今日のMSN産経ニュース(9/22分)

■【軍事情勢】昭和天皇と乃木大将、山川東京帝大総長の涙
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140922/imp14092211300001-n1.htm
 「軍人乃木」を「明治天皇の忠臣」とほめたたえるだけの文章の何が「軍事情勢」だかさっぱりわかりませんがそれはさておき。

大東亜戦争*1(1941〜45年)劈頭の真珠湾攻撃で、特殊潜航艇=甲標的に乗り込み未帰還*2となった九軍神について、ジャーナリストの菊池寛*3(1888〜1948年)は「長時間に亘つて死を覚悟し、然もそれを最期まで持ち続けてゐた」と激賞している。

 九軍神を褒めるなんてまともな行為じゃない。
 この菊池発言、常識人には「戦時中は文藝春秋社長として国といろいろしがらみがあった*4のかもしれないが言論人として許される発言じゃないよね、菊池も晩節を汚したね」と否定的にしか評価できないでしょう。菊池の遺族や「菊池が創業者の」文藝春秋社にとっても今となっては隠したい不名誉な話でしょう。
 この菊池発言を褒めるのは「金儲けのうまい竹下さん*5を総理にしよう!」という日本皇民党の褒め殺しといい勝負です。
 しかし「九軍神を褒めるとはさすが、菊池は日本を代表する作家だ」と「菊池への嫌み」ではなくマジで褒めてしまうんだから産経の非常識さは、まさに底なし沼です。

 (注:昭和天皇が)訪れた寺は境内で戦災孤児を養っていた。陛下は笑みをたたえ、子供たちに腰をかがめて会釈し、声を掛けて回られた。しかし、最後の部屋では身じろぎもせず、厳しい尊顔になる。一点を凝視しお尋ねになった。
 「お父さん、お母さん?」
 少女は2基の位牌を抱いていた。少女は「はい」と答えた。陛下は「どこで?」と、たたみ掛けられた。
 「父は満ソ国境で名誉の戦死を。母は引き揚げ途中で病のために亡くなりました」
 「お寂しい?」と質された。少女は語り始めた。
 「いいえ、寂しいことはありません。私は仏の子です。仏の子はお父さんお母さんと、お浄土に行ったらきっとまた会うことができるのです。お父さんに、お母さんに会いたいと思うとき御仏様の前に座ります。そして、そっとお父さんの、そっとお母さんの名前を呼びます。すると、お父さんもお母さんも私の側にやってきて抱いてくれます。だから寂しいことはありません。私は仏の子です」
 陛下は少女の頭を撫で「仏の子はお幸せね。立派に育っておくれよ」と仰せられた。

 まあ、言葉もないですね。戦災孤児の少女も「本気で」寂しくないと思ってるわけではないでしょう。俺なんかこんな「大人に吹きこまれたような事」言うより感情むき出しで泣きじゃくってくれた方がよほど救いがあると思いますね。
 昭和天皇は果たしてどう思ったんですかね。彼がどう言い訳しようとこの少女の悲劇を生み出した「外道の一人」が昭和天皇です。呆れるのはこれを美談にしてしまう産経の感覚です。


■中国主席をバチカン招待か 法王が親書と伊紙報道
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140922/chn14092222350007-n1.htm

 イタリア主要紙コリエレ・デラ・セラは、ローマ法王フランシスコが中国の習近平国家主席バチカンに招待したいとする親書を非公式ルートで送ったと報じた。バチカンと中国は国交がなく、これまで法王はカトリックへの弾圧が深刻な中国に対し、関係改善に向けた早期の対話再開を呼び掛けていた。
 親書について、バチカンのロンバルディ報道官は22日、共同通信の取材に「コメントできない」と答えた。

 同じ宗教家でも「中国との対立を深めるダライ」と違ってフランシスコ猊下は「是非はともかく」現実主義者のようです。
 まあ、「ダライが中国に下手に譲歩したら政治力の差で完全に潰される危険性がある」のに対し、そこまでの危険性はフランシスコ猊下にはないてのもこうした出来事の背景にはあるでしょう。
 ダライ信者がどんなに「ダライは偉大」と言おうと「知名度、政治力、財力」など全てローマ法王の方が段違いで格上でしょう。
 一方「ちょっとやそっとの譲歩では中国は政治力のないダライなんか多分相手しない」のに対し「政治力のあるフランシスコ猊下なら少しの譲歩でも中国が応じてくれるかもしれない」てのもこうした出来事の背景にはあるでしょう。
 いずれにせよ「政治力のあるフランシスコ猊下」だって中国相手に「対立路線」なんかとらないのだから「ダライも対話路線しかない」でしょうが「政治力がないので無視される」と言う辺りがダライにとって頭の痛いところです。だからといって「政治力をつけたい」とばかり安倍など日本ウヨにすり寄るダライの態度は下劣で俺にとっては許せる物ではありませんね。まあ、「そんなことしてもダライに何ら政治力がついてない」と言うのも滑稽ですが。とかいうとMukkeさんとかI濱女史とかチベットキチガイは怒り出すんだろうな。


■過去最大200人の訪中団が北京に到着 日中経済協会
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140922/biz14092217030008-n1.htm

 日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車名誉会長)の訪中団が22日、中国の北京に到着した。訪中団は張会長を団長に据え、経団連榊原定征会長をはじめ過去最大規模の200人を超える経済界の首脳や幹部らが参加した。 
 27日までの日程で中国政府高官らと、経済関係の強化や環境問題の協力に関し意見を交換する。
 訪中団は中国の習近平*6国家主席李克強*7首相との会談を求め、中国側と最終的な調整をしている。

 遅すぎる気もしますが財界も現状に危機感を抱き公然と「安倍流反中国外交」への「事実上の批判」を始めたわけです。産経なんかこういうのはすごく不愉快なんでしょうけどね。


【追記】
■自民・三原副幹事長ら24日から訪中 谷垣氏訪中も視野
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140920/stt14092010310004-n1.htm

 自民党三原朝彦三ツ矢憲生*8の両副幹事長が24日から3日間の日程で、中国を訪問することが20日、分かった。中断している政党間交流を再開することで、冷え込んだ日中関係の改善を目指す。自民党谷垣禎一*9幹事長の訪中に向けた地ならしともいえそうだ。
 三原氏らは中国共産党王家瑞*10対外連絡部長と25日にも会談する方向で調整を進めている。

 自民党サイドでもさすがにこうした財界の意向は無視できないのでしょう。成果があるかどうかはわかりませんけど。

*1:今時大東亜戦争かよ

*2:戦死とはっきり書かない点が実に産経は卑劣です。なお戦闘参加者は10人おり1人(酒巻和男)は捕虜になりましたが、当時の日本は「捕虜になるくらいなら死ね」と言う時代だったので酒巻の存在は隠蔽されました(ウィキペ「酒巻和男」参照)

*3:ジャーナリストと言うより「作家」「文藝春秋社創業者」「芥川・直木賞創設者」だと思います。

*4:戦争が激化すると雑誌や本を作るのに使う紙は配給制になります。

*5:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*7:河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*8:福田、麻生内閣財務大臣政務官、第二次安倍内閣外務副大臣を歴任

*9:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相などを歴任

*10:青島市長、中国共産党対外連絡部副部長などを経て現在、対外連絡部部長