フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第15回「鬼太郎危うし!妖怪大裁判」(2025年7月13日放送)

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フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第15回「鬼太郎危うし!妖怪大裁判」

 フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第14回「まくら返しと幻の夢」(2025年7月6日放送)(追記あり) - bogus-simotukareのブログの続きです。
 今回は3期32話。セレクターは実写版「鬼太郎」で鬼太郎を演じたウエンツ瑛士です。第7回「鏡じじい」(2025年5月18日放送、3期2話)に続いて2度目のセレクターです。
【あらすじ】
 妖怪パーティーを映画会社に撮影させ金儲けをしたという罪で逮捕された鬼太郎。
 弁護側証人として、砂かけ婆、子泣き爺、一反もめんといった鬼太郎ファミリーが出廷予定*1だったが、百々爺が鼻毛針で一反もめんを封じ込め*2、子泣き爺も「眠り薬を仕込んだ酒」をねずみ男に飲まされ出廷を妨害される(この時点で事件の黒幕が百々爺で、ねずみ男も加担してることは被害者である「一反もめん、子泣き爺」を除いて鬼太郎ファミリー(鬼太郎親子、砂かけ婆猫娘)にはわからないが、視聴者には明白)。
 砂かけ婆のみが、弁護することになったが、百々爺が「砂かけ婆は鬼太郎の母親のような存在で客観性に欠ける」と異議を申し立て*3、その異議が認められたことで弁護なし。
 あげく検察側証人として出廷したねずみ男が「そんな内容とは知らなかったが、鬼太郎に頼まれて映画会社に手紙を渡した」と証言したことで、鬼太郎は「ドロドロに溶かされた上で500年間壺で封印されること」になる*4
 しかし、鬼太郎は「ドロドロに溶かされた上で500年間壺で封印」という処刑直前に、全裸にされたことを利用して「カメレオンの術」を使って逃亡。目玉おやじが人質となるとともに、鬼太郎の逃亡を助けた罪で塗り壁が逮捕される。
 鬼太郎が「所定の時間までに戻らなければ」目玉おやじと塗り壁が、鬼太郎の代わりに「ドロドロに溶かされた上で500年間壺で封印される」と天狗ポリスから通達される(ここまでが前半)。
 鬼太郎、猫娘、子泣き爺、砂かけ婆が「一反もめん」を救出し、一反もめんの口から「百々爺」が黒幕らしいことがあかされる。
 百々爺の目的は彼が「妖怪社会の支配者」になるに当たって邪魔な鬼太郎を始末することだった。
 そこへ「一反もめんに証言されては叶わない」とやってきた百々爺一味(見上げ入道、手の目など)と鬼太郎ファミリーでバトルになるが、鬼太郎が百々爺に勝利(なお、百々爺一味に脅されて、彼らに従ってきたさざえ鬼など、鬼太郎に恩義がある妖怪が、良心の呵責に耐えきれず、鬼太郎側について戦う感動的な場面がある)。
 鬼太郎が百々爺を「事件の真犯人」として天狗ポリスに突き出し、親父と塗り壁が解放されてエンド。
【感想】
 やはりねずみ男が「百々爺に何らかの利益でつられた(但し、今回のアニメ放送では何が具体的な利益としてねずみ男に提示されたのかは不明)」とはいえ、鬼太郎有罪につながる証言をしてる点が「?」ですね。
 鬼太郎とは一応「友人」と言う設定であり、3期でもそのような「友人」的な描写も確かあったかと思います。
 鬼太郎有罪が「軽い罪」ならともかく「ドロドロに溶かされた上で500年間壺で封印」と相当に重いですからね。
 判決後も「鬼太郎に対する良心の呵責」などは全く見せず、百々爺に「約束の実行(但し、何が約束かは詳しい説明がなく、不明)」を求めるものの「お前はもはや用済みだ」と約束を反故にされた上、百々爺一味にボコボコにされるねずみ男が哀れではあります。
参考

