衆院で改憲派三党(自民、公明、維新)2/3という野党共闘の敗北がつらいがくじけずお互いに頑張ろう(2021年11月1日)

 開票直後のNHK予想では

衆院選、NHKが予想獲得議席を発表 - kojitakenの日記
甘利明、自民党幹事長を辞任へ - kojitakenの日記

ということで「自民大幅減、立民大幅増(NHK予想)」「甘利、石原が落選(甘利は幹事長辞任の見込み)」ということで「維新3~4倍増加」「共産苦戦」にショックを受けながらも「選挙結果を理由にした連合の反共的巻き返し(野党共闘しても成果がない!、共産と縁を切れ!)はないだろう」「岸田の責任問題になるのではないか」「朝日予想はやはり外れたか」と安心して就寝。
 衆院選挙に行ってきた(2021年10月31日)ほか(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログも「自民大幅減、立民大幅増」という前提で書きました。
 しかし一夜明けると

衆院選、維新9年ぶりの躍進は頭の痛い「ネオリベの逆襲」だ - kojitakenの日記
 おそらく、自民批判票のかなりの部分が「維新に行ってしまった」ということであり、「野党共闘」としてその点、どう打破していくかが課題でしょう。kojitaken氏も指摘していますが「自民批判」が必ずしも「新自由主義批判やハト派中韓との友好関係構築、軍縮など)」を意味しないところ(だからこその維新躍進)が辛い。
「左派的政策の限界」ではなく「過渡期」だと思うが、長く苦しい過渡期になるかもしれない - kojitakenの日記
 「連合や立民党内の右派議員」などにとっては「左派的政策の限界(共産と縁切りするにとどまらず、新自由主義的経済政策の採用を要求)」でしょうが、「社民左派」である俺やid:kojitaken氏の立場では「社民左派にとっての長く苦しいであろう過渡期」ですね。「過渡期(つまり一時的な不遇の時期)」にしないといけない。
 「連合や立民党内の右派議員」の「共産と縁切りし、もっと自民寄りになれ」という攻撃をどう乗り切って「共産を含む野党共闘」を続けていくか。
 それにしても「小泉構造改革」ですり込まれた「新自由主義イデオロギー」の洗脳はかくも強いのか、と言う気がします。
2021年衆議院選挙、自261、公32、立96、共10、維41、民11、組3、社1、無10。「野党共闘」が敗北して維新が躍進 - kojitakenの日記
 野党共闘支持の俺ですが、残念ながら、立民、共産が改選前より議席を減らしてる以上、「野党共闘の敗北(kojitaken氏)」という評価をせざるを得ないかと思います。とはいえ小選挙区において激戦区は「野党はあと一歩」であり、死票の多い小選挙区制に自民が助けられてる面は大きいと思います。
前田直人・朝日新聞社前世論調査部長、「世論調査部に数学の専門家を擁する朝日ならではの手法」と勝ち誇る - kojitakenの日記
 まあ、ただこれも「今回は結果的に当たった」にすぎず、朝日が自画自賛するほど「確実な予想と言えるのか」は疑問でしょう。他メディアだって「朝日が馬鹿にするほど」無能無力でもないでしょう。
自公維「改憲勢力」が3分の2強の議席を獲得確実orz - kojitakenの日記
 すぐに改憲が現実的な政治スケジュールに上がることはないでしょうが、それにしても「改憲派三党で衆院2/3」は頭が痛い。
某組、山本太郎が当選。立民・辻元清美は比例復活もならず落選 - kojitakenの日記
 ベテラン議員の辻元氏ですら比例復活もできず落選とは「コロナ蔓延」でも「維新人気の大阪」は全く理解できません。「彼女を評価する俺」としては辻元氏の一日も早い国政復帰を望みます。とはいえ、俺も「くだらない人間」なので「参院大阪選挙区で辰巳孝太郎氏の落選を招くようなアホなこと(当選見込みのない立民新人候補の擁立強行*1)して維新や自民を図に乗らせた政治音痴」が「辻元氏にこうしたつけを払わせる羽目になった」つう「辻元氏への否定的気持ち」があることは否定しません。
 否定しませんが、それでも彼女の復帰は望みます。 

