新刊紹介:「前衛」2024年8月号

 「前衛」8月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れています。「俺の無能」のため「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
◆今月のグラビア「復興進まぬ被災地:輪島から」(出口信一)
核兵器禁止条約3年の到達:戦後・被爆80年にむけて(川田忠明*1
◆迷走する自公の悪政からどう脱却をはかるか:あらためて市民と野党の共闘の意義を問いかける(中野晃一*2


◆ 「政治改革」30年の負の遺算:目を覆うばかりの自民党の凋落*3[下](小松公生*4
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」2024年7月号 - bogus-simotukareのブログで紹介した「上」の続き。


自衛隊員が「戦死」するとき:自公政権下の新たな靖国問題(柿田睦夫*5
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

赤旗“自衛官戦死に備えよ”/元陸幕長 靖国神社「復活」唱える2023.7.31
 火箱芳文(ひばこ・よしふみ)*6陸上幕僚長日本会議機関誌『日本の息吹』8月号の「国家の慰霊追悼施設としての靖国神社の復活を願う」と題する記事で、(中略)「国家の慰霊顕彰施設」がない現状を嘆き、自衛官が「戦死」した場合、「筆者ならば靖国神社に祀ってほしい」として、「国家の慰霊顕彰施設」としての靖国神社を復活させ、「一命を捧げた(戦死した)」自衛官を「祀れるようにする制度の構築が急がれる」などと主張しています。

「戦争準備」の流れと無縁ではない 自衛隊靖国参拝で高橋哲哉さん:朝日新聞デジタル2024.3.20
◆「靖国問題*7」などの著書がある哲学者の高橋哲哉*8東京大学名誉教授
 陸上自衛隊の火箱芳文元幕僚長が昨年(2023年)、「日本会議」の機関紙に「国家の慰霊追悼施設としての靖國神社の復活を願う」という文章を発表しました。「近い将来国を守るため戦死する自衛官が生起する可能性は否定できない。我が国は一命を捧げる覚悟のある自衛官たちの処遇にどう応えるつもりなのか」と問い、靖国神社を国の施設にするように訴えたのです。

【江崎道朗 国家の流儀】有事で亡くなった自衛官は靖国神社に祀られる? 「息子は戦死をすることになるかも…」自衛官の父親は嘆き、議論が始まっていない課題(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト2024.4.6
 昨年4月には、沖縄・宮古島海域において陸上自衛隊のヘリコプターが墜落、自衛官10人が殉職している。この事故に関連して私は先日、南西諸島に赴任している自衛官の父親が「台湾有事になれば真っ先に息子は戦死をすることになるかもしれない*9。そのとき息子は靖国神社に祀ってもらえるのだろうか」と嘆いているという話を聞いた。
 折しも、4月1日付で元海将の大塚海夫氏*10靖国神社宮司に就任した。

国は戦死者の発生に備えよ 太田文雄(元防衛庁情報本部長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所2024.6.17
 台湾有事により日本で存立危機事態や武力攻撃事態が認定され、自衛隊に防衛出動が命じられれば、好むと好まざるとにかかわらず、自衛官に戦死者が出る可能性が高まる。戦後、自衛官に訓練による殉職者が出たことはあるが、戦死者が発生したことはなく、その備えができているとは言い難い。明治以降、国防に殉じた人達を祀る施設としては靖国神社がある。

でわかるように勿論ウヨは「集団的自衛権行使→自衛官の戦死」を想定した上でその場合に「靖国合祀」を画策しているわけです(明らかに政教分離に反しますが)。
 但し一方で

