今日のロシアニュース(2023年5月29日分)(副題:パイプライン爆破事件ほか)

ウクライナが破壊計画、米は把握 ロシア独結ぶガス管、機密文書:東京新聞 TOKYO Web

 ロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で昨年9月に起きたガス漏れ*1を巡り、米紙ワシントン・ポスト電子版は6日、ウクライナ軍のダイバーによる破壊計画を米政府が事前に把握していたと報じた。米当局の機密文書に基づくとしている。破壊計画と実際の状況が酷似し、欧米がウクライナの関与を疑う根拠になっているという。
 (ボーガス注:犯行を実行した)6人は(ボーガス注:犯行後に)ウクライナ軍のザルジニー*2総司令官に直接報告をする*3ことになっており、ゼレンスキー大統領が計画を把握していない可能性もある*4という。

 報道したワシントンポストは勿論ロシアには批判的ですし、こうした報道は「米国政府のリーク」でしょう。
1)パイプライン破壊(一部からは満州事変的な意味でのロシア犯行説もあったが)がウクライナの犯行である可能性が否定できないと共に
2)その種のウクライナの「暴走」に米国が、マスコミリークしてまで歯止めをかけたがってることが分かると思います。
 それにしても「ザルジニー軍総司令官の了承がある」のにゼレンスキーが知らないわけがないでしょう。もしそうなら「ゼレンスキーが軍を管理できてない」という恐ろしいことになります。
 これは
1)ウクライナをかばいきれない場合でも、ザルジニーの暴走扱いしてゼレンスキーだけは守る
2)その場合、ゼレンスキーはザルジニーをかばわずに躊躇なく切って捨てろ
という米国の意思の表れでしょう。「昭和天皇を守るために東条英機元首相等を戦犯という人身御供にした」のと同じ話です。


長期戦が成功したためしはない 太田文雄(元防衛庁情報本部長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「長期戦が成功したためしはない」としてプーチンロシアをバカ扱いする国家基本問題研究所ですが、吹き出しました。
 「長期戦を中国相手にやって自滅した戦前日本(1931年の満州事変からカウントすると約14年、1937年の盧溝橋事件からカウントしても約8年、なお現時点では「昨年2月に侵攻した」プーチンロシアはまだ約1年4月)」をどう思うのか聞きたくなります。 
 「戦前日本も愚かだったのですか?」と聞いたらやはりムキになって反論するのか?


ロシア人による武装組織の幹部 “首都モスクワまで攻め込む” | NHK | ロシア
1)この反プーチン軍事組織や、軍事組織を支援するウクライナの独力ではモスクワ進撃なんか無理
2)「クリミアや四州の奪還」ならともかくNATO諸国もそんなことを認めるわけがない
と言う意味で現実的にできるわけもないので吹き出しました。


ワグネルのプリゴジン氏「革命」に言及…プーチン氏、強硬派に手を焼く : 読売新聞
 こうしたプリゴジンの態度が
1)本当に強硬論で、プーチンも困ってると見るのか
2)実は国内の強硬論(強硬論が存在しプーチンが扱いに困ってるのは事実)へのガス抜きとして、「強硬派」を演じている。プーチンとの間で「適当なところで決着させる」という話し合いはしており、プーチンは困っていないと見るのか
で話は違ってきますが、その点、素人には判断が困難です。


ウクライナ選手にブーイング 全仏テニスで握手拒否 - 産経ニュース
 いかに相手が「政府が親ロシアのベラルーシの選手」とはいえ、握手*5拒否は不当であり、ファンのブーイングも当然と思います。
 ベラルーシ選手「サバレンカ*6」が

「私たちは戦争は支持していない。戦争を止められるなら止めたいが、(ボーガス注:ベラルーシ国内で反戦運動が高まってるわけでもないし、自分に政治力があるわけでもないし)それは私の手の及ぶところではない」

と言うように「彼女に何をどうしろというのか」。「テニス選手としての活動」「彼女の家族の生活」等に「支障が生じる」恐れを覚悟してまで「国籍離脱」「反政府活動(反戦活動)」「(国籍離脱等した場合の政府の弾圧を回避するための)海外移住」を求めるのも不当な気がします(勿論、彼女が自主的に「国籍離脱」等をするなら反対はしませんが)。
 まあ、ウクライナ選手は「そもそもベラルーシ選手と戦いたくなかった(そういう組み合わせにして欲しくなかった)」「そもそもベラルーシ選手の出場に反対」のようです。まあ、主催者も「故意にそういう組み合わせにした」わけではないでしょうが、今後は「ウクライナベラルーシでは組まない」という配慮をしても良いのではないか。
 なお、

 サバレンカは記者会見で「(ボーガス注:勿論そうした考えに賛同はしないし不快にも思っているが)なぜ握手をしないかは理解できる」とコスチュクを擁護。

だそうで「内心はともかく*7、非難はせずに理解を示した」ベラルーシ選手「サバレンカ」の方が「完全に大人」ですね(まあ年齢的にもサバレンカの方が年上ですが)。

*1:どう見ても自然なガス漏れではないのにパイプライン爆破と書かない辺り、ウクライナ犯行説が浮上したことに対する、親ウクライナ「日本マスコミ」としての政治的忖度でしょうか。

*2:西部作戦管区参謀長兼副司令官、ウクライナ統合軍事作戦司令部副司令官、北部作戦管区司令官等を経て軍総司令官

*3:こういう場合直接の報告は「直属の上司」にして、実行犯が不幸にして敵側に逮捕された場合でも「誰が黒幕か分からないようにする」と思うのですが、「逮捕の可能性を全否定していた」のか、「軍総司令官に直接報告」とは事実なら驚きです。

*4:「直接ゼレンスキーに報告しない=ゼレンスキーが知らない可能性」という論理のようですが実行犯が直接ゼレンスキーに報告するわけがない。むしろ「軍総司令官に直接報告」だって事実なら驚きです。

*5:試合終了後はお互いに健闘をたたえ合うという意味で握手が慣例となっている。

*6:2023年全豪オープン女子シングルス優勝。2019年全米オープン、2021年全豪オープンで女子ダブルス優勝

*7:ここで「賛同はしないし不快だが理解はできる」として「一定の理解」を示した方が「世間受けはいい」と言う計算は勿論ベラルーシ選手もしているでしょう。一方でさすがに「握手拒否を全面肯定はしない」わけです。