フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第24回「地獄行!幽霊電車!!」(2025年9月14日放送)

◆9:00~9:30
フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第24回「地獄行!幽霊電車!!」

 フジ『ゲゲゲの鬼太郎・私の愛した歴代ゲゲゲ』第23回「幸福という名の怪物」(2025年9月7日放送) - bogus-simotukareのブログの続きです。
 今回は第3期6話。セレクターは京極夏彦です。
 簡単に感想を書いておきます。
 鬼太郎に暴力をはたらいた男・黒川が無茶苦茶*1(酔っ払ってるとは言え、鬼太郎やねずみ男に暴力を振るう正当な理由が何一つない)すぎて、呆れますが、これは「妖怪の存在を否定」だけでは「鬼太郎があのような脅し、懲らしめをやるのはやり過ぎ」と言う認識が制作サイドにあったのでしょう。
 鬼太郎も自らの「懲らしめ行為」をアニメ内で正当化していますが、その正当化理由には「妖怪の存在否定」だけではなく「鬼太郎やねずみ男に暴力を振るったこと」も入っています。

参考

ゲゲゲの鬼太郎(6期)第7話「幽霊電車」〈再放送〉視聴 - タリホーです。から「3期関連部分」のみ紹介
 3期は鬼太郎に暴力をはたらいた男・黒川の回想譚という形で物語が始まる。
 実は、回想譚という形式は、ホラーとしては使い方を間違えると改悪になってしまう所があって、話そのものが非常に怖いのなら別に構わないが、3期のような妖怪大集合テイストの「ゆうれい電車」回でそれをやるのは良くなかったのではないかと思っている。何故なら「回想譚=語り手が生きている」訳であり、劇中でどんな目に遭っても結局は助かることが視聴者に事前に知れてしまっている。そのため、原作におけるサスペンス性や緊張感が損なわれてしまったのが3期の欠点の一つだ。

 とはいえ、3期鬼太郎は「墓場鬼太郎」とは違うので、回想という形を取らなくても「さすがにサラリーマンを殺したりはしないだろう(ただの脅しなのだろう)」ということは予想は付きます。

crepuscular
 『ゲゲゲの鬼太郎』「地獄行!幽霊電車」エピソードを最後まで視聴。深夜のラーメン屋で自分を殴ってたんこぶを作らせたサラリーマン二人組に、「たんこぶひとつ分の目に遭ってもらうよ」と鬼太郎が宣言。

が指摘するように鬼太郎も最初(ラーメン店で暴力を振るわれた時点)から「後でたんこぶひとつ分の目に遭ってもらう」として報復をする意図があること、但し、過剰報復はしないことを宣言していますし。
 また、タリホー氏が言うような欠点は生じるでしょうが、一方で「黒川が自らの体験を周囲(同僚サラリーマン)に語らずにはいられない(語ることで恐怖体験を周囲に共有してもらい、自分の恐怖体験を少しでも軽減したいのでしょう)→鬼太郎に暴力を振るった際にはなぜか自信満々だった黒川が、滑稽にも幽霊電車の経験後は、恐怖体験によって完全に意気消沈している」という面白みを制作サイドはアピールしたかったのかもしれない(というのは俺の思いつきにすぎず、実際、制作サイドが何を考えていたかは分かりませんが)。

 また、妖怪に比重を置いておきながら物語終盤で幽霊電車が実在していたことが奥多摩霊園駅の駅長によって語られていることも欠点。原作のゆうれい電車は鬼太郎の霊力によって男二人が見せられていた一種の幻覚として描かれているが、3期の場合は幽霊電車の存在が駅長から語られたことで「結局あの幽霊電車は鬼太郎が作出したものなのか、元からあの路線を走っていた幽霊電車を鬼太郎が利用したのか?」という謎が残ってしまった。ホラーは曖昧な部分に怖さがあるが、この曖昧さはホラー的な部分に何ら貢献を果たしていない。元からあった幽霊電車を鬼太郎が利用したと仮定するとあんなに妖怪を乗せて乗客の迷惑になりやしないか?と思うし、鬼太郎が作出したものならば、駅長の語りの部分はハッキリ言って蛇足。
 こんな訳で、3期「ゆうれい電車」回はホラーとしてはお粗末な出来となってしまったが、ドッキリ番組的視点で見るとなかなかイケる。骨壺駅で現れる死者の大群(原作に無いよ!)とか大量の妖怪に囲まれる展開などは正に「やりすぎ感」溢れるドッキリ番組そのもの。でも濡れ女は出色の出来栄えで、彼女は最後までホラーだったよ。

