今日の産経ニュースほか(10/18分)(追記・訂正あり)

■人民日報『習主席を「最高級のおもてなし」で迎える英国』
http://j.people.com.cn/n/2015/1020/c94475-8964425.html

・ロンドン中心部ピカディリーサーカスにある大型広告スクリーンには、「習近平・中国国家主席の訪英を心から歓迎する」というメッセージが表示された。
・16日、英女王エリザベス2世の公式ツイッター上で、4件連続してツイートが発せられた。これらのツイートでは、中英両国の友好関係史、1986年のエリザベス2世中国訪問、2005年の胡錦涛主席(当時)の英国訪問、2015年の英ウィリアム王子の中国訪問における素晴らしい時間を振り返っており、これによって今回の習主席訪英ムードが大いに盛り上がり、期待値も最高潮に達した。

 ということで「中英友好ムード」が高まっているようです。


■産経『【習近平訪英】中国メディア「中英関係の黄金期のはじまり」 バッキンガム宮殿で歓迎式典』
http://www.sankei.com/world/news/151020/wor1510200039-n1.html

 英国では20日、鉄鋼会社の1200人が失業し、中国製鉄鋼のダンピングに批判が集中。

 ということで英国国内での中国批判もメインは「人権問題」と言う話ではなくやはり「メシの問題」のようです。


■産経『中国、英原発に3割超出資 欧米への国産炉導入狙う』
http://www.sankei.com/economy/news/151020/ecn1510200018-n1.html

 英紙フィナンシャルタイムズ(電子版)は19日、フランス企業主導による英国内での原発建設計画で、中国が33・5%を出資し、数十億ポンドを負担する方針だと伝えた。巨額出資を契機に欧米初となる中国製原子炉を英国の別の新設原発に導入させる狙いがある。
 原発への出資は訪英中の習近平国家主席による最大の商談案件と注目を集めており、21日に発表される見通しという。
 原発は英南西部サマセット州ヒンクリーポイントに2025年に完成予定で、総投資額は240億ポンド(約4兆4千億円)と見込まれている。中国広核集団と中国核工業集団の国有2社が出資し、建設はフランス電力公社(EDF)が担う。
 原発計画は資金繰りを理由に大幅に遅れていたが、中国の出資で大きく前進することになる。

 産経の思惑とは違い中国のヨーロッパでの存在感は大きくなるばかりのようです。


■産経『習近平氏、「中英蜜月」狙い経済攻勢 英王室は「国賓待遇」で異例の歓待』
http://www.sankei.com/world/news/151018/wor1510180024-n1.html

 報道によると、習氏夫妻はエリザベス英女王の国賓としてバッキンガム宮殿に宿泊。ウィリアム王子*1による先の訪中に同行しなかったキャサリン妃も習氏を歓迎する晩餐会に出席する。異例の歓待ぶりは、欧州の経済が停滞する中、英国が中国の経済力に期待している表れといえる。
 また今回、南西部ヒンクリー・ポイントと東部サイズウェルで新設される原発への巨額投資を中国が確約する見返りに、英国は欧米初となる中国独自の原発建設の導入を認めるという。新高速鉄道(HS2*2)建設でも中国企業の参入や投資を呼び込みたい考えだ。
 中国の対英投資は、今後10年間でエネルギーや運輸などの分野を中心に総額1440億ポンド(約26兆円)に上るとの試算もある。

 中英蜜月に不満たらたらの産経です。


■産経『憲法学者と教科書−共産党の長期戦略は背筋が凍るほど怖ろしい…』八木秀次(麗澤大教授)
http://www.sankei.com/politics/news/151016/plt1510160046-n1.html
 むしろ八木のようなバカが
1)「右翼大学(麗澤大学)」とはいえ大学教授をやってること
2)総理・安倍が八木と同レベルの極右だからとは言え政府審議会委員(教育再生実行会議委員)になってること
の方が「背筋が凍るほど怖ろしい」ですね。

 憲法学者はなぜこんなに安保法制関連法案に反対なのかとよく聞かれるが、彼らの思想的背景を知れば納得がいくかと思う。学者が学問的信念をもって反対しているというよりは、学生時代から共産党系の政治運動をしていた活動家が数十年後に学者の肩書で反対していると考えた方が正確だ。

