【最初に追記】
死んでから1年もたつのに、いまだに論拠なく安倍晋三を称賛し続ける馬鹿な連中 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの拙記事をご紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
中国がウクライナ仲介に乗り出す日 安倍晋三元首相の懸念 - 日本経済新聞
タイトル「安倍元首相の懸念」だけで「はあ?」「安倍信者か?」「櫻井よしこか?(櫻井よしこのバカさに呆れる(2023年6月22日記載)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ参照)」「産経か?」「日経がこんなに酷いとは(呆)」ですね。
本文も
「中国が(ボーガス注:和平の)仲介役になろうとするのを注視すべきだ。(ボーガス注:ロシアに甘い『中国』という)羊の皮をかぶったオオカミに惑わされてはいけない」
ロシアがウクライナへの侵略を始めて1週間ほどたった2022年3月上旬*1、安倍晋三元首相が取材でおもむろにこう話し始めた。
「戦争が長引くのを望んでいるわけではないが」と前置きしつつ、中国への警戒感をあらわにした。
その安倍氏が凶弾に倒れてもうすぐ1年となる。
【ボーガス注:なお、これ以降は有料記事で会員以外読めない】
と言う脱力する代物ですが。ウクライナ問題(あるいは中国脅威論)を論じるにあたって、既に故人である安倍の言葉を今持ち出す必然性が何処にあるのか。
まあ、「侵攻から1週間しかたってない2022年3月上旬の時点」において「和平仲介の動き(中国に限らない)」なんて勿論全くなかった*2ので、本当にそんなことを安倍が言ったのか、疑問ですが。というか「安倍が死んだ7月上旬(2022年2月下旬の開戦から約4ヶ月)」においてすらそんな「和平仲介の動き(中国に限らない)」など全くなかったでしょう。最近、そうした和平の動きが出てきたのはさすがに「開戦から1年も経って露ウ双方(また、ウクライナを支援するNATO諸国)に戦争疲れが出てきたから」です。この話は1)安倍が死人だからこの記事での安倍発言が本当か今更、わざわざ追及する人間は少ない、2)死人だから追及しても真偽を解明しづらいことから、「死人に口なし」を狙った日経の捏造じゃないか。いずれにせよ、安倍が今も存命で、この記事が果たして書かれたかどうか?
発言が仮に事実としても「中国の反発を買うことが確実なこうした記事」を書かれることを安倍が希望したかどうか、仮に安倍が希望しなかったとしてそれを無視して日経が書いたかどうかは疑問です。
それにしても、仮にこの話が事実だとして「以下のような安倍批判」をどう考えてるのか、安倍の方こそ「ウクライナに侵攻した」プーチンロシアという「羊の皮をかぶったオオカミに惑わされて」いたのではないのか、お前(安倍)は何様のつもりだと、安倍と「この日経記事筆者」を問いただしたくなる呆れた話です。
赤旗ロシア覇権主義への屈従/日本の対ロ外交 見直せ2022.3.1
「プーチンとしては領土的野心ということではなくて、いわばロシアの防衛、権益の防衛、安全の確保という観点から、行動を起こしているということだろうと思う」。
ロシアによるウクライナ侵略に対して、世界各国が団結して「侵略やめよ」と立ち上がっている中、安倍晋三元首相は27日のフジテレビ番組でこう述べ、プーチン大統領を露骨に擁護しました。
2014年2月のソチ冬季五輪。(ボーガス注:ロシア政府の同性愛差別など)ロシア国内の人権問題を理由に各国首脳が(ボーガス注:開会式への)参加を見合わせる*3中、安倍首相(当時)は出席。さらに同年3月、ロシアがウクライナの一部であるクリミア地域を一方的に併合し、世界中が非難の声を上げる中、安倍氏は「すべての当事者に対し、自制と責任をもって慎重に行動するよう求める」と述べ、ロシアの責任をあいまいにしました。岸田文雄外相(現首相)は「(ロシアのウクライナ併合が)侵略にあたるかの判断にいたっていない」(同年3月12日、衆院外務委員会)と述べ、「侵略行為」との言明を避けたのです。制裁措置も欧米各国と比べて甘いものでした。
こうした屈従ぶりはさらに加速します。18年に英国で(ボーガス注:プーチン批判派の)ロシアの元スパイと娘が(ボーガス注:プーチンの指示を受けたロシア公安によるとみられる犯行で)毒殺未遂に遭った時、G7(主要7カ国)で制裁を発動しなかったのは日本だけでした。
