読まないと理解できない感想が多いですがご容赦ください。読んだ本 - 情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明の感想の形で書きます。
G 餓の島@玉井雪雄
捕虜の据え物斬りを趣味にしている(何度も滅多斬りすることなく*1、生首をきれいに一刀両断の元に落とすことを自分の剣道能力の高さとして自己陶酔)という物騒極まりない日本軍人が主人公の敵役として登場。
今回は勿論フィクションですが、とはいえ、百人斬り競争 - Wikipedia(恐らく捕虜の据え物斬り)
試し斬り - Wikipedia
日中戦争時に捕虜に対する試し斬りが行われたという証言がある。中島今朝吾*2第16師団長の日記によれば「本日正午、高山剣士来着す。捕虜七名あり。直に試斬を為さしむ」と捕虜を使って試し斬りを行ったと記している。
等を考えれば、そうした物騒な人間は実際の戦場にも残念ながらいたのでしょう。
退職代行、(ボーガス注:この漫画では否定的な描かれ方だが、マスコミが報じる)経験談とか実例とか見ると、使いたくなるのが判るようなの*3も多いからねえ。ごじあいのススメ@カレー沢薫
「退職代行」を美化(?)する気はないですが、いわゆる「退職代行」の利用者について極めて否定的な描き方をしてるのが「何だかなあ」。
ケースバイケースであり、一律に「自分の意思を伝えられないヘタレ(何処の職場でも使い物にならない)」扱いするのもどうかと思います。
新連載。かつての上司が(ボーガス注:養育費の支払いトラブルで、逆上した元妻に)殺され、しかしそれを(ボーガス注:元妻とともに山奥に死体を埋めて)隠蔽することに。(ボーガス注:元妻に、『上司とは男性同性愛関係にあった』(日本では未だ同性愛差別が酷い)という)弱みを握られて(ボーガス注:同性愛関係を世間にばらしてもいいのか、ばらされたくなければ遺体隠蔽に協力しろと脅されて)るったって、相手が(ボーガス注:殺人という)刑務所確定なことやってるなら問題にならんだろ、と思うがまあそこはそれ。>おままごとはそのまま@鳩ヶ森。
「アンソロジー」とあるので、手塚治虫「ブラックジャック」等のような1話完結で、今後もこうした物騒な話が続くようです。タイトルの「おままごと」ですが今回は「保身のための殺人隠蔽行為」が皮肉として表現されてるようです。次回も同様の意味での「おままごと」なのでしょう。
なお、この作品においては「遺体は見つからないまま」終わります。
遺体が見つからず、処罰を受けないまま終わる(上司は失踪者扱い)のか、遺体が発見されて元妻(殺人、死体遺棄)や元部下(死体遺棄)が処罰されるのか、はたまた精神的に耐えきれなくなった元妻や元部下が自首したり、自殺したりするのかは曖昧なままでモヤモヤするところではあります。
「自分の好きなペースで飲み食いできる一人焼き肉ならともかく、皆で焼き肉を食うと酒が飲めなくて困る。俺が酒を飲んでるとお前ら、俺を無視して容赦なくバクバク肉を食うだろ。俺だって肉は食いたいし、酒好きとして、肉と一緒に酒も飲みたい。俺が酒を飲めるように、お前らも肉ばかり食わずに酒を飲めよ。お前らだって酒好きだろ」と言っても「今日は酒より肉の方が大事」と無視する友人達を前に「酒を飲む」のを諦め一緒に肉をバクバク食う主人公(苦笑)。
今回はカッパ巻き。普通のカッパ巻きでは能が無いと、「白だしにつけた胡瓜(キュウリ)」を「刻んだ生姜(ガリ)」と巻いたものが登場します。
なお、あくまでも「胡瓜がメイン」がカッパ巻きで、漫画内では「穴キュウ巻き(穴子と胡瓜)」「ウナキュウ巻き(鰻と胡瓜)」「ヒモキュウ巻(赤貝のひもと胡瓜)」は美味しいけれど「胡瓜以外(穴子、鰻、赤貝)がメイン」でカッパ巻きとは違うとされます(「刻んだ生姜」レベルなら「胡瓜の引き立て役」であり、「胡瓜メイン」でカッパ巻きという評価)。
なお、
かっぱ巻き - Wikipedia参照
カッパ巻きの発祥については、東京の「八幡鮨」店主・安井弘が考案したとする説がある一方で、1929年(昭和4年)に創業した大阪の「甚五郎」店主・大宅信次郎が考案したとする説もある。「甚五郎」の店の前には「元祖起う里満き」の石柱が建てられている。
