今日のしんぶん赤旗ニュース(2023年2/15~18日分)(副題:松竹除名ほか)

「暴行・脅迫」要件改正へ/法制審 性犯罪規定見直しを答申
 「審議会答申に基づき法案がいずれ提出予定」とはいえ法案可決どころか、まだ法案提出すらされたわけではない(審議会答申に過ぎない)ので、過大評価は禁物ですが「フラワーデモ」など「選挙以外の運動の成果」であり、「政権交代」や「多数議席獲得」といった「選挙の成果」だけが「全てではない」ことは改めて指摘しておきたい。勿論それは「選挙で負けてもいい」ということではなく「選挙で負けても諦める必要は無い」と言う話です。選挙で勝つ努力が必要なことは当然の話です。
 なお、「法制審議会・刑事法(性犯罪)部会」のメンバー(https://www.moj.go.jp/content/001387703.pdf参照)はほとんどが

【刑法、刑訴法学者】
◆井田良*1慶應義塾大学名誉教授、中央大学教授)
◆川出敏裕*2(東大教授)
◆木村光江*3東京都立大学名誉教授、日本大学教授)
など
【警察官僚】
◆渡邊国佳(警察庁刑事局長)
など
【法務官僚】
◆松下裕子*4法務省刑事局長)
◆田中知子(東京高検刑事部長)
など

といった「予想できるメンバー」ですが「市民団体からの面子」として山本潤氏(一般社団法人Springの創設者、元代表理事、著書『13歳、「私」をなくした私』(2017年、朝日新聞出版))の名前があります。


主張/税務相談停止命令/納税者の権利侵す法案 撤回を
 共産党が疑うように「民商の税務相談潰し」であるならば全く無法な話です。


大手メディアの共産党バッシングどうみる?/おはようニュース問答 ワイド版

陽子
 松竹さんは、党の規約に対して「異論を許さない政党」であるかのように批判し、綱領に対しても「野党共闘の障害になっている」と批判したんでしょう。どちらも事実に反すること。事実に反する批判を「攻撃」というのは、当然じゃないかな。

 全く同感ですね。「除名されて当然の反党分子」が除名されただけの「ごく当たり前の話」です。
 そもそも松竹の言う「野党共闘の障害」とは何なのか。例えば、先日の愛知県知事選では

脱炭素の愛知県政に/小池氏、尾形知事候補を応援2023.1.30
 れいわ新選組緑の党グリーンズジャパン、社民党新社会党、だまっちゃおれん!原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜原告団の各代表が尾形候補の勝利への支援を訴えました。

ということで共産、社民、れいわとの共闘が成立している。
 結局「維新、立民の野合」を松竹が「野党共闘」と言ってるだけの話です。
 しかも維新とは「大阪都構想」「カジノ」「原発」(いずれも推進派の維新、反対派の共産)など「安保面」以外でも共産は対立しており、小池書記局長も「維新と共闘する気は無い」と明言しています(維新と協力の余地ない/小池書記局長が表明参照)。
 「安保施策を右に寄せれば維新と共闘できる」なんて事実はどこにもない。そもそも松竹の右翼的提言など「維新も泉立民も好意的反応を示すどころか完全に無視してる(除名をネタに共産に悪口しただけで松竹の政治主張など何ら触れてない)」のによくもほざいたもんです。
 しかも維新の場合「九条明文改憲」の立場なのに松竹は共産党に「維新にあわせて志位執行部は改憲を主張しろ」とでも言う気なのか。


