今日の産経ニュース(5/12分)(追記・訂正あり)

■【総連トップ次男逮捕】反発も協議から降りられぬ北朝鮮 ひとつの“圧力”
http://www.sankei.com/world/news/150512/wor1505120047-n1.html
 産経は「北朝鮮が追い詰められてるからおりられないんだ」といいたがりますがそういうことじゃないでしょう。もちろん北朝鮮は左うちわじゃない。左うちわなら「日本はふざけるな」と言ってとっくの昔に交渉からおりてるかも知れない。ただそれは「産経の言うような」追い詰められてる、と言う話じゃない。
 北朝鮮が「協議を今のところおりない」のはそういうことではなく「安倍の真意が読めないから」でしょう。俺も読めませんが。「総連本部の転売」について言えばアレは明らかに安倍の政治工作でしょう。であるなら安倍は交渉したいのか?。交渉を進めるために小泉政権のように何かお土産を用意しているのか?
 そこが読めないので協議をおりないだけであって「安倍は交渉する気はないんだ」と理解したらいつだって北朝鮮は交渉からおりるでしょう。


■【総連トップ次男逮捕】総連本部への家宅捜索見送り 「拉致協議継続の余地残された」
http://www.sankei.com/politics/news/150512/plt1505120020-n1.html
 面白い記事タイトルだと思います。「家宅捜索が見送られた*1ことにより協議継続の余地が残った」と語った政府関係者が誰かは分かりません。分かりませんが彼は「日本は協議を潰す気はない、だから今後も日朝協議を続けよう」と北朝鮮にアピールしたいのでしょう。彼が言うように協議が挫折などせず今後も継続して欲しいものです。


■米国務長官プーチン大統領と会談へ ウクライナ危機後、初の訪露
http://www.sankei.com/world/news/150512/wor1505120006-n1.html
 対ロシア制裁しててもらちが明かないのでついに直接交渉に乗り出したと言う事でしょう(天安門事件での対中国制裁時と同様おそらくロシアと商売したい米国企業もあるのでしょうし)。いい結果が出ることを望みます。


■【正論】自立的外交で国際秩序の確立を 学習院大学学長・井上寿一
http://www.sankei.com/column/news/150512/clm1505120001-n1.html
 産経文化人らしい駄文です。こんなんが学習院学長かと思うとがっかりします。

1955年4月インドネシアのバンドンで開催されるアジア・アフリカ会議に日本も招請される。

 バンドン会議の主役の一人は「周恩来・中国首相」であり当然「日本招待」には「消極的であれ」「事情が何であれ」、周が「中国国内にあったであろう招待反対論を抑え込み」一応OKを出したわけです。小生なんぞは「周という男はやはりただ者ではない」と思いますがもちろん産経記事ですのでそう言う事書きません。

ほどなくして中印主導のバンドン平和宣言のメッキは剥がれる。4年後に両国が国境地帯で軍事衝突を引き起こしたからである。1962年には本格的な国境紛争に発展する。「非同盟・中立」の理想は地に堕(お)ちる。

 やれやれですね。産経が「1961年の非同盟諸国首脳会議」を見事に無視してるのには唖然とします。この会議、「3年のスパン」で開催されており現在も続いています(一番新しいのが2012年の第16回会議)。今年は2015年ですので今年は会議が開催されるのでしょう。
 もちろん「非同盟運動」をどう評価するかと言う問題はあります。適切な評価は難しいでしょうが、産経のように1961年の非同盟諸国首脳会議を故意に無視し「中印対立で非同盟運動は終わった」かのように描き出すのは矮小化にも程があります。

 差し迫っているのは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)よりもアジア開発銀行(ADB)の方が魅力的であることをどのように発信するかである。

 本当に産経って中国が嫌いなんだなと改めて思います。
 まあ、それはともかく、「AIIBなんか失敗する」と主張する産経記者・田村秀男などとは違い、素直に「AIIBの脅威」を認めてる辺り興味深いところです。

*1:少なくとも建前では警察にとっても総連側にとっても「見送ったわけではない」でしょうが。警察は「まだ証拠固めの段階」ということでしょうし総連側は「そもそも無関係なんだからそんな証拠が出るわけない」ということでしょう。