「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年8/6日分:荒木和博の巻)(副題:世田谷一家殺人事件についていろいろ書いてみる)


情報は「集まる」ものではなく「集める」ものです(R4.8.6) - YouTube

 6分の動画です。馬鹿馬鹿しい。それは果たして「拉致被害者帰国につながる情報」なのか。恐らくそうではないでしょう。未だかつて荒木からそんな情報が提出されたことは一度もない。拉致被害者帰国につながらない情報など「仮に事実だとしても」何の意味もない。
 これは荒木に限らず、他の事件でも同じです。
 例えば以下の記事もその一例です。

「世田谷一家殺人事件」犯人特定に向け新展開 !? 週刊誌報道を期待していいのか(沖田臥*1)2021.10.30
 写真週刊誌「FLASH」(11月9日・16日合併号)が「世田谷一家殺人事件 21年めの新展開!警視庁が異例の実名出しで所在を追う『焼き肉店のアルバイト店員』」という記事を報じた。
  2000年12月30日に発生した、宮沢みきおさんら一家4人が殺害されたこの事件は、日本における未解決事件の代表的な存在となっている。
  「FLASH」の記事は、同事件に関連して、現在、警視庁捜査一課が「H」という人物について聞き込み調査を行い、その行方を追っているというものだった。Hは事件当時20代で、世田谷区内の焼肉店でアルバイトをしていたが、捜査本部が発表している犯人像と一致する点が多いというのだ。
 では、この情報は本当に、犯人逮捕に向けて、注目に値するものといえるのだろうか。
 筆者も、複数の未解決事件のその後を追跡した『迷宮:三大未解決事件と三つの怪事件*2』(サイゾー)を(ボーガス注:2020年に)執筆した際、この事件についても取材し、事件に詳しい友人に協力してもらいながら、当時の状況を知るために莫大な資料を調べ尽くした。事件現場にも足を運んだ。そして結局は、『迷宮』でも書いたが、この事件に詳しい友人が最初に言った言葉『調べれば調べるだけ、わからなくなる』という状況に突き当たったのだ。
 だからこそ、私は『迷宮』の冒頭でこう記した。
『本書は、「未解決事件の真相に迫った」ことを売りにする、すべての書物を否定する』
 実際にそうではないか。過去、多くの未解決事件関連本や報道が、犯人に迫るような情報を発表してきたが、その通り、犯人が逮捕されたケースはない。
 ジャーナリストやライターの取材力が当局の捜査能力を上回ることは、常識的に考えてもありえないだろう*3。確かに読み物としては、犯人がわかったかのような拡大解釈と妄想を交えたほうが面白い。だが、それが真実かといえば、犯人が逮捕されていない以上、未解決事件である以上、違うといわざるを得ないのだ。
 世田谷一家殺人事件においても、いまだ疑わしき人物というのは特定されていない。簡単な話だ。あれだけの遺留品が現場に残されているのだから、そこに残された指紋やDNAと一致するかどうか調べれば、疑わしき人物がシロかクロかの答えはすぐ出るのである。疑わしき人物の指紋やDNAを採取するのも、それほど難しいことではない。例えば、その人物の家から出たゴミを洗えば、すぐに採取できるだろう。立ち寄った飲食店などでも採取できる。つまり、疑わしき人物が捜査線状に浮上したら、すぐに犯人か犯人でないかと結論づけることができてしまうのである。
 そんな中で、「FLASH」が目をつけたHが犯人とつながるものではないかという見方は、現実的ではないだろう。

 赤字について言えば「無意味な情報だった」と見るべきでしょうね。
 何せ、現在に至るまで逮捕できていませんから。週刊フラッシュが報じた以外は後追い報道もなかった。
 ちなみに「世田谷一家殺人事件」でググったら以下の記事がヒットしました。

