今日の産経ニュースほか(2023年5/6~8日分)

岸田首相、少子化財源「申し上げる段階ではない」 - 産経ニュース
 少子化予算を倍増するとぶち上げながら「根拠を求められる」とまともに回答しないとは無茶苦茶にもほどがある。マスコミももっと批判したらどうなのか。


【産経抄】5月6日 - 産経ニュース

 NHK連続テレビ小説『らんまん』のモデルで日本植物分類学の父、牧野富太郎博士の名を冠した高知県立牧野植物園(高知市)を訪ねた。

 この書き出しからその後

 記念館は高知県出身の「信念の大政治家」として、浜口雄幸*1元首相の経歴も展示している。昭和5年に東京駅で暴徒の銃撃を受けたことや、現在も歴史的な現場付近には事件概要を記すプレートが埋め込まれていることも

となった時点で「あの安倍応援団の産経」では「狙撃された首相つながり*2」で「安倍」にもって行き「狙撃現場には何もない!、浜口首相との違いが許せない!」と言い出すのではないかと予想できます。実はそれで正解ですが(不愉快なので産経文章の引用はしません)。
 しかし「濱口氏と安倍」は違うし、「佐郷屋留雄(濱口氏を狙撃した右翼。戦後、全日本愛国者団体会議*3(全愛会議)初代議長)と山上」は違う。
 濱口氏は井上*4蔵相の金輸出再解禁による「いわゆる井上デフレ*5」を「濱口や井上のせいでデフレ(不況)になった」と恨まれた*6のであって、安倍とは違い「統一協会のような反社会的勢力」との癒着を恨まれて、佐郷屋に狙撃されたわけではない。
 というか濱口氏以外にも、日本の歴史においては「伊藤*7元首相(安重根による暗殺)」「原*8首相(中岡艮一による暗殺)」「犬養*9首相(515事件での暗殺)」「岡田*10首相(幸いにも暗殺未遂)、斎藤*11元首相(暗殺時は内大臣)、高橋*12元首相(暗殺時は蔵相)(226事件)」「三木*13首相(右翼の殴打、これが契機でSP制度を創設)」「細川*14元首相(無傷で済んだが右翼の狙撃)」「岸田*15首相(先日の和歌山での襲撃)」といった「首相、元首相襲撃(殺害された日本の内閣総理大臣の一覧 - Wikipedia参照:ほとんどが右翼の犯行で、満州事変以降終戦までの事件が多い)」がありますが安倍ほど「被害者(元首相)の方に大いに落ち度がある事件」もない。「安倍の下劣さ」は「日本の汚点」といっていい。

*1:加藤高明、第一次若槻内閣蔵相、第一次若槻内閣内務相等を経て首相

*2:但し濱口氏は安倍と違い、幸いにも即死はしませんでした(但し、狙撃が元で1年後に病死)。なお、死刑判決後、恩赦で『無期減刑→仮釈放』され、右翼業界に復帰したとは言え、佐郷屋が「死刑求刑で死刑判決」だったことが、「同じ元首相狙撃(しかも山上の場合、濱口狙撃と違い、その場で即死させてる)」ということが「山上に死刑が求刑され、死刑判決が出ないか」と危惧されてる一因ではあります。なお、濱口狙撃のような殺人未遂でも当然に減刑されるわけではなく、『瀕死の重傷を負わせて死なせた以上、殺人と実質的に違いがない(まあ、佐郷屋の場合、犯行動機も不当と評価されたわけですが)』と裁判所が評価することで死刑判決は一応出せますし、既に述べたように、濱口狙撃の場合、「後に恩赦で無期に減刑された」とはいえ、実際に佐郷屋に死刑判決が出ました。

*3:佐郷屋の他にも「血盟団事件井上日召」「515事件の橘孝三郎」「ロッキード事件児玉誉士夫」などが参加した右翼団体

*4:日銀総裁、第二次山本、濱口、第二次若槻内閣蔵相等を歴任

*5:後に井上氏本人も蔵相退任後に右翼結社・血盟団の小沼正によって暗殺された

*6:この辺りのことは、城山三郎の小説『男子の本懐(浜口首相、井上蔵相が主人公)』に書かれてるのでご存じの方も多いでしょう。

*7:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監等を歴任。元老の一人

*8:第四次伊藤内閣逓信相、第一次、第二次西園寺、第一次山本内閣内務相等を経て首相

*9:第一次大隈内閣文相、第二次山本、加藤高明内閣逓信相等を経て首相

*10:田中、斎藤内閣海軍大臣、首相を歴任

*11:第一次西園寺、第二次桂、第二次西園寺、第三次桂、第一次山本内閣海軍大臣朝鮮総督、首相、内大臣を歴任

*12:日銀総裁、第一次山本、原、田中、犬養、斎藤、岡田内閣蔵相、首相等を歴任

*13:国民協同党委員長、片山内閣逓信相、国民民主党幹事長、改進党幹事長、鳩山内閣運輸相、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣科学技術庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官等を経て首相

*14:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*15:第一次安倍、福田北方・沖縄等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)等を経て首相