戦死自衛官「合祀ない」 靖国神社が見解 - 琉球新報デジタル2015.8.13
 靖国神社(東京都千代田区)は13日までに、今後戦死した隊員が出た場合でも合祀はしないとの見解を明らかにした。共同通信の質問に文書で回答。靖国神社が1976年に示した合祀基準は、第2次大戦で死亡した軍人軍属らを念頭に置いた内容になっており「現在も基準に変わりはない」「自衛官合祀はない」と答えた。
 自衛隊は1954年の創設以来、戦死者を出していない。訓練中の事故などで死亡した隊員の追悼の場としては、東京・市谷の防衛省内に殉職者慰霊碑がある。

と言う事実もあります。それにしても田母神*11や火箱と言った連中を見るに「自衛隊は右翼の巣窟か」と呆れます。


◆教員の長時間勤務・多忙化解決への責任ある行動を:中教審特別部会の「審議まとめ」における誤魔化しと責任転嫁(中嶋哲彦*12
◆学費値上げではなくだれもが学べる無償化をめざす(宮本岳志*13
◆通学困難解消の名の教育からの「排除」ではなく通学と生活の「権利の保障」を:インクルーシブ教育と特別支援学校寄宿舎を考える(小野川文子)
◆新連載「インタナショナルと『資本論』:マルクスの探究と活動を追って」1(山口富男*14


リニア中央新幹線の開業はどうなるのか:全線で大幅に遅れる工事(樫田秀樹*15
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
開業は早くても10年遅れの2037年!? リニア新幹線建設の悲惨な現状!! - 社会 - ニュース|週プレNEWS(樫田秀樹)

樫田秀樹
 6月27日の日刊ゲンダイに私へのインタビュー記事開業までさらに60年…リニア計画は「日本のサグラダ・ファミリアです」取材歴20年のジャーナリストが看破(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュースが載った。JR東海は3月にリニアの品川・名古屋開業が(ボーガス注:当初予定の2027年は無理で)2034年以降に(ボーガス注:延期に)なると公表したが、(ボーガス注:大阪万博の体たらくで分かるように建設資材の高騰や人手不足で)2034年でも無理でしょ。
 それにしても、日刊ゲンダイで私のような力のないジャーナリストが「注目の人」って違和感を覚える。とはいえ、リニアに関して日常的に取材するのは、(ボーガス注:長野の)信濃毎日新聞静岡新聞を除けば、フリーの5人ほどしかいない。力はなくても、さぼらずに取材しているとの自負はあるので、今後も情報発信に努めたい。

 樫田氏が批判するように調査報道をまるでしない昨今のマスコミには呆れますね。リニアについて言えば「大企業JR、各地の自治体や国などリニア推進政治家」といった権力者を敵にしたくないのでしょうが。とはいえ、工事の遅れなどもあって「まだこうしたリニア批判記事は数が少ない」とは言え、日刊ゲンダイ週刊プレイボーイ東京新聞が樫田氏のJR東海批判インタビューを掲載したことは「リニア批判の方向に流れが変わってきたのでは」と思いたいところです。

