米国のロシア封じ込めは「成功」 勝たない戦争促す元当局者の主張は [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
「米国がウクライナ支援しないで、ロシアがウクライナ相手にやりたい放題になるのよりはマシ」という主張は確かに「ロシア批判の立場」に立てば、その通りですが、それは「いつウクライナ戦争は終わるのか」「いつまでウクライナ支援すればいいのか」という質問への回答にはなっていません。
結局「米軍などNATO軍がウクライナでロシアと戦う」と言う選択肢がない(戦死者が出た場合に予想される国民の反発で不可能)し、一方で「武器投入でウクライナ軍だけでもロシアに早期に勝てる」、「経済制裁や軍事費負担に根を上げてロシアが降参する」「外交交渉で解決」等とも言えず早期解決の展望がないわけです。
結果「最悪の事態(ロシアがウクライナ相手にやりたい放題)よりは今の方がマシだ」と主張。「繰り返しますが」間違いではないでしょうが、「いつまで戦争が続くのか」という「戦争疲れ」への回答には全くなっていません。
対ロシア合意は終戦への「一歩」 ウクライナ大統領、交渉に含み:時事ドットコム
ゼレンスキー大統領は、ロシアとの間で相互にエネルギーインフラを攻撃しない合意*1を結べば、戦争終結*2に向けた「大きな一歩」になるという認識を示した。
エネルギーインフラとは何か(石油、ガスのタンクやパイプライン、発電所など?)はともかく、確かにそうした合意を結べば「ウクライナの打撃も減り、良いこと」でしょうが「戦争終結」云々というのは「?」ですね。
ゼレンスキーの立場では「ウクライナの軍事的勝利」であれ、「外交交渉」であれ、「ロシア軍の撤退(2022年2月の侵攻前に戻すのか、どのレベルの撤退かはともかく)」がなければ「戦争終結にはならない」のではないのか?。何か、この記事におかしなところがあるのか?、と首をひねります。あるいはこの記事が事実とするならば、ゼレンスキーも虚勢(?)を張っていても「トランプ復権の恐れ」も考慮し、「ロシア軍の撤退がない」状態での停戦の方向にかなり傾いているのか?
ウクライナとロシア、エネルギー攻撃停止で交渉か 越境で頓挫 米紙 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
これが事実なら「エネルギーインフラ攻撃しないという合意の可能性が、ロシアの反発で崩壊した」と言う意味で、果たして越境攻撃がウクライナにとってプラスだったのかは疑問でしょう。
プーチン氏「BRICSは世界の多数派」 首脳会議で演説、欧米への対抗鮮明に - 産経ニュース
「世界の多数派」かどうかはともかく、ロシア以外にも現在「ブラジル、インド、中国、南アフリカ(創立メンバー)」「イラン、エジプト、UAE(アラブ首長国連邦)、エチオピア(追加メンバー)」が加盟*3しており、「無視できない政治力」を持つことは確かでしょう。
なお、「欧米ほど反ロシア」ではないにせよ、「クアッドメンバー国のインド(インドの他は米日、豪州)」等もメンバー国にいる以上、当然、BRICSは「ロシアがメンバー」とはいえ「ロシア万歳で、反ウクライナ」というわけではないでしょう。
プーチン氏、ブラジルでのG20欠席へ 逮捕義務巡る議論を回避 | 毎日新聞
プーチン氏は、18日にモスクワ近郊で開かれた海外メディア関係者との会合で、ブラジルのルラ大統領とは友好関係を築いていると強調。その上で、自身がG20に出席すると「そのことだけが議論になり会議が台無しになる」と述べ、代理の人物を派遣する考えを示した。
ブラジルから「逮捕しないとの事前確約」が得られなかったのでしょう。
ウクライナに自衛隊車両を追加支援 NATO初参加の中谷防衛相表明 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
ウクライナ支援には反対しづらいことでの「蟻の一決狙い」でしょう。今後の自衛隊の動向に警戒が必要かと思います。
ウクライナ軍前総司令官、早期終戦に否定的 欧米が武器供給せず「勝利の機会失った」 - 産経ニュース
ザルジニー(現在は英国大使)が総司令官を更迭され、ゼレンスキーと関係が悪化してることを考えれば、これは単純な「事実認識の表明」ではなく「先行きについて楽観論を語るゼレンスキー」への批判とみるべきでしょう。