「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年3/27分:荒木和博の巻)

【最初に追記】
 拙記事が北朝鮮と全然関係ないじゃん(そもそも取り上げているものが、自分たちの主張とそぐわないことを認識しているのか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】

茅ヶ崎のスパイ騒ぎ【調査会NEWS3416】(R03.3.26): 荒木和博BLOG

 「やはりそうだったか スパイ基地だった茅ヶ崎 県警は複雑な表情」
 こんなタイトルの新聞記事を特別調査班が見つけました。読売新聞昭和48年(1973)3月15日付(おそらく神奈川版)。
 記事は次のようなものです。
 CIA基地だった茅ヶ崎。(ボーガス注:朝鮮戦争の捕虜として?)中国政府に二十年間抑留され、このほど釈放されて米国に帰った元CIA(米中央情報局)工作員、ジョン・ダウニー氏が米紙に「朝鮮戦争当時、CIAは茅ヶ崎市に、対中国工作基地を置いていた」と公表したことについて県警外事課では、これまでも同市ではスパイ騒ぎが多かったことから「やはりそうだったか」という複雑な表情で受け止めている。
 県警がダウニー氏の証言が事実無根のものでないとみているのは、同市南湖に米軍通信基地があったため。
 元CIA工作員だったと名乗り出たM氏は「同市内に住んでいた作家鹿地亘氏が、さる二十六年、CIAのキャノン機関に誘かいされたといわれている事件で監視役をしていた男が、同通信基地に出入りしていた」と同基地とCIAの結びつきを裏づける証言をしている。

 馬鹿馬鹿しい。そんな48年も昔の記事に「拉致解決(荒木等の運動の建前上の活動目的)」と言う意味で何の意味があるのか。
 何の意味も無い。
 そもそも読売記事は「中国の諜報活動に対抗してCIAが茅ヶ崎に活動拠点(米軍の通信基地?)を置いていた」と言う話であって「茅ヶ崎で活動してた北朝鮮スパイが日本公安に逮捕された」という話では無く、北朝鮮は全く関係ない。読売記事にしても「CIAの非合法な活動」への批判が目的でしょうにねえ。「米国スパイが当時、茅ヶ崎で活動してたのなら、北朝鮮スパイが活動していてもおかしくない」とはこじつけにもほどがある。

 昭和44年(1969)東京の高校生大屋敷正行さんが失踪した沼津市の大瀬崎で4月7日(水)13:00からYouTubeライブを行います。

 そもそも大屋敷さんは「特定失踪者」にすぎず、北朝鮮拉致ではありませんが、仮に北朝鮮拉致だとしても「失踪から50年以上も経ってから」刑事捜査の素人・荒木一味が探偵ごっこなんかやったところで意味も無い。全く馬鹿馬鹿しい。

【参考:鹿地事件】

鹿地事件 - Wikipedia
 小説家の鹿地亘(1903~1982年)が1951年から1952年にかけてアメリカのキャノン機関に拉致監禁されていた事件。
 監禁中、ソ連のスパイではないかと疑われて執拗な尋問を受け、さらにアメリカ側の二重スパイになることを強要された。鹿地は戦時中、中華民国重慶において日本人民反戦同盟に拠って日本軍兵士・捕虜に対する反戦プロパガンダ活動などに従事していた関係で中国共産党ソ連共産党と近い関係にあった。1952年に、不憫に思った監視役の日本人青年・山田善二郎*1が鹿地の家族に連絡し、同年11月12日に家族は鹿地の捜索願を出している。同年12月6日には、家族の依頼を受けた左派社会党(当時、後に社会党)の猪俣浩三*2代議士などが解放に向けて尽力し、それが報道されるに至ると、鹿地は12月8日に神宮外苑において解放され帰宅した。
 事件は衆議院法務委員会で取り上げられ、鹿地は解放直後の1952年12月10日に証人喚問されて事件について「重慶の時のように、アメリカに協力するように強要された」と証言していることから、「アメリカと疎遠になってソ連に接近した鹿地を再び協力者にする目的で拉致された」という見方もある。1963年、鹿地は事件の詳細を記したとする著書『謀略の告発』(新日本出版社)を発表した。

山田善二郎 「鹿地亘事件」生き証人:中日新聞Web2019.12.27
 戦後の占領下にあった一九五一年十一月、神奈川県藤沢市で一人の日本人作家が拉致された。連合国軍総司令部(GHQ)直属の秘密工作機関「キャノン機関」による事件は、翌年十二月に被害者の鹿地亘(一九〇三~八二年)が解放され、国会でも取り上げられるなどして世に知られた。その救出を導いたのが当時二十代前半の日本人青年。川崎市の監禁先で働いていた山田善二郎さん(91)だった。
◆記者
 事件から七十年近い。「鹿地亘事件」とは。
◆山田
 藤沢市鵠沼海岸を散歩していた鹿地さんが数人の米国軍人に拉致、監禁され、文化人の立場で米軍に協力するよう強要された事件。当時は朝鮮戦争の最中。米軍の出撃基地となった日本では、平和を求める国民が米日二つの権力に弾圧される最中の事件でした。
◆記者
 鹿地さんとの出会いは。
◆山田
 私は九段中学(東京)で軍国主義に染まり、十五歳で予科練に志願。飛行練習生でしたが、燃料が無くて訓練できずに終戦を迎えました。英語が少しできたので進駐軍の将校クラブで働き、その紹介で横浜にあった将校の家でコックに。その将校がキャノン機関のジャック・キャノンでした。
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【参考終わり】


