【検証・戦後70年】「学校行かなくていい。楽しそう」風化の一方で息吹き返す戦前肯定派 底知れぬ「先祖返り」の代償

 あるテレビ局のクルーが5月中旬、都内で小学生に「疎開」について、「1つの単語で表現するなら何になるか」と尋ねる取材をした。「混乱」「悲劇」といった回答がおよそ半分を占めたが、「ロマン」などの言葉を連想した人も少なくなかった。「学校に行かなくてもいいし、楽しそうだ」と答えた男子小学生もいた。
 「多くの小学生が戦争の悲惨さを理解していないことに驚いた。70年前に起きたことが風化しつつあると実感した」。取材したテレビ局の記者が感想を漏らした。
 「大東亜共栄圏」。ユートピア(理想郷)を意味する日本語を冠したウェブサイトは、太平洋戦争(大東亜戦争)を肯定する人々の心のよりどころといわれる。
 こうしたサイトに影響を受けたのか、若い世代には「戦前は日本が最も輝いていた時代」と考える者もいる。当時の日本が、強気の対米姿勢を貫いたことなどが理由とみられる。
 右派学者らは「日本が大東亜戦争を起こさなければアジアやアフリカは今も独立できなかった」と主張している。
 戦前を肯定する人間は現在の首相・安倍を支持している。メディア統制も、「権力掌握のためにはやむを得ない」といった寛容な態度を示している。
 戦前への“先祖返り”ともいえそうな現象の数々は、日本が再び大きな嵐に見舞われる前兆なのだろうか。

元ネタ
■産経【検証・文革半世紀(7)】「学校行かなくていい。楽しそう」 風化の一方で息吹き返す肯定派 底知れぬ「先祖返り」の代償 
http://www.sankei.com/premium/news/160522/prm1605220033-n1.html