今日のしんぶん赤旗ニュース(2023年7/31、8/1日分)(副題:自民女性局のフランス視察に呆れる、ほか)(追記あり)

“自衛官戦死に備えよ”/元陸幕長 靖国神社「復活」唱える
 1)事故死ならまだしも「自衛官の戦死(海外での集団的自衛権の行使?)」を当然の前提とした上
 2)その顕彰施設として「千鳥ヶ淵」ならまだしも、こともあろうに「靖国の復活(政教分離無視。戦前のアジア侵略についても恐らく無反省で、靖国へのA級戦犯合祀も何とも思ってない)」を唱えるのだから常軌を逸しています。
 火箱芳文*1が「元」であることを割り引く必要がありますが、とはいえ、現職自衛隊幹部が「火箱とは真逆の考え」と言う保証もないですからね。他にも「ヒゲの佐藤*2」「田母神*3」と自衛隊出身のウヨはゴロゴロいますし。
【追記】
【第1063回】靖國神社の御霊に応えよ « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所古庄幸一*4(国基研理事、元海上幕僚長
 元海自幹部が「右翼団体の公式サイト」で靖国美化(しかもその右翼団体の役員)とは絶句しますね。
 

自民女性局のフランス研修/批判続出し投稿削除

 費用は「党費と各参加者の自腹」だと釈明。党費=党財政には政党助成金が、議員の「自腹」は歳費から出ており、いずれも原資は国民の税金です。

 勿論「費用が公費かどうか」も問題ですが「私費なら政治視察の名目で観光していい」訳では全くない。観光したいなら「正直に観光名目でやれ」と言う話です。
 今後「視察の成果」をきちんと見せることができれば「名誉挽回」ですが恐らく「本当に観光旅行」であり無理でしょう。
 そもそも本当に「少子化問題や女性活躍の視察」なら「どんな視察(少子化問題や女性活躍を担当する役所の視察、少子化問題や女性活躍を研究する学者との対話など)をしてどんな知識を得たのか、その知識を議員として今後どう生かすのか」等「視察に関すること」をツイートするでしょう。
 例えば「フランスの学童保育は充実*5していた、少子化克服のために日本も見習いたい」「フランスのクオータ制について担当省庁に話を伺った。日本でもクオータ制を導入すべきではないか?」とか「視察先」について何か書けば説得力もあったでしょうに。
 それをしないで「視察と関係ないエッフェル塔やリュクサンブール宮殿の記念写真」を載せるから「視察は建前で本当はフランス観光か?」と批判される。
 批判されても「記念写真で誤解を招いたが、視察はきちんとした」と抽象的なことをいうだけで具体的な「視察内容の説明」はしない(茂木幹事長や山口公明党代表なども「視察の成果を具体的に説明せよ」とは全く言わない)のだから「語るに落ちている」と思います(追記:その後、今井絵理子・松川るいが参加した「パリ視察」全スケジュール…研修はわずか6時間、セーヌ川クルーズ、シャンゼリゼで買い物 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]という報道が出てきました)。

山口二郎
 誤解を解くのは簡単。(ボーガス注:少子化問題等、視察目的について)フランスの政治家、専門家と議論したことを紹介し、自分がどういう政策を進めたいか、報告してほしい。
松川るい議員「誤解与え反省。軽率だった」パリ研修写真について釈明「研修は有意義だった」|FNNプライムオンライン

という「松川らへの批判(と言うか皮肉、嫌み)」の通りです。
 実際「酷い視察」は過去にもあります。我が埼玉も「自民県議が視察名目でタイで買春旅行」を日本テレビの番組で暴露されて世論から非難されたことがありました(例えば埼玉県議会議員公費買春事件 - Wikipedia赤旗県議会に辞職勧告決議案/自民反対で否決 共産党は賛成/“海外視察”県議の買春疑惑 埼玉(2003.12.20)参照)。
 あるいは過去には

赤旗
自・公・民・社民議員 これが海外視察の実態/税金で観光地・遺跡めぐり/調査を名目にカジノ遊び2007.2.21
 青森県では、民主党県議三人も、〇四年七月の欧州視察(同百万円)でエッフェル塔凱旋門シャンゼリゼ通り、ルーブル美術館、ベルサイユ宮殿など、パリの名所をぐるり「視察」*6。報告書には行き先の名所の写真があるだけで、まるで観光旅行。
 二〇〇四年八月、名古屋市の自民、民主の市議七人が、北米視察の途中ラスベガスに立ち寄りカジノに興じていたことが発覚、新聞は「北米視察でカジノ遊び」(「毎日」同年九月六日付)、「市議7人、視察中にカジノ」(「読売」同七日付)と報じました。
他人のHP 丸写し海外視察報告/公明党 こっそり撤回/福岡市2007.3.15
 福岡市の公明党市議が税金で海外視察に行きながら、視察後、他人のホームページなどを丸写ししたリポートを市議会議長に提出していた問題で、その公明市議がこのリポートをこっそりと「撤回」していたことが、十四日までに明らかになりました。
自民・民主・公明 海外視察 異常な浪費/専用車で世界遺産観光/共産党都議団が実態を告発2008.12.17
 昨年十月に自民党の五人がエジプト、スペイン、フランスを訪ねた時は(中略)調査目的になかった世界遺産モン・サン・ミシェルを訪問していました。
自民県議ら視察は観光旅行/山梨・市民団体 旅費返還求め提訴2011.5.12
 エジプト・トルコ視察の訪問先は、ピラミッドやカッパドキアなどの観光地。報告書も「(バザールは)珍しいアンティークの宝庫で掘り出し物が期待できる」など、県政とかかわりない記述が多く見られます。
 またアメリカ視察の報告書は、一部が日経BP社のホームページ「日経トレンディネット」の記事の丸写しだったことが日本共産党の調べで分かっています。

