今日の産経ニュース(10/12分)ほか(追記・訂正あり)

■産経『訪韓中の大島*1衆院議長*2が韓国議長と会談 慰安婦問題めぐり日本に要求も』
http://www.sankei.com/world/news/151012/wor1510120048-n1.html
■TBS『公明・山口*3代表が韓国大統領と会談、安倍首相の親書手渡す』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2607668.html
 さすがの安倍政権も「このままいつまでも日韓首脳会談ができないとやばい」と思い始めたのか「大島衆院議長&公明党・山口代表」が訪韓だそうです。ただし懸案問題(靖国慰安婦竹島など)で「韓国が納得するお土産」がなければ話にならないわけで、それができるかが問題でしょう。その辺り残念ながら非常に疑問だと思います。うがった見方をすれば「訪韓したのに韓国が誠意を評価してくれなかった」と居直るための訪韓か?、とすら思います。


■産経『【経済インサイド】中国人の「爆買い」で銀座の免税店戦争が激化! 三越は空港型免税店をオープン 韓国ロッテも参戦』
http://www.sankei.com/premium/news/151012/prm1510120007-n1.html
 内容は普通の経済記事です。別に反中国ではない。むしろウヨのアンチ中国がいかに非現実的かが改めてよく分かります。
 ちなみにこの種の記事に最近良く出てくる「インバウンド消費」と言う意味がわからなかったのでググったら

インバウンド(ウィキペディア
・外国人旅行者を自国へ誘致すること

だそうです。「だったら外国人観光客の消費でいいだろうが!」「もっと平たく言えば爆買いだろ?」「むやみに外来語を使うな!」と憤りを覚えるのは俺がオッサンで「新しい外来語を覚えるのが面倒臭いから」です。


■産経『【編集日誌】「南京事件」検証します』
http://www.sankei.com/world/news/151012/wor1510120017-n1.html
・まあ、今後、産経によってされるであろう「検証、反論と言う名前の手垢のついたデマの垂れ流し」には俺に可能な範囲で突っ込む予定です。手持ちの『南京大虐殺否定論13のウソ』(1999年、柏書房)や■『南京事件日中戦争 小さな資料集』(http://www.geocities.jp/yu77799/)など「既に出版済みの書籍」「既にネットに存在する南京事件否定論批判」で簡単に論破できるレベルが多いだろうなとは思います。今回の「毛沢東」云々は見事にそうですから(後で触れますが)
・「蒋介石秘録」(1970年代に産経に連載、後に単行本化)で南京事件の存在を認めていたくせに産経も良くこんなデマカセがはけるもんです。結局「1970年代当時、日本ウヨと蒋介石(台湾政府)との間に存在した友好関係上、渋々、南京事件の存在を認めた」ので、次第に「本当は南京事件なんか認めたくない、否定したい」と言う本音がだだ漏れになるわけです(たぶん台湾の国民党政府も産経の南京事件否定論には「我が党の蒋介石氏を嘘つき呼ばわりする暴挙」と内心憤激してるでしょう)。
 とはいえ「蒋介石秘録」の「南京事件」記事を否定すると「産経は蒋介石(台湾政府)の主張を鵜呑みにして、南京事件が実在したというデマ記事を書いた」ということになってしまうので「蒋介石秘録の南京事件記事はなかったことにする(外部からの指摘がない限りすっとぼける)」という卑劣きわまりない産経です。

参考
■産経愛読者倶楽部『産経新聞・住田良能社長は南京「40万人虐殺」を取り消せ』
http://d.hatena.ne.jp/sankeiaidokusya/20110220/p1
■誰かの妄想・はてな版『「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120226/1330258512
■日の本の下で『産経新聞は歴史戦をするなら『蒋介石秘録』の南京事件の記述に対する総括をするべき!』
http://blog.goo.ne.jp/nippondaisuki/e/5d7ffa2be7ae3ff5354a782153dc4706

 毛沢東は日本軍の南京入城から半年後の講演で、日本軍について「包囲は多いが殲滅(せんめつ)は少ない*4」と指摘したそうです。つまり「大虐殺」などはなかったと認識していたわけです。

