今日のMSN産経ニュース(9/20分)

■日中、インド新幹線で火花 駆け引き激化必至
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140920/asi14092014280003-n1.htm
 この記事で「日中で火花、駆け引きが生じてると産経が書いていること」、つまり「日中どちらが勝つか分からないと産経が認めてること」自体が産経が主張したがる「インドと手を組んで中国封じ込め」が馬鹿げた妄想であることの証明でしょう(ちなみにこの記事は共同通信配信記事です。ただし掲載した以上、産経も記事の価値を認めてるわけです)。インドが「価格や性能など新幹線限定のことでどこにするかを決めるのか」、はたまた「新幹線以外の事(例:インドへの経済支援)も考慮するのか」、「日中どちらを選ぶのか*1」はともかく産経が期待するほどインドが日本びいき、反中国でないことは間違いないでしょう。
 ちなみにこの件についての人民日報記事も紹介しておきます。

http://j.people.com.cn/n/2014/0918/c204149-8784436.html
■人民日報『インド高速鉄道市場の争奪戦、中国が価格以外でも有利』
(前略)
 価格と総合性能は中国の高速鉄道の無視できない優勢であり、高速鉄道輸出の「武器」である。
 中国の高速鉄道技術は近年改良を続けており、車両技術とレール技術という、高速鉄道建設の2つの重要な技術を把握している。また独自の知的財産権を持つCTCS-3列車制御システムを開発し、CRH380A型電車と枕木のないレール技術の独自の知的財産権保有している。中国土木工程集団有限公司が請け負うトルコのアンカラ*2イスタンブール*3鉄道の2期プロジェクトが開通し、中国の高速鉄道の海外での飛躍を実現した。
(後略)


■【拉致再調査】政府、北朝鮮の遅延作戦を牽制
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140920/plc14092000140004-n1.htm

 菅義偉官房長官は19日の記者会見で、「夏の終わりから秋の初め」とした北朝鮮側からの報告時期について「双方が認識し、一致していた」と述べ、北朝鮮側の約束違反であることを明確に指摘した。そして、菅氏は「これからが交渉の正念場だ」とも強調した。
 ただ、菅氏は直接批判することには慎重だった。日本政府は、報告の遅れを理由に北朝鮮を責めたてて、再調査自体が白紙に戻ることを警戒。外務省幹部はこの日、「『なぜ結果が出せないのか』と憤ったら調査がストップする可能性もある。調査を前に進めることが大事だ」と指摘した。

 いや、安倍も随分変われば変わったものです。昔だったら「約束を破った」て言って自分も部下も糞味噌に北朝鮮罵倒だったと思うんですけど。


■【主張】スコットランド 英国に留まってよかった
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140920/erp14092003240002-n1.htm
 中国への敵意からチベット独立論を扇動してる新聞がこれですよ。
 「産経のチベット独立論への好意的態度はいわゆる民族自決権が根拠じゃない。中国への敵意オンリーだ!」「だからスコットランド独立論には反対なんだ!」て認めてるのも同然で正気じゃないですよねえ。

(注:英国のキャメロン)首相にも、ここまで独立派が追い上げるとは予想外だったろうが、見通しの甘さから混乱を広げた責任を問う声

て要するに「勝ち目があると思って、投票に応じたんだろうが首相は認めるなよ!。勝ったって飴と鞭さんざん使ったあげく僅差じゃ手放しで喜べないよ!」「また同じ事今後もスコットランドが言うかも知れないジャン!。最初から投票に応じなければよかった!」「賛成か反対か決めかねてる層をとりこむため独立しなければ、スコットランドへの国家予算増やします、スコットランド自治権も今までより拡大します*4とかさんざん手形きっちゃって後大丈夫なのかよ!」てことでしょう。このチベット問題との露骨な違い。チベット問題で習*5主席が「住民投票に応じる気はない、チベット独立論に応じる気はない」て言ったら「住民意思無視だ」と言うであろう新聞がこれですよ。

英国政治の不安定化は金融資本市場にも悪影響を及ぼす。
(中略)
 事は英国内に留まらない。今回の住民投票は、スペインのカタルーニャ自治州の分離独立運動などに再び火をつけている。
 民族自決の原則は尊重されるべきだが、武力衝突が続いた北アイルランド紛争は記憶に新しい。分離独立機運の台頭を甘く見てはならない。同様の問題を抱える欧州の国々はくれぐれも安定が損なわれぬよう対応*6してもらいたい。

そんな事はチベットでも全く同じですが。
だったら

 中国政治の不安定化は金融資本市場にも悪影響を及ぼす。
(中略)
 民族自決の原則は尊重されるべきだが、武力衝突が続いたウイグル紛争は記憶に新しい。分離独立機運の台頭を甘く見てはならない。

とでもなるでしょうが、まあそうは言わないであろう産経です。

*1:中国を選べば産経の言い分が成り立たないことは明白ですが、日本を選んだ場合でも「インドが安倍流中国封じ込め論に賛同してる」と見なせるかは疑問でしょう。

*2:トルコの首都

*3:オスマン朝時代のトルコの首都

*4:これがアメですね。一方で「独立したらどうなるかわからないぞ!。英国企業が撤退するかもしれん!」という脅しのムチもありました。この飴と鞭で「独立か反対か決めかねてる層」を「アメがあるなら独立しなくてもいいかな」「独立したときのムチが怖い」と反対派にした上での今回の勝利です。アメを本当に渡せるのかと言う意味で英国にとってこの勝利は手放しでは喜べないでしょう。一方スコットランド独立派側も「今後のスコットランド独立派の政治的対応にもよる」でしょうが「アメがある」ので「敗北してお通夜状態」てわけでもないでしょう。「アメがでれば万々歳」、でなければ「嘘つきだ!。また独立運動をやるしかない!」ということにできるからです

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*6:要するに100%の勝ち目があるとき以外は住民投票に絶対に応じるなって事でしょう