茅ヶ崎ネタの続き【調査会NEWS341】(R03.3.27): 荒木和博BLOG

 神奈川は米軍基地が多数存在し、今も横須賀、座間、厚木と残っています。横須賀など米海軍の基地が良いところを皆占めており、海上自衛隊はその余り、と言っては失礼ですが、潜水艦の基地など米海軍の敷地内にあるというのが現状です。それでもよしとしてきた自衛隊自衛隊ですが、いずれにしても日米関係がそういうものだったという現実をそろそろ直視するべきではないでしょうか。

 「荒木は何が言いたいんだ?」ですね。いわゆる「駐留なき安保=米軍が日本駐留しない日米安保(荒木が職員だった旧民社党の当初の主張*3)」でも主張したいのか。どっちにしろ「小泉訪朝」でわかるように、そんなことは拉致解決とは「あまり」関係ない。特定失踪者問題調査会メルマガでするような話ではない。
 「あまり」と書いたのは「(安保廃棄では無く駐留なき安保レベルでも)在日米軍が日本からいなくなれば」、北朝鮮が対日感情を好転させ「拉致解決に資すること」がありうるからですが、とはいえ小泉訪朝で分かるように「在日米軍があると拉致が解決しない」という話ではあり得ない。
 それにしても荒木が「こんなことを言う」のならそれこそ「沖縄の基地反対運動」に好意的言動でもしたらどうなのか。

 私は拉致問題が進まない理由の一つにはそれが米国の東アジア政策と必ずしも一致しないこともあるのではないかと思っています。

 以前は「制裁すれば拉致が解決する」と言っていた男が公然と「米国に責任転嫁し出す」のだから呆れますね。
 さて荒木が「どういう意味で米国に責任転嫁している」のかさっぱりわかりませんが、「米国はおそらく、拉致解決のためのバーター取引(経済支援)を日本がすることを望んでない」「小泉訪朝での平壌宣言も内心ではそんなに嬉しくなかった」「むしろその後の日本による経済制裁救う会、家族会などの日本国内のウヨの声に小泉政権など歴代政権が迎合)を歓迎してたのでは無いか」と言う意味では「拉致問題が進まない理由の一つにはそれが米国の東アジア政策と必ずしも一致しないこともある」といっていいでしょう。
 しかし荒木が俺のような価値観「米国が北朝鮮への経済支援を支持する立場なら拉致の解決に資するのになあ」かどうかは不明です。
 いずれにせよ「米国のせいだ!、救う会は悪くない!(荒木)」では何の意味も無い。「米国のそうした立場の中で、拉致解決のために日本に何が出来るか」とか「米国のそうした立場をそもそも日本の力で拉致解決のために変えられないか」とかいう「拉致解決につながる話」をしないのなら米国に責任転嫁しても「ただの逃げ」でしかありません。

【参考:駐留なき安保】

asahi.com(朝日新聞社):常時駐留なき安保は「封印」 鳩山首相 - 普天間の行方2009.12.16
 鳩山由紀夫首相は16日、在日米軍の整理・縮小をめざした「常時駐留なき安保」について、「かつてそういう思いを持っていた。総理という立場になった中、その考え方は今、封印しないといけない」と語った。首相官邸で記者団の質問に語った。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設をめぐる対応と持論とは無関係と強調したかったとみられる。
 一方、首相は「日本の将来、相当長期的な50年100年という中で、他国の軍隊が居続けることが果たして適当かどうかということは当然ある」とも述べ、問題意識は持ち続けていることも明らかにした。

【参考終わり】


アメリカは信じられるか(3月27日): 荒木和博BLOG
 6分程度の動画です。

 アメリカも中国も、みんなそれぞれの都合があるし、一人の人間が全てを決めているわけではないので、「アメリカだけは信じられる」とか「アメリカは敵だ*4」とかあまり決めつけない方が良い、というお話しです。

