今日の産経ニュース(10/19分)(追記・訂正あり)

■中国GDP低水準 日系企業の中国事業縮小、関連倒産に拍車 日本への影響じわり
http://www.sankei.com/economy/news/151019/ecn1510190025-n1.html

 第一生命経済研究所の熊野英生氏*1は「中国の景気悪化が(注:日本企業の中国)現地法人の販売減につながり、その販売減が日本からの輸出減に直結している」と分析している。大和総研の試算では、対中国輸出が半年間で1割減少すれば日本の名目GDPは5220億円減少する。

 中国の景気停滞が日本にとって笑えない事態になりつつあります。さすがに産経でも経済記事はそれなりにまともです。


■【世界記憶遺産】南京事件登録で中国は周到に準備 日本挽回できず 「すべてが遅すぎた…」
http://www.sankei.com/politics/news/151019/plt1510190002-n1.html
 そもそも南京事件の存在を「日本は公式見解として認めている」のに何をどう挽回するんでしょうか。
 「自国の負の歴史」が登録されたことを「おめでとうございます、中国さん」と祝えとは言いませんが、「南京事件の実在を認めてる」以上、本来「登録が気にくわない」と言える立場では日本はないはずです。どう見ても産経や安倍政権の態度は「南京事件否定論」でしかありません。
 そしてそう言う馬鹿な事を言うからロシアに「日本がそういうことを言うなら我慢せずに俺たちも言わせてもらう。日本のシベリア抑留関係資料申請には我々は反対だ、早く取り下げて欲しい」なんて言われるわけです。まあ、安倍や産経にとっては「日本の要求はきれいでロシアの要求は汚い」ですから、安倍や産経は自分らの愚かさについて何の矛盾も感じないのでしょうが。

中国は昨年3月末までに「南京大虐殺文書」と「慰安婦関連資料」の登録を申請。以来、IACの下部組織のアジア太平洋地域委員会や、IACに大きな影響力を持つ登録小委員会に「相当な攻勢をかけていた」(日本政府関係者)。

こんなのは「日本が今回記憶遺産登録を認められた、シベリア抑留資料や東寺百合文書」「日本が過去に登録してもらった原爆ドーム、富士山などの世界遺産」だって同じ事でしょう。日本も当然、関係者に「相当な攻勢をかけていた」でしょう。
 贈収賄に当たる不適切な行為ならともかく中国のどこが非難に値するんでしょうか?

*1:著書『本当はどうなの?日本経済:俗説を覆す64の視点』(2012年、日本経済新聞出版社)など