参院選選挙結果について(7/11分)

 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20160710/5640158919の続きです。
 なお、今回の選挙結果が非常に残念ですが「安倍が首相になった2012年の衆院選挙」時に比べれば正直「個人的なショック」は小さいです(もちろん今後「個人的ショック」がどうなるかは、今後の政治情勢で悲観的方向にも楽観的方向にも変わりうることはお断りしておきますが。)
 2012年の衆院選時は「安倍自民大勝(119→294)・首相就任」もマジで恐怖でしたが

1)自称野党に過ぎない安倍翼賛政党・維新の会、みんなの党がそれぞれ「11→54」「8→18」と躍進。
2)民主党未来の党がそれぞれ「230→57」「61→9」と大敗
3)共産党が「9→8」と微減

ですからねえ。「石原や橋下みたいな極右が代表の党が54議席で野党第二党か」と思うと選挙直後はマジで恐怖感が半端じゃなかったですね。
 民主党はあまりの大敗に党が混乱状態だったし、未来の党は内紛を早速起こすし。期待の共産党も「奮戦したとは言え」議席減らすし。
 それに引き替え今回、お維新が躍進したとは言え2012年の「11→54」ほどじゃない。
 安倍自民勝利も悔しいですが、一方で野党共闘の成果が今回生まれた。前回2012年なんてそんなもん何もないですからね。もちろん「安倍の無茶苦茶が酷いので共闘が生まれざるを得なかった」という要素があるので手放しで喜べませんが、まあ共闘自体はいいことでしょう。
 それに願望込みですが「アベノミクスも今後はボロしか出ない」んじゃないか。安倍がダブル選挙を結局やらなかったのもそういうことでしょう。

ツイッター・ブログ紹介】
■誰かの妄想・はてな版『現職大臣2人を討ち取った点、一人区での野党統一候補をまとめた点、鹿児島県知事選を制した点は評価できる』
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20160711/1468168846
■五十嵐仁の転成仁語『改憲勢力が3分の2を上回った参院選の結果をどう見るか』 
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-07-11
■きまぐれな日々『「野党共闘」1人区で健闘も「改憲政党」参院3分の2に迫る』
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1446.html
 比較的、小生に意見の近いエントリをいくつか紹介しておきます。五十嵐氏やid:scopedog氏が割と野党連合に好意的なのに対しid:kojitaken氏はやや手厳しいですがその氏にしても野党共闘候補の健闘はそれなりに評価しています。
 なお、小生は
赤旗『鹿児島知事に三反園氏、川内原発の停止掲げる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-11/2016071102_01_1.html

五十嵐氏エントリ(http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-07-11)を読んで恥ずかしながら初めて知ったのですが、鹿児島県知事選では共産は三反園氏を支援していたようですね。

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-07-11
 これは参院選での野党統一候補として県連合事務局長が立候補する代わりに県労連事務局長が県知事選統一候補となった後、川内原発の一時稼働停止などの政策協定を三反園さんと結んで辞退した結果でした。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-11/2016071102_01_1.html
三反園氏は、立候補を表明していた「とめよう原発!かごしまの会」の平良行雄氏(県労連事務局長)との間で政策合意して候補者を一本化。

 県連合というのはおそらく連合系、県労連というのはおそらく全労連系でしょう。なお、共産の躍進が今ひとつだったことは支持者として残念ですが、今回の共闘において最大の功労者は「手前味噌ながら」やはり共産ではないか。最大ではないとしても少なくとも「かなりの功労者」ではあり、「俺の願望込みですが」今後の事を考えれば民進党も「しばらくは」共産党をむげにはできないでしょう。
 まあ、そう言う常識が民進党にない危険性も若干はありますが。

赤松健@UQホルダーアニメ化決定! ‏@KenAkamatsu
 驚いたのは、岩城法務大臣(自民)の落選です。岩城先生はマンガジャパンの新年会に来て下さるなど、ちば先生や里中先生たちとも繋がりのある方。児ポ法など国会の「法務委員会」で審議する法案は法務大臣の影響下にあるため、ちょっと安心していたのですが、もう今後はダメかも。orz

 「アホか」ですね。安倍が規制方向で動くことに本気出せば岩城の「大臣としての首」なんか速攻で飛ぶでしょうによくこういう事が言えます。いやそれ以前に「安倍が規制方向で本気出したとき」岩城が抵抗するとも思えませんが。こういうのがデュオ・マックスウェルさんが言う「妄想全開であることを隠さない」人間なんでしょう。

はるみ
‏@harumi19762015
駅前で一緒にやっている共産党の方にもっと共産党を勝たせたかったって言ったら、
「その分民進党が伸びてくれたからいいのよ。今まで民進には入れられないから共産党にまわってた分が民進党に戻っただけよ」って言ってて、仏だなって思った。

以前http://minpo.exblog.jp/土井たか子ブームの時に党が伸び悩んだとき「党の伸び悩みは問題だが、社会党の躍進は自民批判派にとって喜ぶべき事だ」と宮本顕治氏が言ったという話を「確か読んだ覚えがあること」を思い出しました。

志位和夫 ‏@shiikazuo
 参院選で、野党統一候補が11選挙区で勝利したことは、野党と市民の共闘の最初の挑戦として大きな成功です。
 共産党は、改選議席を倍増する6議席を獲得、比例で601万票、10・7%(3年前は515万票、9・7%)を獲得、重要な前進を記録しました。