ということで「自民微減」「立民横ばい」という

◆「立民苦戦」という朝日予想が正しかった
◆岸田が『信任を受けた、勝利した』とおそらく主張する
◆維新や産経がどや顔する
 早速、衆院選 自民単独で安定多数 立民「共闘」不発 - 産経ニュース【主張】岸田首相の続投 安定勢力で成果を挙げよ 対中抑止に本腰を入れる時だ(1/2ページ) - 産経ニュースと言う記事を書く産経です。
◆河野が『反共演説*2に問題など無かった』と居直る
◆枝野代表引責辞任を求め、後釜に野党共闘反対派をつけようとする連合や立民党内の右派議員の巻き返しが危惧される
 枝野代表、福山幹事長ら「立民執行部」が辞任すべきかどうかは「立民党内の問題」なので部外者の俺は何も言いません。但し「野党共闘が間違っていた→野党共闘は辞める」などという総括をするようなら、それは間違っています。勿論、それを許すと「自民高笑い」なので何とか阻止しないといけない。
◆学術会議問題(任命拒否正当化)やモリカケ、桜問題(調査拒否正当化)などでの「安倍、菅路線の踏襲」が続く
◆自民支持層の俺の両親がテレビを見ながら露骨に喜んでる
→今回の選挙に限らず、もはや何を言ってもケンカになるだけだし、子どもとして親とケンカしたくないので基本的には何も言いません。何せモリカケ、桜ですら「アベノミクスの功績が大きい」「民主党政権鳩山首相故人献金疑惑ガー」などで擁護する連中です。

という「野党共闘支持層(俺もその一人ですが)にとっては悲しむべき結果」です。
 共産支持者の俺にとっては「共産も12から10と議席減」という点でも悲しい。何とか現有は維持したかった。
 「コロナの終息」が自民に利したという面もあるのでしょう。もちろんそれを読んでの岸田の選挙前倒し(11月から10月に)であり、その岸田のもくろみは結果的には成功しました(とはいえ冬に第六波が危惧されていますが)。また「甘利、石原落選(石原については比例復活もできず)」を除けば激戦区で「勝利し切れなかった面」も大きいでしょう。
 衆院選挙に行ってきた(2021年10月31日)ほか(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログを今更書き直すのも面倒なのでこちらに新たに書きます。
 衆院選挙に行ってきた(2021年10月31日)ほか(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログは「10/31のNHK予想(自民大幅減、立民大幅増)」を前提にしているため「一部実体に反すること」をお断りしておきます。この記事で修正が係ってると思って下さい。
 まあ、一番言いたいことはこの記事のタイトルにつきますね。
 「改憲派三党(自民、公明、維新)で衆院2/3で再び改憲の危機が浮上してしまった」。
 勿論「すぐに改憲が政治日程に上がることはない」でしょうがそれにしても頭が痛い。
 「自民がここまで巻き返す」「立民や共産がここまで苦戦する(もちろんそれでも石原や甘利の落選は野党共闘の成果として評価すべきでしょうが)」「維新がここまで躍進する」とは思ってなかったので非常にショックも受けています。そうしたショックを少しでも「和らげたい」がゆえに、ここで早速ぼやいてる*3という面が大きいですし、アンドリュー・バルトフェルドさん、id:Bill_McCrearyさんなど「常連コメンター」の(『お互い頑張ろう』という慰めの?)コメントも欲しいところですが、それはともかく。
 この選挙結果を立民支持層であれ、共産支持層であれ「野党共闘すべきでない」と考えることは適切ではないでしょう。
 「野党共闘しなければ勝てない小選挙区が多い」以上、野党共闘はせざるを得ない。野党共闘の結果が「現職幹事長・甘利の落選→幹事長辞任(比例復活ですが)」「石原派ボス・石原の落選」という大金星の訳ですし(ただそれが立民、共産のトータルでの躍進につながらなかった点は残念ですし今後の反省材料でしょうが)。「UR疑惑」という「わかりやすい問題点がある」とはいえ、はたして野党共闘せずに甘利が落選したかどうか。
 「野党共闘しなくても小選挙区で勝てるだけの体力を立民がつける(多くの選挙区では当面ありそうにない)」とか「小選挙区は捨てて比例だけに賭ける」とか適切とは思えない。
 もちろん野党共闘すると「野党共闘」による候補者一本化でしぼむ野党の比例票。「小選挙区比例代表並立制の矛盾が出てきている」(平河エリ氏)とは言い得て妙 - kojitakenの日記が指摘する「支持層の不満から比例獲得票が減る恐れ」と言うリスクはありますが、そうしたリスクは「野党共闘しながら解決する」という方向で目指すべきで「野党共闘否定」で目指すべきではない。
 なお、id:kojitaken氏は「野党共闘には無理がある、早く小選挙区制を辞めるべきだ」としますが、民主党が多数議席を有していた「民主党政権下(鳩山、菅、野田)」ならともかく*4、「小選挙区が自民にとって利益である」と認識する自民党政権下においてそれが実現する可能性は少ない。
 「小選挙区制を廃止する」には「法律を改正しなければならず」、小選挙区廃止の方向で法律を改正するには「衆参で自公が過半数割れ」していなかればならず、政権交代するしか「手がない」という皮肉な状況にあります。
 そして政権交代するには「小選挙区でも議席をとらなければならず」、現状の立民の体力では「当面野党共闘は不可避」と言う話にしかなりません。なお、俺個人も「死票が多い」小選挙区については「廃止論」であること、「野党共闘」は「しないで済むならしない方がいい(自民を利したくないが故にあえて妥協してやってる)」と言う「kojitaken氏に近い価値観」であることはお断りしておきます。
 最後に野党関係者のツイートを紹介しておきます。

