野原燐(id:noharra)に突っ込む(2020年9月1日分)

野原燐がリツイート
平川克美*1
 安倍政治が行ったことは、畢竟するところ(ボーガス注:モリカケ桜を見る会、アベノマスクなど)政治倫理の破壊(堕落などではなく積極的破壊だった)であり、それを実現するための(ボーガス注:詭弁の連発という)言葉の破壊だった。安倍側近や官房長官はその実行部隊だった。(ボーガス注:世論調査に寄れば)少なくとも30%の日本人が、それを許容した。安倍が辞めても、この事実は変わらない。

 まあ、そういうことですね。日本人として悲しみと怒りを禁じ得ません。しかし「安倍さんのおかげでウイグル政治犯が解放された!」の野原も変われば変わるもんです。

野原燐がリツイート
◆Mongolian zayaa
 中国内モンゴルで、モンゴル語教育廃止に、学校の前で抗議する学生たち。日本のメディア、世界中のメディアは報道して頂けないでしょうか。日本の皆様拡散宜しくお願い致します。

 イヤー
1)日本で「朝鮮語(韓国語)教育が受けられる数少ない場所」である朝鮮学校に対する差別行為(無償化除外)には反対しない(それどころか賛同している)
2)「極右」小池都知事が舛添前知事の「韓国学校(これまた朝鮮語(韓国語)教育が受けられる数少ない場所)への都有地貸与方針」を白紙撤回してもろくに批判しない
3)「アイヌ否定論(もちろんアイヌ語教育どころの話では無い)」を放言して恥じない「つくる会理事・三浦小太郎」とつきあってる
野原が「中国内モンゴルモンゴル語教育ガー」ですか。
 「そんなことより日本国内の少数民族アイヌ民族、在日朝鮮・韓国人)の語学教育のことでも考えろよ!。朝鮮学校無償化除外や小池の都有地貸与白紙撤回を批判しろよ!」ですよねえ。「中国国内に居住する中国人」「日本国内に居住するチベット民族」などではなく、日本国内に居住する日本国民(日本人)でありながら「日本の少数民族アイヌ民族、在日朝鮮・韓国人)のこと」より「中国の少数民族ウイグルチベット、モンゴル民族)のこと」が何故か大事らしい「野原の馬鹿さ」には「アホか、手前」とばかばかしくて吹き出しました。
 そもそも「他の人間はともかく」、野原の場合「右翼としての反中国」でしかなく、「モンゴル語教育ガー、民族教育ガー」なんて嘘八百ですし。
 なお、俺は「モンゴル語教育廃止」が仮に事実だとしても「それがいいとは思いませんが*2」、「内モンゴルのこと」なんか別に興味ないですね。だって「日本国内の在日朝鮮・韓国人やアイヌ民族の語学教育(日本国民として政治活動によって、政府に対し一定の政治力が及ぼしうる)」と違って「よそ者の日本人」が「中国に限らず」外国の政策に対してできることは基本的に何もないし。

野原燐
 これはびっくり。
ユーミンと大物右翼「頭山家」の知られざる血脈と交流 (週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

 「玉さんにも、ルーツがあるだろう」
 「ルーツ、といえば、詳しくはわからないんですけど、以前から祖母の祖父がものすごい人だったと言われているんです。家族や親戚も、それを誇りに思っている者が多くって」
 松任谷玉子のルーツが頭山満だと聞いて、倉本は仰天した。 
 「頭山満って、玄洋社の!?」
 「でも、私、ほんとによく知らないんです。頭山家の集まりにたまに顔を出すくらいで」
 「それはだめだ。自分のルーツは知っておくべきだ。まして頭山満なら日本のルーツにもつながる。玉さん、いいかい? そういうルーツに自分が救われることだってあるんだ」〉