なんてこともあった。
 大体「ジェンダーギャップ指数が高いのはフランスより北欧(アイスランド*7スウェーデンノルウェーフィンランド)」で「女性活躍プラス国名」等でググる

スウェーデン
◆岡沢憲芙*8『おんなたちのスウェーデン:機会均等社会の横顔』(1994年、NHKブックス)
◆三瓶恵子*9『女も男も生きやすい国、スウェーデン』(2017年、岩波ジュニア新書)
ノルウェー
◆上野勝代*10『子ども、お年より、女性が輝く国ノルウェー』(1995年、かもがわ出版

等と言った本もヒットするのに、女性活躍でフランスを選んだ理由は何ですか?」と聞かれてまともに答えられるんですかね?(まあ、自民だと北欧に行っても「フィンランドムーミンワールド(テーマパーク)」とか、観光がメインになりそうですが)
 出生率はフランスは確かに「1.8」で経済先進国としてはかなり高いし、「フランス、少子化」等でググる

◆中島さおり『なぜフランスでは子どもが増えるのか』(2010年、講談社現代新書)
◆髙崎順子『フランスはどう少子化を克服したか』(2016年、新潮新書)

と言った本もヒットしますが。

参考

写真集・パリとエッフェル塔と自民党女性局の議員たちの夏休み?! - 遊びをせんとや生まれけむ2023.7.31
 「大阪の仲間と」ということですから、一緒に写っている両端の人物は大阪の府会議員や市会議員なのでしょう(ボーガス注:なお、松川は参院大阪選挙区選出)。
 この松川のTwitter写真が炎上してしまいました。暑い大阪だけでなく全国でひんしゅくを買いました。
 「パリでお前ら何やってんだ?」「大阪はだから維新に乗っとられるんや!」という声が聞こえてきます。
(中略)
 広瀬めぐみ参議員のツイートで、松川や今井えりこと記念撮影。
 「パリは肌寒く、ジャケットなしにはいられない寒さでした」とつぶやいていますが、これまた頭にくるつぶやきで、日本の暑さを避けて涼しいヨーロッパに公費で行ってるのでしょうね。
 しかも、総勢38名の御一行様のようで、自民党内部からも「そんな大勢で行ってるの?」と驚きの声も上がっているようです。
 それにしても、こっそり視察に行って帰ってくれば知られなかったことなのに、わざわざTwitterに載せる国会議員って、頭悪いのか、わざと格差を見せつけてるのかのどちらかだと思います。
 とにかくいい政治をしようとか、国民の生活のために国会議員になったのではないことだけは確かなようです。

「金沢監獄中央看守所・監房」で独房体験! - 平日腰掛けOLのメモ帳2023.8.1
 外交だか観光だか知らんけど、エッフェル塔の前でポーズをとっている松川るいちゃんを見て、うちの母ちゃんと変わんないな!と思った腰掛けOLです。
 有吉のオバショットを彷彿とさせる写真に、自然と笑みがこぼれますが、みんなにイジられちゃって、かわいちょ!
 さらに、「誤解を招いてしまっており、申し訳なく思っております」とか謝罪してるけど、誰も誤解なんかしてないのよね…
 論点ずらしな言い訳が、(ボーガス注:三浦)るりちゃんぽくて、好きよ。

*1:1951年生まれ。名寄駐屯地司令(第3普通科連隊長兼務)、習志野駐屯地司令(第1空挺団長兼務)、札幌駐屯地司令(北部方面総監部幕僚長兼務)、第10師団長(愛知県守山駐屯地)、中部方面総監(兵庫県伊丹駐屯地)、陸上幕僚長等を歴任。現在、偕行社(旧陸軍及び陸自OBの親睦団体)理事長、国家基本問題研究所理事(火箱芳文 - Wikipedia参照)

*2:第二次安倍内閣外務大臣政務官、第三次安倍内閣防衛副大臣など歴任

*3:第6航空団司令兼小松基地司令、航空幕僚監部装備部長、統合幕僚学校長、航空総隊司令官、 航空幕僚長を歴任

*4:練習艦隊司令官、阪神基地隊司令護衛艦隊司令官、海上幕僚副長、海上幕僚長を歴任

*5:実際どうなのか、素人なので勿論知りませんが。

*6:今回の「自民フランス視察」も全く同じではないのか?

*7:例えば世界で一番ジェンダー平等の国=アイスランドのお話 | NHK・SDGs 未来へ17アクション赤旗ジェンダー平等実現 経済成長の原動力に/アイスランドに注目 報道続く/“やさしく強い経済”をより豊かに(2022.1.11)参照

*8:早稲田大名誉教授。著書『スウェーデンの挑戦』(1991年、岩波新書)等

*9:著書『ピッピの生みの親アストリッド・リンドグレーン』(1999年、岩波書店)、『人を見捨てない国、スウェーデン』(2013年、岩波ジュニア新書)等

*10:神戸女子大名誉教授