21年前(2002年)の今日(10/15)は拉致被害者5人(地村夫妻、蓮池夫妻、曽我ひとみ氏)が帰国(2023年10月15日記載)(追記あり)

 と言っても気づいてない方、忘れた方が多いでしょう。
 小生も実は北朝鮮拉致被害者 蓮池薫さん 帰国21年 “最後のタイミング” | NHK | 拉致北朝鮮拉致被害者 蓮池薫さん 帰国から21年 集会で講演 鳥取 | NHK | 拉致を読んで気づいたにすぎません。それまでは全く忘れていました。実際「帰国後1年」なら他にも新聞(朝日、読売、毎日、産経等)、民放(日本テレビ、TBS、フジ、テレビ朝日等)等で「多くの関連記事」があったでしょうが、今となっては以下のNHK記事ぐらいしかヒットしません。
 産経ですら今日(10/15)の社説も産経抄も「拉致被害者帰国から21年」ではない。
 産経抄ハマス問題、社説は
【主張】「留守番禁止」撤回 親締め付けるより支援を - 産経ニュース(埼玉県の虐待禁止条例)
【主張】IAEA海洋調査 中国は暴論撤回の機会だ - 産経ニュース福島原発の汚染水排出)
です。
 ちなみに他の新聞の社説は以下の通りです。全て「拉致被害者帰国から21年」とは無関係です。

【朝日】
(社説)旧文通費の使途 公開の約束 今度こそ:朝日新聞デジタル(調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費=旧文通費)の使途公開)
(社説)不登校最多に 最適な支援 一人一人に:朝日新聞デジタル不登校問題)
【読売】
社説:新聞週間 偽情報の時代に重み増す使命 : 読売新聞(新聞週間)
社説:予備費の検証 ずさんな支出に歯止めかけよ : 読売新聞予備費問題)
【毎日】
社説:銀行送金の大規模障害 信頼損ねた原因の究明を | 毎日新聞(銀行送金の大規模障害)
社説:日中韓の対話枠組み 早急に首脳会談の実現を | 毎日新聞(日中間の首脳会談)
 毎日社説では「核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応でも、3カ国の連携強化が求められる。」という記載はあっても「拉致」の二文字はどこにもありません。

 そしてこんな蓮池発言は全く話題にならない。むしろ「ジャニー喜多川の性加害」「ビッグモーターの不祥事」「藤井の八冠達成」「ハマス問題」「ウクライナ戦争」「統一協会問題」等の方がよほど報じられている。

北朝鮮拉致被害者 蓮池薫さん 帰国21年 “最後のタイミング” | NHK | 拉致
 北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が帰国して15日で21年です。その1人の蓮池薫さんは(中略)帰国から21年となるのを前に、NHKのインタビューに応じ*1北朝鮮に残されたままの被害者の胸の内を察して「非常に耐え難いような苦痛、思いの中で、暮らしていらっしゃると思う。ご両親が他界された話を聞いている方もいるでしょうし、非常に高齢になっていることを知って非常に苦しい思いをされているのではないか」と述べました。
 政府が認定した、安否がわからない被害者のうち、親が健在なのは、横田めぐみさんの母親の早紀江さん*2(87)と、有本恵子さんの父親の明弘さん*3(95)だけとなったことに触れ、「2人も高齢化されて、体調もすぐれないと聞いている。本当にもどかしい、早く決着をつけなければならない、そういう思いがますます強くなっている」と話しました。
 そして、岸田総理大臣が日朝首脳会談を実現させるため、みずからが直轄するハイレベル協議を始めたいという考えを示していることに触れ、「米朝の状況が動きそうもない中で、日本が独自に北朝鮮と進めるしかないと覚悟を持たれたのだと思うし、そういった動きに出たことは幸いだと思う。今こそ、拉致問題の解決や進展のために、日本が具体的にどういうことができるかを、どんどん北朝鮮の指導者にすり込んでいく重要なタイミングだ。親御さんが存命の間に帰国させるという期限は日本にとっても大事だが、北朝鮮にとっても解決の最後のタイミングだ」と述べ、日本政府の具体的な取り組みと世論の後押しを求めました。

