坂本龍一の「ダウンタウン理論」によせて - 高世仁のジャーナルな日々
松本人志の「性加害疑惑」について、きょう発売の『週刊文春』は【《新証拠入手》6、7人目の告発者が、松本人志「ホテル室内写真」と「女性セレクト指示書」】の特集を載せた。被害を訴える女性が次々に現れ、これで7人になったか。
「裁判で事実関係がはっきりするまでは何も言えない」などと遠慮がちにコメントする芸人*1や識者がいるが、そんなこと言ってたら、自民党の裏金問題も批判できない。多くの女性が悩んだ末に意を決して証言し、しかも日時や場所、事実関係のディテールを語っている。(事実ならば)悪質な犯罪でもある。告発された本人は、影響力も、ある種の「権力」もある超有名人、当然公の場で釈明または謝罪するのが筋だろう。裁判はまた別の話。
「ジャニーズ」の問題では「もみ消し」に加担したとされるマスコミは、今回は忖度なしに報じることが求められる。
『Friday』に(ボーガス注:吉本の後輩芸人)博多華丸・大吉の大吉と松本人志とのエピソードについての記事が出ていた。これは信憑性がありそうだ。
《(前略)松本のために女性を集めなければならない。このプレッシャーは(ボーガス注:吉本の)後輩にとって凄まじいものだったようだ。
‘15年2月に福岡で行われた公開収録イベント『人志松本のすべらない話プレミアムライブin 福岡』ではお笑いコンビ『博多華丸・大吉』の大吉が、松本が初めて福岡に来た際の話をしていた。
松本は今田耕司らほか5人で福岡に来るということで、大吉は「わかってるな、女の子を用意するように」と命じられたと話す。
大吉は福岡に詳しいため、他の先輩らが来ても店や飲み会をセッティングしていたそうだが、有名な松本なら「余裕で集まるだろう」と高を括っていたという。しかし声をかけていくと、全国での悪評が福岡の女性らに広まっており
「飲み会に行ったら何をされるか分からない」
「笑いよりも後に与えられる暴力の方が上回る」
などと言われたようで、全く女性が集まらなかったというのだ。
困った大吉は福岡吉本の芸人らに協力を求め電話をかけまくったが、みんなが「嫌だ」といい、松本がやってくる2日前になっても女性は1人しか集まらなかったと暴露した。その話を初めて聞いた松本も驚きを隠せない様子だ。
高世が指摘するように、「現時点では推定無罪」とはいえ、「松本や吉本興業」が明確に釈明しないことは批判されるべきでしょう。
それにしても公開収録イベント『人志松本のすべらない話*2プレミアムライブin 福岡』での大吉の話は「松本批判」の意図ではないでしょうから、大吉も完全に感覚が狂っています。
また、今田耕司らほか5人ということは、未だ文春では「松本しか批判されてない」ようですが「松本以外にも問題が拡大していく可能性」があります。
なお、「権力者」松本に忖度する周囲(マスコミや吉本の後輩芸人など)を批判する高世ですが「救う会や家族会の太鼓持ちが良く言う」と心底呆れます。
作家の天童荒太*3との対談(2000年)より。
坂本:昔からあった日本なりの秩序が、ここ2,3年で大きく崩れちゃた。僕は、ダウンタウンのせいだと思う。ここ2,3年のダウンタウンの芸って、年下の芸人をいたぶってるだけで、一言で言うと、「どんくさいやつをいじめてなにが悪いの」ってことでしょ。
確かにダウンタウンが「いじめ的な物を助長した面」はあるかもしれない。しかし少なくとも「彼らの影響力」は坂本や高世が言うほど大きくないでしょう。またそうしたいじめ芸も「ダウンタウン以前」からあるものでしょう。