ほれみろ、米国とロシアだって、けっきょく対価じゃねえかよ(こういうことを拒否しまくっているから、9月17日に拉致問題がろくに話題にならないという事態になるのだ) (2024年8月2日記載)

 ほれみろ、米国とイランだって、けっきょく対価じゃねえかよ(こういうことを拒否しまくっているから、9月17日に拉致問題がろくに話題にならないという事態になるのだ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の主張を裏付ける事件が起きました。
 まあ米国以外もありますが。

米露の大規模身柄交換、トルコ仲介で記者や人権活動家ら26人 冷戦時代含め最大か - 産経ニュース
 トルコ大統領府は1日、情報機関・国家情報機構(MIT)の仲介で、米国とロシアなど7カ国による計26人の大規模な身柄交換が首都アンカラで実施されたと発表した。トルコメディアによると、ロシアでスパイ罪に問われた米紙記者も含まれる。冷戦時代を含めて最大規模の身柄交換が行われた模様だ。
 26人は7カ国の刑務所に収監されていたという。
 米ブルームバーグ通信は対象者にロシアで収監中のポール・ウィラン元米海兵隊員や米紙ウォールストリート・ジャーナルのエバン・ゲルシコビッチ記者らが含まれると伝えた。
 対象とされるのはほかに人権活動家、治安当局者ら。米国籍保持者のほかロシア人の野党指導者や人権活動家ら、米国側からは収監中のロシア治安当局者らが取り沙汰されている。

ドイツ首相「難しい決断」 反ロシア派殺害の男を釈放:東京新聞 TOKYO Web
 ドイツのショルツ*1首相は1日、ロシアとの身柄交換のため、ロシア連邦保安局(FSB)のワジム・クラシコフ元大佐を釈放したことを「難しい決断だった」と振り返った。殺人罪終身刑判決*2を受けドイツで服役していた。
 判決によるとクラシコフ元大佐は2019年、ロシア南部チェチェン共和国で独立派武装勢力の一員だったジョージアグルジア)人男性をベルリンで射殺した。裁判所はロシア政府の指示による犯行と指摘した。
 ショルツ氏は「終身刑を言い渡された殺人犯をわずか数年で国外追放する*3という決定を軽々しく下す者はいない」と述べた。

 「ロシアは汚い、そんなバーター取引(ロシアに身柄拘束された米国人等と、米国が身柄拘束するロシア人との交換)に応じるな」「そもそも身柄拘束自体、バーター取引が目的だろう」「ウクライナ侵攻などをする無法なロシアに利益を与えるな」と言っても「身柄解放」と言う意味では、どうしようもないわけです。
 拉致問題も同様のバーター取引(経済支援による拉致被害者帰国)しか解決法はないでしょう。
 なお、トルコと言えば「独裁的なエルドアン*4大統領が野党やクルドを弾圧している」とも言われますし、また、NATO加盟国で、国内に米軍基地を置く親米国家でありながら、ロシアとの経済関係等を重視し、「対ロシア制裁にも不参加で、ロシアと交易している(だからこそ今回の交渉でトルコが仲介役をできるという面もありますが)」ですが、これで借りを作った以上、米国もそうした批判をしづらいでしょう。勿論トルコの仲介も「米国の批判封じ」と言う思惑があるでしょう。
 つまり、そういう例を出すのなら、拉致問題だってやっぱり金(対価)次第じゃないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)暴力団組長(山口組四代目直系組頭で後藤組組長の後藤忠政*5)、元組長(山口組系黒澤組元組長の黒澤明氏)ほど酷くはないものの、トルコは「問題を抱えた国」ですが、とはいえ他に手がないなら、トルコに仲介を頼むしかないわけです。
 なお、マスコミ報道で指摘がありますが、これは「大統領選挙でのハリス支援」と言う要素はあるでしょうね。

「なぜトランプ氏は実現できなかったのか」とバイデン大統領が皮肉 ロシアなどとの「人質交換」成功を受け:東京新聞 TOKYO Web
 共和党のトランプ前大統領に対して、バイデン氏は「なぜ、大統領の時に実現できなかったのか」とも述べ、ハリス副大統領が民主党の候補指名を確実にしている11月の大統領選に向けて、追い風にしたい意向もにじませた。
 2021年の大統領就任前から安全保障の担当チームに調査を指示していたことを明かし、現政権が国外で拘束されていた70人以上の米国人を帰国させた実績を強調。
 一方、トランプ氏は自身が大統領に返り咲いた場合、ロシアのプーチン大統領との関係によって、今回、解放された米国人記者を無条件で帰国させると主張していた。トランプ氏は同日、交流サイト(SNS)に身代金の有無や犯罪者をロシア側に引き渡すことについての疑問を投稿し、「悪い前例になる」と批判した。

なんて報道もありますし。
 「民主党政権の外交成果アピール」です。
 実際、「イラン大使館アメリカ人質事件」で人質救出に失敗したことは「カーターの敗戦(レーガンが勝利)」の一理由でしょう。
 そうしたバイデンの思惑を知りながら「トランプ当選を望んでる」と見られるプーチンが交換に応じたのは
1)バイデンの思惑が何であれ、交換が魅力的だった
2)トランプが当選したとしてもこうした交換をするか疑問(実は内心ではトランプをあまり信用してない)
3)そもそもハリス当選の可能性が高いとみている
のいずれか、あるいは全てでしょう。

*1:メルケル内閣労働相、財務相社民党党首等を経て首相

*2:ドイツは死刑を廃止しています

*3:ダッカ事件での超法規的措置を思い出します。なお、ドイツのこうした合理主義についてはそういう例を出すのなら、拉致問題だってやっぱり金(対価)次第じゃないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する「西ドイツによる東ドイツ政治犯の買い取り」があります。

*4:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*5:1942年生まれ。1969年、静岡県富士宮市後藤組を設立。1977年に上部団体の山口組系川内組(拠点は福井県芦原町(現・あわら市))の川内弘組長が抗争で殺害され、川内組が事実上壊滅すると、後藤は静岡県浜松市を拠点とする山口組系伊堂組(組長・伊堂敏雄)に舎弟として移籍。1984年、竹中正久(竹中組組長)を四代目組長とする四代目山口組が発足すると伊堂は引退し、後藤が山口組の直参へ昇格、後藤組も内部昇格の形で山口組の二次団体となった。2002年7月、山口組若頭補佐に就任。2008年10月、後藤の9月の誕生日を祝って開かれたゴルフコンペに細川たかし小林旭角川博松原のぶえ、中条きよしらの芸能人が参加していたことが報じられた。これを受けNHKが細川、小林、角川、松原、中条の番組への出演を数ヶ月間自粛した。また、山口組執行部も、病気を理由に本部の定例会を欠席しながら祝宴を開いたとして後藤を除籍。これを機に後藤はヤクザを引退(後藤忠政 - Wikipedia参照)