 これについては小生が持っている『南京大虐殺否定論13のウソ』(1999年、柏書房)でも指摘がありますが、この毛沢東発言の時期と場所を考える必要があるでしょう。
 発言の時期は「産経が言うように」事件発生(1937年12月)から約半年後の1938年5月、場所は当時、毛沢東が拠点を置いていた延安です。もちろん延安は「南京から遠く離れてる*5」し、当時は今と違って電子メールやFAXなんて便利なもんはないわけです。情報はどうしても正確には伝わらない。
 要するに毛発言は「情報が不十分な状況での発言」であり、こんなことで「南京事件がなかった」というのは「大本営による虚偽の日本軍勝利の戦果発表」や「その発表を信じていた太平洋戦争当時の日本人の発言」を元に「これを見ろ、日本軍は米軍と互角の戦いを繰り広げていたんだ」と強弁するくらい酷い詭弁です。全く産経には「お前はブラジルの勝ち組か?」と言いたくなります。
 またこの毛発言は「日本軍と闘う中国人を励ます」という目的がおそらくあったであろうことに注意すべきでしょう。そう言う「戦意高揚(?)」目的において「日本軍恐るるに足らず」的な話がされることは「是非はともかく」人情として自然なことですし、そういう発言の背景を無視して「南京事件否定論にこじつける」などとんでもない話です。

参考
■『中国共産党は知らなかったか』
http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/gunshu.html


■産経『【久保田るり子朝鮮半島ウオッチ】反人権も反民主主義もウェルカム? 潘国連総長は超ドメスティック』
http://www.sankei.com/world/news/151012/wor1510120006-n1.html

 潘基文氏は、反人権・反民主主義・反日の式典、中国の抗日戦勝70年に参加したことで、国連を自国の反日主義に利用した「韓国式事大主義者の事務総長」という異名を残すことになった。

 式典には、朴・韓国大統領、プーチン・ロシア大統領、フランスやイタリアの外相など世界各国の要人が出席したのに何をほざいてるんでしょうか。つうか「抗日戦争勝利記念式典」の何が「反人権・反民主主義・反日」だか、さっぱりわかりません。
 「主催者の中国は反人権、反民主主義、反日だから」というなら「北京五輪(2008年)」、「上海万博(2010年)」なども「反人権・反民主主義・反日の式典」になってしまうが、そういう馬鹿な事を産経は言うのか。
 式典それ自体には「反人権・反民主主義」なんてもんは何もないでしょう。
 反日が「戦前日本への反対」を意味するならその通りですが
1)「抗日戦争勝利記念式典」がそう言う性格になるのは当たり前
2)日本政府は建前では戦前日本の侵略戦争を否定している
のだからこれまた問題なんかない。あの式典を反日呼ばわりするのは「日本は今も戦前日本の侵略戦争を美化、正当化してる」と宣伝するに等しい愚挙です。
 「超ドメスティック」なのはパン総長ではなく「国際社会に通用しない戦前日本の侵略戦争正当化」をする産経ら日本ウヨの方です。

*1:村山内閣環境庁長官森内閣文相(科学技術庁長官兼務)、小泉内閣農水相自民党国会対策委員長(第一次安倍、福田、麻生総裁時代)、幹事長、副総裁(谷垣総裁時代)などを経て衆院議長

*2:党籍離脱慣行がある衆院議長がこういう事をやるのは「議長の中立性」に反する気がします。ただし「それなりの大物議員で訪韓しても、ウヨの反発が少ない人間」「そして韓国が受け入れてくれる人間」といったら大島氏くらいしかいないのでしょうか。

*3:公明党参院国会対策委員長参院政策審議会長、政務調査会長を経て代表。

*4:そもそも殲滅とは「虐殺に限定されない」ので本当に「包囲したのに殲滅が少なかった」ら「中国軍の装備の方が劣っていた」わけですから「当時の日本軍が無能だった」ということになるのですが、そんなことは無視するいつもの産経です。

*5:国民党軍の攻撃をかわすためのいわゆる「長征」で最後にたどり着いたのが延安ですから「遠く離れてる」のはある意味当然です。