 こうしたタリホー氏の「否定的評価の是非」はひとまず置くとして、「幽霊電車が実在していたことが奥多摩霊園駅の駅長によって語られている」というのは不適切な気がします。
 駅長が黒川たちに語ったのは
1)幽霊電車の走っていた時間帯には、現在はもはや電車は走っていないが、過去には本当に電車が走っていたこと
2)今も「その時間帯」に電車が走ってるという怪談、都市伝説が存在してると言うことであって、あの駅長の話し方はあくまでも事実か怪しい(というか、おそらく駅長は事実とは思ってない)「怪談」「都市伝説」という語り口であって幽霊電車が実在していたことが奥多摩霊園駅の駅長によって語られているという話ではない気がします。

幽霊電車 - Wikipedia
第3作:
 被害者の内の一人の回想から始まる。ラーメン屋で鬼太郎とねずみ男に出会った二人は、酔った勢いで鬼太郎をラーメンの丼に突っ込み、鬼太郎に苦情を言われる。さらにラーメンを奢ってもらうために二人に同調したねずみ男と、「妖怪はいる」と言い張る鬼太郎を殴り、さらに(ボーガス注:ねずみ男に対する)代金を払う約束を破って立ち去ったため、復讐の対象となる。(ボーガス注:幽霊電車に乗った)乗った2人は終着駅のホームで駅員に起こされ、駅長から「昔、臨時列車の時間帯に死者を多数出した鉄道事故があり、その時間に幽霊電車が現れる噂が立ったため、ダイヤから外した」と聞かされる。駅ホームの駅標は「元府中ー奥多摩霊園ー大和野台」になっている。実際の京王線は「東府中ー多磨霊園ー武蔵野台」である。

 なお、詳しい紹介は省略しますが第1期、3期、4期では「鬼太郎の脅し」にすぎず、死者は出なかったところ、4期までの踏襲では怖くない、面白くないと言う「制作スタッフの理解」か、ゲゲゲの鬼太郎(6期)第7話「幽霊電車」〈再放送〉視聴 - タリホーです。幽霊電車 - Wikipediaによれば5期、6期では、話は大幅に改変され、話のメインは「鬼太郎の脅し話」ではなくなり、(鬼太郎のせいではないものの)人間の死者が実際に出ています。

けろ²
6話「地獄行!!幽霊電車!」
・子供の顔面をスープ入ったラーメンに押し付けた上文句言ったら逆ギレして拳で殴りにきた元ボクサーの酔っぱらいサラリーマン怖すぎ。驚かすだけで許してあげた鬼太郎心広すぎ。
目玉おやじ不在!

絶版漫画バナナクレープ
 第6話「地獄行!幽霊電車!!」
 (ボーガス注:鬼太郎に絡んで報復されるサラリーマンの内)先輩は屋良有作さん、後輩は古谷徹さん
 目玉おやじ登場せず
 最も沢山の妖怪が脅かし役として登場

森藤陸
 #私の愛した歴代ゲゲゲ
 3期「地獄行!幽霊電車」
 お化けを馬鹿にして鬼太郎に暴力を振るったことで幽霊電車でしっぺ返しを喰らったサラリーマンのうち、眼鏡じゃない方・吉永を演じているのはなんと古谷徹さん。一般に知られてる(ボーガス注:フジテレビ「巨人の星」の)星飛雄馬とか(ボーガス注:テレビ朝日機動戦士ガンダム」の)アムロとはかなり違う声質で演じてて最初マジでわからんかった

 確かに屋良氏(先輩サラリーマンの黒川)は割と「いつもの声色(ちびまる子ちゃんのさくらヒロシなど)」でしたが、古谷氏の方はわかりづらかったですね。お茶らけた感じの声なので、「うる星やつら(1981~1986年、フジテレビ)の諸星あたる」などで知られる「古川登志夫氏かしら?」なんて思ってました。

あおいろしあん
 『ゲゲゲの鬼太郎』第3期6話『地獄行!幽霊電車!!』。1期の『ゆうれい電車』のリメイクのため、鬼太郎が私怨で人間に復讐するという(ボーガス注:鬼太郎の「正義の味方」「熱血少年」と言う面が強調された)3期らしからぬエピソード。あくまで1期(原作)のエピソードですよというのを強調するためか、3期には珍しくこういう(・ε・)表情もする。

*1:原作は未読なので、原作でもこうなのかは知りません。