検証不可能なお話 - 負け犬の遠吠え2019.1.7
 昨年末に発売された、「文藝春秋」の「世田谷一家殺害事件・18年目の新事実」。
 この中には、私が知らないような新情報がたくさん書かれていて驚いた。中でも最も驚かされたのが、北朝鮮脱北者からの情報である。
 今回の内容を引用させていただくと

 私が脱北する直前、長らく音信がなかった、人民軍兵士の甥が「休暇だから遊びにきた」と言って我が家に泊まり来たのです。私は、彼が特別に厳しい世界だと耳にしていた特殊部隊に入っていたことを知っていたので、「よく休みが取れたな?」と聞きました。すると甥は「重要な訓練で大きな成果を出した。その褒美が与えられた」と自慢げに応えたのです。その夜、布団を並べて寝る段になって、甥は掛け布団を被りながら驚くべき話を小声で始めたんです。
「実は『敵地適応化訓練』という特殊な訓練で日本に極秘潜入した。訓練教官の指令は『トウキョウで日本人家族を皆殺しにせよ』というものだった。そして私は、その訓練を実行した」。
 私は驚愕したまま、「どうしてお前の成果だと、教官に証明できるんだ?」と尋ねた。甥はその質問を待っていたかのように冗舌に語り始めた。
「証拠として、教官から指示された、黒いハンカチ*4を現場にばらまき、指定された物を置いてきた。そして、それらは日本で報道された。そういうことだ」

世田谷一家殺害事件から20年、真実にここまで肉薄していた捜査の全貌 | 文春は、お嫌いですか?元編集長の懺悔録 | ダイヤモンド・オンライン木俣正剛*52020.12.30
 世田谷一家殺害事件には、まだまだ別の説もあります。作家・麻生幾*6が月刊『文芸春秋』に書いていますが、北朝鮮の特殊部隊の兵士は、時折日本に上陸して日本人を殺害し、また北朝鮮に帰るという訓練をしている。脱北者の1人が、「ある北朝鮮の兵士が世田谷一家殺人事件とそっくりの事件について、自身が関与したことを自慢しているのを聞いた」というのです。
 真相はどこにあるのか。一刻も早く、犯人が逮捕されることを願ってやみません。

 「特定失踪者デマを考えれば、これですら『俺にとって予想の範囲内』だが、拉致界隈、アンチ北朝鮮界隈は本当にレベルが低い」「世田谷一家殺人事件まで北朝鮮ガー、か?」「被害者、ご遺族、警察全てに対して失礼やろ」と心底呆れます。そしてこんな惨状を何とも思わないらしい拉致被害者家族会にも心底呆れます。
 なお、あの「アンチ北朝鮮」産経ですら世田谷一家殺人事件についてはこんなふざけた主張を紹介はしません(産経記事については後で紹介)。
【参考:産経の「世田谷一家殺人事件」報道】

【許さない 未解決事件のいま】(5)絞れぬ犯人像 遺族「解決見て死にたい」 世田谷一家殺害 - 産経ニュース2021.12.29
 事件解決の糸口はつかめていない。
 ヒップバッグ、トレーナー、帽子、マフラー、A型血液、韓国製テニスシューズ「スラセンジャー」の足跡。100個以上の指紋・掌紋など、現場には多数の犯人の遺留品が残されていたが、捜査は難航した。
 さまざまな犯人像が浮かんでは消えた。
 「動機も分からず捜査するほど謎が深まる」。
 捜査関係者は首をかしげる
 遺族の思いは21年たっても変わらない。
 「こんなに長く生きたので、やはり事件が解決するのを見て死にたい。何でこんな事件を起こしたのか」。
 宮沢さんの母、節子さん(90)は小さい体からか細い声を絞り出した。
 未解決事件の遺族の思いはただ一つ。犯人の逮捕だ。遺族の思いに応えることができるか。刑事警察の真価が問われる。
【世田谷一家殺害事件】
 平成12年12月31日午前10時55分ごろ、東京都世田谷区上祖師谷の会社員、宮沢みきおさん=当時(44)=宅で、宮沢さんと妻、泰子さん=同(41)、長女、にいなちゃん=同(8)=が刺殺され、長男、礼君=同(6)=が窒息死させられているのが見つかった。