【ゲゲゲの鬼太郎】妖怪大裁判(2~5期)を見比べる - タリホーです。
3期(だいぶ賑やかになった印象)
 3期はヒロイン枠のユメコちゃんや猫娘が介入する以外は2期と同様にほぼ原作通りの内容。作画が細やかになったこともあって、モブ妖怪も2期以上に充実度が増した感じがする。
 3期の特徴としては、このエピソードの前に登場し鬼太郎に助けられた鏡じじい*5、さざえ鬼*6といった味方妖怪が登場すること、百々爺とのバトルが原作以上にバトルシーンらしくなっているという点だろうか。百々爺の「鼻もんも」という幻覚術は原作だとあまり活かされている感じがしなかったが、この3期ではそれをバトルシーンとして描いておりアクション重視の3期に合った改変だと思う。
 捕まえた百々爺を連れて鬼太郎が処刑場へ戻るというラストで物語を締めくくっているため、百々爺、ねずみ男の量刑や他の妖怪がどうなったのか不明になっているのは気になる所ではあるが、元凶の百々爺が退治され鬼太郎は無実を証明し、人質として確保された目玉おやじ*7は助かっているので、別にマイナスポイントではない。
 処刑場にいた天狗ポリスが安堵している様子を見ると、天狗ポリスも内心では鬼太郎が無実だと思ってたんじゃないかな~?っていうのが伝わってきて、ああやはり鬼太郎はみんなのヒーローなんだなっていうのが感じ取れて良かったよ。

【ゲゲゲの鬼太郎】3期第32話「鬼太郎危うし! 妖怪大裁判」視聴【私の愛した歴代ゲゲゲ】 - タリホーです。
 3期妖怪大裁判は以前の見比べ記事で言及済みだが、改めて視聴してみるともう2,3語りたいことが出て来たのでどうかお付き合い願いたい。
 お話の発端となる妖怪パーティーには様々な妖怪が出席していたが、どんな妖怪がいたのか、私のわかる範囲で列挙すると以下の通り。

 獏、ひょうすべ、呼子、小豆あらい、がんぎ小僧、ろくろ首、カラス天狗、手の目、座敷わらし、あかなめ、鏡じじい、百目の子供、キジムナー、おどろおどろ、ぬれ女、さざえ鬼、百々爺、牛鬼、見上げ入道

 残念ながら「妖怪に疎い俺」は「明らかに百々爺に肩入れしてる見上げ入道と手の目(特に百々爺の最側近のような描かれ方である見上げ入道)」と「鬼太郎には世話になってる」として鬼太郎ファミリー(鬼太郎、猫娘、子泣き爺、砂かけ婆、一反木綿)と百々爺一味(見上げ入道、手の目など)のバトルでは結局は百々爺に半旗を翻す「さざえ鬼」以外はよく分かりませんでした。

 例えば裁判シーンで砂かけ婆が弁護をしようとした矢先に百々爺の異議申し立てで弁護出来なくなったシーンはアニメだけの展開であり、原作ではさら小僧(アニメでは見上げ入道)の主張に対して砂かけ婆が反論している。多分これは物語を1話完結で構成するにあたって原作通りやると1話で収まりきらないため、その都合で改変されたのではないかと考えている。

 とはいえ「百々爺は検事ではなく傍聴人では?。なぜ異議申し立てが出来るの?」感はあります。
 とはいえ、それ言ったら「虚偽証言の疑いが否定できないねずみ男」の証言を裏も取らずに判決を出すこと自体が「変」ではあります。
 鬼太郎が

Category:裁判を題材とした漫画作品 - Wikipedia参照
◆『家栽の人』(主人公は家裁の桑田判事)
◆『検察官キソガワ』(主人公は地検の木曽川検事)

などのような裁判漫画、法律漫画(勿論これらの法律漫画でも「フィクションであり現実とは違う」などの批判はありますが)でない以上「大目に見るべき」ではあるのでしょう。