しかし、プーチン氏は領土問題で多少なりとも譲歩に応じるどころか、強権ぶりをさらに強めてきました。20年7月のロシア憲法改定で、「領土割譲禁止」を明記。千島占領は「領土不拡大」という第2次世界大戦後の原則に反しているのに、プーチン氏は「大戦の結果として受け入れろ」と迫るにいたりました。
安倍氏はプーチン氏と30回近い首脳会談を行ったことを自らの実績として誇示していますが、その屈従路線の破綻は誰の目にも明らかです。
赤旗指摘の意味理解できない安倍氏/志位氏に的外れな批判2022.3.4
プーチン大統領の領土拡張主義を批判することなく、徹底したすり寄り・屈従外交を続け、領土交渉を混迷させてきたのが安倍氏です。
赤旗合意の安倍氏 責任重大/対ロ経済協力プラン 田村智子氏追及/参院予算委2022.3.23
日本共産党の田村智子*4議員は22日の参院予算委員会で、来年度予算案に21億円が計上されているロシアへの8項目の経済協力プランを批判し、協力に踏み出した当時の安倍晋三首相と岸田文雄外相(現首相)の責任を追及しました。
経済協力プランは2016年に、安倍首相とプーチン大統領間で合意。安倍氏は、同年の「東方経済フォーラム」で、「先般ソチでお会いした時(14年)、日本がロシアに協力できる分野を八つに絞り込んで提案した」とスピーチ。19年には、ロシアの国家プロジェクトと経済協力プランが「赤い糸でつながる」などとアピールしました。
田村氏は、「14年の安倍首相の提案が8項目のプランになった経緯と、同氏の力の入れ方がよく分かる」と指摘。当時は、ロシアによる国際法違反のクリミア併合に対してEUが経済制裁を科し、日本も制裁を支持していた最中で、大規模な経済協力は「国際的に筋が通らないと考えなかったのか」と迫りました。
赤旗主張/日ロ領土交渉中断/屈従外交の抜本的な見直しを2022.3.24
2014年にロシアがウクライナの一部であるクリミアを一方的に併合した際、欧米諸国が厳しい制裁を科す中で、安倍政権はロシアには実質的に何の害もない措置にとどめ、16年の日ロ首脳会談では4島での共同経済活動に関する交渉の開始や8項目の経済協力プランの具体化で合意しました。
その後、領土問題は何の進展もないばかりか、ロシアが20年の憲法改正で「領土の割譲禁止」を明記するなど対ロ外交の破綻は明確になっていました。その原因が、ロシアの覇権主義に追随し、領土問題で重大な譲歩をしてきた安倍元首相の屈従外交にあることは間違いありません。日本政府にはこのことについての真剣な総括が求められています。
なお、この種の「中国和平提案否定」は
【田畑光永】
◆「マクロン主演!」のウクライナ和平への道:中国苦心の脚本は出だしで躓き2023.04.17
中国がプーチン大統領のウクライナ侵攻を支持*5したことは天下周知のことであり、開戦1年後の今年2月24日に出した「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」という文章でも、「戦争に勝利者はいない」などと恰好をつけて、「停戦と交渉開始を主張」しているが(第3項、4項)、肝心の「最初に銃口を開いたのはどちらか」、「どこの軍隊がどこの領土にいるのか」、という事態の根幹に口を閉ざしているから、まったく説得力がない。
◆マクロンの味方はいなかった:夜の夢と消えた「中欧協力してウクライナ和平を」の習提案2023.04.20
中国としては、イランとサウジの間を取り持って仲直りを実現させて気を良くした勢いで、ウクライナでもと勢い込んだのであろうが、国家主席に大統領と登場人物に不足はなかったのに、あえなく失速、墜落した。
ウクライナ和平に力を見せて、国家主席三選に勢いをつけようとした習近平の目論見はこうして破綻した。
◆ 「中仏主導でウクライナに平和を」案が破綻して:あらためて「台湾海峡の緊張」を考える2023.04.22
反対論は、提案者の中国自身が次の発火点かと世界が危惧する台湾海峡危機の当事者であって、自ら「力による現状変更」を否定しない立場*6を公言しているではないか、という点に尽きるだろう。
