■高世と石丸の言う事が全然違う件
最近、エントリ「石丸次郎*1をテレビに出すな!」(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131215)*2で「石丸を称える」高世だが実は高世のブログでの主張「張粛清は金正恩の一存」とまるきり違うことを石丸は言っている。
石丸の主張を紹介する前にまずは高世の主張を紹介しよう。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131204
・金正恩は、自分の一存で、どんなに高位の幹部の運命を左右できる。今回の失脚劇ではっきりしたと思う。
・誰かが「金正恩第1書記の承認」を取ったのではなく、金正恩その人が決めたのである。
一方、石丸のツィート。
・この間の一連の出来事*3を執行した主語を「金正恩氏が」とすることに、私は賛成できません。主謀したことと、決済にOKサインしたことは別物だというのがその理由です。
・つまり、「操り人形」である割合がまだまだ大きいと思うからです。
・張粛清は、金正恩氏が徐々に力つけて独自に判断してやったという説に僕は否定的です。ますます操り人形化が進むものと思われます。張粛清も、反張派連合が書いた脚本に沿って動くしかなかった正恩氏が決済したものと思われます。
おいおい、である。これほどまでに自分という事が違う石丸を高世が評価出来る理由は何なのだろうか。北朝鮮の悪口でさえあれば「細かいことはいいんだよ」なのか?。全然細かくないと思うけどね。
■「石丸次郎をテレビに出すな!」*4
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131215
■北朝鮮の「変化」はまやかしだった
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131214
の続きです。
高世は
ところで、穀倉地帯で飢餓が起きているというニュースは大スクープといってよい。石丸さんは他にも重要な問題提起をしているのだが、テレビでは大きく取り上げられない。
それはなぜか?
(つづく)というので小生は
普通に考えて「石丸のスクープが産経『江沢民*5・元中国国家主席死亡スクープ*6』並みに信憑性が怪しいから」「石丸の主張がテレビ局側に信頼されてないから」「石丸はそういう無能ジャーナリストだから」じゃないんですか?
ま、明日(12/15)以降にされるらしい高世の説明とやらを見てから改めてコメントしますが。
とコメントしました。
で「明日(12/15)以降」にされた説明が「朝鮮総連(以下、総連)の圧力」です。ばかばかしくて話にならないですね。総連にそんな政治力があるとは失礼ながらとても思えませんが。
総連は「石丸の言う事は嘘八百だから出すな」と抗議(高世の言う圧力)はしてるかもしれません。しかしそれが理由で石丸が呼ばれないというのは何が根拠なのか。
圧力云々と言うなら、総連云々より、むしろ「他の件で石丸は出られない」と思う方が自然じゃないですかね。石丸も石丸の所属組織アジアプレスも何も北朝鮮ネタだけやってるわけではありませんので。当然、石丸やアジアプレスを敵視する人間、団体も総連だけではありません。
こんなこと*7を書くと、今度は私がテレビ局から干されるかな?
能天気だねえ。本当に「石丸を干すだけの政治力が総連にある、俺もいつか干されるかも」と思うのなら、そして高世ご本人がおっしゃるように会社が経営難でド貧乏ならこんなこと(「総連の圧力」云々)は「小心者の俺」だったら怖くて書けないぜ。書く場合も匿名で書くね(ただし匿名だと匿名でガセ流してると言われかねないのでその点に注意が必要だが)。
ぶっちゃけ高世の仕事において「下請けの高世の顔」が出ることはないのだろうし、テレビ局が「高世以外に仕事を回すこと」は簡単だろう。高世には「業界内で高世しかこの仕事はやれないと評価されてるという自負」でもあるのか?
ま、高世がこんな事を書くのは善意に理解すれば
1)何があっても日本のテレビ局に干されないだけの技術力や人脈があると自負してる
2)そう考える理由は知らないが干されても別に構わないと思ってる(もしかして海外テレビ局相手に仕事を始める?)
のどちらか、
悪意に理解すれば
1)石丸がテレビ局に呼ばれないのは総連の抗議とは関係ない、総連にそんな政治力はないと理解してるので高世にとって総連の悪口を言うことは平気の平左。にも関わらず*8「総連の圧力にテレビ局が屈服」云々と総連とテレビ局を誹謗するデマを流してる。そして何故か、このデマにテレビ局が激怒し高世を干したりはしないと思ってる、もしかしたらブログではこういう事を書きながらテレビ局員の前ではおべっか三昧、三セル*9で接待なのかもしれん。
といったことだろう。
ま、善意の理解と悪意の理解どちらが正しいかは俺にはわからないが、高世の怪しい与太話はとても信用できないね。何の証拠もないから。「(報復人事の恐れがあるから?)名前は出せないけど俺(高世)の知人のテレビ局員がそう言ってた」なんてのは証拠と言わないぜ。本当にそんな局員がいるのかすら怪しいし、いてもその発言の裏の取りようがないし。
大体そんな事言うのなら石丸はネタを海外のテレビ局に持ち込めば?。つてがないので海外には持ち込んでないのか、海外に持ち込んでも相手にされない*10のか知りませんけど。
・それはともかく、俺がテレビ局幹部だったらこの高世発言については絶対に抗議するね。
「総連の圧力に応じて、不当に石丸氏の出演をネグってるテレビ局とはどこのことか!。うちの局のことか!。どこの局かはっきり名前を言ってみろ!」「根拠があるのか!。あるなら出してみろ!」「高世発言が事実なら、ウチの局としても関係各位に謝罪したうえで、再発防止などを考えるが、事実でないなら高世サイドに謝罪して欲しい」「とにかくまず高世さんには証拠を出して欲しい、出せないのなら抗議の意志として当分、ウチの局は高世さんは使わない」と言うね。
まあ、そうテレビ局に言われた場合の高世の対応が見物だけど、もめ事を嫌うテレビ局は「高世の中傷を認めはしない」が、高世に批判的な事を何も言わずに高世を使い続けるんだろうな。
まあ、テレビ局が高世を使わないとしたら「この問題」じゃなくて「高世より低料金で質のいい同業他社の存在」だろうね。純粋なビジネス問題。
高世には幸いなことに、高世の仕事が全部なくなるほどの強敵はいないみたいだけど。
その石丸次郎さんを22日の「情熱大陸」で放送する予定なので、どうぞごらんください。
・お前も石丸も大嫌いだから、見ねえよ、以上。
・つうか俺、最近夜は早いから。「情熱大陸」なんて放送時間が夜の11時じゃん。もう一つ、高世が関わったというテレメンタリーにいたっては深夜3時だけどな。本当にドキュメンタリーの扱いって酷いよな。
・つうか、本当に「総連の圧力で石丸を扱うことがタブー化」(以下、石丸タブー)なんて事実があったらいくら放送時間が「視聴者の少ない」夜の11時とは言え、キー局TBSの番組(情熱大陸)で扱わないだろ。情熱大陸で扱ってるということが「石丸タブー」なんて「高世の主張」のデマゴギー性を証明してるんじゃねえの?。まさか「ニュースのコメンテーターとして呼ぶのはノーだが、ドキュメンタリーの対象ならOK」なんてそんな変な話ないだろ。
まあ、高世は「情熱大陸スタッフは勇気があるから」とか強弁するんだろうが。
【2013年12/21追記】
Asiapress Officialツイッター
【番組】2013/12/21(土) ◆報道特集(TBS系列) 18:00頃〜 「金正恩時代2年、張成沢氏の電撃粛清を内部映像から読み解く」 ◆金正恩体制2年、揺れる北朝鮮の内情を探る。【取材:アジアプレス北朝鮮取材チーム】
つうことで今日(12/21)のTBS報道特集(6時台という視聴者の多い時間帯)で石丸と『石丸が入手したとか言う映像』が出るらしい。どこが「石丸タブー」だ。思い切りお前の言ってること大嘘じゃねえか、高世。
それとも根拠レスで「TBSは勇気がある」とか強弁するのか?。ああ、だからいったん書いたエントリ削除したのか?(つうか高世はツィートする余裕があるならいったん書いたエントリを削除した理由くらい簡単でいいから説明しろよ)。
石丸出演番組が放送されてから「石丸絶賛エントリ」でも書く訳ね。本当にくだらねえな。
【追記終わり】
ところで、改革解放への「変化」の一つとされたものに、米バスケNBAの元スター、デニス・ロッドマンを平壌に呼んだことがあった。金正恩はバスケが大好きでロッドマンのファンなのだ*12。
そのロッドマンが明日16日、三度目の訪朝をする。来年1月8日の金正恩の誕生日に北朝鮮と元NBA選手の試合も計画されている。
うんまあ、「改革開放」「変化」の一つだろうね。北朝鮮がそういうことをするのは悪いことではないだろう。
そして米国政府が露骨に妨害したら、こういうことはロッドマンもできないだろうから「積極的に応援しない」までも「一つの交渉ルート」として米国政府も黙認してるんだろうね。そういう米国政府の態度もこれまた悪いことではないだろう。
これだけ見ても、今回の粛清劇が、政策・路線の対立(理由付けに利用されることはあっても)や、改革派VS守旧強硬派の構図でないことは明らかだ。
いやいや「こういう改革・開放路線が大筋で変わらない」からといってそれだけで「改革派VS守旧強硬派の構図でない」「政策・路線の対立ではない」って言っちゃっていいのかしらね。まあ、張粛清は何らかの路線対立なんじゃないかとは思うね。いずれにせよ張粛清後も「こういう改革・開放路線が今後も続く」のならそれはそれで喜ぶべき事じゃないの?