 鬼太郎が処刑場から逃亡し砂かけや猫娘の元へ辿り着いた際、鬼太郎は猫娘から衣服を受け取っているが、改めて見ると前後の状況から考えても明らかにおかしい。というのも、鬼太郎の衣服は刑吏であるカラス天狗により処刑直前に奪われており、当然その衣服はカラス天狗が管理していないとおかしい。実際原作でも鬼太郎が逃亡した際、大天狗の命令によって鬼太郎の下駄やチャンチャンコといった衣類は使えないよう封印されている。しかし、今回のエピソードではカラス天狗が持っているはずの鬼太郎の衣服が何故か猫娘の手に渡っているという不自然なことになっている。
 逃亡犯の衣類をカラス天狗が猫娘に渡すなんてどう考えてもあり得ないし、チャンチャンコの特殊な力のこともカラス天狗たちは当然知っているはずだから、今まで気づかなかった私も私だがアニメスタッフもこの違和感をスルーしたのはマズかったのではないかと思ってしまう。
 勿論、漫画と違いテレビアニメなので主人公の鬼太郎をいつまでも裸のままにしておくのは絵面が悪いからこういう流れにしたのはわかるのだけど、それでも前後の状況を考えれば鬼太郎にいつも通りの服を着せるのはおかしいことになるし、4期では鬼太郎にボロい布切れを着用させるという形でテレビアニメとしての課題点をクリアしているのだから、決してやりようがなかった訳ではないということは指摘しておかなければならない。

 但しそうなると、3期では、その後の百々爺とのバトルで、鬼太郎がリモコン下駄で百々爺を倒してるのをどう描くのかという問題はあります(下駄以外で倒すことになるのか?)。
 実際、今回の鬼太郎に限らず「おかしいだろ」というのは色々あります。
 俺が今思いつくのでは市川崑映画「犬神家の一族」の「湖に浸かったニセ佐清」ですね。
 原作では「手ぬぐいによる絞殺。殺害方法が斧ではないが、斧(ヨキ)の見立てをするために湖につけた(なぜ見立てになるのかは説明がややこしいので省略します)」ですが、市川映画では「斧で撲殺(この方が絞殺より絵になると思ったのでしょう)」なので見立てする必要が何一つ無いのに「湖に浸かった死体がインパクト大で絵になる」と思ったのか、原作通り「死体を湖に浸けた」あげく、しかし「見立て」というわけには勿論いかず、「見立て」にかわる上手い理由も思いつかなかったのか、「死体を湖に浸けた理由」の説明が何もされません(金田一が謎解きするわけでもないし、犯人が説明するわけでもない)。
 原作では当然のように「なぜ、湖につけたんだ」と橘署長が首をかしげ、金田一が謎解きするんですが(但し映像化作品の中には、原作通り「絞殺→金田一による見立て殺人の説明」もあったと思います)。

福井宏明【ケセラセラなギター弾き】
松田哲夫*8が #水木しげる 先生に原案を頼まれた時、毒気が薄れ良い子になった鬼太郎にやや不満を持っていた松田氏は、安田講堂の攻防戦とその裁判闘争をヒントに書いたのが「妖怪大裁判」で、次に三里塚の空港反対闘争をヒントに書いたのが「泥田坊」だった事が、『編集狂時代*9』に詳しく書かれている
水木しげる 先生に依頼され原作『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大裁判』の原案を書いた松田哲夫さんは、アニメにもなり、かつての毒気が薄れ良い子になった鬼太郎にやや不満を感じてたので、人間に味方して妖怪退治ばかりしてる鬼太郎が妖怪達に裁判にかけられる話を書いたというのが、この作品制作の裏側にはある

マオ
 3期妖怪大裁判見てるんだけど、(ボーガス注:3期)戸田、(ボーガス注:5期)高山は女の子*10に全裸見られるとちゃんと恥ずかしがってくれる。まったく動じなかった(ボーガス注:4期)松岡くん何なんだ

オトチ
 歴代妖怪大裁判では3期が1番好き
 真犯人を捕まえて来た鬼太郎
 喜ぶ目玉親父とぬりかべ
 警察側のカラス天狗も安堵し喜んでいた

車掌さん
 妖怪大裁判といえば、3期と4期とで烏天狗たちの態度が違うのもあるよなぁ……。
 4期は鬼太郎であっても大罪犯した妖怪には容赦しない毅然とした態度だったし、なんなら処刑の時もニヤリとしてたっけなぁ……。
 3期は鬼太郎に対して人情があるからこそ、処刑中止の時も安堵した顔をしたんだろうなぁ。