樫田秀樹
 岐阜県大湫町での広範囲な水枯れ事件以降、多くのマスコミからインタビューを受けたが、この記事をもって一段落です。中日新聞からの取材だったが、弟分の東京新聞にも掲載されていた。中日新聞はこれまではどちらかというとJR東海寄りの「夢の超特急」的な報道が多かったが、今回、ここまでの報道をするのは「転機」を意識したから?。報道の原点に返り「検証」を続ける取材を期待したい。そのためには、私へのインタビューよりも、今後は是非、いろいろな現場に直接行って、多くの人から直接話を聞いてほしい。現場を知れば見えてくるものがある。
<考える広場>減速リニアの行方は?:東京新聞 TOKYO Web2024.7.3
◆住民説明 もっと丁寧に ジャーナリスト・樫田秀樹さん
 JR東海の住民への対応は非常に問題があると考えています。反対の声が圧倒的だった説明会の後でも、JRは「住民の理解を得ました」と言います。説明会に住民が来るのは、この事業に関心があるからで「理解が進んでいる」という解釈です。「説明会イコール理解が進んだ」とするJRの姿勢はあってはならないと思っています。
 今年になってやっとJRは開業は2034年以降になると認めましたが、2027年開業は無理だということはとうの昔に分かっていたことで、リニア駅建設に伴う住民の立ち退きについても、もっと時間をかけて話し合うことができたはずです。長野県飯田市の駅開発で実際立ち退いた方々に話を聴こうとしても、「2027年にできると信じて出て行ったのに、(ボーガス注:JRが2034年以降開業に延期を発表した今は)後悔が強すぎて今は話したくない」という住民が多くて取材に苦労しています。
 例えば、神奈川県に建設される車両基地は、JRの資料に工期が11年と明記されています。(ボーガス注:まだ工事未着工なので)仮に今年着工できても完成は2035年、電気調整試験と走行試験に必要な期間を2年とすると、開業は2037年になります。
 (ボーガス注:静岡県以外も住民の反対などで工事が予定通り進んでいないのに)「静岡県が着工許可を出さない」という開業遅れに対するJRの主張を無批判に伝えてきたメディアにも責任があると思います。
 ウクライナ戦争による資材の高騰などで、(ボーガス注:国からJRに)3兆円の財政投融資があっても、JR東海に品川-名古屋間と名古屋-大阪間の工事を同時に進める体力はないでしょう。むしろ、自社の経済基盤が強固になるまで、名古屋-大阪間の工事は遅れても仕方ないと考えているのではないかと推察します。これから完成に何十年もかかるであろう鉄道事業の意義を突き詰めて考えるときだと思います。

開業までさらに60年…リニア計画は「日本のサグラダ・ファミリアです」取材歴20年のジャーナリストが看破(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース2024.6.27
◆記者
 着工を頑として認めない静岡に対し、ネットやテレビでは「静岡悪者論」がはびこっています。
◆樫田
 川勝さんはリニア賛成派でしたが、「工事をやるんだったら、まず水や生態系を守ってくれ」とまっとうな主張を繰り返してただけなのです。
 川勝さんが「なぜ静岡だけが2027年開業の足を引っ張っていると言われるのか」と、他県の工事遅れに関して具体例を交えて反論したにもかかわらず、この発言を拾い上げた大メディアは皆無。それ以降、今日に至る静岡バッシングが始まったのです。
 (ボーガス注:川勝氏が指摘したように、静岡以外ではリニア工事が進捗してるわけでも無く)山梨のリニア駅はいまだ工事未契約で、仮に今年中に着工したとしても(ボーガス注:JRが公表した予定工期では)完成は2031年、試運転などに2年かかるので開業は2033年と見込まれます。神奈川のリニア車両基地は昨年に工事契約しましたが、今年着工でも(ボーガス注:JRが公表した予定工期では)完成は2035年。開業は2037年です。神奈川では他にも、約3.6キロの第2首都圏トンネルが未着工です。用地買収の対象者が850人いるのですが、まだ2割の住民が応じていません。
 各地のリニア工区の工事進捗率は、私の試算*16では15%程度。2014年の事業認可から10年経過しているので、いまのペースのままなら単純計算で開業までには(ボーガス注:2014年の認可から)約60年かかる。まるで「日本のサグラダ・ファミリア」ですよ。
◆記者
 そもそも、リニアは必要なのでしょうか。
◆樫田
 「東京から大阪まで新幹線で行く場合」と「東京から名古屋までリニアで行き、名古屋から新幹線に乗り換えて大阪まで向かう場合」とを比較すると、「リニア+新幹線」の方が新幹線だけで行くよりも20分早いだけです。「20分早く着く」ために、わざわざ地下深いリニアに乗り換えますか?