大粛清が進行*13するなかで、1月8日のバスケの試合が華々しく行われ、金正恩とロッドマンが並んでにこやかに観戦するのだろう。「グロテスク」という表現がぴったりだ。
いや別に俺はグロテスクだとは思わないし、「グロテスク」って罵倒しても何の意味もないし。何で高世みたいなアンチ北朝鮮極右って「北朝鮮罵倒すること」しか能がないんだか。
張成沢の粛清は、北朝鮮という国家が「普通の国」でないことを如実に示し、こういうナチズムと同列の政権との「関係改善」など無意味であることを人々に確信させた。
いや別に俺は「関係改善など無意味」なんてことは確信してねえけど。つうかむしろ「前触れもなく、いきなり粛清ってまるで何が何だかわからないな」「とにかく交渉するしかねえな、早く国交樹立せにゃあかん。それが無理でも駐在事務所ぐらい置かにゃ」という思いを強くしてるが。
もちろん高世みたいな「関係改善なんて無意味」というアンチ北朝鮮な人も当然、日本にはいるんだろうし、張粛清劇でそういう人間に格好の北朝鮮叩きネタを与えたという意味では北朝鮮もバカなことしたなあとは思うけどね。
別に張を粛清しようがすまいが交渉するしか、「関係改善」するしか拉致その他の問題解決の道はないだろ。
「普通じゃない」だの「ナチズムと同列(北朝鮮は共産国なのに何でスターリンじゃないんだろう?)」だの罵倒しても問題は解決しないぞ。高世は本気で拉致を解決する気があるのかよ。ねえだろ、お前。俺が横田滋さんだったら高世のバカはぶん殴ってると思うぞ。
【12/17追記】
12/17に高世ブログを見たら
■「石丸次郎をテレビに出すな!」
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131215
が何故か完全に消滅。高世がミスって消したか(後で復活する?。それともバックアップがないから消えたまま?)、何か理由があって消して復活しないのか(高世の主張は真実だが、テレビ局から干されるのが怖くて消した?、それとも事実無根のデマだから消した?)知らないが。消したことについて説明一つないというのが酷すぎる。
■北朝鮮の「変化」はまやかしだった
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131214
まあ、いつも通りの「北朝鮮に悪口雑言」の「反北朝鮮極右」高世クオリティです。
マジで読む価値もない。まあ、一応読んで突っ込みますけど。しかしこの種の「北朝鮮に悪口言ってドヤ顔の人」の脳内構造がよくわからん。楽しいの?。ま、それはともかく。
「変化」が「この種の粛清がないこと」を意味するならまあ、確かに変化していないんでしょう。
それはもちろん残念なことです。
ただ「変化」と言う場合、多くの人にとってはそういう意味じゃなくて、経済面での「中国トウ小平*14流」や「ベトナム・ドイモイ流」の「改革開放」を意味してたと思うんですけどね*15。でそういう変化なら明らかにあるでしょうよ。
高世の主張は天安門事件での趙紫陽*16中国共産党総書記失脚を理由に「トウ小平の中国は毛沢東時代と変わってない」と言うくらいの暴論だと思いますよ。
あるいはフルシチョフソ連共産党第一書記失脚を理由に「ソ連はスターリン時代と変わらない」という位の暴論でしょう。
もちろん「トウ小平の中国」も「フルシチョフ失脚後のソ連」も昔と比べ変わってるわけです。民主化の点で評価出来ない点が多いと言うだけの話ですよね。金正恩君の場合も話は同じでしょう。ま、高世にそういうまともな北朝鮮認識を期待してませんけど。
平壌には、遊園地やヘルスセンターがつくられ、高層アパートが次々に建設され、ミッキーマウスの着ぐるみが登場し・・・と紹介し、「いやあ、平壌の雰囲気はずいぶん明るくなりましたよ」と訪朝した記者がコメントする。
というのは改革開放について伝える報道であり、別に「民主化」云々って話じゃない。
まあ、改革開放が進めば民主化も進むと考えてた人(報道特集の日下部キャスター?)にとっては
だから、この事態は驚きであり、失望だろう。
なのかも知れませんけどね。でもそういう人がいるからと言って「変化がない」とデタラメ言っていい訳じゃない。
きょうの「報道特集」で、この一年で10回訪朝した日下部キャスターが、率直にこう認めていた。
「日本人遺骨問題の取材を通じて、私自身が感じた北朝鮮は変化しつつあるのではないかという淡い期待を打ち砕くものでした。」
・単に日下部キャスターが馬鹿なだけじゃないんですか?。
日下部キャスターと言い、高世と言いその脳内構造が俺には理解できませんね。
明らかに北朝鮮は「遺骨問題」で日朝交渉の停滞を打開するという路線で変化していたわけです。
で、その変化と張成沢粛清と別に矛盾しないでしょう(これらの変化は張が推進した物で張失脚で全ておじゃんになるというなら話は別ですが、多分違うでしょう)。
「日朝国交正常化を実現したい」という考えと「危険人物である張を粛清しよう」という考えは『正常化実現は張個人の考え』という話でない限り、何の関係性もないですから矛盾なんかないでしょう。
もちろん張粛清で日本人の北朝鮮イメージがいっそう悪化し、日朝関係改善が困難になるという可能性は当然ありますが、それは日下部氏や高世の言うような「粛清で北朝鮮が変化していないことがわかった」という話じゃないでしょう。それとも日下部氏や高世の言う変化とは「粛清しないこと」とイコールなんでしょうか。だったら「変化していない」といえるかもしれませんがただその場合の「変化否定」ってのは「改革開放の否定」とは関係ないですよね。日下部氏はともかく明らかに高世はその当たりを「北朝鮮叩き」のために故意にごちゃごちゃにしてるように思いますが。
・日下部氏はともかく、高世の発言は「趙紫陽を失脚させたからトウ小平の改革開放はまやかし」だの「ゴルバチョフがソ連共産党書記長・ソ連大統領在任中にバルト三国独立を認めなかった*17からペレストロイカもグラスノスチもまやかし」だのそのレベルの珍論だと思いますよ。
もちろん「趙紫陽の失脚」や「バルト三国独立要求無視」はトウやゴルビーの限界ではあるでしょう。でそれを理由にトウやゴルビーを批判するのも別にいい。ただ「まやかし」といって改革開放や「ペレストロイカ、グラスノスチ」を全否定したらそれはおかしいでしょう。
今回もそれと同じ事です。張成沢の乱暴な粛清は金正恩君の限界ではあるでしょう。それを理由に正恩君を批判するのも別にいい。ただ「まやかし」といって高世のように変化を全否定したらそれはおかしいでしょう。
日下部キャスターや高世に「トウが趙紫陽を失脚させたことを理由に改革開放を全否定するのか」「ゴルビーがバルト三国独立を認めなかったことを理由にペレストロイカ、グラスノスチを全否定するのか」聞きたいところです。
飢餓は、食糧の絶対量ではなく、民主主義の欠如*18によって起きている。
まあ、「弱者に十分な食料がいかない再配分システムの問題(こういう問題は程度の差こそあれ日本にも欧米にもどこの国にもあります、だから生活保護が受けられず餓死する人が日本にいるわけです)」もあるでしょうが、それだけでなく「絶対量」も足りないんだと思いますよ。
また、そういうこというなら「1980年代のアフリカ飢餓支援(日テレの『愛は地球を救う』などが支援を呼びかけてた)」を高世はどう評価するのか。あれだって「再配分システムの問題」は当然あったでしょう。だからといって「再配分システムの問題だからアフリカ支援に募金しても意味ねえよ、日テレはくだらない運動を辞めろよ」「まずはアフリカの独裁的政権の民主化だ」ってそういう話でもないと思うんですよね。
ところで、穀倉地帯で飢餓が起きているというニュースは大スクープといってよい。石丸さんは他にも重要な問題提起をしているのだが、テレビでは大きく取り上げられない。
それはなぜか?
(つづく)
普通に考えて「石丸のスクープが産経『江沢民*19・元中国国家主席死亡スクープ*20』並みに信憑性が怪しいから」「石丸の主張がテレビ局側に信頼されてないから」「石丸はそういう無能ジャーナリストだから」じゃないんですか?
ま、明日(12/15)以降にされるらしい高世の説明とやらを見てから改めてコメントしますが。
■伊藤律はスパイだったのか?