白蔵主
 3期妖怪大裁判。テンポが良すぎる、これに尽きる。妖怪大裁判って5期や6期などちょっと大胆なアレンジがされがちなお話ですが、3期で妖怪大裁判を30分でまとめちゃったのが見事過ぎて、他のシリーズでは変化球にならざるをえないのかなーって感じすらします。妖怪もいっぱい出てきて本当に楽しい回。

ごとっち
 (ボーガス注:3期の)百々爺戦を見て「あれ⁉︎呆気ない!」と思った方も多いでしょう…
 それもそのはず、百々爺の武器は鼻毛針と鼻もんもしかない。
 直接攻撃は鼻毛針しかなく、鼻もんもは幻覚ガスで射程も短め。
 悪知恵だけで天下取り狙うとは滑稽ですなw

妖奇七郎・一休ちゃんでありんす
 (ボーガス注:アニメ版の「妖怪大裁判」では鬼太郎側に付くのに原作では)猫娘は鬼太郎を陥れるねずみ男を応援して、百々爺の御輿を担いでいますし、レギュラーでは無く立ち位置がしっかりとしていなかったのがわかります。

中山哲学
 (ボーガス注:鼻もんもの幻覚に苦しみながらも)本物の百々爺に下駄がクリーンヒットした時の鬼太郎の「やったぁ!」からの指パッチンが可愛い

データ原口
 悪事を働いた百々爺が捕まって裁判場へと連行されるところで潔く物語を終わらせるのが簡潔ですよね。最後の判決が省略されている。また、(ボーガス注:原作と違い「人間に肩入れしすぎたかもしれない」と)鬼太郎が反省するパートもないのが実に3期らしいな、と思います。

*1:弁護はされなかったわけですが、裁判弁護だったら「鬼太郎はそんなことはしてない(別人の犯行だ)」でしょうが、どうも話の展開からみて「正義のヒーロー鬼太郎がそんなことをやるわけがない(そして過去の鬼太郎の正義のヒーローぶりを説明)」という「それ弁護って言えるんだろうか?」という弁護らしかったのは「お約束(鬼太郎は裁判マンガではないので深く突っ込むべきではない)」として大目にみるべきなのでしょう。

*2:百々爺自ら動くのではなく、手下妖怪を使い、いざとなったら「知らぬ存ぜぬ」で逃げられるようにしておくのが自然とは思います(実際、子泣き爺についてはねずみ男を使った)が、30分に話を納めるには「百々爺が自ら動く→その結果、彼が真犯人とわかる」とせざるを得ないのかなとは思います。

*3:検事でもないはずの百々爺(ただの傍聴人では?)になぜそんな異議申し立てが出来るのかはひとまず置きます。まあ、そこは「お約束(鬼太郎は裁判マンガではないので深く突っ込むべきではない)」として大目にみるべきなのでしょう。

*4:「日頃から嘘が多いねずみ男」の証言を裁判官達が「何らかの理由(真犯人に金で買収されたなど)で鬼太郎を罪に落とすための虚偽証言をした」と疑うこともせずに、また「手紙を受け取った人間側に裏を取ること」もせずに鵜呑みにしてる点が「?」ですが、まあ、そこは「お約束(鬼太郎は裁判マンガではないので深く突っ込むべきではない)」として大目にみるべきなのでしょう。

*5:3期2話『鏡じじい』

*6:3期14話『不老不死!? 妖怪さざえ鬼』

*7:なお、目玉おやじだけでなく、鬼太郎の逃亡を助けたという罪でぬりかべが逮捕されている。

*8:筑摩書房常務、専務など歴任。著書『編集狂時代』(1994年、本の雑誌社→2004年、新潮文庫)、『これを読まずして、編集を語ることなかれ。』(1995年、径書房)、『「王様のブランチ」のブックガイド200』(2009年、小学館101新書)、『縁もたけなわ:ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち』(2014年、小学館)、『編集を愛して:アンソロジストの優雅な日々』(2024年、筑摩書房)等

*9:1994年、本の雑誌社→2004年、新潮文庫

*10:猫娘のこと