今日のロシアニュース(2023年11月7日分)

武器輸出拡大の与党協議8日再開 「ウクライナへ防空ミサイル」の声 [ウクライナ情勢] [岸田政権]:朝日新聞デジタル
防衛装備移転 自公、方向性一致も細部で温度差 ウクライナ支援巡り難題協議へ - 産経ニュース
 ウクライナをダシにした露骨な火事場泥棒行為には心底呆れます。


“ウクライナから徴兵逃れで2万人近くが出国” 英BBC | NHK | ウクライナ情勢
 BBCがこうした報道をし、それをNHKが伝えていることが興味深い。


ウクライナ戦争とガザ戦争

“米がウクライナに供与の砲弾量 3割以上減”米報道 | NHK | ウクライナ情勢
 ABCテレビは21日、ウクライナ政府の高官*1の話としてアメリカがウクライナに供与した砲弾の量がイスラエル軍イスラム組織ハマスによる一連の衝突が始まった先月以降、その前と比べて「3割以上減っている」と伝えました。
 口径が155ミリの砲弾の一部が予定されていたウクライナではなく、イスラエルに流れているということです。
 これに対してアメリカ国防総省の高官は、ABCテレビの取材に対し「ガザで起きていることとウクライナで起きていることの間には何の関連性もない*2」と述べたとしています。

 まずは「事実が何か」が重要です。現時点では「砲弾減少」も「減少原因がガザ紛争での米国のイスラエル支援」も確定的事実ではないでしょう。


ウクライナ、ロシア占領地域や国内で破壊工作活発化…貨物列車爆破や自動車爆発など : 読売新聞

 ウクライナは最近、ロシアの占領地域や露国内で露軍の関係施設や鉄道の爆破などの破壊工作を活発化させている。反転攻勢が進まない中、局地的な破壊工作で揺さぶりをかける狙いのようだ。

 「反転攻勢が進まないから破壊工作」という読売の見方が正しいとしてそんなことは「揺さぶり」にはならないでしょう。
 「ロシア国内の治安がウクライナのテロで極度に悪化」ならまだしも「一人や二人、ロシア軍幹部を暗殺したり」する程度では揺さぶりにならず、むしろ「ロシアの報復」を招くだけでしょう。
 「揺さぶり」というよりは「反転攻勢の代わりに、破壊工作でロシアに打撃を与えてる」との「国民相手の言い訳作り」ではないか。読売記事が正しいなら、むしろ「ウクライナの苦境」が露呈していると思います。


ノルドストリーム破壊、ウクライナ軍大佐が関与か 調整役と報道 - 日本経済新聞
ウクライナ将校関与か 昨年のパイプライン爆破事件:時事ドットコム
ノルドストリームガス漏れ、ウクライナ軍大佐が破壊関与か 独誌 | 毎日新聞*3
 「米国紙ワシントンポスト」「ドイツ雑誌シュピーゲル」の報道ですが、もはやノルドストリーム破壊は「ウクライナへの報復」を正当化するための「ロシアの自作自演」(ウクライナ側の主張)の可能性はなく、「ロシアの経済的打撃を狙った」ウクライナの犯行と見なして良いのではないか。ウクライナ側は報道を否定しているとは言え、「定評あるメディア(勿論親ロシアではない)」であるワシントンポストシュピーゲルが揃って飛ばし記事を書いたと考えるのは現実的ではないでしょう。

 最終的にザルジニー総司令官に報告した。ゼレンスキー大統領は意図的に計画を知らされなかった可能性があるという。

 さすがにゼレンスキーが知らなかったら「文民統制シビリアンコントロール)」の観点で問題があり、知っていたでしょう。もはや「ウクライナの犯行であること」は否定できないがそれでも「ゼレンスキーだけはかばいたいため」の関係者の虚言でしょう。しかしこうした報道が出るとはウクライナ戦争報道も「ウクライナ美化」の時代ではなくなってきたようです。
 これについては特筆すべきウクライナ情勢報道の風向き変化について: 白頭の革命精神な日記(2023.11.13)も紹介しておきます。

*1:この高官が「政府内で超少数派」でない限り、こうした不満が「ウクライナ政府内で強いこと」は窺えます。

*2:NHK記事を見る限り「そもそも砲弾の減少自体が存在しない」ではなく「仮に減少しているとしてもガザ紛争とは関係ない」という語り口らしい点が気になります。

*3:日経新聞タイトル「破壊」、時事通信タイトルが「爆破」なのに毎日新聞は記事タイトルを「ガス漏れ」とする辺り「そんなにウクライナを非難したくないのか?」と呆れます。果たしてロシアの犯行でも「ガス漏れ」と書いたかどうか?