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131209
15日の週、テレビ朝日系で放送の30分ドキュメンタリー番組「テレメンタリー」の編集をやっているのだ。
タイトルは「父はスパイではない!〜革命家・伊藤律の名誉回復」。
・伊藤律がスパイかどうかはともかく戦前の政治警察・特高(特別高等警察)が共産党にスパイを送り込んでいたのは事実です。一番有名なのが、大森勧銀ギャング事件のいわゆる「スパイM(スパイ松村)」でこれについては松本清張も「昭和史発掘」(文春文庫)で取り上げていたと思います。
・まあ、伊藤律スパイ問題については諸説ありますね(最近は否定説も有力なようです。ウィキペ「伊藤律」によれば、政治学者・加藤哲郎*21一橋大学名誉教授なんかは否定説のようです。伊藤の遺族も加藤氏のような人間の支援を受けてるんでしょう)。
以前何かで触れましたが「伊藤の遺族の要請」で「松本清張」の「日本の黒い霧(伊藤律スパイ説に立つ)」(文春文庫)に「スパイ否定説もある」という注記が書かれることになったなんて新聞報道もありました(ウィキペ「伊藤律」にもその点についての記述があります)。
つうか、テレメンタリーがネタにしてるのは「文春の注記話」なんでしょうね。
「勝ったんだ、俺は清張に勝ったんだ!」「シズマ!」
(オヤジギャグの元ネタについてはhttp://kotatuneco.blog59.fc2.com/blog-entry-2250.html参照)
冗談はともかく、注記について、清張の遺族の同意もとれたし、文春にとって「伊藤律スパイ説へのこだわりはない」ってことでしょう(だったら南京事件否定説とかふざけた内容の本も絶版にしろよと思いますけど、極右出版社・文春にとっては何故かそれはこだわりがあるんでしょう)。清張存命だったらまた話も違ったんでしょうし「伊藤の遺族の主張」が注記ではなくて「文春にとってのドル箱・清張著作を全て絶版にすること」だったらさすがに文春も応じないでしょうけど。
遺族は、次は共産党の除名理由から「スパイの疑い」を除くことでも目指すんでしょうか。まあ、「スパイの疑い」オンリーで除名されたわけでないので除名自体は取り消されないでしょうが。
息子さんだって「執行部にいたオヤジのせいで共産党が武力闘争路線という無謀な路線を歩み、ぐちゃぐちゃになった事(もちろん伊藤だけのせいじゃないですが)」はさすがに認めてるでしょう。
かなり「オタク」というか、近年の民放ではめずらしい企画だと思う
まあ、伊藤律なんて「もちろん一般日本人にとっても、おそらく大多数の共産党員にとっても」「自民党にとっての三角大福中」「社民党にとっての浅沼稲次郎」「創価学会にとっての牧口常三郎」*22なみにもはや過去の人物ですからね。共産党員だって若手は勿論ですが、よほどの古株でない限り「伊藤律」だの「徳田球一(日本共産党書記長、伊藤の親分)」だの、普段はまず頭の片隅にもないんじゃないか。
共産党を批判する場合も「伊藤律の除名は不当」だの、あるいは逆に「伊藤みたいな奴のせいで武力闘争路線になったんだ」だの言う人は今時まずいないでしょう。
これは、軍部の台頭でもなく、張成沢が「犯罪行為」を働いたからでもなく、政策上の対立でもない。「指導者」の地位を脅かす可能性のあるものを切る*23のは、父親も、毛沢東も、ヒトラーもやってきたし、「全体主義」では普通にみられることだ。驚くことではない。
いやいや、何で「軍部の台頭はない」「張の犯罪行為はない」「政策上の対立もない」といえるんですかね。どれも可能性としては充分あり得る話でしょうに。
単に「金正恩は軍部に張更迭を押しつけられたわけではない」「張が犯罪行為をしたわけでもない」「政策上の対立もない」「なのに更迭した金正恩は鬼だ」と高世が糞味噌に正恩君を罵倒したいだけでしょうが。つまり「正恩を罵倒したい」という結論にあわせて話をしてるだけで何らまともな分析をしてるわけではないでしょう。
というか毛沢東の文革(劉少奇国家主席などを打倒)は明らかに政策上の対立でしょうが。ヒトラーの場合(いわゆる「長いナイフの夜事件」による突撃隊最高幹部・レームらの暗殺)は「地位を脅かす(ヒトラーに取って代わる)」というよりは「邪魔者」でしょうね。まあ、広い意味では「邪魔者」も「地位を脅かす」と言えるかも知れませんが。
そして、高世の主張が正しいとしても「何で後見人の張氏が地位を脅かす存在と見られたか」という点は重要でしょうに「不思議じゃない」で片付ける神経が理解できないですね。
■微笑みの国で進む不気味な事態
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131207
タイの映画館では、上映前に国王賛歌が流れ、起立して直立不動の姿勢が義務付けられている。起立しないと不敬罪になる。
こういう国では、当然「国王批判=不敬」でしょう。国王批判が礼儀をわきまえているかどうかなんか関係ない。「不敬罪をなくそう」と言っただけで不敬罪なんじゃないか。
で不敬罪は最高刑が懲役15年だそうです。タイは恐ろしい国ですね。ある意味で戦前の日本と似たり寄ったりですね。
こういうのがあるから小生は国王制度は嫌いです。全部なくせばいい。
■特定秘密保護法が成立
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131206
危惧はしていましたが成立したそうです。まあ、改めて批判することもないですね。
強行採決という決め方と言い、「恣意的な秘密指定がされない保障がない」「正当な取材活動が処罰されかねない」と言う内容と言い悪法の典型でしょう。
後で12/7(土)の赤旗(あるいは時間的に間に合わず12/8(日)か)の批判記事でも紹介するかもしれませんけど今のところは書くこともない。
最終的には「抜本的改正ないし廃止」しかないでしょうが、「高世も指摘しているように」その前でも「何が特定秘密に指定されているのかマスコミや野党が問いただす」「特定秘密に当たるかも知れないが政府が隠してる重大問題をマスコミや野党が徹底追及する」とか戦いようはあるでしょう。今後のそうした奮起奮闘に期待したいと思います。
そして明日の赤旗でも批判されるでしょうし、そのときは紹介するつもりですが「時折、小生が読んで参考にさせていただいてる」id:shigeto2006氏がツイッターやはてブで指摘するように、もう一つの悪法「生活保護法改悪」も忘れてはいけません。
参考:赤旗記事
『憲法じゅうりん許さない、秘密保護法案 自公が成立強行:共産党最後まで対決 仁比氏が反対討論』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-07/2013120701_01_1.html
『秘密保護法案許さないたたかい これからも続く、日比谷大集会に1万5000人、志位委員長あいさつ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-07/2013120701_02_1.html
『生活保護法改悪が成立、衆院本会議 共産党は反対』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-07/2013120702_03_1.html
参考:id:shigeto2006氏のツイッター
・維新もみんなの党も迷走の極みだな。どちらも(注:遅くとも)次の総選挙で消えるだろうが、この両党に投票した有権者の方々には深く反省してほしいものだ。
衆院では修正合意で、法案に賛成したのに世論や党内批判派の批判の強さから、参院では反対に転じ内閣不信任案に賛成したみんな。
みんなのように修正合意しようとしたが世論や党内批判派の批判の強さから、合意できず、にもかかわらず内閣不信任案には反対した維新。
まあ、これでも両党を支持する人はいるでしょうが、減ったでしょうね。彼らが世論や党内議員の意見、支持者の意見を「修正合意で丸め込めるはず」と見誤り自滅したこと、彼らに自滅をもたらす程度には「修正合意への批判世論」が強かったことは悪いことではないでしょう。
・秘密保護法案の陰に隠れてしまったが、生活保護改革2法案というのも重大な問題だと思うよ。国民の生活を守るのは国家の最低限の義務であるのに、近年の日本での生活保護バッシングは常軌を逸している。
・秘密保護法案が成立したとしても、もちろんそれで終わりではないわけで、その後が大切だと思うよ。これを忘れることなく、法律の改正・廃止を世論とメディアは求めていかなければならない
・ついに秘密保護法案が成立か
・これで終わりにしてはいけないよ。これからも世論とメディアは秘密保護法の改正・廃止を求めていかなければならないし、野党もそれを目指してほしい。
・これだけ問題点のある欠陥法案なのだから、やはり今国会で成立させるべきではなかったのだ。特定秘密保護法の改正・廃止をこれからも求めていかなければならないし、我々もすぐに忘れてはならない。
まあ、おおむね同感ですね。
・みんなの党から真山勇一、川田龍平、寺田典城の3氏が造反して反対票を投じたことは評価したい。「自民党の補完勢力」からは早く離党していただきたいものだ。
まあ、離党するかは疑問ですし、離党したとして彼らを評価できるかはわかりません。単に「賛成したら次の選挙で終わるという党利党略」かもしれない。ただそういう恐怖を感じる程度には批判世論があったと言うことは悪いことではない。
ちなみに川田はともかく、真山は元日本テレビアナウンサー(アナ辞職後、自民党都議を経て現職)、寺田は元秋田県知事です。要するに保守のわけでこの法案への賛否は「左右のイデオロギーの違い」とは関係ないわけです。
なお前も指摘しましたがこの件では早速「山本美保さんの件」など荒木がさんざん警察に因縁つけてた件があっさりと「特定秘密なので申し訳ありませんが回答できません、おわり(警察庁)」で終わってしまうのかも知れません。
それがいいとは言いませんがまあ自業自得の気もします。救う会も家族会も法案反対運動とかしてないわけですし、どう見ても彼らの警察批判は言いがかりですからね。
参考:新聞記事
産経新聞『【秘密保護法成立】日本新聞協会「取材の自由求めていく」』
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131207/plc13120700480001-n1.htm
今後も取材の自由を求めていくというのは当たり前の話です。法案への賛意を表明していた「政府御用新聞」読売、産経には何も期待しませんが他の新聞には頑張って欲しいものです。
■デモは「テロ」だという秘密保護法案
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131205
「何時、高世さんは特定秘密保護法案について書くのだ」という突っ込みが小生以外にもあったんでしょうか。