 松任谷玉子(エフエム東京TOKYO FM)のプロデューサー。松任谷正隆の姪)については松任谷玉子 - Wikipediaを、倉本聰(脚本家)については倉本聰 - Wikipediaを紹介しておきます。
 松任谷正隆 - Wikipediaには確かにそうした記述がありますが、松任谷が頭山の縁戚だと知る人は少ないんじゃ無いか。彼にも妻(松任谷由実)にもその種の右翼性はあまり感じませんからねえ(彼らが左派やリベラル保守ではないにしても)。
 しかし、この玉子氏の「よく知らない」は事実かどうか疑問符がつく気がしますね。
 以前、作家夏目房之介 - Wikipediaが、まだそれほど売れてないデビュー当初「夏目漱石の孫」と毎回紹介されるのが「漱石の孫以外に俺の価値はないのか」と嫌でたまらなかった、と書いてたのを読んだ記憶があるので。
 玉子氏もいい加減「頭山満の玄孫(やしゃご=孫の孫)」といわれるのに「先祖のことは私に関係ない」と夏目房之助のように「うんざりしている」のかもしれません。ましてや玉子氏が仮に「リベラル保守や左派」など「頭山的な極右的価値観」に否定的な価値観を持つ人間ならば、なおさらでしょう(彼女の政治性はこの記事だけでは分かりませんが)。どっちにしろ今時頭山が先祖であることを誇りに思う人も「まともな人間なら」少ないでしょう(この玉子氏の発言を信じれば「誇りに思う」まともじゃない子孫も多いようですが)。
 大体「右翼団体玄洋社のボス頭山の玄孫(やしゃご=孫の孫)」なんて今の日本において自慢になることでも無いでしょう。

 明治21年1888年)2月より大隈重信*3は第1次伊藤内閣外務大臣に就任した。同年、第1次伊藤内閣が総辞職し黒田清隆*4が組閣すると大隈は留任するが、外国人判事を導入するという大隈の不平等条約改正案が「官吏は日本国籍保持者に限る」とした大日本帝国憲法に違反するという指摘が陸奥宗光*5駐米公使より行われた。大隈は裁判所構成法の附則から違憲ではないと主張するが、井上毅*6法制局長官からも同様の指摘が行われた。山田顕義*7司法大臣は外国人裁判官に日本国籍を取らせる帰化法を提案し、伊藤博文*8枢密院議長、井上馨*9農商務大臣もこれに同意して条約改正交渉の施行を遅らせるよう求めた。
 明治22年(1889年)10月18日には、大隈の改正案に反対する『玄洋社の来島恒喜』に爆弾による襲撃(大隈重信遭難事件)を受け、一命はとりとめたものの、右脚を大腿下三分の一で切断することとなった。大隈は病状が回復した12月14日付で辞表を提出した。
大隈重信 - Wikipedia参照)

ということでテロ行為すら辞さない危ない団体が玄洋社です。
 それを「自慢できる」と思うのは相当の右翼です。
 しかしこの記事を読む限り、倉本聰も相当の右翼ですね(彼の代表作である「北の国から」にその種の右翼性はない気がしますが、まあ、共産党支持者である高畑勲山田洋次だって『平成狸合戦ぽんぽこ』『寅さん』など自らの作品に政治性をガンガン投入してるわけでもありませんからね。『火垂るの墓』などは左派である高畑の平和主義、戦前批判が入ってはいるでしょうが)。

「自分のルーツは知っておくべきだ。まして頭山満なら日本のルーツにもつながる。玉さん、いいかい? そういうルーツに自分が救われることだってあるんだ」

てドン引きですよね。
 右翼団体玄洋社のボス頭山満が「日本のルーツ」ねえ(失笑)。「日本右翼のルーツの一つ」なら間違いでは無いでしょうが。
 しかも「ルーツに救われる」て。俺なんかどんなに先祖が立派でもそんな「ルーツには救われません」けどね(頭山が立派だとはかけらも思いませんが)。だって先祖なんて他人じゃ無いですか。むしろ先祖が立派だと「それに比べて俺はなんと小さい人間なんだ」的なプレッシャーもかかる。
 大体、頭山を「立派な先祖」と今時思うなんてただの右翼じゃ無いですか。
 しかしこの記事にリツィートした野原の価値観が気になるところです。
 この記事について「詳細な紹介は省略しますが」、はっきりいって頭山に好意的な右寄りの記事です。
 そんな記事にツイートする。
 別に俺みたいな「倉本聰が右翼すぎて呆れた」「記事に頭山への批判性が皆無で呆れた」という批判ツイートでも無い。「朝鮮学校無償化除外支持などの反北朝鮮の政治姿勢」といい、「つくる会理事という極右・三浦小太郎とつきあってること」といい、最近は安倍批判をしているとは言え、一時は「安倍さんのおかげでウイグル政治犯が解放された」と安倍賛美したことと言い今回の「頭山満」ツイートと言い「野原の本質が右翼だ」ということが改めて明らかになった気がします。
 もちろん俺は右翼は反吐が出るほど大嫌いであり、当然、「右翼」三浦小太郎も「右翼」野原も大嫌いです。