かっぱ巻きの元祖 | 早稲田 八幡鮨
戦後の食糧難の時代に、何か寿司の種にならないかと考えているとき「きゅうりでも巻いてみようか」と思いついたそうです。
四代目がまだ10代の頃ですから、新しいものをやってみようという前衛的な気持ちもあったでしょうし、それにこれはさらにその先代、三代目の女将(女将は女性寿司職人のはしりですね)が考案した、鉄火に胡瓜の奈良漬けを合わせて巻く、自称「やわた巻き*4」もヒントになったとのことです。
ただ、明治生まれの三代目はそれを見て、生のきゅうりを芯にするなんて邪道も甚だしいと嘆いたそう。
Vol.8「八幡鮨」-「かっぱ巻き」発祥の店、一握入魂- – 早稲田文化2021.1.27
現在の「西早稲田」の交差点に金文字で輝く「八幡鮨(やはたずし)」。創業明治元年*5(1868年)。早稲田で最古参の店だ。八幡鮨の五代目、安井栄一さんにお話を伺った。
戦後、食料難の日本はGHQの統制もあり、ネタも自由に手に入らず、鮨を食べることは難しかった。当時10代だった四代目弘さんは、定番の鉄火巻き、かんぴょう巻きの代わりに、生のきゅうりを巻いてみた。きゅうり巻きが誕生した瞬間だった。その後、次々と寿司店が新ネタとして取り入れ、あれよあれよと広まり、後に「かっぱ巻き」と称して全国区になっていった。
大阪 北新地 甚五郎 | 江 弘毅の食べること、飲むことについて毎日考える
昭和四年創業、名物胡瓜巻きの店。表の石碑に「元祖 起う里満き 鮓甚五郎」とある。
この店の胡瓜巻きを含め、大阪の鮨については朝日新聞の記者だった篠崎昌美さんが戦前の大阪を書いている『続・浪華夜ばなし』(1955年、朝日新聞社)に、興味深い記述がある。著者・篠崎さんは明治25年(1892)、大阪市西区生まれ。
「東京式の握りずしが大阪に現われたのは、大正前期に鉄砲屋がやり始め、関東震災後になって南地に福喜、道頓堀に幸ずしが現われ、これが評判になって南地に立食い専門のすし捨やすし常が繁盛した。料亭化したものに島之内の松ずし、曾根崎の胡瓜巻専門の甚五郎などがあった」
で分かるように、カッパ巻きが何時どこで出来たかは不明(東京の八幡寿司、大阪の甚五郎など自称元祖が山ほどある)なものの、恐らく「できたのは昭和戦前期(戦前から大阪にはあった*6という証言があるとのこと)」で「普及したのは戦後以降」というのが通説のようで、江戸時代からあるとされる「鉄火巻き」「干瓢(カンピョウ)巻き」に比べ、比較的新しい寿司だそうです。
参考
かっぱ巻き - Wikipedia参照
当初は「胡瓜巻」と呼ばれていた。「かっぱ巻き」という名前の由来については「胡瓜が河童の好物だから」、「胡瓜を輪切りにした時の切り口が河童の皿に似ているから」など諸説ある。
やってはいけない@湖西晶
今回は「ハンディファン(携帯扇風機)」の事故(主として「リチウムイオン電池(モバイルバッテリー)の爆発や発火」だが「ハンディファンに髪の毛や衣服が巻き込まれる」「子どもが指をハンディファンに突っ込み怪我を負う」と言ったこともあり得る)。
後でネット上の記事を紹介しておきます。
可茂消防事務組合 | ハンディファン(携帯扇風機)の火災事故に注意! / shingle
ハンディファンにはリチウムイオンバッテリーが内蔵されているものがあり、充電することで繰り返し使用できるため広く普及しています。
しかし、便利である反面、リチウムイオンバッテリーは衝撃や高温・水濡れに弱く、発火や破裂し、火災やケガの原因になりかねません。
使用する際は、以下の点に注意しましょう。
・落とす・踏みつけるなど、強い衝撃を与えない。
・夏場の車内に置くなど、高温となる場所に長時間放置しない。
・本体に水分がかからないようにする。
・長時間の充電(過充電)はしない。
次のような場合は使用を控えましょう。
・落としたり、どこかにぶつけたり、踏みつけた場合。
・水没させたり、飲み物がかかった場合。
・使用中や充電中に、異常に熱くなる場合。
・使用中や充電中に、異臭がする場合。