 なお「最後のタイミング」といったところで北朝鮮も「帰国させることによって利益が得られなければ」帰国させないでしょう。
 「バーター取引狙いなんて北朝鮮は汚い」というのはその通りです。
 でも「世の中」なんて残念ながら「そんなもん」でしょう。「バーター取引」以外に解決手段がないならそうせざるを得ないでしょう。
 なお、最後のタイミングという指摘が「今が親(早紀江も明弘も高齢化の上に体調が悪く何時死去してもおかしくない)が子(拉致被害者)に会える最後のタイミングではないか」という「単なる客観的事実の指摘にすぎない」なら同感ですが「親が子(拉致被害者)に会えないなら帰国しても意味がない」という価値表明ならそれには俺は反対です。
 例えば横田めぐみ氏の場合「母・早紀江」が死んでも弟は存命である。
 姉と弟が会うことには意義があるでしょう。
 いや「親が死ぬことによって全く身寄りが亡くなった場合」でも当人が帰国することそれ自体に意味があるでしょう。

【追記】
【主張】拉致被害者 奪還へもっと国民世論を - 産経ニュース

 北朝鮮による拉致被害者蓮池薫さんら5人が帰国を果たしたのは、平成14年10月15日である。あれから21年となった。
 今月15日、鳥取県米子市*4で開かれた集会で蓮池さんは「帰国を待つ存命の親が子供と再会できなければ、解決ではない*5という覚悟が必要」と訴えた。

 しかし既に指摘しましたが「10/15の産経社説」は拉致ではなく、
【主張】「留守番禁止」撤回 親締め付けるより支援を - 産経ニュース(埼玉県の虐待禁止条例)
【主張】IAEA海洋調査 中国は暴論撤回の機会だ - 産経ニュース福島原発の汚染水排出)
でした。
 これは素直に考えれば「10/15に埼玉県の虐待禁止条例、福島の汚染水排出を取り上げること」を産経が「10/15(拉致被害者5人が帰国)に拉致を取り上げること」より重要と考えたと言うことです。
 それでよくもまあ「拉致被害者 奪還へもっと国民世論を」なんて抜かせたもんです。

 蓮池さんはまた、解決に向けては「広く国民世論を高め、特に若い世代、幼い世代に伝わっていることを北朝鮮に示す必要がある」とも述べた。

 蓮池(そのアホさに呆れてるので敬称はつけない)には「お前はアホか」ですね。
 何故「若い世代」に拉致を知らせる必要があるのか。拉致は「外交交渉」の問題であって「政府、外務省の外交技術」の問題です。

 生徒児童から必ず聞かれる質問がある。
「僕(私)たちにできることはなんですか」

 はっきり言って「何もない」ですね。「繰り返しますが」拉致は「外交交渉」の問題であって「政府、外務省の外交技術」の問題です。 

*1:蓮池氏以外がインタビューに応じてないらしいことが興味深い。まあ「蓮池氏の妻」は蓮池氏が「俺が応じるからお前は応じなくていい」と言ってるのかもしれませんが。

*2:1936年生まれ。存命者では川淵三郎日本サッカー協会名誉会長、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督福田康夫元首相、山崎拓自民党副総裁が同じ年に生まれた(1936年 - Wikipedia参照)

*3:1928年生まれ。存命者では池田大作創価学会名誉会長、朱鎔基・元中国首相が、故人では手塚治虫(漫画家:1989年死去)、土井たか子社会党委員長(2014年死去)が同じ年に生まれた(1928年 - Wikipedia参照)

*4:政府認定拉致被害者松本京子氏の出身地

*5:「親が死亡後に『拉致被害者(こども)』が帰国すること」に意味がないかのような蓮池(そのアホさに呆れてるので敬称はつけない)の主張ははっきり言って間違っています。