民度が違う【調査会NEWS3279】(R02.6.6): 荒木和博BLOG
タイトルは例の麻生*1の「コロナがらみの暴言」ですが、勿論荒木の場合は「北朝鮮とは民度が違う」というかの国への悪口雑言です。実にばかばかしい。そんなことと拉致の解決と何の関係があるのか。
月曜に収録する「しおかぜ」の日本語朝鮮語放送ではめぐみさんに向けてお父さんが亡くなったことをお伝えする予定です。
まあ常識的に考えてめぐみさんは生きてないでしょうね。彼女が生きてるのに彼女の存在を隠し、にもかかわらず『娘ウンギョンさんの存在だけは認める』と言うのは不自然だからです。仮に滋氏の死去知らせるべき相手がいるとしたら、それはめぐみさんではなくウンギョンさんでしょう。
まあもしかしたら既に彼女は北朝鮮政府から祖父の死を知らされてるかもしれませんが。横田一家(早紀江と息子二人)もこれを契機に「滋氏の死去をウンギョンさんと追悼する名目で面会すればいい」と思いますが、そうしないのでしょうね。
「踏みつけられても蹴られても、ついていきます下駄の雪」
北朝鮮との対立をできる限り回避しようとする文在寅*2政権への荒木の悪口ですが、それに該当するのはむしろ「故・横田滋氏」ではないですかね。「孫と会うな」と家族会や救う会に高圧的かつ一方的に命令されてそれに従い続けるというのは彼にとって相当のストレスだったでしょう。
あるいは別記事でも書きましたが以下も「下駄の雪」ではないか。
1)家族会の安倍に対する態度
安倍晋三や巣食う会が自分たちに何をしてくれたのか拉致被害者家族会は考えたらどうか(家族会が安倍の足を引っ張っている事例もある) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でid:Bill_McCrearyさんも指摘している所ですが。
2)つくる会の安倍に対する態度
教科書を不合格にされたのに「安倍が許せない」とはどうしても言えず「教科書調査官ガー」しか言えないのは無様です。
横田滋さんの逝去に報いるためには、このような「人間の価値もないクズ共*3」と闘わなければなりません。それが交渉によるものであれ、別のやり方によるものであれ、彼らとの間に信頼関係を作って被害者を取り返すことはできないということをあらためて認識すべきだと思います。
おいおいですね。
まず第一に「交渉によるもの*4であれ、別のやり方(自衛隊特殊部隊云々?)によるものであれ、彼らとの間に信頼関係を作って被害者を取り返すことはできないということをあらためて認識すべきだと思います」とはどういう意味なのか。
現実問題として「交渉によって、日朝間にある種の信頼関係を構築し、拉致被害者を引き渡してもらう」以外に解決方法はないでしょう。
それが例えば金丸*5訪朝による「第18富士山丸船長、機関長帰国」であり、小泉*6訪朝による拉致被害者帰国だったわけです。
何もこれは北朝鮮に限った話ではない。旧ソ連のシベリア抑留などでも話は同じです。
「拉致は犯罪」だの「シベリア抑留は無法」だの言ってもどうしようもない。
お断りしておきますが、もちろん信頼関係構築とは「北朝鮮やソ連を立派な国として扱い、拉致やシベリア抑留を正当な行為として認める」つう話ではありません。
第二に何で荒木は『人間の価値もないクズ共』などと罵倒するのか。そんな罵倒をしても拉致の解決には何一つ役立ちません。
全く『どう見ても拉致を解決する気のない荒木ら救う会一味』こそが『人間の価値もないクズ共』でしょう。
そんなクズ共にへいこらする家族会も呆れたバカです。
救出の実現こそが「民度」を示すことになるはずです。少なくとも拉致された同胞を見捨てている国民が「民度」などという資格はないと思います。
まあ、確かに「救出できないこと」は「民度の低さの象徴」だと俺も思います。
ただしそれは荒木の言うような意味合いではなく「経済支援とのバーター取引以外に現実的な解決の道はないのに、反北朝鮮感情や救う会、家族会の個人攻撃に対する恐怖感などから、それに踏み出せない愚劣な日本国民」という意味合いですが。
もちろん「モリカケ、桜を見る会」の腐敗政治家・安倍が未だに首相ということも、今回の「民度」云々に限らず暴言常習の麻生が未だに財務相と言うことも「民度の低さの象徴」です。
【参考:麻生暴言への批判】
麻生氏の「民度違う」発言 度重なる失言「またか、で済ませてはダメ」:東京新聞 TOKYO Web
