今日の韓国・北朝鮮ニュース(2019年3/12分)

首相「金正恩委員長と向き合う」 拉致被害者の地村さんに :日本経済新聞
首相、拉致被害者の地村さんらと面会 「最終的には私が金氏と向き合う」 - 毎日新聞
 向き合う気もないくせに良くもこんなことが言えたもんです。実際に「北朝鮮最高指導者と向き合って成果をおさめた」のはもちろん「金日成*1相手の金丸*2自民党副総裁(第18富士山丸船長、機関長)」と「金正日*3相手の小泉*4元総理(蓮池夫妻、地村夫妻、曽我氏)」だけです。


拉致被害の地村さん、首相と面会「直接交渉で突破口を」:朝日新聞デジタル
 地村氏の主観はともかく、客観的にはくだらないとしか言い様がありませんね。安倍に一体何を期待しているのか?


朝鮮半島問題(王毅外交部長発言)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

 王毅*5は、朝鮮半島問題解決のプロセスとして、「半島の非核化実現及び平和メカニズム樹立の全体的路線図を共同で制定し、その基礎の上で段階を分け、同じステップで(同歩)進む考え方に基づき、各段階で相互に連携し、相互に促進する具体的措置を明確にし、関係当事国が同意した監督メカニズムのもとで、容易なものから難しいものへ順序を追って推進する」という具体的な提案を行いました。

 浅井先生が言うようにこの王毅発言は重要かと思います。
 まず第一に「段階を分け」「容易なものから難しいものへ順序を追って推進する」つうのが重要です。つまりは「北朝鮮が飲める提案でなきゃ駄目に決まってるやろ!。米国はそこの所はよく考えろ」つう話です。先日の「首脳会談での合意なし」について、黒井文太郎だの救う会だののように一方的に北朝鮮批判をしたりはしない。
 第二に「関係当事国が同意した監督メカニズム」つうのが重要です。「米朝が勝手に決めて勝手に進めるんではなくてわしら中国、あるいは日本、韓国、ロシアといった当事者(6カ国協議参加国)をコミットさせろ」つう話です。まあ本筋は「わしら中国をコミットさせろ」でしょうがまさか「日本、韓国、ロシアは排除しろ」とはいえないので「関係当事者をコミットさせろ」つう話になるわけです。

 中国は、朝鮮半島問題では非核化の目標を一貫して堅持し、対話と協議による問題解決を堅持し、半島の平和と安定の維持を堅持している。そのために中国は20年以上も努力してきており、中国の役割は余人をもっては代えがたい。今後中国は、各国とともに既定の目標に向かって引き続き貢献を行っていく。

なんて発言も「ワシ抜きの北朝鮮・核問題解決なんて認めない」つう中国の強い意志を感じます。
 浅井先生も指摘していますが他にも重要な発言はあります。

(質問)
 昨年以来、習近平*6金正恩*7と4回会見し、両国関係の新しいページを切り開いた。中国は中朝関係の今後の発展についてどのような展望を持っているか。
(回答)
 過去1年もたたない時間の中で習近平総書記と金正恩委員長は4回会談し、中朝国交樹立70年において未だかつてない記録を作り出し、中朝関係史に刻み込まれることになった。両国最高指導者の指導推進のもと、中朝の伝統的遊戯は生き生きとした生気を渙発し、両国関係も新たな歴史的ページをめくっている。
 中朝伝統的友誼は両国の老指導者が手塩にかけて作り出し、育んだものであり、双方共同の貴重な財産であり、一時的単発的出来事によって影響を受けるものではない。今年は中朝国交樹立70周年に当たっており、両国関係にとって(中略)重要な意義がある。中朝の伝統的友誼を引き継ぎ、発展させることは双方の共同の利益に合致し、中国の確固とした選択でもある。我々は、朝鮮が自国の国情に合致した発展の道を歩み、社会主義建設事業において不断に新たな進歩を勝ち取ることを全力で支持し、朝鮮が実行する新国家戦略、経済建設と民生改善に力を集中することを全力で支持し、並びに朝鮮が半島非核化に関する大方向を堅持し、非核化実現プロセス実現途上において朝鮮の正当な関心を解決することを全力で支持する。

つう「中朝友好関係の強調」が重要な点です。つまり中国は北朝鮮打倒論には与しないと言うことです。
 なお、浅井先生曰く

 朝鮮が自国の国情に合致した発展の道を歩み、社会主義建設事業において不断に新たな進歩を勝ち取ることを全力で支持し、朝鮮が実行する新国家戦略、経済建設と民生改善に力を集中することを全力で支持し、並びに朝鮮が半島非核化に関する大方向を堅持し、非核化実現プロセス実現途上において朝鮮の正当な関心を解決すること*8全力で支持する

と「全力で支持」を3回も繰り返すことは外相発言では過去にあまり例がないのではないかとしています。もちろんあくまでも「非核化し、改革開放すること」を全力で支持するのであって「北朝鮮のやることなら何でも支持」ではありませんが。

*1:北朝鮮国家主席朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官

*2:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任

*3:北朝鮮国防委員長、朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官

*4:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*5:駐日大使、中国共産党中央台湾工作弁公室主任(国務院台湾事務弁公室主任兼務)などを経て国務委員(外交担当)兼外相

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:北朝鮮国務委員長、朝鮮労働党委員長、朝鮮人民軍最高司令官

*8:「非核化実現プロセス実現途上において朝鮮の正当な関心を解決すること」とは要するに「北朝鮮を非核化したいなら、米国は体制保障しろ」つうことでしょうね。