今日の中国ニュース(2022年9月24日分)

台湾孤立化「世界の流れ」 蒋介石、部下に吐露―日台断交50年:時事ドットコム
 コメント欄でご紹介頂いた記事です。「蒋介石の発言は1969年」でこの頃はまだ「国連からの追放(1971年)」「ニクソン訪中、中国と日本、西ドイツ(当時)との国交樹立(1972年)」はなかったとはいえ、「英国(1950年)」「フランス(1964年)」と中国と国交を結ぶ国は増えていたのだから、蒋介石発言は全く当然でしょう。
 それにしても

 (ボーガス注:1971年の国連中国加盟、台湾追放、1972年のニクソン訪中、中国と日本、ドイツとの国交樹立などから)50年余り続く国際舞台からの台湾排除の流れは、潮目が変わりつつあるのだろうか。日中台関係を専門とする麗澤大の清水麗*1教授は「台湾がこの機に各国との関係を実務的に向上させ、それを常態化できるかどうかだ」と指摘した。

というのは非常識です。「中国>台湾」という政治力、経済力の差が近い将来変わるわけがない。潮目など少しも変わっていない。麗澤大と言えば「右翼宗教モラロジー日本会議の構成団体の一つ)」が母体で「産経の古森義久」「髙橋史郎・元つくる会副会長」「西岡力救う会会長」「八木秀次日本教育再生機構理事長」などプロ右翼活動家が多数教員なのでこの清水氏もその種のウヨなのでしょう。そしてこんな寝言を掲載する時事通信も頭がおかしい。


「中国発言」で市議に謝罪要求決議、掲載の広報誌配布差し止めず 大阪地裁 - 産経ニュース
 記事を読む限り「悪質な中国人差別」であり判決は当然と言うべきでしょう。弁護士が「あの在特会徳永信一というのにも呆れます。まともな弁護士がつくような裁判でないと自白してるようなもんです。


安倍元首相を偲ぶ―民主主義陣営の団結を 台湾・呉釗燮外交部長が追悼文寄稿 - 産経ニュース
 いかに安倍が「大物台湾ロビー」とはいえ、これはもはや「安倍国葬参列」という「社交辞令のレベル」を大きく超えた愚行と思い呆れます。「現役の外相」では「蔡英文政権の公式見解」と見なされても文句は言えないでしょう。


【国際情勢分析】党大会前、権力集中の習氏に〝異論〟 共産党員3人、異例の文書批判 - 産経ニュース
 有料記事なのでほとんど読めませんがコメントしておきます。

 10月の中国共産党大会を前に、ベテラン党員3人が党指導部への権力集中や個人崇拝の動きを批判する文書を発表した。「文化大革命の悲劇を繰り返すな」として、党大会で異例の3期目入りを目指す習近平総書記(国家主席)を暗に批判したものとみられる。

 「文革の悲劇」が何を意味するのかにも寄りますが、
【1】「あの種の無茶苦茶な粛清」は起こりえないこと
【2】単なる言論抑圧レベルなら、「文革の悲劇」とは過大評価だし、そんな物は、鄧小平、江沢民胡錦濤時代にもおそらくあった
と言う意味で「批判として大げさ」でしょう。単に「権力集中や個人崇拝には反対だ」でいいと思うんですが。


安倍氏国葬に非党員派遣 台湾問題で「格落ち」―中国:時事ドットコム
 【1】英国に比べ*2統一協会と安倍の癒着」等から、日本での安倍国葬批判が強いこと(大物政治家を国葬に送ると安倍批判派「日本国民」の対中国感情が悪化する恐れがある)、【2】晩年の安倍が台湾ロビー的な言動で中国の感情を逆なでしていたこと、つまり【1】、【2】をセットで考慮すれば安倍国葬に超大物政治家を送る必要性が中国にとって乏しいことを考えればこの記事の指摘「安倍国葬に出席する万鋼全国政治協商会議(政協)副主席(中国致公党主席、元科学技術大臣)がエリザベス女王国葬に出席した王岐山*3国家副主席より格落ち」が事実だとしても当然の話でしょう。
 コメント欄で指摘がありますがカナダのトルドー首相も「ドタキャン」しましたし。建前上の理由は「ハリケーン対応」ですが、安倍国葬への批判が全く無関係とも思えない。


「チベットの文化破壊」 亡命政府首相が批判 | 共同通信

 来日したチベット亡命政府ペンパ・ツェリン首相は23日、東京都内で講演し、中国チベット自治区の学校は中国語だけの授業のため子どもがチベット語を学べない状況が広がっているとし「(中国が)固有の言葉や文化を破壊しようとしている」と批判した。

 真偽不明ですが紹介しておきます。なお、日本でも「アイヌ」「在日朝鮮・韓国人」「日系ブラジル人」等に対して「きちんと民族語教育がされてるのか?」と考えれば、たとえこの批判が事実としても、「他の国はともかく」日本は一方的に中国批判できる立場にはありません。


チベット亡命政府、国葬出席できず 議連「自民合同葬なら呼べた」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
 「自民党、内閣合同葬なら呼んだ」とは全く思いませんが、こういうことを言えば「そうした説明をチベット議連として政府から受けたのか?」「そう思うのならば『国民の過半数が反対してるし、自民党、内閣合同葬にして、チベットを招くべきだ』と、チベット議連として抗議しないのか?(チベット議連会長が、安倍の子分で国葬支持派とみられる「下村*4」である以上絶対にしないでしょうが)」等と今後、「国葬反対派」や「チベット支援者」からチベット議連へ質問、批判が出てもおかしくないでしょうに、無茶苦茶な応答をしたもんです。


中国共産党が異例の言及 台湾統一後の一国二制度は「台湾同胞の利益を十分考慮」 | TBS NEWS DIG (1ページ)
 異例も何も以前からこういう立場だったと思います。


中国・ウクライナ外相会談 中国は「建設的役割果たす」と改めて強調 | TBS NEWS DIG (1ページ)
 浅井基文氏も指摘していますが「中国がロシアとべったり」ならこうした会談は成立し得ないでしょう。
 NATO諸国ほど厳しい態度ではないとはいえ、中国はウクライナ問題では、当初から「ロシアと距離を置いている」わけです。

*1:著書『台湾外交の形成:日華断交と中華民国からの転換』(2019年、名古屋大学出版会)

*2:とはいえ英国においても国葬批判自体はあることは赤旗などが報じています。

*3:中国建設銀行行長、北京市長、副首相、党中央規律検査委員会書記(党中央政治局常務委員兼務)などを経て国家副主席

*4:安倍政権下で第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)など歴任