今日の産経ニュース(6/22分)(追記・訂正あり)

■【参院選党首討論会詳報(8)】安倍首相「与党で3分の2を衆参で取るのは100%不可能」
http://www.sankei.com/premium/news/160621/prm1606210013-n1.html
 わざわざ記事タイトルにするとは「今度の参院選で与党が2/3とったら*1改憲が現実化する」という批判を安倍も産経もよほど気にしてるようです。
 しかし「仮に2/3とっても改憲しない」といわない辺りさすが安倍です。まあ、護憲派は「2/3とることを可能なら目指してるだろ?」とこんな発言信用しませんし、一方、安倍シンパ(特に極右)はむしろ安倍の改憲路線など気にしませんし、この発言にどれほど効果があるのか疑問ですが。


■【産経抄毛沢東田中角栄*2に「日本は選挙があって大変ですね」と語った…投票所に行ける国の幸せ 6月22日
http://www.sankei.com/column/news/160622/clm1606220002-n1.html
 やたら中国をけなす産経ですが中国には党大会もあれば全人代もある。もちろん民主主義国家の選挙とは同一視はできませんが、産経が言うほど党・政府執行部が世論無視できるわけでもない。
 無視できないからこそ習主席も「腐敗撲滅」を訴えるわけです。
 改革開放によって経済が発展し、中産階級が登場したことで毛沢東時代ほど上意下達ではなくなったと見るべきでしょう。
 つうかそもそも参院選をネタに「日本政治を論じるのではなく」延々中国に悪口というのが意味不明ですが。


■【文革半世紀 第2部(3)】追放された産経の柴田記者「これは権力闘争だ」 中国の実態を壁新聞から看破  一党独裁のいまも同じことが起きる
http://www.sankei.com/world/news/160622/wor1606220003-n1.html
 「文革と同じ事」はもはや起きないでしょう。もちろん「権力闘争」と見られること*3は起こっている。
 具体例を挙げれば
江沢民*4総書記時代の陳希同(北京市長・北京市党委員会書記)の汚職問題での失脚
胡錦濤*5総書記時代の薄熙来*6重慶市長・重慶市党委員会書記)の汚職問題での失脚
習近平*7総書記時代の周永康*8(前・党中央政治局常務委員、前・党中央政法委員会書記*9)の汚職問題での失脚
などです。
 あるいはメディアへの統制もある。ただそれはトウ小平*10時代にも江沢民時代にもあった。
 今「文革」云々と言い出すことは与太話でしかありません。
 なお「柴田支局長時代はすごかったんだぜ」でこの記事で自慢する産経ですがその後「江沢民死亡」などという明らかな与太を飛ばし中国取材の能力など今はまるでないことを世間にさらしたわけです。

*1:「与党で2/3」は困難ではあるにせよその可能性がゼロとは言えない辺りが悲しいところです。

*2:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*3:もちろん「汚職の事実がない」という意味ではありません。

*4:電子工業大臣、上海市長、党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:薄一波・元副首相の息子。大連市長・大連市党委員会書記、遼寧省長、商務大臣などを経て重慶市長・重慶市党委員会書記

*7:アモイ市副市長、福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*8:国土資源大臣、四川省党委員会書記、公安大臣などを経て党中央政治局常務委員、党中央政法委員会書記。

*9:警察や検察を指揮する部門のトップ

*10:党副主席、副首相、人民解放軍総参謀長などを経て国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席