という動画説明文だけで見る気が失せます。正直、見る価値は全くない。
 どこの世界に「米国は100パー信じられる、米国の力で拉致を解決しよう」なんて言ってる人間がいるのか。そんなんは「ブッシュ子、オバマ、トランプ」と「米国大統領詣で」を繰り返した救う会、家族会だけでしょう。
 そもそも「拉致解決という意味で米国は役に立ってない」という判断の下に、田中均氏、蓮池透氏、和田春樹氏などは「日朝交渉」を主張してきたわけです。
 そもそも荒木も動画で述べていますが、「よほどの身内」でない限り、無条件で信用なんかできるわけがないでしょう。
 特に「利害関係を越えた友情関係が想定できる個人と個人の関係」ならともかく利害関係まみれの「組織と組織の関係」「国家と国家の関係」でそんな無条件の信頼なんか出来るわけがない。
 そう言う意味で言えば「家族会」が救う会の連中に「無条件で服従している(無条件で信頼している?)」のも馬鹿げた話です。
 それにしても、「拉致問題では可能ならば米国だけで無く、北朝鮮の周辺国で、北朝鮮への一定の影響力もある中国や韓国、ロシアの協力も得るべきだ」と荒木が動画内で言い出したのには「はあ?」ですね。いや確かに「中韓、ロシアの協力」が得られれば「それに越したことはない」。実際、小泉訪朝の成功は「金大中政権が金正日に小泉訪朝受け入れを助言したこと」も大きかったようですが、靖国問題慰安婦問題、北方領土問題などで中韓、ロシアに悪口するウヨの荒木がよくもそんなことが言えたもんです。およそ本気で言ってるとは思えない。


◆荒木のツイート

荒木和博がリツイート
◆レブラくん(RBRA)予備役ブルーリボンの会
 特定失踪者「荒谷敏生さん」の妹「矢島文恵さん」。終始明るく出演頂きましたが「政府が(拉致被害者と)認めてないから違うんじゃない?とずっと言われていた」「救出活動しているうちに(ボーガス注:高齢化して)皆入院・施設に入ったりでメンバーが減っていく」など心に刺さるお話が沢山ありました。

 どこが心に刺さるんだかさっぱり分かりませんね。
 「政府が北朝鮮拉致と認めないようなもんは信用できない。犯罪だとしても一般的な誘拐じゃ無いのか。大体特定失踪者なんて既に国内で40人以上発見されてる」「証拠があれば政府が認定拒否する理由は無いはずだ。検察が、政治的圧力に屈して、森友、加計、桜で安倍を起訴しないのとはわけが違う。政府に北朝鮮をかばう理由はないだろう」というのは当たり前の指摘です。
 「日本人はお上の言いなりだ」などという話ではない。
 「高齢化でメンバーが減っていく」といったところで「そもそも特定失踪者なんて拉致じゃないし」で終わる話です。

荒木和博
 「レブラ君とあやしい仲間たち」26回目、ゲストは特定失踪者家族会幹事で荒谷敏生さん*5(昭和49年富山で失踪)の妹さん、矢島文枝さんです。ご家族の思いをぜひお聞きください。

 11分程度の動画です。特定失踪者など荒木等が勝手に北朝鮮拉致認定しているだけなので鼻で笑うだけですが、それにしても特定失踪者家族というのは「正気なのか?」と疑いますね。まさか荒木等「特定失踪者問題調査会」に一円も金を支払わず「無料」のわけもないでしょうし。この矢島さんが荒木のことを「荒木先生にはいつも感謝している」というのには絶句ですね。何を感謝しているのか?。「さん」ならまだしも荒木ごときを「先生」と呼ぶとは正気なのか。言葉を選ばずに言えば『お前はアホか』(横山ホットブラザーズ風に)ですね。 

*1:後に日本国民救援会会長。著書『決断: 謀略・鹿地事件とわたしそして国民救援会』(2000年、光陽出版社)、『人権の未来:警察と裁判の現在を問う』(2003年、本の泉社)、『アメリカのスパイ・CIAの犯罪:鹿地事件から特殊収容所まで』(2011年、学習の友社)、『日本近現代史のなかの救援運動』(2012年、学習の友社)など(山田善二郎 - Wikipedia参照)

*2:1894~1993年。1947~1969年まで衆院議員。1970年アムネスティ・インターナショナル日本支部を設立し初代理事長に就任。著書『聞書き猪俣浩三自伝:一無産党弁護士の昭和史』(1982年、思想の科学社)など(猪俣浩三 - Wikipedia参照)。

*3:「駐留なき安保」とは「社会党共産党」の「旧民社は第二自民党」という批判に対する「旧民社なりの言い訳(我々は自民とは違う)だった」わけですが、ただし旧民社がどんどん「右傾化(第二自民党化)」すると、結局、そんな主張は雲散霧消します。そして社会党共産党から「ほら見ろ、旧民社は第二自民党だ」と批判されるわけです。

*4:たぶん「日本共産党など米軍基地批判派」への荒木の偏見でしょうが、米軍基地批判は「米国は敵だ」という話ではない。

*5:荒谷 敏生 | 特定失踪者問題調査会によれば1948年10月25日生まれ