今更こんな文章を書いても醜いアリバイ作りでしかありません。何故もっと早い時点で書かないのか。「いまだに法案を擁護する産経や読売より高世はマシ」、それだけの話に過ぎません。
なお、さすがに「デモはテロ」とまでは法案は言っていないようですが、『そう拡大解釈できるおそれのある条文がある、しかも石破*24幹事長がデモをテロ呼ばわりした』点を高世は問題視しています。
なお、個人的には一番の問題はそういうことよりも1)「恣意的な指定の危険性(隠したいことを何でもかんでも秘密指定する)」と2)「罰則が重すぎること」だと思います。
「政府が不当に隠してること」を内部告発でジャーナリストが暴いたら「特定秘密保護法違反」で厳罰になりかねないわけです。
■張成沢が失脚か
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131204
昨日はタイで今日は北朝鮮。今「特定秘密保護法案」が極めてホットな問題になってるのにそれに触れない高世は随分暢気だと思います。まあ、高世が日本政府を批判する気がない「産経や読売」と同レベルのインチキジャーナリストで「それを隠す気すらない」と言う事なんでしょう。
多くの解説者は、北朝鮮を「普通の独裁国」と見ている。
だから、金正恩*25は党官僚と軍部の均衡の上に乗っているとか、権力基盤を固めるために軍部の力をかりなければならないとか、まるで金正恩がまだ権力を掌握していないかのような報道がなされてきた。
また、これまでの幹部の首のすげ替えも、権力闘争の結果だとして、金正恩の意思の外で起きたかのような解釈がなされてきた。
この日記では、そうじゃないよと何度も書いてきた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090516*26
金正恩は、自分の一存で、どんなに高位の幹部の運命を左右できる。
というのは高世の勝手な主張に過ぎません。
父・金正日氏*27(トップ就任当時53歳)ならともかく、彼は「たった30歳の青年」です。
彼が朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長に任命されて、後継者であることを内外に公式に示したのが2010年9月、父・金正日氏がなくなったのが2011年12月。1年ちょっとしか経ってないわけです(ウィキペ「金正恩」)。
「この間に完全に実権を掌握した」「彼の一存で全てが動く」と思う方が変でしょう。一方、父・金正日氏が「後継者」となったのは「1980年の朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員、中央委員会書記、中央軍事委員会委員就任」(ウィキペ「金正日」)だそうですから「父・金日成氏*28がなくなる1994年」まで、だいぶ年月があるわけです。
もっというと、改革派VS強硬派などという構図も「普通の独裁」ならあるが、北朝鮮ではありえないと思う。
いや充分あり得ると思いますけどね。何を根拠にあり得ないというのか。単に高世が北朝鮮をぼろくそに言いたいだけでしょう。
■タイの政争の裏にはあのお方が
高世の文章を最後まで読めばわかりますが、タイトルの「あのお方」とはタイ国王です。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131203
一昨日あたりから、各紙で、タイの政争の構図・背景についての解説が載るようになった。朝日の1日付け記事は;
《双方の対立は、2006年の軍事クーデターでタクシン元首相が失脚して以来、ずっと続いている。新興企業のオーナーとして成功したタクシン氏は01年に首相に就任。地方に住む低所得者に手厚い政策を進めた。これに対し、都市の知識人や既得権層が反発し、政治的混乱の中でクーデターが起きた。
タクシン氏は国外に逃亡したが、選挙のたびにタクシン派が勝利し、11年の総選挙以降はタイ貢献党を率いる実妹のインラック氏が首相を務めている。
選挙では勝てない野党・民主党がとったのが今回のような方法だ。タクシン氏を帰国させるための恩赦法案が11月に否決されたのを機に、一気に攻勢に出ようとしているのだ。》
「新興企業のオーナー」のタクシンと「既得権層」の対立という構図はその通りだ。
既得権層は国軍を後ろ盾に、強固な政治支配を続けてきた。これに挑戦したのがタクシン・チナワットの一族だ。タクシンは携帯電話のレンタルからビジネスをはじめ、まだ「既得権層」が支配していない情報通信産業で大成功。タイ最大のチナワット(シナワットとも表記される)財閥を一代で築き上げた。
金にものを言わせて政界に乗り込み、小政党を次々に呑み込んであっという間に絶対与党を従える首相に上り詰めた。彼にとって、政治権力はもちろん彼の一族の今後の利権を拡大するためのものである。当然、「既得権層」と激しくぶつからざるを得ない。
記事が触れていないのは、これまでの「既得権層」の支配が、国王の権威によって支えられ保証されてきたということだ。国王は軍の指揮権も持つ。
タクシンらの「新興勢力」は、国王の権威への挑戦ともなるのだ。
2006年、「既得権層」が反撃に出た。軍を動かしクーデターでタクシンを首相の座から引きずり下ろした。しかし、選挙をすれば必ずまたタクシン派が政権を獲る。「既得権層」にとっては体制の危機である。
さらに、国王は5日で86歳。もう時間がない。
これが、繰り返されるタイの政争の震源だ。
インラック首相が、国軍の介入を招かないように、卑屈とも見える態度を採っているのも、警察や治安部隊がデモ隊(反タクシン派)に「やさしい」のも、こういう背景から納得できるだろう。
いま、裏で落しどころをめぐっての暗闘が続いているに違いない。明日からどう動くのか・・・
1)既得権力層(反タクシン派)が新興勢力(タクシン派)を潰すため、「既得権力層に近い」軍や国王を動かしてタクシン派を潰そうとする。
2)が、一定の支持を国民から得ているタクシン派はそう簡単につぶれないし、あまり無茶なことをやれば国際的批判も浴びるので、そうそう簡単に潰せない
3)一方のタクシン派も軍や国王を圧倒するだけの政治力がない
4)その結果、政治紛争が何時までも続くという話のようです。こんな事をやってれば外資が逃げかねないし、愚かな話です。
もちろん「手段を選ばずタクシン派を潰そうとする既得権力層」が非常に問題であることは言うまでもないでしょう。
そして我々日本人は王室(皇室)というと「日本」「英国」「ベルギー」などといった「象徴制度」を連想しますがいまだにタイでは「国王が無視できない政治力を持っている」わけです。
「選挙で選ばれたわけではない」軍と国王の政治力をどう奪っていくかが長期的なタイ民主主義の課題でしょうね。
■ついにタイで死者が
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131201
きょう、「故馬渕直城さんを語る会」に行ってきた。
馬渕さんは、75年のポルポト*29派によるプノンペン*30制圧時に現場にいた唯一の日本人ジャーナリストで、昨年*31に亡くなった。お通夜についてはこの日記に書いた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111103
小生は無知なので高世の文章を読むまで、馬渕氏のことなど知りませんでした。
しかし、「ポルポト派によるプノンペン制圧時に現場にいた唯一の日本人ジャーナリスト」ならさぞかしポルポト派に批判的なのだろう、と思いきや高世の別の文章『伝説の戦場カメラマンの訃報』(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111101)、『馬渕直城さんのお通夜にて』(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111103)によれば違います。
高世を信じれば馬渕氏は当初「ポルポト虐殺を否定していた」そうです(小生は馬渕氏の文章を読んだことがないので何とも言えませんが)。失礼ながら「彼以外の日本人ジャーナリストが残ってれば良かったのに」と思ってしまいます。
今の若者には「ポルポト虐殺の否定」など信じられない*32でしょうが、当初は情報が錯綜していましたし、「仮にも左派の端くれ・ポルポトがいくら何でもそんな事をするとは思えない」という考えも現在に比べればいまだかなり強かったと言えるでしょう。またアメリカはこの時期チリの左派政権を謀略(ピノチェト*33クーデタ)で打倒しています。
「チリのようにカンボジア左派政権を倒すためのネガティブキャンペーンではないのか」という思いが「左派を中心に出る」のはまあ自然だろうとは思います。
とはいえ馬渕さんは「ポルポトのカンボジア制圧」を目撃してるわけで高世が首をかしげるように「何でそれで虐殺否定論なんだ」というところでしょう。『伝説の戦場カメラマンの訃報』(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111101)、『馬渕直城さんのお通夜にて』(http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111103)から高世の文章を引用してみましょう。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111101
彼は、唯一の日本人ジャーナリストとして、1975年4月のプノンペン陥落に立ち会ったことで知られる。映画「キリングフィールド」*34に、逃げ遅れた外国人がフランス大使館に集められるシーンが出てくるが、その中にいたわけだ。
(中略)
『バンコク楽宮ホテル』*35という小説にも、馬渕さんがモデルのジャーナリストが登場する。
はじめの奥さんがカンボジア人、のちにタイ人と結婚してそれぞれお子さんがいる。十数ヶ国語をあやつり、タイ語、クメール語*36もぺらぺら。現地にどっぷりと根を下ろした生き方は、誰にも真似のできないものだった。
(中略)
馬淵さんはポルポト派との太いパイプがあり、1ヶ月以上にわたるポト派への長期従軍取材を敢行したこともあった。当時、こんな従軍取材がやれたジャーナリストは、世界中で馬渕さんだけだったはずだ。
(中略)
危ない目には何度もあったが、とびきり怖かったという話をしてくれた。あるとき、馬渕さんが直接には知らないポト派の兵士に遭遇し捕まってしまう。監禁されていたが、しばらくして兵士がやってきた。銃を突きつけ、あるところへ連れて行くと言った。そのとき、兵士の目が異様に恐ろしく、「殺される!」と思ったそうだ。
「怖くて、しょんべんが、じゃーっともれてきた。怖いとちびってしまうというのは本当だね」と馬渕さんはけらけら笑いながら言った。
なかなかの豪傑ですね。これだけなら何の問題もないでしょうがいよいよ問題の「虐殺否定論」です。
先輩として尊敬していたが、情勢の把握の仕方は私と全く違っており、よく論争した。