清水ただし*5
 比例近畿ブロックで、日本共産党は2議席を獲得しましたが、惜しくも3議席目には届かず、清水ただしは再選を果たすことができませんでした。ご支援をいただいたみなさまに、心からお礼を申し上げます。掲げた公約の実現を目指して、これからも努力していきます。ほんとうにありがとうございました。

藤野保史*6
 (ボーガス注:北陸信越ブロックで)力及ばず、議席を失う結果となりました。本当に申し訳ありません。昼夜を分かたず、ご奮闘いただいた党員・後援会員の皆さん、ご支持・ご支援いただいた全ての方々に、心からお礼を申し上げます。これからも公約実現に向けて頑張ります。

 残念ではありますが、清水氏、藤野氏の一日も早い国政復帰を祈念しています。

有田芳生リツイート
きゆな智子 沖縄立憲民主党(りっけん)
 衆議院選挙は沖縄3区のヤラともひろ、沖縄4区の金城トオル、2名の公認候補が小選挙区•比例とも当選なりませんでした。
ご支援いただいたみなさまに感謝するとともに、ご期待に応えられず申し訳ありませんでした。
選挙結果を検証し、次につなげます。

 
 1区の赤嶺氏(共産)、2区の社民党候補が勝利したところ、他が勝ちきれなかったことは非常に残念です。
 さて立民の敗戦理由ですが、俺が「共感するところが多い(勿論異論もありますが)」

◆五十嵐仁・法政大学名誉教授
11月1日(月) めでたさも最小限の自民減―総選挙の結果をどう見るか:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ
◆kojitaken氏
立民が政策をネオリベ側に寄せていれば衆院選に負けなかったかどうかは大いに疑問 - kojitakenの日記

の意見は「近い」ように思います。そして俺個人も二人に「概ね同感」です。
 なお、id:kojitaken氏は「江田三郎社民連支持」を公言していること、一方、五十嵐氏は著書やブログにおいて「全国革新懇(共産党系の市民団体)代表世話人であること」「大学時代、民青(共産党系の学生運動)に所属していたこと(そのため、民青を敵視する極左過激派の襲撃によって片目を失明していること)」、つまり「学生時代からの共産党支持者であること」を述べていることを「公平のために(?)」念のためお断りしておきます。
 また、2016年1月には「積極的に出馬した」というよりは「共産党社民党などに出馬要請されてやむなく」のようですが八王子市長選挙に「社民、共産の支援」で出馬しています(残念ながら自公の支援する現職に敗れていますが)。
 五十嵐氏の著書も

◆『戦後政治の実像』(2003年、小学館
◆『労働再規制』(2008年、ちくま新書)