◆混迷する定額減税、見え透いた下心、評判最悪(村髙芳樹)
◆映画「オッペンハイマー」と原爆投下の実相(坂口明*17


◆論点「薬の保険外しは撤回を:選定療養による混合診療拡大」(島田雄一)
◆暮らしの焦点「地域と共生する再エネ導入の課題:再エネ導入に伴うトラブルと規制強化」(安部由美子)


メディア時評
◆新聞「逆行政治資金規正法とメディアの責任」(千谷四郎)


◆テレビ「「セクシー田中さん」問題の報告書」(沢木啓三)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

セクシー田中さん、日テレの調査報告書に「書かれていないことがある」、テレビマンが指摘する問題の核心 - 弁護士ドットコム(テレビプロデューサー・鎮目博道*18
 テレビ局のプロデューサーという立場で言えるのは、日テレの報告書には書かれていないことがあるということだ。
 報告書に登場する日テレ側の人物は、局のプロデューサーとその上司と思しき人物と脚本家、ほぼそれだけ。
 実際には現場で大きな権限を持つはずの監督やディレクターたち、制作を受注していて実質的に現場を仕切っていたはずの制作会社のプロデューサー。演出に相当影響力を及ぼすこともあるカメラマンなどは登場しない。
 彼らが何を考え、どう発言し、どう動いたのかは、報告書からはまったくわからない。
 こうした人たちの言動が明らかになっていない報告書では、どのような力学が働いて原作の世界観が変えられていったのかは見えてこない。

「セクシー田中さん」問題 日テレと小学館が報告書 里中満智子さん、鈴木貴博さんに聞く:東京新聞 TOKYO Web2024.6.23
◆「日テレ不十分、再調査を」漫画家・里中満智子さん
 日テレの報告書は、足りない部分が多いとの印象だ。知りたいのは関係者の間でどんなやりとりがあって、芦原さんが亡くなったのかということだ。日テレの報告書では、日テレ側が「原作に忠実に」という芦原さんの要望を、どんな流れで制作現場に伝えたのかがよく分からない。
 調査はまだ途中だと感じている。日テレに今後もドラマを作る気持ちがあるなら、さらなる調査報告を待ちたい。
 驚いたのが、原作者が要望した時、まだ撮影していないのに日テレ側が「もう撮影済みだから、できません」と嘘をついたことだ。そんな誠意のない姿勢では、原作を生かすより、原作を利用したいだけとしか思えない。言語道断だ。
 そもそも漫画家はドラマ化を目的に描いていない。小学館にも申し入れたが、出版社はドラマ化を進める場合も丁寧に作者の意向をくみとってほしい。
 また、作者にも契約について考えてほしい。出版社が作品の二次利用まで編集部の判断に任せるような契約書を持ってきて、よく分からないまま契約してしまう若い人が大変多い。二次利用の扱いをどうするのかは話し合うべきだ。編集部から作品のドラマ化を打診されると「断れない」と思っている人もいる。決してそうではないと知ってほしい。
◆経済評論家・鈴木貴博さん 脚本家蔑ろで事態深刻に
 後ろ暗いところのある企業は、報告書に肝心な部分を書かない。その経験から今回の報告書を見ると、芦原さんの要望を日テレに伝える時、小学館は芦原さんの強いトーンをかなり弱めていたことが分かる。なぜか。ドラマ化はテレビ局以上に、出版社にとって大切な利益拡大の機会。小学館は何とかして進めたかったはずだ。
 そう考えれば、芦原さんの要望がなかなか日テレ側に伝わらなかったのも合点がいく。
 日テレの報告書には、コアメンバーによる話し合いをもとに、脚本家がプロットや脚本を書いたと明記されているが、小学館の報告書には触れられていない。それは小学館側が芦原さんの顔色をうかがいながら進めたため、脚本家一人で脚本を仕立てたのではないことをきちんと伝えていなかった可能性を示す。結局、ドラマ化を進めたい小学館と日テレの対応に、芦原さんと脚本家が翻弄されたといえる。


ジェンダー覚書:The personal is political『男女格差を温存する「間接差別」の是正を』(米沢玲子)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/「間接差別」判決/是正への道大きく切り開いた2024.5.19