馬渕さんは、ポルポト派による「カンボジア大虐殺」は嘘だと主張していた。カンボジアには、白骨が大量に掘り出された虐殺跡がたくさん発見されているが、あれはベトナムのやらせだとまで言うのだった。
割と最近まで虐殺否定論だったんでしょうか?。まあ、「カンボジアびいき」の「ひいきの引き倒し(ポルポトであれ誰であれカンボジア人が虐殺なんかしない)」なんでしょうが本人の主観はともかく「虐殺被害者にもベトナムにも失礼な話」です。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111103
馬渕さんはカンボジアでの戦闘を何度も取材し、近くに落ちた砲弾で負傷、破片が体内に残った。それを「人間の体は鉄分を必要とするから」と笑っていたと古い友人が話してくれた。
(中略)
プノンペンの空港がポルポト派に攻撃され、大きな火事が起きたときのこと。馬渕さんはカメラを持ってどんどん火に近づいていった。最後は、画面全体が火でいっぱいになってしまったという。被写体に突っ込んでいく馬渕さんの特徴の一面かもしれない。火災はむしろ遠くから俯瞰しないと全体の状況が分からないのだが。
なかなかの豪傑ですね。これだけなら何の問題もないでしょうが、今度もいよいよ問題の「虐殺否定論」です。
それにしても、馬渕さんはなぜポルポト派の虐殺を否定しようとしたのだろう?宴会の席でも議論になった。
馬渕さんは、侵略される側は常に正しいと考えていたのではないか。アメリカの侵略の犠牲になったカンボジア。その後は、ポルポト派を駆逐しようとベトナムが侵攻してきた。ベトナムが侵略者でカンボジアが侵略の犠牲者だから、カンボジアが虐殺などやったはずがない、というふうに。
また、ポルポト派の虐殺は本当かが議論されていたとき、カンボジアに長く滞在し、現地に詳しい人ほど、否定的だったという。あんなにおとなしいカンボジア人が虐殺などするはずがないというのだ。馬渕さんもカンボジア人が大好きで、身びいきになったのだろうか。
虐殺問題では何度も熱く論争したが、もっと深層にある馬渕さんの気持ちを聞いてみたかった。
・なお、ウィキペ「馬渕直城」によれば馬渕氏には『わたしが見たポル・ポト:キリングフィールズを駆けぬけた青春』(2006年、集英社)という著書があるらしい。刊行年*37といい「キリングフィールズ」と言う副題といいこの時点ではさすがに「虐殺否定論」ではないだろう。
それはともかく、この著書に馬渕氏は何を書いたのだろうとは思う。高世がこの本に触れないのは、その存在を知らない(あるいは知っていても未読)からなのか、はたまた「読んだがどう感想を書いていいかという悩みがある」からなのか。
・馬渕さんは、侵略される側は常に正しいと考えていたのではないか。
・馬渕さんもカンボジア人が大好きで、身びいきになったのだろうか。
という高世の言葉は「チベット人が大好き」で「身びいき」で「侵略されるチベット側は常に正しい」と考えてそうな人たち、「ダライやチベット亡命政府など全然批判しない人たち」を見てると「ああ、どこの世界でもそういう身びいきはあるのかなあ」と言う気がしますね。まあ、「ポルポトの愚行(大虐殺)」と「ダライの愚行(日本ウヨとの野合)」、「馬渕氏の虐殺否定論(最終的には撤回したわけですが)」と「一部の日本人チベット支持者がダライにめちゃめちゃ甘いこと」を完全に同一視する気はさすがに俺にもありませんが。もちろん言わなくてもわかるでしょうが「大虐殺否定論」のほうがずっと問題です。
【追記】
「親愛なる」id:Mukkeさんは拙エントリをネタに『語るに落ちる』(http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20131202/1385983900#c)などというエントリをお書きになり小生にトラバを送っていますが何が「語るに落ちてる」んだかさっぱりわかりません。小生は「主張内容はもちろん同一視できない(言うまでもなく馬渕氏の方が問題)」が「身びいきで醜態さらしてる」と言う意味では馬渕氏とid:Mukke氏には違いはないなあ、「身びいきで醜態ってのは珍しくないんだなあ」と思ったから、そう書いただけですけど?。ま、あなたが「俺は身びいきじゃない」「醜態じゃない」「馬渕とは違う」と思うのなら勝手にそう思えばいいんじゃないですか?。
なお、Mukkeさんエントリには「Mukkeファンの方(ないしアンチbosus-simotukareの方)」が「Mukkeさんの言うとおり」という主旨のはてブをいろいろとつけてますが特にいう事もないですね。「Mukkeさんとファンの皆さん」にはどうも話が通じないようので「ボキャ貧の俺」が何か書いても無意味なように思うし、何か書くとしても以前書いたことと大同小異になりそうなので。
ただMukkeさんのセルフブクマ曰く
この話題とは全く関係ないエントリでも一々IDコール送ってくるのは割とドン引きしてます。
だそうなので、今後はIDコールしないで批判することにしましょう(批判自体は辞めません)。はっきり言って「Mukke氏のチベットびいきはおかしい」と書いたとき以外に「IDコールしたこと」なんかないですけどね。
どうも「馬渕氏のカンボジアびいきはMukke氏のチベットびいきに似てると思う」と書いてidコールするとMukke氏にとっては「全く関係ない話題でIDコールされたこと」になるようです。
・ま、それはともかく。さすがに高世も「馬渕氏の虐殺否定論(どの時点まで主張してたんでしょうか?)」にはつきあいきれないと思いながらも、「それでも馬渕氏には魅力があり」、だからこそ高世も「糞味噌に罵倒したりはしない」んでしょう。馬渕氏と親しい人々によって
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131201
きょう、「故馬渕直城さんを語る会」に行ってきた。
(中略)
きょうは、彼の思い出を語る会だ。
馬渕さんがテレビの仕事をした「オルタスジャパン」*38の小田昭太郎さん*39が「呼びかけ人」代表。私も「呼びかけ人」に名を連ねたが、実際の準備は、大学後輩*40のフォトジャーナリスト押原譲さん*41が中心になって進められた。
なんてことにもなるわけです。まさか「思い出を語る」とは「一時的とは言えポルポト虐殺否定論を唱えるとはあの馬渕のオヤジは本当にカスだよな」などという「悪口オンリーの会」「悪口三昧の会」ではないでしょう。
高世が名前を出している小田さんにしたって、押原さんにしたって「虐殺否定論」には否定的だったでしょうが「それでも馬渕氏には魅力があった」んでしょう。何せ既に通夜は2年前にやってるわけですから。馬渕氏がつまらない人間だったら「死後2年後に追悼の会」なんかわざわざ開かないでしょう。まあ、小生は馬渕さんを知らないので彼らの馬渕氏へのこうした態度を何とも評価できません。高世の文章を読む限り、「虐殺否定論さえなければ」面白そうな人ではありますけどね。
ベトナム戦争時、当時のカンボジア国王シアヌークが「ベトナム戦争に巻き込まれるのを恐れて」「中立路線」をとったことに対し反発した米国が「ロン・ノル*42クーデタ」を仕掛けたことを指してるのでしょう。クーデター後は当然、中立政策は放棄されます。
しかし、アメリカの仕掛けたロン・ノルクーデターはカンボジアを内戦状態にし、「ポルポト派の虐殺という悲劇」の一因となります。
・ベトナムからすればポルポト派は親文革、親中国です。で、当時ベトナムは中国と対立していた。下手したら中国が北から、カンボジアが南から攻めてくるという恐ろしい事態もゼロではないわけです。
であるなら「中国打倒は無理だがポルポトなら打倒できる、二正面作戦なんて厄介が起きないように打倒しておこう」「ポルポトの無茶苦茶な粛清(大虐殺)には恐怖を感じてるカンボジア人は多いだろうから『ポト派に殺されるくらいならベトナムを支援する』と我々に呼応することは充分考えられる」「あんな無茶苦茶な政権は打倒しても欧米も大して批判しないだろう」という考えのもとにカンボジア侵攻するのはまあ自然です(なお、ポト派打倒に反発した中国はベトナムとの間に戦争を起こします)。
実際には「ベトナムに含むところがあるアメリカ」は当初はポト派の虐殺を否定しポト派と国交まで結び、ベトナムに経済制裁を発動しましたが。
・ただし馬渕氏のように「ポルポト派の虐殺を否定すれば」ベトナムの行為は確かに「悪しき侵略」にしか見えないでしょう。
・タイトルが「タイ」なので高世がタイの現状について書いた文章にもコメントしてみます。
きのう、選挙によらない指名制の「人民議会」を「反タクシン派」が唱えていることを紹介したが、彼らは2008年にすでに「指名7割、民選3割」という国会議員枠を要求していた。
まさに「タクシン体制の根絶」が目標なのである。話し合いで解決できる問題ではない。
「反タクシン派」の強気に対して、UDD(タクシン派)が衝突のあと集会を中止するなど、引き気味なのが分かる。軍が「反タクシン派」に肩入れするのが分かっており、2010年の死者90人の大惨事が記憶にある。
一方、選挙では勝てない「反タクシン派」は、軍の建物にデモをかけて、決起つまりクーデターを呼びかけている。
軍にクーデターを要望するとは、反タクシン派はとんでもない連中ですね。高世が「反タクシン派」に否定的なのも当然でしょう。タクシン派が首相ポストを手にしていてもこんな「反タクシン派」は到底「反体制」とは言えないでしょう。
12月5日の国王誕生日には、ラーマ9世(プミポン国王)がお言葉を述べる。この騒動にも触れるだろう。
「反タクシン派」はそれまでに混乱をピークに持っていきたいと考えているはずだ。
クーデターまたは大騒乱があったあと、国王の「裁定」で決着するという、タイ式の解決法が繰り返されるのだろうか。
「国王の裁定」なんてものが政治を動かすようでは「欧米基準」ではとても民主主義国家とは言えません。タイが「欧米基準の民主主義」になるのは何時のことなんでしょうか。
しかし今回の高世の文は「タイ民主主義の問題点」をわかりやすく紹介していてなかなか面白いですね。
■落しどころが見えないタイの騒動
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131130
何で落としどころが見えないかと言えば高世の指摘に寄れば反タクシン派は「タクシン派は無条件で俺達に政権を譲り渡せ」と言ってるからです。
「共同で政権を運営しようぜ」ならまだしも「全面降伏しろ」と言われてはタクシン派も納得がいかないでしょう。しかも反タクシン派は「発電所占拠による電力遮断などの実力行使」というおよそ民主主義とは言えないやり口のわけです。
高世曰く「事情はともかくタクシン派の支持者は多く選挙をしても反タクシン派が圧勝することはあり得ない(せいぜい僅差の勝利。下手したら大敗)→だから発電所占拠などの非合法手段でタクシン派を壊滅しようとしている」ということのようでとても反タクシン派の支持なんかできそうにありません。これがまかり通ると言う事は「反タクシン派=従来の権力者」「タクシン派=新たな権力者(成り上がり)」ということなんでしょう。
