今日のロシアニュース(2023年6月14分)

ウクライナ世論調査、政府の刷新「必要」73%…ゼレンスキー氏退任望む人は23% : 読売新聞

 ロシアの侵略が終結した際、ウクライナ政府の閣僚など中央権力の構成に何らかの変更が必要だと答えた人が73%に達した。議会は69%、閣僚は47%が交代を希望した。ゼレンスキー大統領の退任を望む人は23%だった。

 「ロシアを利したくない」から現在「政府批判を自重してるにすぎず」、皮肉にも「戦争が終わる」とウクライナ権力層に「失脚」という悲劇が待っているかもしれないわけです。
 そういえば「蒋介石政権」も日本に勝利したはいい物の「その後、批判が高まり、国共内戦に敗戦」しています。
 勿論、だからといって、ウクライナ側が「故意に戦争を継続してる」とは言いませんが、ウクライナ政府が交渉に否定的で「勇ましいことを言う背景」の一つかもしれません。


ウクライナ反転攻勢 最新状況は?ロシア軍ウォッチャーが分析 | NHK

 東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠*1専任講師に話を聞きました。
以下、小泉氏の話
 ウクライナ軍の反転攻勢の進軍が思ったよりも遅れているかどうかは、我々にはわかりません。
 ウクライナ軍の作戦計画のなかでは実はもともとこんなものかもしれないという可能性もあります。
 1ついえることは、間違いなくこの戦争がことし中には終わらないと言うことです。
 今回のウクライナ軍の反転攻勢が最大限うまくいったとしても、ヘルソン州からザポリージャ全域を取り返すことができればベストシナリオなんだと思います。
 それでもまだクリミアやドンバス、北のルハンシクが残っているわけですから、(ボーガス注:ゼレンスキー政権が公言してるようにクリミア等まで奪還する気なら)おそらく戦争自体は1年や2年かかると思います。

 「反転攻勢が遅れてるかどうか分からない」と小泉が言うのは「反転攻勢」と散々煽りながら「具体的な説明を求められる」と「ウクライナ側が完全な秘密主義」で「軍事機密」を口実に説明を拒否するからです。しかし「こんなもの」なのか「遅れてる」のかが分からないのでは「適切な分析は現時点では無理」と言う話にしかならないでしょう。
 勿論「こんなもの=散々ふかした割にはしょぼい(今後よほどNATOがてこ入れしないと成果が上がりそうにない)」でも「遅れてる=何らかの事情で遅れてる上に、いつ本格開始か不明、本格開始した時点でどれほど成果が上がるかも未知数(但し、ウクライナにとってのベストシナリオでも今年中には戦争は終わらないと小泉は認識)」でもウクライナにとって喜ばしいことではないでしょう。そうしたことを指摘する辺り、小泉が「一部の楽観主義者」ほど脳天気でないことが分かります。


シャンパングラス手にプーチン大統領、露軍の手法に正当性ないと認めた形に…「民間施設攻撃は意味ない」 : 読売新聞

 プーチン露大統領は12日、大統領府で祝日の「ロシアの日」にちなんだ式典出席者と懇談した際、ウクライナ侵略を巡り、「民間施設への攻撃は軍事的に何の意味もない」と述べた。
 5月に大統領府などに無人機が飛来したことを受け、ウクライナ側を非難した発言と受け止められている。一方、露軍はミサイルや無人機でウクライナの民間施設を繰り返し攻撃しており、プーチン氏自身が露軍の攻撃手法に正当性がないことを認めた形となった。現場の映像では、プーチン氏はシャンパングラスを手に熱弁をふるっており、酒に酔っていたとみられる。

 勿論プーチンの主張が恐らく虚偽であることを認めた上での話ですが「ロシア軍による民間施設攻撃」をプーチン
1)民間施設を偽装したウクライナ軍事施設への攻撃、あるいは
2)「ロシアに濡れ衣を着せる」ウクライナの自作自演
として「ロシア軍の違法行為ではない」として正当化していますので、「形式論理上は」プーチンの主張には矛盾はありません。読売記事は「酒に酔って失言した」と言いたそうですが、そういう話ではないでしょう。


<特報>「中国に仲介能力なし」 ゼレンスキー氏側近・ポドリャク氏単独インタビュー 「今年中に勝利したい」 - 産経ニュース
1)ゼレンスキー本人の発言ではない上に
2)最大手「朝日や読売」ならまだしも産経
と言う辺り、「産経の捏造でなく事実だとしても」ウクライナ的には「目立たない形での中国非難」であり、都合が悪くなったら「ポドリャクの個人的見解」で済ます気ではないか。
 そもそも「中国への悪口」はともかく「今年中に勝利したい」とは「数年に及ぶ戦争も覚悟している」と言う過去のゼレンスキー発言と明らかに矛盾しており「おいおい」です。 

*1:著書『現代ロシアの軍事戦略』(2021年、ちくま新書)、『ウクライナ戦争の200日』(2022年、文春新書)、『ウクライナ戦争』(2022年、ちくま新書)等