文化の話題
◆映画「九十歳。何がめでたい」(児玉由紀恵)
 佐藤愛子*19のエッセー『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館→増補版、2021年、小学館文庫)、『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(2021年、小学館)をドラマ化した映画の紹介。
参考

「何もしないでください」と言われた草笛光子、自然体で毒を吐く…映画の単独主演は初 : 読売新聞2024.6.22
 高齢を理由に断筆宣言した愛子先生(草笛)は、中年編集者の吉川(唐沢寿明)の強引な説得に負けて連載エッセーをしぶしぶ引き受ける。切れ味鋭く含蓄がある言葉は世代を超えて反響を呼び、ブームが巻き起こる。退屈を持てあましていた愛子先生の日常も再び活気づく。同居する娘(真矢ミキ)や孫娘(藤間爽子*20)に憎まれ口をたたくシーンも品と愛嬌がある。
 喜劇映画「社長」シリーズの出演でも知られ、コメディーセンスは天性のものだろう。浪費癖のある(ボーガス注:主人公である中年主婦・後藤篤子(演:天海祐希)の)姑*21を演じた映画「老後の資金がありません!*22」でも組んだ前田哲監督から「そのままで面白いから、何もしないでください」と言われるほど。アドリブも多く、現場は笑いが絶えなかったようで、「私はそんなにおかしくやっているつもりはないんだけれど、周りが勝手に笑っているの。何が面白いんだろう」と不思議がる。

【参考:老後の資金がありません!

赤旗「老後2000万円」の衝撃/参院選争点に急浮上 貧しい年金政府が証明/共産党“減らない年金 財源は大企業・富裕層優遇是正”2019.6.13
 老後の不安・低年金問題参院選を前に政治の焦点に急浮上しています。発端となったのは「老後の資金は年金だけでは足りず、夫婦で2000万円が必要」と投資などによる自助を促した金融庁審議会の報告書。批判が広がる中、麻生太郎*23金融相(副総理・財務相兼務)は11日、「世間に著しい不安や誤解を与えている」と受け取り拒否を宣言しました。しかし、破たんした政府の年金政策や老後の生活の現実は何一つ変わっていません。

老後の資金がありません - Wikipedia
◆あらすじ
 後藤篤子(天海祐希)は、夫と二人の子どもを持つ一般的な主婦。節約をモットーとしており、コツコツと老後の生活資金を貯めてきた。
 そんなある日、舅が他界し、葬儀費用400万円近くを負担することになる。一気に貯金が目減りして気落ちしている最中、パートの契約が更新されずクビを言い渡されて愕然とする。追い打ちをかけるように、派手婚を望む娘(新川優愛)の結婚式の費用もやり繰りせねばならなくなり、さらには夫(松重豊)の勤務先が倒産し失業という事態に陥る。茫然自失のなか、浪費癖のある高級志向の姑(草笛光子)と同居することになった。


◆音楽「ジェンダー平等とモーツァルト」(宮沢昭男)


◆演劇『劇団青年座「ケエツブロウよ:伊藤野枝ただいま帰省中」』(水村武)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【演劇(感想)】ケエツブロウよ−伊藤野枝ただいま帰省中−|杜若(かきつばた)
 本作は、伊藤野枝(1895〜1923年)の半生を描いた作品で、副題に「帰省中」という言葉があるように、郷里の親戚・親兄弟との関係にも焦点を当てています。
 題名にある「ケエツブロウ」は、海鳥のことです。福岡の俚言・俗語なのでしょうか。伊藤野枝は海鳥に訴えかけるような詩を書いています。『東の渚』(青鞜1912年11月号)という詩のようです。