手持ち扇風機で爆発が多発!注意すべき点と対策をご紹介|二酸化炭素消火具「消棒シリーズ」商品サイト
(1)直射日光が当たる場所や高温環境に放置しない
外出時に使用する場合は、なるべく日陰で使用しましょう。炎天下で携帯扇風機を使用しても、猛暑日など気温が高い場合には体温より高い風を送るようなもので暑さ対策、熱中症対策効果も期待できないものです。携帯扇風機は、日陰や室内で使用するのが適切です。
(中略)
(3)事故の予兆を見逃さない
リチウムイオンバッテリーが発火や破裂する前は、バッテリーが膨らんだり焦げ臭い匂いがしたりと、何らかの兆候を示すことがあります。こうした予兆を使用中だけでなく、充電中でも感じたら、直ちに使用をやめてください。
4.事故を未然に防ぐ!手持ち扇風機の選び方
すべてではありませんが、ネットショップなどで販売している安価な手持ち扇風機のなかには、メーカーや輸入事業者、販売元などの情報が不明瞭な商品もあります。こうした商品には、安全性を軽視したものも散見されます。事実、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)の調査では事故原因の多くが(ボーガス注:高温環境に置いた、落下させた、水没させたなどの扱いの問題ではなく)「製品自体の不具合」にあると報告しています。
また、万一事故が起こった場合に、メーカーや販売元などがわからないとリコールや損害賠償などの措置ができません。手持ち扇風機を選ぶときは、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。
海外製の商品のなかには、「PSEマーク」が表示されていないものもあるようです。PSEマークとは、電気用品安全法の基準を満たすモバイルバッテリーなどにつけられるもので、このマークや届出事業者の名称のない製品は、国内では販売が禁止されています。ネット上では、PSEマークのない商品が販売されているケースも少なからずあるようです。購入時に、しっかり確認しましょう。
コラムVol.10 携帯用扇風機の扱いにはご留意を! | 消費者庁2024.6.24
・「満員電車でハンディファンを使っている人の近くにいたところ、髪の毛が吸い込まれる形で引っ張られた。」
・「パソコンのUSBケーブルに接続し、充電しながら机の上で使用していた携帯用扇風機から焦げ臭いにおいがしたため、電源を切った。」
・「1歳のこどもにスイッチの入った状態のハンディファンを渡したところ、こどもがそのハンディファンをなめて唇を切ってしまった。」
※周囲への気配りを忘れないようにしましょう。
特に人が集まる場所での使用は、周囲への配慮が必要です。例えば、周囲を確認せず携帯用扇風機を振り回すと、気付かぬうちに、周囲の人の髪やひも等の付いた衣服等を巻き込む可能性があるため危険です。必ず周囲を確認してから使用しましょう。
※充電しながら使用可能かを確認しましょう。
充電しながら使用することにより充電池が劣化し、発熱・破損のおそれがあるとする携帯用扇風機もあります。充電中に使用が可能な製品かどうかを取扱説明書などで確認しましょう。
※他の人に渡すときは、スイッチを切ってから手渡しましょう。
羽根が回っている状態で手渡すと、場合によっては羽根ガードの中に指などが入り、けがをする可能性があります。
なお、インターネットで購入した携帯用扇風機での事故も発生しています。製品の購入時は、製造・輸入・販売事業者と連絡が取れることを一つの基準としてください。
また、使用前は、自身の所有する製品にリコール情報がないかを消費者庁「リコール情報サイト」などで確認しましょう。
充電中のハンディファンから出火か…品川区のマンションで火災、住人4人と消防隊員1人がケガ:東京新聞デジタル2025.7.23
23日午前8時35分ごろ、東京都品川区東品川3のマンションの一室で「黒煙が出ている」と近隣住民から110番があった。警視庁品川署によると、火元の部屋に暮らす30代男性ら住人4人が軽傷、現場で活動した東京消防庁職員1人がやけどを負った。
