「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年12/23日分:荒木和博の巻)

粘り強く交渉?(R3.12.24): 荒木和博BLOG
 7分44秒の動画です。内容も酷いですが、そもそも粘り強く【調査会NEWS3544】(R3.12.23): 荒木和博BLOGと「ほとんど内容は同じ」なんでそういう意味でも「見る価値がない」。
 それにしても「動画で話す内容」が粘り強く【調査会NEWS3544】(R3.12.23): 荒木和博BLOGと「細部はともかく」大筋は全く同じ。どれほどやる気がないのかと心底呆れます。


粘り強く【調査会NEWS3544】(R3.12.23): 荒木和博BLOG

 今から16年前、平成17年(2005)6月14日参議院予算委員会の質疑の話です。
 森ゆうこ*1議員(当時民主党。現在、立憲民主党拉致問題対策本部長)が細田博之官房長官に「具体的にどうやって拉致被害者を取り返すのか」と質したところ、細田官房長官は次のように答弁します。
 「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます」
 この答弁は「拉致被害者は見捨てます」というのと同義語です(中略)本当ならこれだけで内閣がすっとんでもおかしくない答弁です*2が、細田さんは別に北朝鮮寄りというわけではなく*3

 「赤字部分」で分かるように細田氏に無茶苦茶な悪口をする荒木ですが正直「外交交渉」以外に手はないでしょう。
 なお、細田氏(現在、衆院議長)と言えば「小泉内閣官房長官、「自民党国対委員長(小泉総裁時代)、幹事長(麻生総裁時代)、総務会長、憲法改正推進本部長(第二次安倍総裁時代)を歴任」「衆院議長に就任した町村信孝*4から町村派を譲り受け細田派ボス(衆院議長就任を契機に、安倍に派閥を譲り今は安倍派)。主流三派閥(他は二階*5幹事長の二階派、麻生*6副総理・財務相麻生派)ボスの一人として安倍政権を支え続けた」ということで別に「宮沢喜一*7」「河野洋平*8」「加藤紘一*9」などのような自民党リベラルではない。
 そんな人間でも「外交交渉しかない」と言う程度の常識はあるわけです。
 ちなみにググったら

市田書記局長が細田官房長官と懇談/「日朝関係打開の提言」手渡す2005.6.3
 日本共産党市田忠義*10書記局長は二日、国会内で細田博之官房長官と会い、日朝関係の打開を提言した不破哲三議長の朝鮮総連結成五十周年記念レセプションでのあいさつを手渡し懇談しました。
 市田氏は、五月二十四日の同レセプションで不破議長が日朝関係打開のため六項目の提言をしたことを説明。
 細田官房長官は、同レセプションに自民党佐田玄一郎*11副幹事長が出席して首相メッセージを代読したとのべ、日朝関係打開について「同じ趣旨だと思っている」と応じ、提言を受け取り、首相にも届けるとのべました。

なんて記事もヒットしました。
 「自衛隊で救出」と放言する荒木ら救う会の右翼連中がいかに「キチガイ」かと言うことです。
 まあ、清和会と言えば「ダッカ事件」で「身代金支払いと赤軍派釈放」に応じた福田赳夫首相も、清和会出身で「岸内閣農林相」「佐藤内閣蔵相、外相、自民党幹事長(佐藤総裁時代)」として「岸*12、佐藤*13兄弟から重用され」また、「岸信介から派閥を譲り受けた御仁」ですので「いかに右翼派閥・清和会」と言えどもさすがに「七光りの安倍を除いて」要職に就く人間(福田赳夫氏、細田氏)はそれなりにまともなのでしょう。ただし荒木の立場では福田赳夫も非難の対象なのでしょうが。
 それはともかく細田氏について「16年前の言動」で悪口して何の意味があるのか。拉致解決につながるわけでも何でも無い。
 これが、

