常岡浩介に突っ込む(2021年3月20日分)

◆常岡ツイートに突っ込む

常岡浩介
 プーチン理論では、原爆投下は許されないが、北方四島侵攻、占領やシベリア抑留は第二次大戦の結果として受け入れるべきなのか。基準は?

 常岡には「やれやれ」ですね。「核兵器廃絶運動」が「一般的な軍縮運動」よりも、「日本的にも世界的に大きな運動であること」を考えれば「プーチン理論」とやらの「基準」もおおよそ想像が付くでしょうに。
 なお、「プーチンシンパ」と誤解されたくないので、断っておけばそうした基準を俺が支持し、その結果「プーチン北方領土支配正当化」を積極的に容認するという意味ではありません。
 それにしても、まともな人間は「米国の原爆投下を正当化しようとしている」と疑われるこういうツイートはしないでしょう。
 つうか、常岡も「日本人」なんだから

 日本会議など、日本ウヨ理論では北方四島侵攻、占領やシベリア抑留は許されないが「従軍慰安婦」「南京事件」「バターン死の行進」などは「戦争とはそう言う物」として受け入れるべきなのか。基準は?

とでもツイートすれば良いのに。

常岡浩介
 原爆投下したのはバイデンじゃないが、人殺しはプーチン本人だよなあ

 常岡には「やれやれ」ですね。
 「ボーガスはプーチンシンパ」の疑いを持たれたくないのですが、あえて常岡に突っ込むと「で、バイデンは、原爆投下を批判したり、謝罪したりしたことはあるの?」ですよねえ。プーチンが言ってることはそういうことでしょうに。
 『日系人強制収容には、直接関係の無い米国大統領(収容当時は子どもだったので)』が後に政府を代表して謝罪したように、バイデンも「政府を代表して原爆投下を謝罪」しても何らおかしくはありません。
 何でそこで「米国の原爆投下の是非と、プーチン政治の是非と関係ない。プーチンの主張はそう言う意味でおかしい」「プーチンの米国批判の思惑はともかく、プーチンの『米国による原爆投下への批判』それ自体それ自体には共感する。米国は原爆投下を公式に謝罪すべきだ」などの言葉が常岡からは出てこないのか。

常岡浩介がリツイート
◆駒木明義*1
 ロシアはしばしば米国による原爆投下の非人道性を強調。米国批判、日米離間を狙う、日本を降伏させたのは原爆よりもソ連の対日参戦だった、等の主張が込められている。

 日米離間も何も「日本を降伏させたのは原爆よりもソ連の対日参戦(日本の降伏を早めたかという意味では原爆投下は無価値だった)」は事実です。
 昭和天皇ら当時の日本政府指導部は「ポツダム宣言天皇制維持が明確な形で書いてないこと」から「天皇制維持のための和平交渉」を考えました。そして「ヤルタ密約が表に出ていなかったため」、当時の日本政府が中立国と見なしたソ連を仲介役とした交渉を画策した。
 ソ連側が「仲介するともしないとも言わないのらりくらり」だったため、それに引きずられた日本政府は「8/6(広島)、8/9(長崎)に原爆が投下されようとも」降伏する気は無かったわけですが、ヤルタ密約によるソ連参戦(8/9)で和平計画が完全に崩壊すると、ポツダム宣言受諾に動きます。

常岡浩介が福田充*2リツイート
◆福田充が毎日新聞リツイート
 このコンテクストにおいて、これは皮肉でも冗談でもなく「脅迫*3」となるのが間接的発話行為のコミュニケーション方略です。ヤクザが「ワレ、身体に気〜つけや」と脅すのと同じです。だからこそ、バイデン大統領のテロ対策、身辺警護は最高レベルにしなくてはなりません*4
毎日新聞
 バイデン大統領が「プーチン氏を人殺しと思うか」との質問に「そう思う」と肯定したことについて、プーチン大統領は「お大事に。彼の健康を願う。これは皮肉でも冗談でもない」と述べました。

 普通に考えて

◆「人殺し認定している人間」に向かって「人殺し!」と罵倒するなんてバイデンさんって面白い人ですね。「人殺し」がマジ切れして「子飼いの殺し屋を送るかもしれない!」とは考えない!。要するに『プーチンには俺を殺す度胸はない、いやそもそも本当にプーチンは過去に政敵に暗殺者を送ったか分からない』と私(プーチン)のことを舐めてるわけですよね?。
 にも関わらず「人殺しのプーチンを批判できる俺、かっこいい、勇敢だろ」アピールを支持層相手(反ロシアが多い?)にしていると(苦笑)。
 「身の危険のない安全な行為をしながら、勇敢ぶってる」ってものすごく無様でかっこ悪くないですか?。そういうのを「ポピュリズム(悪しき大衆迎合)」というんですよ。バイデンさん、あなた、過去にトランプのことを散々ポピュリズム*5と批判して「反ポピュリスト」ぶってましたけど、「批判の方向性が違うだけ(トランプの批判対象はもっぱら外国では中国、国内ではリベラル派)」であなたも立派にポピュリストですよ。
 本当にあなたの予想通り、私、プーチンが「あなたに殺し屋を送らないへたれ(?)」だったり、そもそも「暗殺など実は一回もやってないへたれ」だと「あなたの健康が平穏だから」良いですね(皮肉)

あるいは

◆高齢でもあるし、体調に何か問題があって精神の安定を保てないからそう言う私(プーチン)に対する暴言を吐いたんでしょうか?。もしかしたらトランプが言うように認知症なのかもしれない。体調悪化で大統領を途中退任しないことを願いたい。彼の健康を心から願ってる。

というプーチンの皮肉、冗談でしょう。その種の冗談、皮肉を俺個人は好きではありません(評価しません)。むしろ嫌いですが、「皮肉、嫌みとしてプーチンは下品」ならまだしも、プーチンが米国大統領相手に公然と「殺害の恫喝」をしたと主張する常岡や福田は気が狂ってる。さすがに常岡らも「プーチンへのネガキャンであって本気ではない」でしょうが。

*1:元朝日新聞モスクワ支局長。著書『安倍vs.プーチン:日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』(2020年、筑摩選書)

*2:日本大学教授。著書『メディアとテロリズム』(2009年、新潮新書)、『テロとインテリジェンス:覇権国家アメリカのジレンマ』(2010年、慶應義塾大学出版会)など

*3:ヤクザが一般人相手に「健康を願う」云々と言えば「脅迫」の可能性は高いでしょうが「米国大統領にロシア大統領が」という設定で「皮肉や冗談」ではなく「脅迫」と考えるのは非常識です。

*4:当たり前ですが、そんなことを福田が言わなくても「バイデンの警護は既に最高レベル」でしょう。なぜなら1)ケネディ暗殺、レーガン狙撃など過去に大統領襲撃の前例がある、2)上院襲撃で死人まで出したトランプ信者はマジで「彼らが敵視する」バイデン相手に何やるか分からない恐怖があるから、です。

*5:実際、トランプはポピュリズムですが