 もちろん「自民大勝」をいささかも軽んじてはなりませんが一方で志位氏の言うように「一定の希望」も見られる点を指摘したいと思います。

赤旗政治記者 ‏@akahataseiji
共産党・比例得票数
2016参院選 601万
2014衆院選 606万
2013参院選 515万
2012衆院選 368万
2010参院選 356万

 参院衆院では選挙制度が違うので単純比較はできませんし、また得票数も「投票率などさまざまな要素で変わる」のでなかなか評価は難しいとは思います。しかし「俺の願望込みではありますが」少なくとも共産党に「一定の追い風」が吹いていることは否定できないように思います。

赤旗政治記者 ‏@akahataseiji
共産党は比例5議席を獲得。市田忠義*1、田村智子*2大門実紀史*3、岩渕友の4氏が当確。開票率98%で残り1名。NHK選挙情報

最終的な結果については
赤旗『共産、改選倍増6議席 比例601万票、野党統一 当選11氏に』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-12/2016071201_02_1.html
を紹介しておきます。
 

赤旗政治記者 ‏@akahataseiji
《東北は野党共闘圧倒》河北新報
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160710_71062.html

 過大評価は無論禁物ですが「安倍自民が絶対的に支持されてるわけではない」事の証明ではあるでしょう。安倍側は「自民が民進を破って最大議席だ」としてこういう事は無視するわけですが。


【新聞記事紹介】
時事通信『共産、改選3議席が倍増、志位氏「野党共闘発展を」』
http://this.kiji.is/124916955086161400?c=39550187727945729

 共産党は順調に議席を伸ばし、改選3議席を倍増させた。志位和夫委員長は10日夜、党本部で記者会見し、改選1人区で実現させた民進、社民、生活の3党との野党共闘について次期衆院選でも「発展させたい」と推進する考えを明言した。

 やたら「共産が2桁行かなかった」「野党共闘はトータルの勝利数では自民に負けてるから無意味だ」といいたがる産経ですがまあ、産経のような自民応援団でなければこれが普通の記事でしょう。
 2桁行かなくても倍増は立派な成績*4だし、野党共闘がなければ野党の議席数はもっと少なかったでしょう。
 「発展させたい」というのも当然で「野党共闘は明らかに成果を生んでる」わけです。「2000票差で競り勝った新潟の統一候補・森氏」なんかは非常にわかりやすい例です。
 そしてこうした野党共闘をすすめることによって「過大評価は禁物*5」ですが「共産党への誤解を解き」、党員や後援会員まではいかずとも「共産党に投票する」という支持者の拡大も一定程度期待できるわけです。


■【参院選・福島】落選確実の岩城光英法相が目を潤ませ…「力発揮できなかった。ご期待添えず申し訳ない
http://www.sankei.com/politics/news/160710/plt1607100203-n1.html
 大臣だから選挙に強いというわけではないのですが、通常「現役大臣」など幹部政治家については落選しては所属政党の面子が潰れるためてこ入れするわけです。しかもここは「定数1」で野党共闘候補との戦いですから、「野党共闘なんて無意味だ」と宣伝したい安倍自民にとっては明らかに「確実に取っておきたい場所」だったでしょう。
 しかし落選。今回の「自民大勝選挙」では数少ない嬉しいニュースです。
 そしてこれによって「野党共闘の威力」が示された*6し、「安倍政権が絶対的に支持されてるわけでもないこと」も示されたわけです。過大評価は禁物ですが「野党共闘で現役大臣を落選させた福島の勝利」は大きい勝利だと思います(沖縄でも現役大臣が落ちていますが、沖縄は以前から革新が強いし、野党共闘の歴史も長いのに対し、福島はそうではないのである意味福島の勝利の方が大きいでしょう)。
 まあ、産経はこういう事否定して「野党共闘は意味がない、民進議席減らしたから」「1人区は自民21、野党11で自民が勝った」などと絶叫するわけですが常識があれば「野党共闘のパワー」は明白でしょう。「意味がない」のではなく「意味があった」「野党共闘がなければもっと苦しかったろう」が全体の議席数としては、与党勝利を阻むまでには至らなかったという話です。  


■【参院選・埼玉】共産・伊藤岳氏落選 18年ぶり議席ならず
http://www.sankei.com/politics/news/160711/plt1607110048-n1.html
 残念ではありますが記者会見の時刻が「10時40分」ということに注目したい。つまりは「8時開票即全員当確」ではなく、今回は最後の3議席を巡って公明党と最後まで激戦だったわけです。
 穫れなかったことは残念ですが「この成果を次に生かして欲しい」と思うし「最後まで激戦」ということが「共産への追い風(今回はそれが足りなかったわけですが)」を示してるわけです。反共&自民応援団・産経はこうした「追い風の存在」をやはり「できる限り否定したい」ようですが。


■日経『自民、27年ぶりの参院単独過半数には届かず』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK10H6P_Q6A710C1000000/
 数少ない「喜ばしいニュースではある」でしょう。

*1:元書記局長、党副委員長

*2:党副委員長

*3:参院国会対策副委員長

*4:勿論支持者として2桁行って欲しかったですが。

*5:としつこく色々なところで書いてますがまあ、自分への戒め的なところがあります。

*6:野党共闘でなければ野党が勝てたかは疑問符がつくでしょう。