赤旗首相先頭に 改憲大合唱/総裁任期中の発議狙う2021.11.12
 細田博之衆院議長は10日、国会内での就任記者会見で、衆院改憲勢力が3分の2超の議席を占めたことについて、「率直な意見交換をし、議論が前向きに進むことが必要だ」と述べました。公正・中立であるべき議長が“改憲議論を前向きに進めてほしい”と呼びかけたことは、議長の職権を逸脱するものです。
 細田氏は安倍政権のもとで自民党憲法改正推進本部長を務め、「9条への自衛隊の明記」「緊急事態条項創設」などの自民党改憲案をまとめた中心人物で、この間は衆院憲法審査会長を務めていました。

赤旗細田議長の「10増10減」批判/「天につばする発言」/小池氏2021.12.21
 細田氏の発言は同日の自民党衆院議員の会合でのもの。10増10減は、国勢調査の結果に基づき自動的に定数を変えていく2016年法改正によるもので東京都が5増、神奈川県で2増などとなる一方、広島、山口などの10県で1減となります。
 小池氏*14は、16年法改正の際、各党協議会の座長が細田氏だったと指摘。「こういう仕組みをつくっておいて、『10増10減』で山口など自民党にとって大事なところで定数減が起きたら反対する。しかも、細田さんは衆院議長であり、公正中立な立場で議会運営に当たらなければいけない方が、公正中立とは言えない発言をされるということは極めて問題だ」と批判しました。

ということで「現在の細田氏の発言」で彼を批判するなら理解できますが。
 ちなみに小泉*15内閣の官房長官は「福田*16細田→安倍*17」ですね。小泉氏が「首相退任を決意した政権末期」に「安倍官房長官」と言うあたり、明らかに小泉氏の評価は「福田氏や細田氏>絶対に越えられない壁>安倍」でしょう。どう見ても安倍を高く評価していない。

*1:野田内閣文科副大臣、「国民の生活が第一」幹事長代行(党代表は小沢一郎氏)、日本未来の党副代表、生活の党代表代行(党代表は小沢一郎氏)、自由党幹事長(党代表は小沢一郎氏)などを経て立憲民主党参議院幹事長、拉致問題対策本部長。その経歴から「小沢一郎氏に近い政治家」と見られている(森裕子 - Wikipedia参照)。

*2:「はあ?」ですね。「自衛隊救出しか手がない」と強弁する気なのか。荒木の暴論「自衛隊救出」の方が拉致被害者の居場所が分からない以上、「非現実的」で「拉致被害者を見捨てています」。いずれにせよ、今はこんなことを言う荒木ですらさすがに当時「細田を長官から更迭しろ」なんて言えなかったわけです。

*3:荒木に言われなくてもそんなことは分かります。自民党、それも清和会出身の人間「細田氏」が北朝鮮寄りの訳がない

*4:橋本内閣文相、森内閣文科相小泉内閣外相、福田内閣官房長官衆院議長など歴任

*5:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長、幹事長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*6:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍、菅内閣副総理・財務相を経て現在、自民党副総裁

*7:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*8:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*9:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任

*10:現在、共産党副委員長

*11:第一次安倍内閣で規制改革担当相。2017年9月、自民党群馬県連は女性スキャンダルを理由に佐田ではなく尾身朝子(第1次安倍内閣財務大臣を務めた尾身幸次の娘。第4次安倍内閣外務大臣政務官)を群馬1区での公認候補として党本部に推薦(これについては例えば週刊新潮女子大生を1回4万円で買春していた「佐田玄一郎元大臣」参照)。その結果、佐田は第48回衆議院議員総選挙(2017年10月)に立候補しないことを表明。その後、2020年2月9日の前橋市長選に出馬したが、現職の山本龍に大差で敗れ落選した(佐田玄一郎 - Wikipedia参照)。

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*13:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*14:日本共産党政策委員長、副委員長を経て書記局長

*15:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*16:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*17:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相