今日の産経ニュース(7/23分)

■【プロ野球通信】メークドラマはもはや無理か? 2位すら危うい巨人の惨状を探った
http://www.sankei.com/premium/news/160724/prm1607240008-n1.html

 プロ野球は首位広島が圧倒的な強さを見せつけ、ペナントレースを折り返した。巨人は10ゲーム差の2位で勝負の後半戦に入った。
 同じような状況が1996年にもあった。広島が独走、7月初めに2位巨人に11.5ゲーム差をつけたのだ。ところが、7月から巨人が反撃に転じ、大逆転で巨人がリーグ優勝した。いわゆる「メークドラマ」。
(中略)
 20年前と状況が似かよっていることもあり、「メークドラマ」の再来か、とオールド巨人ファンは盛り上がっている。ところが、プロ野球関係者は「当時と今では巨人の選手のレベルが違う。逆転は厳しいでしょう」とみる人がほとんどだ。
 1996年の巨人はそうそうたる顔ぶれが並んでいた。投手陣は斎藤雅樹、ガルベスが2本柱となり、いずれも16勝をマーク。木田優夫槙原寛己といった投手も健在だった。野手では松井秀喜が本格化し、この年、38本塁打をマーク。マック、仁志敏久、ベテランの落合博満らもいた。
 今年の巨人はどうか? 投手陣は菅野智之が孤軍奮闘しているが、救援陣も心許ない。打線も主将の坂本勇人が気を吐いているものの、続く選手がいない。阿部慎之助村田修一本塁打で点を取ることはあるが、集中打で得点することは少ない。
 一方の広島は投手の前半戦11勝の野村祐輔、同9勝のジョンソンが安定している。打線も阪神から復帰して2年目のベテラン、新井貴浩が好調をキープ。鈴木誠也菊池涼介も効果的な役割を果たしている。
 「巨人にメークドラマの兆しはないですね。うまく世代交代がいっていない。本来は3〜4年前から、先々をにらんで、若手を使うべきだった。ベテランには衰えが目立つし、若手が育っていない。今、指揮を任された高橋由伸監督も大変ですよ。広島を追いかけるよりも、3位以下のチームの方が勢いがある。Aクラスに入れるかどうか」とプロ野球の関係者はみる。
 巨人はメークドラマの再現どころか、2位キープすらも危ういのが実情

 巨人の逆転優勝は難しそうです。


■【プロ野球】巨人、痛恨の逆転負け 広島と再び11ゲーム差に
http://www.sankei.com/sports/news/160723/spo1607230054-n1.html
 巨人ファンは「1996年のメイクドラマ再び」というところでしょう(このときも首位が広島で、10ゲーム以上の差が7月時点でついたが、巨人が奇跡の巻き返しで逆転勝利)。
 一方、広島ファンは「去年はBクラスだし、メイクドラマの悪夢がある、まだ信用できない」「優勝常連のソフトバンクが2位以下に大差つけてるのとは違う、8月中盤まで2位以下に大差で首位じゃないと信用できない」つう気持ちじゃないか。まあ普通に考えれば1996年が変だったのであって、もうここまで来たら「広島優勝は確実」であと巨人ファンが巨人に期待できることは「クライマックスシリーズで広島を破って日本シリーズに出ること」ですけどね。

