島田洋一ブログ
ラムズフェルド元国防長官との面談―ライス、ヒルそしてブッシュの罪
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/2356310/
アメリカ社会で指導的地位に立つ白人の男性上司にとって、黒人女性を目に見える形で取り立てることには、相当な政治的メリットがある。
フェミニスト団体から女性差別主義(sexist)、黒人利益団体から人種差別主義者(racist)などと攻撃されることへの大きな保険となろう。
40代後半と若く、政治経験も乏しかったコンドリーサ・ライスを、ジョージ・ブッシュが、「最も年季の入った外交専門家にとっても厄介な」(ドナルド・ラムズフェルド)国家安全保障担当補佐官に抜擢し、次いで国務長官に起用した人事にも多分にそのきらいがある。
黒人差別・フェミ差別乙。そんな理由で誰も外交分野の重要ポストにライス氏をつけたりしないだろう(特にパウエル氏*1辞任後の国務長官という厄介なポストには)。その判断が正しいかどうかはともかく、ブッシュジュニアがライス氏を政治家として評価していたから重要ポストに就けたのだろう。
そもそもライス氏はパパ・ブッシュの元で
国家安全保障担当補佐官ブレント・スコウクロフトの下、国家安全保障会議東欧ソ連部長として、ソビエトおよび東ヨーロッパの専門家として活躍した(ウィキペ「ライス」参照)
というのに何を根拠に「政治経験も乏しかった」というのだろうか?
東欧ソ連部長時代の成果が評価されたと見るのが普通の人間だろうに。島田が紹介するラムズフェルドの主張から分かることはただ一つ、彼が「ライスを嫌ってること」「ライスを評価していないこと(あるいは評価はしているがそれを認めたくないこと)」「ライスが主導したと彼が言う対北朝鮮融和路線を彼が評価していないこと、評価したくないこと」だけだろう。
さすが「ネオコン、タカ派だな」としか俺は思わないが。大体、共和党与党時代ならともかく、今の彼に会って何の意味があるか分からないし、彼の主張が正しければ、共和党だって対北朝鮮強硬論一本やりではないのだが。