と「一般出版社からの書籍」もありますが、

◆『保守政治リストラ戦略』(1995年、新日本出版社
◆『対決 安倍政権』(2015年、学習の友社)
◆『打倒安倍政権』(2018年、学習の友社)
◆『日本を変える:「新しい政治」への展望』(2021年、学習の友社)

ということで共産党に近いとみられている左派系の出版社からの著書もあります。
 そういう意味で「五十嵐氏が共産党に対してかなり好意的(枝野にはかなり批判的ですが)」なのに対し、kojitaken氏は「共産党にかなり敵対的」という違いはあります。
 五十嵐氏の失明事件については

3月17日(土) なぜ、誰も吉本隆明の責任を追及しないのか:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ2012.3.17
 吉本の思想と言説が全共闘運動や新左翼の学生達に多くの影響を与えたということです。既成の左翼運動を徹底批判し「新左翼」の教祖的存在となったこと、全共闘世代の若者の熱狂的支持を受けたことは、当時、若者であった私も良く知っています。
 そして、その言葉に影響され、これらの誤った運動へと足を踏み入れて暴力をふるったり、暴力によって負傷したり、命を失ったり、人生を狂わされた学生や青年達が多くいたことも。そのような学生の一人によって、私は旗竿で右目を突かれ、失明させられました。

3月27日(火) 我が「戦友」、西宮常雅君のご冥福を祈る:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ2012.3.27
 私が暴力学生によって竹竿で右目を突かれて失明したときは、誰よりも激しく憤り、私を励ましてくれたものです。

2月24日(水) 古希を迎えるまで生きるとは思わなかった:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ2021.2.24
 20歳の秋に暴力学生の旗竿で右目を突かれ、失明するということもありました。

を紹介しておきます。
 それはともかく、お二人の考える「立民の敗戦理由」とは「枝野代表が連合(右派)からも共産党(左派)からも協力を得ようとしてどっちつかずの態度をとったこと」が「左派の選挙民からも右派の選挙民からもそっぽを向かれ」、右派の選挙民の多くは「維新に投票したのではないか」と言う話です。
 ここで「海江田代表時代の民主党」のように「民主党共産党選挙協力の関係になければ」、立民党に反発する左派選挙民は「共産に投票した」のでしょうが今は選挙協力関係にあるが故に必ずしもそうはならず、立民への否定的評価が共産の議席減を招いたというのが二人の評価とみていいかと思います。
 で、立民は今後どうすべきか。
 「俺の理解」では、二人の評価は「枝野(あるいは今回の敗戦で枝野が退陣した場合はポスト枝野)は連合など右派を切り捨てて、共産、社民、れいわなど左派(新自由主義批判派)との共闘をさらに推進すべき*7」「野党共闘を切り捨てて右派路線(新自由主義路線)に行くことは多くの立民支持層は望んでいないだろう*8」「新自由主義路線で維新や自民から右派の票を奪って躍進しようというのは現実性に乏しい」というものです。勿論、野党共闘支持の五十嵐氏には「枝野の曖昧な態度を許してきた慚愧の念」も当然あるでしょう。
 俺も同感ですが、果たして立民がそうした行動に出るかどうか。
 共産党社民党については「選挙結果で、政党方針が大きくぐらつく危険性はない」ので安心ですが、立民はその点、「選挙結果でぐらつく危険性が高い」ので警戒が必要です。

*1:実際、辰巳氏を下回る得票で落選しました。

*2:実際にはアンチ共産の自民支持層でもあんなもんを支持する人間は少ないでしょうが。

*3:11/1日付の記事で一番これが早いのもそういう意味合いがあります。

*4:正直、民主党政権下で廃止して欲しかった。

*5:日本共産党中央委員、大阪府委員会副委員長(清水忠史 - Wikipedia参照)

*6:1970年生まれ。日本共産党政策副委員長(党幹部会委員兼務)(藤野保史 - Wikipedia参照)

*7:二人とも、野党共闘を「自民を利することはできない」という苦渋の決断による「一時的戦術(一時的妥協)に過ぎない」と見るにしても野党共闘を否定する立場ではありません(俺も同様の立場ですが)。

*8:まあ支持層が望んでいようがいまいが、新自由主義路線は「弱者切り捨ての野蛮な代物で間違い」というのが五十嵐氏、kojitaken氏、そして俺の考えですが。