【参考】

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/184660
日刊ゲンダイ『よぎるメークドラマ 今の巨人は再現不可能これだけの理由』
「96年はメークドラマで11.5ゲーム差をひっくり返した。あの時に比べたら、まだ広島の背中は見えている」
 巨人球団関係者のセリフである。
 首位の広島がヤクルトを下して32年ぶりの11連勝を達成した昨29日、2位の巨人も中日に逆転勝利。両者の間には依然として9ゲームの大差が広がっているものの、「確かに今の広島は強い。ただ、96年だってこの時期には広島が7月以降に29勝35敗と失速するとは誰も予想していなかった。25年ぶりの優勝と周りが騒げば騒ぐほど、向こうにはプレッシャーもかかる」と当時を知る冒頭の関係者は言うのだ。
 が、中日の守護神で今季開幕から31試合連続無失点の日本記録を樹立した田島慎二は、「今年の広島打線は本当に手ごわいです」とこう言った。
 「チーム全体で統一しているか分かりませんが、昨年までは振ってくれた低めのボール球になる変化球を、今年はことごとく見切られる。各打者がみんな逆方向を意識しているように感じます。ポイントを近くして待っているから、落ちる球にバットが止まる。そうなると、ストライクゾーンで勝負しないといけない。凄く厄介です」
 同じく中日の森繁和ヘッドコーチもこう言って苦虫を噛み潰す。
 「広島は走れる選手が多い。走者を出すとウチの投手は足を警戒して直球が多くなる。そこを狙い打たれる悪循環。春先はエルドレッドが打ち、最近は鈴木誠也ら軸になる打者が出てきているのも強み。単なる勢いだけじゃ片づけられない」
 各打者が逆方向を意識し、12球団トップの67盗塁を記録する機動力も絡めて相手を攻略する。つまり、29日現在いずれもリーグトップのチーム打率2割6分6厘、72本塁打、357得点を誇る強力打線が今後、急落する可能性は低いということだろう。
 96年もセ1位のチーム打率2割8分1厘、670得点と打ちまくった広島はしかし、チーム防御率は4.08とリーグ4位に低迷。
 怒涛の追い上げを見せる巨人を前に後半戦で投手陣が崩壊したが、今季のチーム防御率はリーグ2位の3.37と安定。9勝でハーラートップの野村祐輔、7勝のジョンソン、この日の試合で6勝目を挙げた黒田と先発陣は強固である。
 なにより、肝心の巨人の状態が96年とは比較にならないほどヒドイ。巨人OBの評論家・高橋善正氏がこう言った。
  「今年は菅野以外の先発投手の力不足が深刻。96年は16勝で最多勝を分け合った斎藤、ガルベスの2本柱に木田、槙原、宮本と駒は揃っていた。今年は投手陣自体が弱く、チーム力で劣る。打線は当時もチーム打率2割5分3厘とリーグ5位に低迷したのは一緒だが、MVPを取った松井が4番で打率3割1分4厘、38本塁打。落合、マックの中軸も20本塁打以上とクリーンアップは破壊力があった。今年とはまったく違う。今の巨人打線は昨年以上に工夫なく淡泊ですよ」
 確かにそうだ。逆転勝ちはリーグで2番目に少ない10試合、逆転負けは同ワーストの18試合。三回終了時に負けている試合は6勝21敗の勝率2割2分2厘で、これが六回になると3勝30敗の勝率9分1厘という惨状だ。
(中略)
 96年は当時の長嶋茂雄監督が選手を“洗脳”した。広島との差が日に日に開いても、ミーティングで「まだ大丈夫。絶対に追いつける」と鼓舞。根拠を示すことはないのだが、「8月になれば必ず一波乱ある」「9月にひとヤマくるぞ」と選手に言い続けた。
(中略)
 チーム関係者が言う。
 「由伸監督にはそういう芸当はできないと思う。言葉も闘志も表に出さないタイプ。ミーティングをやっても、大きな声を出して選手の気持ちに訴えるのは村田ヘッドコーチの役目です。長嶋監督のように先頭に立って盛り上げたり、原監督のように目を見開いてクサイことを言ったり、そういう柄ではない。いい悪いではなく、性格だから仕方がないことです」
(中略)
 96年は7月6日に自力優勝の可能性が消滅し、70試合を消化した時点で首位の広島に11.5ゲームの大差をつけられた。それに比べればまだ逆転の確率は高いが、今季の巨人には残念ながら「メークドラマ」の再現はまったく見えてこない。

 日刊ゲンダイアンチ巨人が売りなので割り引く必要がありますが「日刊ゲンダイが言うまでもなく」普通に考えればメイクドラマ再現などあり得ない話です。