署によると、男性は「充電中の携帯型扇風機周辺から出火した」と話し、現場にあった携帯型扇風機も激しく燃えていたという。署と東京消防庁は出火原因を詳しく調べている。火は2時間近く後にほぼ消し止められ、火元の部屋がほぼ全焼した。
製品事故を分析する独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、2020~2024年の5年間、携帯型扇風機から出火した火災は全国で少なくとも31件あった。
原因の一つは内蔵されたリチウムイオン電池だった。落として衝撃を与えたり、過充電で劣化したりすると、電子回路がショートして異常発熱や発火につながる。電池には可燃性の電解液が使われ、高温環境で気化しやすい。NITEの担当者は「夏場の車内などには保管せず、目の届く範囲で充電することが大切だ」と話した。
【追記:モバイルバッテリーの発火事故】
モバイルバッテリー発火、4年で2・6倍に 背景に海外の低品質電池か 劣化と温度に注意 - 産経ニュース2025.9.13
モバイルバッテリーが突然発火する事故が相次いでいる。8月には、電車や新幹線の車内で発火する事例が続き、運行にも支障が出た。
低品質な海外製の普及が背景にあるとみられるが、リチウムイオン電池は身の回りの電化製品に多く使用されており、取り扱いには注意が必要だ。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると令和2~6年、リチウムイオン電池を搭載した製品による発火などの事故は計1860件。このうち、モバイルバッテリーによる事故は2年には47件だったが、6年には123件と2・6倍に増加している。
適切に廃棄されずに、火事の原因となる事例も増えている。東京消防庁の発表によると、令和5年中にごみ収集車から出火した火災41件のうち、半数を超える21件がリチウムイオン電池を含む製品が発火源だった。
猛暑が続く中、若者を中心に広く普及しているハンディファン(手持ち扇風機)にも搭載されており、環境省は、使用が終わったハンディファンの廃棄などが増える11月を火災防止月間に設定。兵庫県芦屋市などの各自治体も、製品ごとの正しい廃棄を呼びかけている。
リチウムイオン電池は、どのような場合に発火するのか。
電気化学を専門とする関西大化学生命工学部の石川正司教授によると、①劣化、②気温が高い、③熱のこもりやすい場所-など、いくつかの条件が重なったときに発火事故が起こりやすいという。
リチウムイオン電池は長い期間使っていると、中の「電解液」が劣化し、ガスが発生する。この状態で、落下による衝撃など何らかの理由で内部でショートが起こると、過熱状態となって火が出るというしくみだ。
石川氏は、近年特に発火事故が増加している背景として、「品質管理の甘い海外製の電池が大手メーカーの電化製品に使用され、流通したことが要因の一つではないか」と分析する。
予防策としては、電池の劣化を遅らせるために、「適温下で扱うことが重要」と説明。モバイルバッテリーなどを毎日使用する場合、3年を目安に劣化していないか確認し、落とした場合も使用時に温度が高くならないか注視することを勧めている。
*1:実際には「きれいに一刀両断」とはいかず、「首ではなく誤って頭部に切りつける」「首が綺麗には切断できず何度も滅多斬り」というのはよく聞く話です。介錯 - Wikipediaにも「剣の扱いに未熟な者は斬り損ね、何度も首に斬りつけたり、刀を損傷してしまうことも多々あった。三島事件の際に、三島を介錯した森田必勝は、2度斬り損ねた上に刀を曲げてしまった。」と言う指摘があります。
*2:1881~1945年。舞鶴要塞司令官、陸軍習志野学校長、第16師団長、 第4軍司令官など歴任
*4:八幡巻きと言った場合、通常はごぼうに鰻やドジョウを巻いて焼いたものをいう(八幡巻 - Wikipedia参照)
*5:但しVol.8「八幡鮨」-「かっぱ巻き」発祥の店、一握入魂- – 早稲田文化によれば創業当時(1868年)は団子屋で、後に寿司屋に変更
*6:「戦前から大阪にはあったが、戦前の東京には無かった」のなら「カッパ巻きの元祖=八幡寿司」という八幡寿司関係者の主張は少なくとも「主観的には嘘ではない」わけです。