「新しい女」の生きざま。劇団青年座『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』(ぴあ) - Yahoo!ニュース
 マキノノゾミ*24脚本、宮田慶子演出による劇団青年座第256回公演『ケエツブロウよ:伊藤野枝ただいま帰省中』が5月24日(金)~6月2日(日)、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。
 マキノノゾミと宮田慶子の「MMコンビ」は、これまでも明治~昭和の文人たちを描いた作品で高い評価を獲得してきた。与謝野晶子と明治の若き文学者たちの交流を描いた『MOTHER』、物理学者・寺田寅彦とその家族を描いた『フユヒコ*25』、「坊っちゃん」の赤シャツと夏目漱石とを重ね合わせた『赤シャツ』の三作品は、いずれもおよそ20~30年の長きに渡ってたびたび再演を繰り返している。

劇団青年座70周年および紀伊國屋ホール60周年を記念した今作でマキノと宮田が取り上げるのは、昨年没後100年を迎えた伊藤野枝
 平塚らいてうによる『青鞜』に関わるようになった17歳から、1923年(大正12年)の甘粕事件で殺害されるまでの12年間を描く。
 「ケエツブロウ」とは、伊藤が『青鞜』に寄せた詩の一節にある言葉だ。今作では、伊藤野枝がたびたび帰省していたという福岡県今宿の実家が舞台。女学校卒業後、決められていた地元の男との結婚。それが嫌で飛び出したのち、東京で平塚らいてうらと出会い、正式に離婚するために戻ってきた実家。再びの出奔。出産のための里帰り。実家に戻るたびに変化していく彼女と、その変化を受け止め始める周囲の人々。
 主人公・野枝を演じるのは、青年座入団10年目を迎える那須*26。2022年には第29回読売演劇大賞杉村春子賞(新人賞に当たる)を受賞し、ますます注目を集める俳優だ。2017年、やはり同じくマキノ脚本、宮田演出でチェーホフを描いた『わが兄の弟』にも出演していた。7年の経験を重ねた那須が野枝として短く濃い人生をどう生きるのか、楽しみだ。


◆スポーツ最前線「プロボクシング バンタム級チャンピオンベルトがすべて日本に」(小林秀一)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

武居由樹が新チャンピオン、バンタム級は主要4団体を日本選手が独占 : 読売新聞2024.5.6
 世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が、世界ボクシング評議会(WBC)同級1位のルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで破った。
 2度目の防衛戦に臨んだ世界ボクシング協会WBAバンタム級王者の井上拓真(大橋)は同級1位石田匠(井岡)に、初防衛戦となったWBAフライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位桑原拓(大橋)に、それぞれ3―0で判定勝ち。世界ボクシング機構(WBO)バンタム級5位の武居由樹(大橋)が、同級王者ジェーソン・モロニー(豪)を3―0の判定で破って王座を獲得。日本ジム所属の男子では通算100人目の世界王者(日本ボクシングコミッション公認)となった。世界主要4団体のバンタム級王座は、日本選手4人で独占する形になった。

*1:日本共産党平和運動局長(党中央委員兼務)。著書『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社)、『市民とジェンダーの核軍縮』(2020年、新日本出版社)、『アート×ジェンダー×世界』(2022年、新日本出版社

*2:上智大学教授。『市民連合』呼びかけ人。『立憲デモクラシーの会』呼びかけ人。著書『戦後日本の国家保守主義』(2013年、岩波書店)、『右傾化する日本政治』(2015年、岩波新書)、『私物化される国家』(2018年、角川新書)等

*3:安倍のモリカケ桜疑惑、岸田政権下で発覚した裏金疑惑が「負の遺産」「凋落」とされている。

*4:著書『原発にしがみつく人びとの群れ』(2012年、新日本出版社)、『カジノ狂騒曲』(共著、2014年、新日本出版社)、『政党助成金に群がる政治家たち』(2015年、新日本出版社