なお、ここまでの小生の文章で気付いた方もいるでしょうが明らかに高世は「反タクシン派の無法ぶり」に批判的ですね。当然の話だと思いますが。
■ほんとうは怖いタイ
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131129
「本当は怖い」も何もタイのような発展途上国では「民主主義に問題がある」としても全く不思議ではないと思ってるので安心して下さい、高世さん。
《タイの政局と王室、王位継承問題などを扱ったオーストラリアのドキュメンタリー番組のコピーCDを販売したとして、タイ人男性(37)が不敬罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は3月28日、被告に懲役3年4カ月の実刑判決を言い渡した。
問題の番組はオーストラリア放送協会(ABC)が制作し、2010年4月に放送された。当時、タイ政府は番組の内容が不適切だとしてオーストラリア政府に抗議し、ABCはバンコク支局のスタッフが不敬罪で投獄される恐れがあるとみて、放送前後に同支局を一時閉鎖した。被告はこの番組のコピーCDを販売したとして、2011年3月に逮捕された。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じたもので、違反した場合、1件につき最長15年の懲役が科される。人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、1990年から2005年にかけ、不敬罪の裁判は年4、5件程度だったが、反王室のイメージがあるタクシン元首相派と特権階級を中心とする反タクシン派の政治抗争が激化した2006年以降は累計で400件以上に上る。今年1月にも、タクシン派雑誌の元編集者のタイ人男性(51)が掲載した記事が王室を中傷したとして不敬罪で懲役10年の実刑判決を受けた。》(2013年4月2日Newsclip)「不敬罪」!!があるのだ。
政争と王室をからめて描いた豪ABCは、支局閉鎖!である。そしてその番組のコピーを売ったタイ人が、懲役3年4カ月の実刑!である。
まるで、韓流ドラマを見ただけで収容所に送られる北朝鮮のようではないか!
・タイを批判するのに北朝鮮の悪口を言う必要はどこにもないだろうが。どんだけ北朝鮮が嫌いなんだよ。本当にゲスなアンチ北朝鮮野郎だな。
・ま、それはともかく。タイが「民主主義の観点から見て」ろくでもない国だと言う事はよくわかりました。そしてこういう事を報じないで「中国と北朝鮮の悪口ばかり報じる日本マスゴミ」がろくでもないこともよくわかりました。
まあ、高世も指摘していますが「不敬罪があること」自体問題でしょうが、それプラス「不敬罪にこじつけて弾圧すると言う問題」もあるわけです。
・こういう記事を読むと改めて「王政廃止こそが正義」と俺なんか思いますね。タイは特に「王政の政治利用」が酷いのかも知れませんけど。日本も早く天皇制を廃止すべきでしょう。
2010年の「赤シャツ」隊は、銃剣で弾圧されたのに、今回の「黄色シャツ」デモ隊は、政府の建物をいくつも占拠したばかりか軍にまでデモをかけても誰も逮捕されない。なぜか。
「黄色シャツ」デモ隊の扇動者、ステープ元首相(民主党)(写真)は、逮捕状が出ているのに、《これを笑い飛ばした。「逮捕するなら別の機会にしてくれ」と言い、「私は忙しい」と述べた》(ウォールストリートジャーナル)
全然怖がっていない。なぜか。
後で高世が詳しく教えてくれるそうですが、まあ、「反タクシン派(黄色シャツ)」こそが「タイの権力中枢」だからでしょう。だから逮捕されない。
つまり反タクシン運動とは「反体制」と呼べる代物ではないし、タクシン派(赤シャツ)も「首相ポスト」を手にしてもそれが「権力を握った」とは言えないのでしょう。成り上がり(タクシン派)が一時的に首相ポストを握ったに過ぎない。
だからこそ黄色シャツが「軍部に反タクシン運動を期待する」と言う奇妙なことが起きるわけです。まともな民主派だったら「軍部の政権打倒」なんか期待しないでしょう。クーデター以外何物でもない。
そして高世が王室がどうこう言うと言うことは王室も「反タクシン側」なのかもしれませんね。
もちろんそれは「タクシン派が正しいこと」を意味しないでしょうが、反タクシン派は到底支持できるようなまともな政治集団ではないでしょう。
■藤沢周平の小説にある倫理観を
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131128
どんな社会を構築していくべきか。そのヒントが江戸時代にあります。
江戸時代なんかより現代ヨーロッパにヒントを見いだすべきじゃないんですかねえ。
たとえばフランスなんかは日本と違って夏のバカンスなんてもんがあるわけです。
就職難で『僕は社会から必要とされていない』と感じる若者がいるらしいねえ。でも、人は社会から認められ、許されて生きるものではない。そもそも社会なんて矛盾だらけで、そんな立派なものじゃない。社会がどうあろうと、自分は生きたいし生きてみせる、という意地を持ってほしいなあ
いやいや、就職が出来なければ「食っていくことが大変」だし「就職をしないでどうやって自己実現していく」んでしょうか。
「人から認められないで生きること」はつらいものです。渡辺だって「書いた本が一冊も売れずに人生終わったら」経済的にも精神的にもつらいでしょう。高世だって「仕事を完全に失ったら」経済的にも精神的にもつらいでしょう。
何も「失業を苦にする」のは若者に限りません。中高年だって同じでしょう。
自分の個性に従って生きれば誰しも自己は実現されるんです。
それで生きられれば誰も苦労しません。寝言も大概にして欲しい。
藤沢周平の小説にみられるような豊かな庶民生活
何でこのバカは江戸時代を過剰に美化するんですかね。しかも根拠が「藤沢が作り上げた虚構」、つまりは、フィクション。笑うしかないですね。
■強行採決は首相退席の後で
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131126
衆院通過は残念ですが一方でこの通過にまるきり安倍が自信を持ってないことは高世エントリのタイトル『強行採決は首相退席の後で』でわかるでしょう。
安倍は強行採決の場にいたくなかったわけです。これが安倍の祖父・岸だったら「誰が何と言おうと俺は残る」くらい言う気がしますね。
そしてそういう強行採決に結局維新は荷担しませんでした。退席して逃げた(本心では強行採決しようがどーでもいいとは思ってるのでしょうが)。もちろん「だから偉い」なんて言いません。あの維新が「自民に公然と荷担しない方がいいんじゃないか」と思うような政治状況だと言う事です。
参院での否決に期待したいところです。最悪「法律として制定した」ところでこれほど評判の悪い法では早期の改廃も決して無理ではないと思います(願望が入ってることは否定しませんが)。もちろん違憲訴訟で争うことも考えられるでしょう。大事なことはあきらめずに批判を続けることでしょう。しかし「あの維新ですら公然と荷担すること」は避けたのに自民に公然と荷担する公明、みんなは何を考えてるんでしょうか。
■特定秘密保護法案が通りそうだ
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131125
自公が衆参過半数を占めてる時点でこの危惧は当然ありました。維新、みんなが最近与党にすり寄ってるからなおさらです。とはいえ
1)「12/22(金)衆院可決」と与党が言っていたのが、それは実現できなかった。
2)会期延長論まで出ている。
3)静岡県知事など保守派からも批判が出ている
4)世論調査では反対論、消極論*43が多く「政府を手放しで支持する人は少ない」。特に反対派、慎重派がわずかながら増加傾向、賛成派がわずかながら減少傾向にある
といったことの意味は決して小さくはないでしょう。その意味で高世の主張(後で紹介します)は否定的すぎるように思います。そもそも今大事なことは「通りそう」と敗北的意見を言い反対運動に冷水を浴びせることではなく「とにかく通さないために全力で頑張る」「不幸にして通っても改正や廃止目指して批判報道、批判運動を続ける」という意気込みの表明でしょう。
Hさんは、2003年のメディア規制三法のときは、主要マスコミ全社が反対の論陣をはったのに、今回は産経と読売が賛成に回っていること、03年は、民放連(日本民間放送連盟)は断固反対だったが、今回は「懸念を表明する」だけであることなどを挙げ、かなり雰囲気が違うという。
読売も産経も近年政府より論調を強めていますので何ら不思議ではない。一部マスコミが鈍かろうと、国民世論は決してこの法に好意的ではありません。そしてマスコミが全く批判をしていないわけでもない。
そもそも「メディア規制三法」のほうが運動や批判報道はあまり盛り上がらなかったように思いますが(何せ、法として成立した個人情報保護法案以外は確か国会に提出すらされてませんから)。小生も恥ずかしながら「メディア規制三法って何?」と言う人間です。
Hさんによれば、メディアに責任があるのは当然だが、メディアへの国民からの冷たい目線を感じるという。メディアやジャーナリストらが法案に反対しても、「困るのは、お前らの商売に関わるからだろ」という空気があると。
「僕らが反対すればするほど、世間は反発するみたいな、変な空気を感じます」。
まったく同感だ。
そして、この背景には、3.11以降のマスコミ不信があるのではないかとも思った。
そんな事はないと思いますけどね。そもそもマスコミ不信の一方で「3.11以降の政府不信」もあるわけで、何度も言いますが国民は保護法案を手放しで支持しているわけではありません。
「マスコミ不信」は何も「政府への信頼」を意味してる訳じゃない。
いまは右も左もマスコミには冷笑的だ。
右はともかく、「マスコミに冷笑的な左」は「安倍政権にも冷笑的」だと思いますが。
そして「マスコミが政権(つうか自民党)相手に醜態さらしたとき」は「3.11以前」でも左はマスコミに冷笑的だったと思いますよ。小泉郵政選挙報道とか。
政治家や検察のスキャンダルを暴いた「噂(うわさ)の真相」を2004年に休刊した理由の一つは「個人情報保護法」の施行でした。
こういう物言いはどうなんですかね。「個人情報の保護」はそれはそれとして重要でしょう。今回の特定秘密保護法案と違い「法律自体は必要」と俺は思います。実際の保護法をどう評価するかはともかく。
大体、岡留氏は主たる休刊理由を当時、「経営難」「自らの高齢化」としており、「かなり以前からやめるつもりだった」と「笑っていいとも打ち切り時のフジテレビのようなこと」を言っており、つまり「悪法がどうこう」なんてことは言っていなかったと思うのですが?