などもありますが俺個人は1)内容がまともであり、2)ウクライナ、ロシアと言った当事者が受け入れるのであれば「中国に限らず」ウクライナ戦争の和平仲介に反対はしません。「軍事力でロシアに勝たないといけない」とは全く思ってない。
また「中国はロシアの味方だから和平提案なんか最初から無視していい」「いや和平提案する連中なんか皆ロシアの手先だろうから最初から無視していい」とも思ってない。
それにしても、こういうことを言う安倍や日経記事筆者にとっては「中国のサウジ、イラン仲介」も(ボーガス注:中国という)羊の皮をかぶったオオカミに惑わされてはいけないなんでしょうか?(会員限定記事なので読めませんが、もしかしたら「会員以外は読めない部分」にそうした「イラン、サウジ仲介を否定的に評価する反中国記載がある」のかもしれない)
まあ日経は以前
反中国も、こじらせるとここまで馬鹿になる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2023.3.16
ところが世の中、こんな程度のことすら認めない、認めたくない連中がいるのには、心底から呆れ返りますね。日経新聞の記事より。
>【ドバイ=福冨隼太郎】イランとサウジアラビアの国営メディアは10日、両国政府が2カ月以内に外交を正常化し、双方の大使館を再開することで合意したと伝えた。中国が両国を仲介した。中東の緊張緩和につながると期待される。中国主導による中東の大国の和解実現は米国の指導力低下を印象づけ、長期的には世界秩序を揺さぶるリスクとなりかねない。
以下は会員限定部分なので引用できませんが、
>中東の緊張緩和につながると期待される。
とは書いてあるとはいえ、
>中国主導による中東の大国の和解実現は米国の指導力低下を印象づけ、長期的には世界秩序を揺さぶるリスクとなりかねない。
じゃあねえ(呆れ)。
こういうのを読んでいると、反中も、こじらせるとここまで馬鹿になるのかと絶句しますね。まあ(ボーガス注:日経の)福冨記者も、仲介国が中国でなければもっと称賛するのでしょうしね。中国だから批判する。
なんて過去があるので「サウジ、イラン仲介」を「会員しか読めない部分」で否定的に評価しても、しかもその評価においてまたもや「安倍の言葉*7」を引用しても何ら驚きませんが。
*1:そもそも「元首相」「派閥(安倍派)ボス」とはいえ、安倍が首相を辞めたこの時期に、安倍の所へ「ウクライナ問題(?)」で取材に行くこと自体「安倍信者なのか?」ですが。
*2:水面下ではあったのかもしれませんが表面には出てなかったし、少なくともこの時点では「中国の和平提案」を云々するような状況ではないでしょう。また、「ウクライナ小麦の輸出」について「ロシア、ウクライナの仲介役」をトルコが務める(ウクライナの穀物輸出、ロシアが合意へ 仲介役のトルコが発表 - BBCニュース(2022.7.22)参照)など、「和平仲介の可能性」といった場合に当初想定されていたのは中国よりもむしろトルコ(NATO加盟国でありながらロシアとも一定の交流がある)でしょう。
*3:これについては例えばソチ五輪欠席、欧米首脳で広がる 人権政策に反発 - 日本経済新聞(2013.12.19)、ソチ五輪開会式、40カ国首脳出席 欧米主要国は欠席 - 日本経済新聞(2014.2.8)参照
*4:党政策委員長(副委員長兼務)
*5:私見を書けば「ロシアを一方的に批判できない」という甘い態度ではあるでしょうが、「支持はしていません」。
*6:国連加盟国ウクライナとそうではない台湾では性格が違うし、中国は「独立宣言したら侵攻も辞さない(裏返せば独立宣言しない限り侵攻しない)」と言う立場なので「反中国」田畑のような中国非難は極めて不当でしょう。せめてもの救いは田畑がいかに自分やリベラル21を自画自賛しようとも彼やリベラル21が「世間に全く評価されてないオワコン」だということです。
*7:勿論、サウジ、イラン仲介時点(2023年4月)では安倍は死んでるので「安倍には評価不可能な」サウジ、イラン仲介への評価ではなく「親米国のサウジが中国と友好的なのはいかがな物か、米国の『中東での影響力』の衰退を危惧する」「そうしたサウジの態度はイラン(米国が経済制裁)やシリア(米国が反政府派を軍事支援。また「敵(米国)の敵は味方」と言う観点からか、イラン、ロシアが、米国が敵視するシリア・アサド政権を支援している)と言った中東の反米政権を利するのではないか?」(安倍)とか言った話ですが。