 たとえば安保法批判派の一人、小林節氏のどこが共産党系なんですかね(もちろん共産党支持の学者はいますが、安保法反対の学者が皆そうだなどという事実はどこにもありません。小林氏のような人は八木に抗議してもおかしくない)。むしろ、八木や百地章らウヨ連中の「憲法学」こそが「学生時代から右翼系の政治運動をしていた活動家が数十年後に学者の肩書で右翼活動を継続していると考えた方が正確」でしょう。八木のこの文章はまさに「問うに落ちず、語るに落ちる」という代物でしょう。

 大学で毎年何百人という学生に自分たちの考えを吹き込めば、中には感化される学生も出てくる。

 ばかばかしい。学者を侮辱し、生徒や世間をバカにするにも程があるでしょう。
1)「護憲派憲法学者」は「政治活動を学問の名で偽装する活動家」
2)「生徒や世間」は「政治活動を学問の名で偽装する行為を見抜けないバカ揃い」
と八木が見なす根拠はどこにもありません。つうかこれまた八木のこの文章はまさに「問うに落ちず、語るに落ちる」という代物でしょう。八木こそがそう言う「非教育的な」「政治党派的な」考えで学生に講義をしていると言う事です。

 この教科書は日本共産党の関係団体、歴史教育者協議会のメンバーである現役やOBの教員が執筆している。

 そもそも「歴史教育者協議会」は「共産党の関連団体」などではありません。またメンバーだからといって勿論「この教科書の作成に歴史教育者協議会が関わってるわけでもない」*3(もちろん仮に関連団体だとして何だ、歴史教育者協議会が教科書作成したからと言ってなんだ、検定合格教科書にくだらない因縁つけるなという話でもありますが)。
1)慰安婦南京事件についてウヨを批判するので、「歴史教育者協議会」が偏見まみれの八木の眼には共産党関係団体に見えてしまうか
2)八木が故意に反共デマを流してるか
どっちにしろくだらない話です。共産党歴史教育者協議会に「事実に反する主張に対し謝罪を求める」と抗議されても文句は言えないでしょう。
 そもそも「意見に共通点がある」レベルで「関連団体認定していい」のなら「日本教育再生機構(八木が理事長)やつくる会教科書グループは日本会議の関連団体」といっても何の問題もないでしょう。実際、日本会議関係者はつくる会や再生機構の役員をやってますし。ただそう言われたらおそらく「関連団体じゃない」と怒り出すのが八木や産経でしょう。それとも『関連団体じゃない』と言った時の「日本会議の反発が怖くて」、誰かに「関連団体だ」と言われても黙認なんですかね。

 学び舎の歴史教科書がなんと、筑波大付属駒場中、東京学芸大付属世田谷中、東大付属中等教育学校東京学芸大付属国際中等教育学校、奈良教育大付属中という国立の中学5校で、私立も麻布中、慶應義塾普通部、灘中など30以上の中学で採択されている。問題はここに名前を挙げた学校がエリート養成校であることだ。

 「だからなんだ」て話ですよねえ。そんなに「いわゆるエリート校につくる会教科書が相手にされないこと」「むしろつくる会が自虐呼ばわりする教科書がいわゆるエリート校に採択されてること」が悔しいのか。「雉子も鳴かずば撃たれまい」つうか自分の方からこういう「恥ずかしいこと」を明かすとはねえ(苦笑)。こんなん「学び舎やつくる会の教科書の採択校」を熱心にウオッチするような人でもなければ「八木が暴露しない限り」わからないことなんですが。
 学び舎関係者が「ウチの教科書は灘や麻布と言ったいわゆるエリート学校にも採用されており、他社と比較して大学受験にも対応できる教科書だと自負しています。もちろんつくる会なんて論外です(毒)」などと宣伝するならわかりますが、「八木の方から言うか?」と呆れますね。
 しかし、さすがに「麻布や灘は左翼の巣窟だ」と放言する度胸は産経にも八木にもないようです。うかつな事言ったらそれこそ麻布や灘などの反発が怖いですからね(麻布や灘に対するそういう汚い印象操作はしたいのでしょうが)。


■産経『スウェーデン性教育「日本と50年は違うかな」 川上麻衣子さん、大使館の親子イベントで熱弁』
http://www.sankei.com/life/news/151018/lif1510180037-n1.html
 産経が常日頃、日本会議統一協会といった宗教右翼とグルになって「純潔教育を主張」し「スウェーデン的な性教育」を「過激性教育」などと罵倒していることを予備知識として持っていればこの記事には「複雑な思い」がわいてくるでしょう。
 要するに産経内部にも「今時、純潔教育なんか時代錯誤」「宗教右翼と野合してる産経上層部は気が狂ってる」と言う記者はいて、そういう記者の記事がこういう形で皮肉にも出てきたと言うことでしょう。
 「イベント主催者がスウェーデン大使館」「イベント協力者が女優の川上麻衣子氏」という辺りでこの記事に対する産経上層部の「右翼的チェック」が甘くなったのかも知れません。
 最後にこの記事を一部引用、紹介しコメントしておきます。