訃報(藤澤忠将幹事)【調査会NEWS3636】(R4.8.5): 荒木和博BLOG

 昨日8月4日、調査会幹事である藤澤忠将・名古屋市議会議員が亡くなられました。享年53歳。
 藤澤さんは塚本三郎・元民社党委員長の秘書で、私とはその当時からのお付き合いですからもう30年位になると思います。平成7年(1995)25歳で市議選に当選して以来、7期連続当選し、7年前には40代で市議会議長にも就任しました。

 こんなゴロツキ右翼(なお、自民党所属。ちなみに塚本も晩年は自民所属でした)が市議だったのかと思うと名古屋市民には絶句ですね。さすが「ゴロツキ右翼」河村を市長にするだけのことはあります。
 俺はこの種のウヨが「反吐が出るほど大嫌い」なので『死もまた社会奉仕(元老・山県有朋が死去した際に山県批判派の石橋湛山が言ったとされる言葉)』といいたい。しかし荒木が「死因(マスコミの訃報記事に寄れば頬粘膜がん)について書かない」のが興味深い。遺族が教えてくれなかったのか、はたまた荒木が知っているがあえて書かないのか。

*1:山口組組員(アマゾンの著者紹介による)。著書『2年目の再分裂:「任俠団体山口組」の野望』(2017年、サイゾー)、『相剋:山口組分裂・激動の365日』(2020年、サイゾー

*2:アマゾンの著書紹介に寄れば三大未解決事件とは『八王子スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件(1995年、3名殺害)』『柴又女子大生放火殺人事件(1996年、1名殺害)』『世田谷一家殺人事件(2000年、4名殺害)』。3つの怪事件が何かはよく分かりません。なお、未解決の殺人事件自体は「時効が成立した物」「冤罪事件(容疑者が起訴されたが無罪判決)」も含めて、『朝日新聞阪神支局襲撃事件(1987年、1名殺害、2002年に時効成立)』、『「悪魔の詩」訳者殺人事件(1991年、1名殺害、当時イランの最高指導者ホメイニが「悪魔の詩」に激怒したため、イスラムテロ説もあるが未解決(2006年に時効成立)のため犯行動機は不明)』、『阪和銀行副頭取射殺事件(1993年、1名殺害、2008年に時効成立。なお阪和銀行は1997年に上場廃止、2003年に清算完了)』『住友銀行名古屋支店長射殺事件(1994年、1名殺害、2009年に時効成立)』『東電OL殺人事件(1997年、1名殺害)』『広島市スーパー「マルショク」強盗殺人事件(2000年、1名殺害)』『阪急南茨木駅前スーパー「阪急共栄ストア南茨木店」強盗殺人事件(2001年、1名殺害)』『愛知豊明母子殺人放火事件(2004年、4名殺害)』『王将社長射殺事件(2013年、1名殺害)』など勿論他にもあります(未解決事件 - Wikipedia参照)。

*3:これは荒木ら特定失踪者問題調査会も同じです。常識的に考えて荒木の「拉致についての調査能力」が警察を上回ることはあり得ません。

*4:マスコミ報道に寄れば世田谷一家殺人事件の遺留品の一つに「黒いハンカチ」がある。

*5:木俣正剛 | 著者ページ | ダイヤモンド・オンライン等によれば、「1955年生まれ。1978年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒、文芸春秋入社。『週刊文春』『文芸春秋』の編集長を経て、2015年常務取締役、2018年退社。現在、岐阜女子大学副学長・教授。著書『文春の流儀』(2021年、中央公論新社)」

*6:著書『極秘捜査:政府・警察・自衛隊の〔対オウム事件ファイル〕』(2000年、文春文庫)、『外事警察』(2014年、幻冬舎文庫)、『アンダーカバー:秘録・公安調査庁』(2020年、幻冬舎文庫)など