なお、一番最後の「野党やマスコミの追及が難しくならないか」という部分には全く同感です。
共産党が追及した「ムネオハウス疑惑」にせよ「自衛隊情報保全隊による市民運動スパイ疑惑」にせよ「教基法タウンミーティングやらせ質問疑惑(これは明らかに当時の第一次安倍政権にはダメージだったでしょう)」にせよ「きっかけは内部告発」だったわけですから。
ああそうそう、第一次安倍政権にダメージを与えた「本間税調会長スキャンダル」も内部告発でしたっけ?。なるほど安倍が内部告発にびびるのがよくわかりますね。特定秘密保護法案へのこだわりが痛いほどわかる気がする。
ダライの講演会について高世は若干触れてますが、特に意見もないのでノーコメント(というか、高世の紹介する岡野氏なる人物の意見の是非がわからないので何とも評価できません)。
■フィリピンで1千万人超が台風の被災者に
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131121
すっかりブログをご無沙汰してしまった。
(中略)
大きな番組が同時進行になったので、資金繰りで苦しむ日々だった。
逆じゃねえの、と思うのだが高世曰く「完成品を納品しないとテレビ局から金がでない(条件付で取材費用が出るわけでは全くない)」ので「ロケ費用などで結構苦しい」のだそうだ。
札幌に講演しに行ってきた。お招きにあずかったのは、なんと北海道神社庁。神職研修会で、つまり神主さんたちを前に話すのである。
演題は「美しい日本と神社」。
以前高世が出した「オカルトチックな」神社万歳本『神社は警告する:古代から伝わる津波のメッセージ』(2012年、講談社)の効果だろう。神社素人の高世なんか呼んで意味があるのかとは思う。なお、俺個人は「神社本庁が異常に右翼なので」神社はあまり好きではない。
もちろん「神社=右翼」ではなく「国家神道の残滓」だろうが理由はともかく日本の神社の総本山「神社本庁(靖国や明治神宮など一部を除き全ての神社は本庁の傘下)」が「右翼運動に公然とコミットしている」事は事実だ。
「レイテ島タクロバン市のロムアルデス市長は13日、救援が進まないとして住民に市外に出るよう呼びかけた。」
町に支援を求めてやってきた被災者を、行政が出て行けと追い払っているというのだ。
「市長は『市政府は食料と水を届けようとしているが、市内の秩序維持が困難だ』と語った。市政府には、退避する住民を運ぶ車両もないという。米CNNは『組織だった復旧と支援の形が全く取れていない』と伝えた。」(産経14日)
ロムアルデスといえば、イメルダ夫人の一族ではないかと思ったら、やはり親戚だった。レイテ島タクロバンはイメルダ・マルコス*44の出身地。彼女の実家、ロムアルデス家がこの島の政治を牛耳ってきた。今の大統領のアキノ家とは政治的に対立する土地柄だ。アキノ大統領は、地方政府の無能振りを批判、これにロムアルデス市長が激しく反論したという。
マルコス大統領が失脚した後もイメルダの一族が未だに力を持ってるんですね。
■テロのレッテル貼りはウイグル弾圧
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20131111
忘れられてるも何も日本でそんな事を知ってる人はソ連健在時においても「左翼」「アンチ左翼」「ロシア通(ロシア研究者、ロシアで活動する外交官やビジネスマン)」ぐらいのもんでしょう。ほとんどの人間は知らないし興味もない。
「昔(ソ連時代)は国家式典がされていたロシアでも今は忘れられてる」と言う意味なら別ですけど。
1944年のこの日、リヒャルト・ゾルゲと尾崎秀実(ほつみ)が絞首刑になった。
無知だから詳しい事情を知りませんけど、やはり「11/7の処刑」は単なる偶然じゃないんでしょうね。
写真は、多磨霊園の尾崎の墓。ゾルゲの墓もここにある。今年も恒例の「ゾルゲ・尾崎墓前祭*46」が行われ、取材してきた。
この霊園には、左翼闘士の墓も多く、戦後共産党のカリスマ的リーダー徳田球一、右翼青年*47に刺殺された浅沼稲次郎*48、「中共謀報団」事件の中西功*49などの墓も見ることができた。
・「この霊園には、左翼闘士の墓も多く」
ウィキペ「多磨霊園」によれば高世が名前を挙げてない人間としては
大内兵衛(法政大学総長、社会党イデオローグの一人)
賀川豊彦(社会党イデオローグの一人)
美濃部亮吉(東京都知事)、といった名前があります。
・徳田は戦後共産党の最初のリーダー(初代書記長)です。晩年は中国に亡命し彼の地で死去。
徳田の死後、新たなリーダーとなるのが宮本顕治氏*50の訳です。徳田時代の暴力闘争など肯定できるわけもなく、徳田時代は今の共産党においてはかなり批判的に評価されます。
また徳田路線は「ソ連、中国の圧力に渋々従った」と言った面が大きく、だからこそ後の共産党は「文革(中国)」「チェコ侵攻、アフガン侵攻(ソ連)」などでかなり批判的な態度を取ることに成ったと言えるのでしょう。
中西の「中共謀報団事件」というのはウィキペ「中西功」によれば「ゾルゲ事件摘発」の過程で摘発された事件でそう言う意味では「ゾルゲ事件(広義のゾルゲ事件)の一部」のようです。ただしウィキペ「ゾルゲ事件」を見ても「狭い意味でのゾルゲ事件」のことしか書いておらず、「中共謀報団事件」のことは残念ながらわかりません。
なお、中西は「上海の東亜同文書院」で学び卒業後は満鉄調査部勤務という中国畑の人間です。ウィキペ「尾崎秀実」によると尾崎も「一時満鉄調査部嘱託職員」だったそうなのでそのときのつながりでしょうか。
中西には外患罪で死刑が求刑され無期判決が出ますが、戦後の民主化によって釈放され、日本共産党の活動家として活動します。
先週土曜の「新週刊フジテレビ批評」のクリティークトークは「天安門突入事件の真相とメディアの課題」で、中国問題に切り込んだ。
ゲストは水谷尚子氏。中国問題ではユニークな人選。あまりテレビには出ない人である。
ユニークな人選というのは本来おかしな言葉です。高世も指摘していますが彼女はウイグル問題研究者でウイグル問題の著書『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(2007年、文春新書)がある。むしろ適任者の一人であり、全然ユニークじゃないでしょう。
本来彼女を呼ばないテレビ局がおかしい。まあ、別に彼女を呼ばなくたって「まともなウイグル研究者」を呼べば何ら問題ない、彼女じゃなきゃいけないわけじゃないですがユニークな人選というのは変な言葉です。「チベット問題」だの「尖閣問題」だの、ウイグルと関係ない中国問題で呼んだら変でしょうが。
「テレビ局が彼女を呼ばないのか」はたまた「彼女の方が呼ばれても『仕事が忙しい』『信用できるテレビ番組以外出ない』などの理由で断り滅多にテレビに出ないのか」気になるところです。後者なら必ずしもテレビ局を非難できませんが前者なら論外でしょう。
水谷氏は、「テロ」のレッテル貼りによる処理は、民族抑圧だとバッサリ切り捨てた。
まあ、水谷氏ならそういうだろうなと予想の範囲内の発言。
というかあの事件はもちろんテロ*51ですけど「単独犯でなく、背後関係がある」という中国発表に世界ウイグル会議や海外メディアは疑問符をつけてますので別に不思議ではない発言。
事件3日後の31日になって、中国共産党の公安・司法部門のトップ、孟建柱*52が、ETIM(東トルキスタン・イスラム運動)の仕業だとメディアのぶらさがりで語ってから事件はテロだということになった。
ETIMは、米国、中国、国連から「テロ組織」とみなされているが、2003年にリーダーがパキスタンで殺害され、事実上消滅している。
ふーむ。それが事実なら中国にも困ったもんです。素人には高世発言の真偽は判断が出来ませんが。
そもそもウイグルの抗議行動は以前は「反革命暴動」「国家分裂主義策動」と呼んでいた。「テロ」と呼び始めたのは、米国の9.11以降で、ウイグル人弾圧を米国にも認めさせようという意図がある。
・つまり「テロとの戦い」で全てを正当化しようとしたブッシュ路線(日本も支持した)はそう言う意味でも間違ってたと言うことです。
ロシアだのイスラエルだのも「チェチェン問題」「パレスチナ問題」で同様の態度ですからブッシュの「テロとの戦い理論」が弊害をもたらしたのは何も中国限定じゃありません。
・もちろん今回の事件が「背後関係のあるテロ」でも「何でも許されるわけではない」んですが。
最後に水谷氏は、日本のメディアが中国当局の発表に乗っかった報道になりがちであることを批判した。
基本的に情報は中国政府からしか出てこないですからね。ある程度は仕方がない。でも「真偽不明」とは断ってるわけで、水谷氏が言うほどには酷くはないでしょう。