敵基地攻撃能力 国を滅ぼす/「結社の自由」侵害 看過できぬ/憲法学者・慶応大学名誉教授 小林節さんに聞く

 私は、日米安保体制と自衛隊を是とする立場です。一貫して「専守防衛」を唱えています。
 その私からみても、岸田内閣が閣議決定した「安保3文書」に書かれた、敵基地攻撃能力の保有に沿った大軍拡・大増税路線は、「国を滅ぼすものだ」、と厳しく批判しなければなりません。
 この事態にストップをかけるために、野党は結束しなければならない。ところが、いま、岸田大軍拡の道を止めようと野党の中核でがんばっている日本共産党に、メディアなどのバッシングが強まっています。
 処分された党員*5が“日米安保条約の堅持”“自衛隊合憲”という意見を持つことも自由です。しかし、日本共産党は綱領で、国民多数の合意での安保条約の廃棄をきめています。自衛隊についてもアジアが平和になるなど国際情勢が許し、主権者国民の多数が認めたら、解消するとしています。
 それが正しくないと思うなら、まず規約通りに党内で意見を述べるべきです。それが通らなければ、自分の意見を「保留」することも、「結社の自由」を行使して離党することもできます。
 日本共産党は規約で、党員がどの機関にも意見を出し、回答を求めることができると保障しています。にもかかわらず、除名となった党員は党内議論を行わずに、時間をかけて準備した出版という形で、いきなり党外から党への批判的な意見をぶつけてきた。これはルール違反です。他のどの組織であれ、除名を含む処分はありうると思います。
 「朝日」などメディアがこの件で日本共産党をバッシングしているのは、看過できません。
 「朝日」が、日本共産党の「結社の自由」を侵害する行為をしていると言わなければなりません。
 多くのメディアは岸田政権の敵基地攻撃能力の保有や大軍拡路線にたいしてまともな批判をしていません。日本共産党を攻撃する前にもっとやることがあるのではないでしょうか。

 長く改憲右翼だと思われていた(そして松竹同様に自衛隊容認、日米安保容認だと語る)小林氏がここまで言うとは正直驚きました。
 松竹の陰謀「日本共産党の右傾化」が自衛隊容認、日米安保容認だという「小林氏」にとってすら許しがたいと言うことなのでしょう。おそらく小林氏は「松竹の右傾化路線はそんな甘い物ではない」「最終的には岸田大軍拡や敵基地攻撃論すら容認しかねない反党分子の極右が松竹。その証拠に松竹は岸田政権をろくに批判してない」と見なしてるのでしょう。
 もう俺的には「ガッテンガッテン」「異議無し!」ですね。


「産経」社説の特異な立場

 松竹氏自身が「結社の自由」に基づき日本共産党の綱領と規約を認めて加入しており、そうである以上、共産党の綱領や規約、党の政策や路線を外部から批判、攻撃することは党員であることと両立しないということです。どうしても党と異なる見解を主張し党を批判したいのなら、離党の自由も、離党後の言論の自由も100%保障されています。

 まあそういうことですね。松竹擁護派は「事情はどうあれ、松竹は自主的に入党した(日本共産党弁護士会のような強制加入団体ではない)」「である以上、党のルールは守るのが当然」「不当なルールだと思っても、まずは改正を主張するのが原則であって『不当だから守らない』では党内紀律が破壊される」「本来、離党すべき話だ」ということを平気で無視するから呆れます。
 一方で「法的、政治的、道義的制約」はあり「結社の自由を理由に構成員相手に何でもできるわけではない」ですが、共産党の方にも「松竹など党員に対する懲戒処分(除名など)の権利」があるわけです。
 勿論「ヤクザの指つめ」「暴走族の焼き入れ」のような反社会的、反人道的なルールは「守る必要など無く」、また話が別ですが、共産党のルール(民主集中制など)はそこまで酷い代物なのか。俺はそうは思いません。

*1:著書『死刑制度と刑罰理論』(2022年、岩波書店)など

*2:著書『別件逮捕・勾留の研究』(1998年、東京大学出版会)など

*3:著書『詐欺罪の研究』(2000年、東京都立大学出版会)など

*4:東京地検特捜部副部長、法務省刑事局国際課長、刑事課長、総務課長、法務省大臣官房会計課長、山形地検検事正、法務省人権擁護局長等を経て現職(松下裕子 - Wikipedia参照)

*5:松竹のこと