今日の産経ニュース(10/29分)(追記・訂正あり)

■中国がメルケル独首相を“爆買い”で歓待 エアバス130機購入
http://www.sankei.com/world/news/151029/wor1510290037-n1.html

 中国の李克強首相は29日、北京の人民大会堂でドイツのメルケル首相と会談した。中独は欧州航空機大手エアバスの旅客機130機の売買契約を締結。11月2日にはフランスのオランド大統領が訪中する予定で、欧州主要国首脳の中国詣でが活発化する中、中国側が“爆買い”で歓待している。
 中国国営新華社通信によると、李氏は「我々はドイツから進んだ技術と発想を学ぶ必要がある」と持ち上げ、「中国はドイツにとって巨大な市場になる」と述べた。その言葉を裏付けるように、中国の航空会社はエアバス「A330」30機と「A320」100機を購入。総額約170億ドル(約2兆円)に上る大型契約だ。
 両者は中独企業による長江の大規模ダム建設計画などの協力事業に合意したほか、中国が主導して年内に設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)や、人民元の国際化などについて話し合った。メルケル氏は会談後、「中国経済の発展を信頼している」と強調。中国と欧州連合EU)の自由貿易協定(FTA)の前提となる投資協定を2016年に締結する意向を示した。
 メルケル氏の訪中は昨年7月以来で、8度目を数える。「戦略的協力パートナーシップ」の強化で中国側と一致しているドイツだが、今回の訪中は、先の習近平国家主席の訪英で、英国が総額400億ポンド(約7兆4千億円)の契約を結んだことに刺激された可能性が指摘されている。

 先日の中英友好に続く、中独友好です。今後は「オランド大統領訪中」による中仏友好も予定されてるそうです。「中国の軍門に下った英国」と罵倒していた産経の願いも空しくドイツやフランスも中国との友好ムードです。
 でも「英国やドイツ、フランスに霞を食えとは言えない」から仕方ないですよね、id:Mukkeさん(勿論皮肉のつもり)。


■【産経抄】ONE PIECEの問いかけ
http://www.sankei.com/column/news/151029/clm1510290004-n1.html

「俺は仲間たちと一緒にいて、みんなに助けてもらわないと、生きていけない自信がある」。
 ルフィのセリフは、中国の脅威に対して、単独ではとても対処できない国々にも当てはまる。

 おいおいですね。ワンピースは別に中国批判が目的でもないでしょうに変なこじつけをされては作者も迷惑でしょう。どうも「海でのもめ事つながりで連想」という無茶苦茶な話のようです。
 ワンピースでの主人公ルフィの敵役「海軍」と「中国海軍や米国海軍など」は何のつながりもないのですが。


■【正論】中華の「ストーリー」に打ち勝て 筑波大学大学院教授・古田博司
http://www.sankei.com/column/news/151029/clm1510290001-n1.html
 いつもながら読んでて「は?」が何度も俺の脳内に出てくる酷い文章です。

歴史にストーリー性があると信じているのは、一部の国の人たちの個性によるのである。

 おいおいですね。「ある種のストーリー性」で歴史を説明するのは古今東西良くあることだと思いますが。
 つうか「皇国史観」「共産主義の敗北(つうかソ連東欧の崩壊)はある種の必然」「大東亜戦争のおかげでアジアが独立した(産経)」などというウヨの主張だって、「ある種のストーリー性」じゃないですか。
 もちろん「大東亜戦争のおかげでアジアが独立した」というストーリーは全くのデマですが。

E・H・カー*1という英歴史学者の本など、ただ事実の羅列が続くだけ

 さすがに「事実の羅列だけ」では歴史は描けないでしょう。「何らかのストーリー」が背景にはあるでしょう。

歴史好きならば、他方ドイツは自らのストーリーでまた頭から落下するだろうと予知するのは、至極当然のことではないか。

 「自分から頭から落下」の意味がわからないですね。「ヒトラードイツという悲劇」を経験したドイツはまたああ言うような悲劇を自分から選択するかも知れないとでも言うのか。もしそうなら「論理性がない*2」と言う意味でも「ドイツに失礼」と言う意味でも呆れます。

中国には、中国共産党も認めているように古代と近代しかない。

 おいおいですね。共産党が認めてるのは「清朝は欧米列強と比べ遅れていた、だから侵略された」ということであってそれは「清朝は古代だった」「中華民国から近代」などという話ではありません。

隋・唐は鮮卑族、元はモンゴル族、清は満州族の王朝で、漢民族の王朝など宋と明の2つしかない。

何が言いたいんだかよく分からないですね。それがどうかしたのか。

「1億総活躍社会」はマヤカシではない。庶民が見てもウソだとわかる。

 何が言いたいんだかよく分かりません。産経で安倍批判が出てくるというのは実に意外ですが。

*1:著書『ロシア革命レーニンからスターリンへ、1917〜1929年』(2000年、岩波現代文庫)、『コミンテルンとスペイン内戦』(2010年、岩波モダンクラシックス)など

*2:言ってることは「中国でまた文革が起こるかも」「カンボジアでまたポルポト虐殺のようなことが起こるかも」程度の与太でしかない。