過去に物議を醸す発言を繰り返してきた麻生太郎財務相が、日本の新型コロナウイルスによる死者数が欧米諸国より少ない理由を「国民の民度のレベルが違う」と述べた。外出自粛が効果を上げたと誇りたかったらしいが、アジアの中では日本の死者数は多い。「欧米諸国の民度が低い」とも取られかねず、「軽率すぎる。『また麻生氏か』で済ませてはいけない」との声が上がる。(中山岳)
発言が出たのは、四日の参院財政金融委員会。自民党の中西健治氏が、都市封鎖したフランスなどと比べて日本は緩やかな統制で感染を抑えたとし「自由を守り続けてきたのは価値が高い」と持ち上げた。答弁を求められた麻生氏は、外国から電話で問い合わせがあったとした上で「『おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』って言ってやると、みんな絶句して黙る」と応じた。
五日の記者会見で発言の趣旨を問われ、「(他国を)おとしめるというのは違う」などと釈明した。
札幌医科大の調査によると、四日時点の人口百万人当たりの死者数は、日本は七・一人。英国(五八五・二人)、フランス(四四四・六人)、米国(三二三・八人)より圧倒的に少ない。一方、アジアで比べると事情が異なり、韓国五・三人、中国三・二人、台湾とタイは一人未満にとどまっている。
そもそも、死亡率だけで対策の優劣を判断するのは難しい。札幌医科大講師の井戸川雅史医師(ゲノム医科学)は「国ごとに衛生環境が異なる。日本の死者数が欧米より少ない理由は科学的に明らかになっていない」と説明する。
麻生氏の失言は枚挙にいとまがない。昨年二月に福岡県で開いた国政報告会で、少子高齢化について「年寄りが悪いみたいなことを言う変なのがいっぱいいるが、間違ってる。子どもを産まなかった方が問題だ」と発言。二〇一三年七月には改憲の手法を巡り「(ナチスの)手口を学んだらどうか」との暴言が出た。二〇〇七年七月には日本と中国とのコメの価格差を「アルツハイマーの人でも、これくらいは分かる」と語っている。
今回の発言を政治アナリストの伊藤惇夫氏*7は、外相も経験した麻生氏が人々の生活や文化の程度を示す「民度」という言葉を安易に使った点を問題視する。
「国会で言ったのが驚きで、閣僚辞任ものだ。海外で国際社会への挑戦と取られ、日本に厳しい目が向けられる可能性もある」
伊藤氏は、度重なる失言から見える麻生氏の資質を(中略)吉田茂*8元首相を祖父に持ち、福岡の実家が財閥という出自も影響しているとする。
「恵まれた環境で育ち、発言を注意されたことがなかったのだろう。弱い立場にある人々への想像力が働いていない」
駒沢大の山崎望*9教授(政治理論)は(中略)こう主張する。
「麻生氏が舌禍を繰り返しても安倍首相は責任を問わず、国民の間には『麻生氏だから』とあきらめのような雰囲気が生まれる。このこと自体が長期政権の弊害だ。発言を不問にすれば日本の民度こそ問われる」
*1:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二~第四次安倍内閣副総理・財務相
*2:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領
*4:交渉とは「ある種の信頼関係を築く物」だと俺は思っていますが荒木にとっては違うようです。「俺の言うことに従え、従わないとただじゃ置かない」と恫喝することは交渉とは言いませんし、日朝関係はそんな恫喝が北朝鮮相手に有効な関係にもないでしょうに。
*5:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官、福田内閣防衛庁長官、自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任
*6:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相
*7:著書『政党崩壊:永田町の失われた十年』(2003年、新潮新書)、『民主党』(2008年、新潮新書)など
*8:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相。
*9:著書『来たるべきデモクラシー:暴力と排除に抗して』(2012年、有信堂高文社)、『奇妙なナショナリズムの時代:排外主義に抗して』(2015年、岩波書店)など