日本のメディアによるウイグル関連報道は、水谷氏からみると、よほど低レベルらしい。
俺が思う疑問は「これ(取材の問題点)はウイグル限定じゃないんじゃないか」「専門的問題の取材能力がまずいんじゃないか?(特に外国の問題が)」ということですね。
この日のコメンテーターはジャーナリストの江川紹子氏。
ウイグルの問題は、チベットと同じようなものだろうが、チベットにはダライ・ラマ法王という象徴的な人がいて、世界に知られている。その点、ウイグルは、我々の知らないうちに問題が進行しているのではないか、とソツなくまとめていた。
まあ、「世界ウイグル会議総裁」カーディルという人がいますが「ノーベル平和賞受賞者」ダライに比べたら知名度は落ちるのでしょう。
このコーナーでは、天安門突入事件をめぐる問題が、通常のテレビニュースや新聞記事とは違った角度から整理され、視聴者も勉強になったと思う。
高世の言ってることにびっくりですね。
「通常のテレビニュースや新聞記事とは違った角度」って「あるウイグル専門家に、中国が『ウイグル独立派のテロだ』と発表してる事件について意見を聞く」なんてのは「選ばれた専門家やインタビュアーのチョイスが適切だったか」と言う問題をひとまず無視すれば、あまりにも「当たり前すぎるほど当たり前の報道内容」じゃないですか。どこにもユニークさなんかないと思います。これが「ウイグル情勢が隣国にどういう影響を与えるか、パキスタンなど隣国の研究者に聞いてみました」とか「今回の事件で注目されている中国共産党中央政法委員会書記とはどんな役職なのか中国研究者に聞いてみました」とかだとユニークかも知れませんが(別にユニークでもないかな?)。
いや別にユニークな報道をする必要はないですけど。
それを「通常のテレビニュースや新聞記事」がやってないとしたらそれこそその方がおかしい。最近、新聞もテレビもあまり見てないのですが、どういう報道をしてるんですかね。早朝の見る人が少ない、「本来ニュース番組枠ではない」番組でそういう報道というのは何なんだろうと思います。「見る人が少ない」からそうなるんでしょうか?。「見る人が多い」と「水谷氏は呼べない」のか?。もしそうならそれも嫌な話です。
*1:著書『北朝鮮難民』(2002年、講談社現代新書)、『北朝鮮からの脱出者たち』(2006年、講談社プラスアルファ文庫)
*2:後で指摘するが何故か高世はその後説明もなしにこのエントリを完全に削除している
*4:後で指摘するが何故か高世はその後説明もなしにこのエントリを完全に削除している
*5:電子工業部長、上海市長、上海市党委員会書記などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席
*6:後に誤報と判明。産経が謝罪した。この文章を小生が書いている2013年12/14現在も江沢民は存命。
*7:もちろん「石丸がテレビ出演しないのは総連の圧力にテレビ局が屈服してるからだ」という高世説のこと
*8:いや「だからこそ」、というべきか
*9:酒を飲ませる、女を抱かせる、金を握らせる
*10:高世の理解だとこれも「海外マスコミにも総連の圧力がかかってる」ことになるのでしょう。
*11:後出しじゃんけん乙。そういうのは粛清される前に言えよ
*12:まあ確かにバスケが好きなんだろうけど「日本や欧米でもあるイメージ戦略(政治家が芸能人やスポーツ選手との交流をアピールするのは日本や欧米でもある)」とか米国とのパイプにロッドマンを使いたいとかいろいろあるだろ。単なる道楽じゃねえだろ。
*13:現時点では張粛清以外は何が起こってるかよくわからないと思うけどね。「張派(と見なされた人)の大粛清」というのは現時点ではあり得る可能性に過ぎない。
*14:副首相、党副主席、人民解放軍総参謀長、党中央軍事委員会主席などを歴任
*15:もちろんそういう「改革開放=変化」と理解する人にとって、粛清があっても構わないということではないですが
*17:三国の独立は保守派クーデターの失敗過程で、エリツィン・ロシア大統領が力をつけ、ゴルビーが政治力を失ってからのことです。
*18:というより「再配分システムの欠陥」ですね。それを「民主主義の欠如」と呼ぶのが適切か、小生は疑問に思います。
*19:電子工業部長、上海市長、上海市党委員会書記などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席
*20:後に誤報と判明。産経が謝罪した。この文章を小生が書いている2013年12/14現在も江沢民は存命。
*21:著書『国民国家のエルゴロジー』(2002年、平凡社ライブラリー)、『象徴天皇制の起源』(2005年、平凡社新書)など
*22:ほとんどの創価学会の信者にとって『池田大作先生の先生(戸田城聖)の先生』レベルの認識しかないでしょう
*23:別にこれは全体主義に限らず「みんなの党の江田幹事長(当時)解任」など全体主義以外でもあることですけどね。まあ、そういう更迭劇を高世が全て全体主義扱いするのなら話は別ですが
*24:小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政務調査会長(谷垣総裁時代)などを歴任
*25:北朝鮮国防委員会第一委員長、朝鮮労働党第一書記、朝鮮人民軍最高司令官
*26:2009年の日付の文章を持ち出して「金正恩」について語る高世には呆れる。まだ後継指名もされてないだろうが。もちろん書いてあることも「金正日は絶大な権力を持ってる」と言う内容に過ぎない。
*27:北朝鮮国防委員会委員長、朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官
*29:民主カンボジア首相、クメール・ルージュ(カンボジア共産党)書記長。1998年に死亡
*31:原文のまま。お通夜について書いた高世の文章の日付は「2011年11月3日」なんだから「昨年」ではなくて「一昨年」です。いずれ直すでしょうが。
*32:それ以前に最近は「ポルポトを知らずに僕らは生まれた♪」という「ポルポトを知らない子どもたち」も多いのでしょう
*33:アジェンデ政権陸軍司令官。クーデタ後は大統領
*34:1984年のアカデミー賞において、助演男優賞・編集賞・撮影賞の3部門受賞。
*37:ウィキペ『カンボジア特別法廷』によれば本が刊行された2006年にポルポト虐殺を裁く『カンボジア特別法廷』がスタートしている。なお、ポルポト派は参加しなかったが1993年に国連の監視下で総選挙が行われておりこの時点で事実上、内戦は終結しており、後は「どうやってポルポト派を鎮圧するか」ということに話が移っている。
*38:日本テレビのディレクター、プロデューサーとして数多くのドキュメンタリー番組を手がけてきた小田氏が、独立後の1988年に設立した番組制作会社(以上、ウィキペ『オルタスジャパン』参照)。
*39:著書『クンサー:この麻薬王と知ってはならない黒い世界』(1987年、情報センター出版局)。なお小田氏がこの追悼の会について馬鹿社長ブログ「にんにく劇場」『親しかった友との最後の別れの会』(http://ortus.blog.fc2.com/blog-date-201312.html)を書いているので紹介しておく。
*40:「大学後輩」の「大学」とは「馬渕氏の大学(ウィキペディアに寄れば国際基督教大学)」なのか、「高世の大学」なのか?。追記:コメ欄で指摘いただきましたが馬渕氏の大学です。
*42:シアヌーク政権時代に国防相、首相を歴任。クーデタ後は大統領に就任
*43:絶対廃案という人が必ずしも多くはなく慎重審議というのが多い当たりは個人的には残念ですが
*44:マルコス大統領夫人。マルコスの力で1975年にマニラ首都圏知事に、1978年に環境住居相に就任している。マルコス失脚直後は夫ともにハワイに亡命していたがマルコス死後の1992年にフィリピンに帰国。現在下院議員。
*45:2月革命ではなく10月革命の方
*46:ググってもどういうイベントかよくわかりませんでした
*47:山口二矢のこと。逮捕後に拘置所で自殺し裁判が開かれなかったため背後関係の有無などは不明。
*49:尾崎秀実に「ほつみ」とルビをふるなら中西にも振って欲しいモンです。普通「功」は「青木功」のように「いさお」と読むでしょうが中西の場合、「つとむ」と読みます。
*50:書記長、委員長、議長を歴任
*51:小生は「テロ=暴力犯罪」の意味で用いており、背後関係の有無や政治的動機の有無は問題にしていません