今日のロシアニュース(2022年10月11日分)

“軍事侵攻の大義「祖国防衛の戦い」に” ロシアの専門家指摘 | NHK | ウクライナ情勢

 コルトゥノフ氏は、ウクライナでの戦況に関連して「政権側は、『特別軍事作戦』としていたものを今では(ボーガス注:ナポレオンやヒトラーの侵攻に対決したような?)『祖国戦争』として見せようとしている。ロシアは、自分たちが併合した地域で戦闘が起きれば、領土の一体性への侵害だと主張し、相応の対応をとる」と述べ、プーチン政権は、ウクライナの4つの州の一方的な併合に踏み切ったことを受けて、軍事侵攻の大義を祖国防衛のための戦いに変え、動員も含めて国民の理解を得るねらいだと指摘しました。

 自分で武力併合しておきながら「祖国防衛」もないもんですがなるほど「4州併合」についての一理ある見方もしれない。「恐らく当初の目的だっったであろうゼレンスキー政権打倒、傀儡政権樹立」がキーウへの進撃が阻まれ「ほぼ不可能」となった以上、「戦争目的を切り替えて、切り替えた目的(祖国防衛?)での成果をアピールし、挫折を糊塗する」というのは十分あり得ることでしょう。

 コルトゥノフ氏は、先月開催された上海協力機構*1の首脳会議で、中国やインドから軍事侵攻に対する懸念が示されたとして「プーチン大統領にとって、この紛争を早く終結させようとする刺激となった可能性がある。併合した地域を『勝利』として示せば、軍事作戦の目標がかなり達成されたと訴えられる」と述べ、プーチン大統領が友好国からの懸念を踏まえ、停戦のきっかけを探りたいと考えている可能性に触れました。
 一方「併合を決めたことが、近い将来のウクライナとの停戦の可能性を閉ざすことは明らかだ。主導権を握るウクライナが、領土を大幅に失うことを受け入れるとは想像できない」とも述べ、現時点で停戦が成立する見通しは非常に低いとしています。

 「4州併合でもしなければ面子が立たない、停戦できない(ロシア)」「4州併合のままでは面子が(以下略)(ウクライナ)」として「お互いの面子のぶつかり合い」から停戦合意が難しいと言う指摘です。

 核戦力の使用は

 これについてコルトゥノフ氏は
【1】戦闘がウクライナ国内に留まる場合はその可能性は低いが
【2】戦闘がロシア領内(併合したクリミアや4州を含むが、特に軍事侵攻で併合したわけではない、元々の「ロシア領」*2で起こった場合)は「祖国防衛」を口実にプーチンが核使用する可能性が「(低いとは思うが)全否定できない」
【3】少なくともプーチンは核の牽制で「ロシア領内」への侵攻(併合したクリミアや4州を含むが、特に軍事侵攻で併合したわけではない、元々の「ロシア領」への侵攻)を阻止しようとするだろう
との見方を示しているようです。これまた一理ある見方かと思います。

「さらなる大規模な軍事活動を望むタカ派もいれば、早急な平和を望むハト派もいる。今後の外交政策を巡り、指導部内で何らかの闘争が立ちはだかるだろう」と述べ、体制内での権力争いが激しくなるという見方を示しました。

 ロシア軍の苦戦によってハト派も台頭し、ロシア政府は一枚岩ではないという指摘です。


「サハリン1の重要性変わらない」 西村経産相 出資継続への言及避ける - 産経ニュース
 別の場面では「キーウ攻撃を非難する」などと岸田首相や林外相が言ってもこれでは説得力に欠けると言うべきでしょう。まあ、この点は未だにロシアのガスを購入してるドイツなどもそうですが。


メドベージェフ前ロシア大統領を指名手配 ウクライナ保安局が発表:朝日新聞デジタル
 当然ながら「プーチン政権で第一副首相、首相*3、大統領*4を歴任」し現在も「与党・統一ロシア党首」「国家安保会議副議長(なお、議長はプーチン大統領、安保会議のメンバーは他に首相、外相、国防相、内務相、上下両院議長など)」という「プーチンの側近メドベージェフ」を指名手配したところで「政治的インパクト」はともかく現実性はありません。
 昔の高世が
金正日を国際法廷へ! - 高世仁のジャーナルな日々2007.12.14
さあ、金正日にも逮捕状を! - 高世仁のジャーナルな日々2009.3.5
と言っていたのと大同小異と言っていい。

*1:中国、ロシア、カザフスタンキルギスタジキスタンウズベキスタン、インド、パキスタンが加盟国

*2:元々のロシア領でウクライナ軍やNATOが戦闘する気があるかどうかはひとまず置きます。

*3:勿論、プーチン大統領時代です

*4:メドベージェフ大統領時代はプーチンは首相、与党・統一ロシア党首に就任(大統領には首相更迭権があるため、メドベージェフの裏切り阻止のために大統領には更迭権限がない与党党首にも就任したとされる)