 デビュー35周年を迎えた女優の川上麻衣子さん(49)が18日、東京都港区のスウェーデン大使館の親子イベントで、少女時代にスウェーデンで受けた性教育について語った。川上さんは同国の首都ストックホルム生まれ。トークでは、司会や参加者の質問に答えながら、「(性教育に対する意識が)50年は違う」「(早い段階で性教育を受けると)親と子のタブーがなくなる」などと北欧での生活を振り返った。
 川上さんのトークは、同大使館で17、18日に開かれた親子イベント「スウェーデン・キッズ・ウィーク2015」の催しの一つ。川上さんは1966年にスウェーデンで生まれたあと、すぐに帰国したが、9歳のときに再び同国に戻り、1年間を過ごした。トークでは、自身が翻訳した恋愛や妊娠を描く同国のベストセラー絵本「愛のほん」(ペニラ・スタールフェルト作、2001年。日本では2010年に小学館から出版)を紹介しながら、両国の性教育の意識の違いなどについて語った。
トークでの主なやりとりは以下の通り】
 「スウェーデンにいたのは小学校3年、9歳のとき。ちょうどそのときに性教育を受けたんです。教科書がすごく印象的でしたね。これ(「愛のほん」)は、性教育の本ではないんですが、向こう(スウェーデン)では年齢制限なく、本屋さんに置いてあります。でも日本では、ちょっと早すぎる、子供に直接見せるのはどうなのかなという意見が今だにあるぐらい。たぶん、スウェーデンとは50年ぐらい(意識に)差はあるのかなという気はしています。人がどう生まれるかを、スウェーデンらしくストレートに描かれてるので、大人の方にまず見ていただきたいかな」
早い段階に性教育を受けて、良かった点は?
 「9歳で普通に、教室で男女一緒に、教育を受けたんです。男の人と女の人が裸の映像がスライドで流れて、教室中が大パニックで、大喜びだったんですけど(笑)。スライドの実写で、出産のシーンを一気に見せられるんです。お母さんがおなかが大きくなって、何カ月かたって、病院で出産するシーンが、その日の授業の最後でした。子供にとっては本当に衝撃的で、最初きゃあきゃあ騒いでいたのが、しーんとなって。その日は、学校から帰ると、親に質問攻めでしたね。分からないことだらけで」
「セックスに関する質問よりも、出産のショックのほうが当時は大きくて。そのことを、すごく親に聞きました。結果的に性教育がいいか、悪いかは分かりませんけど、親子の関係で、そのぐらい小さいときには、まず親に聞くんです。親とタブーがなくなるというのが、結果的には(いいのかなと)。思春期になったときに、母にも父にも、分からないことは性的なことも聞いてました。そういう関係ができるという意味では、早いほうがいいのかなと思いますね」

 もちろん「川上さんが受けたという小学生向け性教育」は「中学生向け」「高校生向け」などとは違い、「年齢に配慮したもの」でしょうが普段の産経なら「どんな形でアレ、小学生に性教育なんて!」でしょうね。既に指摘しましたが「イベント主催者がスウェーデン大使館」「イベント協力者が女優の川上麻衣子氏」という辺りでこの記事に対する産経上層部の「右翼的チェック」が甘くなったのかも知れません。

スウェーデンに戻ったときに一番強かった印象は?
 「規律の厳しい日本から、自由な国に行ったので、とても楽でした。逆に日本に帰ってきたときのほうが、つらかったですね。なんで朝礼があるんだろうとか、みんな同じ時間に集まって学校で歌を歌わなきゃいけないんだろうとか。スウェーデンでは全然、自由でしたね。ジュース飲みながら、リンゴをかじりながら、授業を受けてましたから」

 これまたいつもの産経なら「規律正しい日本のすばらしさが分からないなんて」と川上さんに悪口雑言でしょう。

*1:チャールズ皇太子の長男

*2:ウィキペディアに寄れば「ロンドン−バーミンガム間(約190キロ)」に建設予定

*3:事実、八木も「歴史教育者協議会の製作だ」とは言ってません。汚い印象操作をしてるだけです。