*5:著書『統一協会』(1992年、かもがわブックレット)、『現代こころ模様:エホバの証人ヤマギシ会に見る』(1995年、新日本新書)、『霊・因縁・たたり』(1995年、かもがわ出版)、『自己啓発セミナー』(1999年、新日本新書)、『現代葬儀考』(2006年、新日本出版社)、『悩み解決!これからの「お墓」選び』(2013年、新日本出版社)、『創価学会の「変貌」』(2018年、新日本出版社)等

*6:陸上自衛隊習志野駐屯地司令、札幌駐屯地司令、中部方面総監、陸上幕僚長等を歴任。現在、大日本帝国陸軍陸上自衛隊のOB組織「偕行社」理事長。日本会議代表委員

*7:2005年、ちくま新書

*8:著書『教育と国家』(2004年、講談社現代新書)、『戦後責任論』(2005年、講談社学術文庫)、『デリダ脱構築と正義』(2015年、講談社学術文庫)、『犠牲のシステム福島・沖縄』(2012年、集英社新書)、『日米安保と沖縄基地論争』(2021年、朝日新聞出版)、『沖縄の米軍基地「県外移設」を考える』(2015年、集英社新書)、『沖縄について私たちが知っておきたいこと』(2024年、ちくまプリマー新書)等

*9:「おいおい(呆)」ですね。やはり最前線の金門島の住民は、さほど中台関係に危機感を持っているわけではないらしい(予想の範疇である)(追記あり) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が指摘するとおり、台湾有事の可能性は低いですが、仮にあったとして何で自衛官の戦死(台湾有事への自衛隊の介入)が当然視されてるのか(呆)。

*10:海上自衛隊幹部学校長、情報本部長等を歴任

*11:航空総隊司令官、航空幕僚長等を歴任

*12:名古屋大学名誉教授。著書『教育委員会は不要なのか:あるべき改革を考える』(2014年、岩波ブックレット)、『国家と教育』(2020年、青土社)等

*13:衆院議員、共産党中央委員

*14:日本共産党社会科学研究所所長(党幹部会委員兼務)。著書『新しい世紀に日本共産党を語る』(2003年、新日本出版社)、『マルクス資本論』のすすめ』(2021年、学習の友社)

*15:著書『自爆営業』(2014年、ポプラ新書)、『増補・『悪夢の超特急』リニア中央新幹線』(2016年、旬報社)、『リニア新幹線が不可能な7つの理由』(2017年、岩波ブックレット

*16:「私の試算」ということはつまり国やJRが公表してないのでしょう。

*17:著書『国連・その原点と現実』(1995年、新日本出版社

*18:著書『腐ったテレビに誰がした?:「中の人」による検証と考察』(2023年、光文社)

*19:1923年生まれ。1969年、『戦いすんで日が暮れて』で直木賞を受賞。小説家・佐藤紅緑の次女。詩人・サトウハチローは異母兄

*20:1994年生まれ。三代目・藤間紫として日本舞踊紫派藤間流の家元も務める。祖母は日本舞踊の紫派藤間流・初代家元藤間紫。祖父は藤間流宗家の舞踊家人間国宝の二世・藤間勘祖(六世・藤間勘十郎)(藤間爽子 - Wikipedia参照)

*21:三千万円孫へ贈与しておいて、金がないと寝ぼけたことをほざかれてもしょうがない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)等のような話なんでしょうか?

*22:垣谷美雨の同名小説(2018年、中公文庫)の映画化(2021年公開)。主演は天海祐希

*23:橋本内閣経企庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍、菅内閣財務相等を経て現在、自民党副総裁

*24:1984年、劇団M.O.Pを結成。2002年後期のNHK連続テレビ小説まんてん』の脚本を担当したことで広くその名を知られるようになった。

*25:寺田寅彦の筆名の一つ「吉村冬彦」のこと

*26:1994年生まれ。劇団青年座所属。女優の那須佐代子(1965年生まれ、1989~2013年まで青年座所属)は母(那須凜 - Wikipedia参照)