【参考】

「今は共産党の志位さんが言ってることが一番僕の頭に近い」倉本聰さん | 千葉市議会議員 かばさわ洋平 GET BACK TO DEMOCRACY
赤旗日曜版2016年1/10
『僕はね、昔、作家仲間に右翼だって言われたんですよ。ところがいつの間にか左翼だって言われるんです。実際、今は共産党の志位さんが言ってることが一番僕の頭に近い。僕は自分の座標軸の上をブレずに進んでいるつもりでも、世の中が変わると、右になったり左になったり。こっちが曲がったと決めつけられるんです。』

 まあ、「戦前を代表する大物右翼・頭山満を評価するような人間=倉本」は普通に考えて右翼でしょうよ。とはいえ倉本は

「今は共産党の志位さんが言ってることが一番僕の頭に近い」倉本聰さん | 千葉市議会議員 かばさわ洋平 GET BACK TO DEMOCRACY
赤旗日曜版2016年1/10
『安倍政権はアベノクミスと称して3本の矢を放って、景気回復をあおっていました。しかし、4番目の矢に解釈改憲という怖い矢があった。『景気』の影に安保法案が全部隠れていたんですね。伝えなかったマスコミも結果として自民党を勝たせてしまった国民も問われます。』

『やすらぎの郷』続編では戦争も描く! 倉本聰が語った安倍首相への危機感「真摯なんて言葉の意味をあの人は知らない」|LITERA/リテラ
戦争放棄憲法がうたった1946年11月3日。放棄することが本当にできるならそれは夢のような嬉しいことだが、本当にそんなことができるのだろうかと半信半疑で僕らは目をみはった。だがそれからの70年近く僕らは奇蹟的にそれを成してしまった。その軌跡は将に世界が認め、まちがいなくそれを評価している。
 もはや時代にとり残されているとか、そんな国は他にはどこにもないなどと、今をネガティブに思考するのではなく、先人たちが固守してきたように、それを誇りとし、絶対的な座標軸として不戦の記録を更新すべきである〉

ということで「憲法九条」については護憲派で、だからこそ「赤旗日曜版インタビュー」も受けたようですが。

*1:著書『経済成長という病』(2009年、講談社現代新書)、『ビジネスに「戦略」なんていらない』(2008年、洋泉社新書y)、『移行期的混乱:経済成長神話の終わり』(2013年、ちくま文庫)、『路地裏の資本主義』(2014年、角川SSC新書)、『一回半ひねりの働き方:反戦略的ビジネスのすすめ』(2016年、角川新書)など

*2:と断っておかないとMukkeや野原のような輩が因縁付けるので

*3:参議兼大蔵卿、第1次伊藤、黒田、第2次松方内閣外相、首相など歴任

*4:参議兼開拓長官、第1次伊藤内閣農商務相、首相、第2次伊藤内閣逓信相、枢密院議長など歴任。元老の一人

*5:駐米公使、第1次山県、第1次松方内閣農商務相、第2次伊藤内閣外相など歴任

*6:第1次伊藤、黒田、第1次山県内閣法制局長官、第2次伊藤内閣文相など歴任

*7:工部卿、内務卿、司法卿、第1次伊藤、黒田、第1次山県、第1次松方内閣司法相など歴任

*8:工部卿宮内卿、首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。

*9:外務卿、第1次伊藤内閣外相、黒田内閣農商務相、第2次伊藤内閣内務相、第3次伊藤内閣蔵相など歴任。元老の一人