味では結構重要な事件ですが。

 では「5・16」は何でしょう。
 答えは昭和36年(1961)に韓国で朴正煕ら青年将校が起こして成功したクーデター。
 朴正煕がこの「5・16」のとき一番のモデルにしたのは「5・15」の4年後に起きた「2・26」でした。昭和47年(1972)、体制の引き締めのために憲法を改正し、大統領に権限を集中した体制を「維新体制」と名付けたのは「2・26」の思想的基盤になった「昭和維新」という考えだったと思います。

 おそらく真偽は不明でしょう。荒木のような日本ウヨを喜ばせるための朴のリップサービスではないか。

 朴正煕の時代、韓国は猛烈な速度で経済発展をしました。

 「経済発展したから朴はすばらしい。独裁でも関係ない」というなら荒木は鄧小平*10ら「改革開放」を進め今の「経済大国・中国」を築いた中国共産党幹部を評価すべきでしょう。もちろん「反共右翼」荒木はそんなことしませんが。
 いずれにせよ「朴チョンヒをどう評価するか」など拉致被害者の救出には何一つ関係ないのでばかばかしい限りです。


5月15日のビデオメッセージです。韓国で拉致被害者救出運動が広がらない理由についてお話しました。: 荒木和博BLOG
 日本だって小泉*11訪朝で拉致被害者が帰国するまでは「拉致被害者救出運動」なんてもんは広まっていなかったので韓国と大して変わりないでしょう。
 そして今「小泉訪朝から何年経っても動きがないこと」で「拉致被害者救出運動」なんてもんは「衰退の一途」といっていいでしょう。


忘却【調査会NEWS3265】(R02.5.14) : 荒木和博BLOG

・最近忘れっぽくなって困ります。
・それぞれの失踪について調査会で一番詳しいのは杉野事務局次長なのですが、私もかなり覚えていたつもりが最近になって聞かれて答えられないことが少なくありません。

 「はあ?」ですね。そんなことをメルマガ記事として配信することに何の意味があるのか。
 いつもながら荒木のアホさには呆れます。

*1:第一次犬養内閣文相、第二次山本、加藤高明内閣逓信相などを経て首相

*2:226事件では実際に齋藤実内大臣を暗殺します。

*3:実際に226事件では警視庁が襲撃され一時占拠されました。

*4:226事件では実際に戒厳令が施行されます。

*5:第四次伊藤内閣逓信相、第二次西園寺、第一次山本内閣内務相などを経て首相

*6:大蔵次官、加藤高明、第1次若槻内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相などを経て首相

*7:清浦、加藤高明、第一次若槻、濱口内閣陸軍大臣朝鮮総督、第一次近衛内閣外相など歴任

*8:犬養、斎藤内閣陸軍大臣、第1次近衛、平沼内閣文部大臣など歴任。戦後、終身刑判決を受けるが後に仮釈放

*9:台湾軍司令官、参謀次長、陸軍教育総監など歴任

*10:副首相、中国共産党副主席、人民解放軍総参謀長、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委委員会主席、党中央顧問委員会主任など歴任

*11:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相