今日の産経ニュース(8/19、20分)ほか

■ハフィントンポスト日本版『ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう』(マイケル・ムーア*1
http://www.huffingtonpost.jp/michael-moore/5-reasons-why-trump-will-win_b_11254142.html
 たぶん「クリントン大統領確実と油断するな」をムーア流のブラックユーモアな言い方で表現してるだけでしょうが。トランプ批判が今世論調査で多いとは言え今後変わる可能性もあるし、またトランプ支持者の多くがトランプに投票しても、トランプ批判派のかなりの部分が「クリントンは嫌だ」と棄権したりそもそも投票所に行かなかったりすれば状況はトランプ有利になるわけです。
 つまりは「油断せずにトランプ批判と、クリントンへの投票の呼びかけをしよう」つうことでしょうね。

 悪い知らせを伝えるのは残念なことだが、(中略)それは、ドナルド・トランプが、11月の大統領選で勝つということだ。
 トランプ大統領。さあみんな、この言葉を言ってみよう。だってこれから4年間、この言葉を言うことになるんだよ。「トランプ大統領」。
(中略)
 「有権者の77%は女性と有色人種と35歳未満の若者だ。トランプは絶対に彼らの過半数の票を獲得できない!」なんてことで安心しようとするとか、「みんなこんなバカ野郎に投票することはないだろうし、自分にとって最善の利益に反して投票することもないだろう!」なんて理屈で安心しようとするのは、脳がトラウマから自分を守ろうとする働きなんだ。通りで大きな音を聞いても、「ああ、タイヤがパンクしただけだ」とか「あれ、誰かが爆竹を鳴らしているんじゃないか?」と思うだろ。というか、誰かが銃で撃たれた音を聞いた、なんて思いたくないんだよ。
 これは、911が起きたときに最初のニュースと目撃者の話が、「小型飛行機が誤って世界貿易センターに突っ込んだ」だったのと、同じ理由だな。
(中略)
 それでも、クリントンが事実の積み重ねとか、頭の回転の速さ、理屈とかで、トランプを倒せると信じている人は、この1年、56カ所で行われた(ボーガス注:共和党)予備選とか党員集会の結果を見過ごしている。共和党には16人が立候補して、みんな打倒トランプに全力を注いだけど、誰もトランプの勢いを止められなかっただろ。今の情勢だったら、本選でもこれは起きると思う。そしてこの事態に対処するためには、まず君らみんなにこの事実を知ってもらう必要がある。それから、多分、もしかしたら、俺たちが今いる混乱から抜け出せる方法を見つけられるかもしれない。
 勘違いしないでほしい。俺は自分の住んでいる国に大きな希望を持っている。状況は好転している。左派はジェイムズ・D・ハンターが言うところの「文化戦争」に勝った。ゲイとレズビアンは結婚できるようになった。アメリカ人の大多数が今や、世論調査の質問に、寛大な答えをしている。女性の同一賃金――わかった。中絶は合法であるべき――わかった。環境法の強化――わかった。銃の規制強化――わかった。マリファナの合法化――わかった。大きな変化が起きている。 今年22州で勝利した社会主義者のサンダースにぜひ尋ねてほしい。そしてもしみんなが自宅のカウチからXboxとかプレイステーションで投票できるなら、ヒラリーが圧勝するのは間違いないと思う。
 でもこれは、アメリカで実際にできる方法じゃない。みんな家を出て、投票の列に並ばなければならない。そして仮にそこが貧しい黒人とかヒスパニックの地域だったら、長い列に並ぶだけでなく、うまく投票できないようにつくられている。だから、ほとんどの選挙で、投票率が50%になることだって難しい。そこに11月の大統領選の問題があるんだ。つまり、投票する気のある、投票するように鼓舞された有権者たちを、どうやって投票所に連れていくか?ってことだ。
(中略)
 トランプが大統領になる5つの理由を教えよう。
■1.中西部の票読み。
 ラストベルト(錆びついた工業地帯)の奴らは、EU離脱と同じことが起きることを歓迎している。トランプは、ミシガン、オハイオペンシルベニアウィスコンシンといった五大湖を取り巻く4つのブルーステート民主党が優位の州)に意識を集中させると俺は思っている。この4つの州は、もともと民主党が強い地域だが、2010年以降それぞれの州で、共和党の知事が選ばれている(最終的にペンシルバニア州だけは、今は民主党知事になっている)。3月のミシガン州予備選で投票に行ったのは、民主党が119万人なのに対して、共和党は132万人だ。
 トランプは、ペンシルベニア州の最近の世論調査でヒラリーをリードしていて、オハイオ州では同点だ。トランプがこれだけ無茶苦茶な発言と行動しているのに、どうしてこの大統領選レースは、これほど接戦になっているのか?。これは多分、ヒラリーがNAFTA北米自由貿易協定)を支持したから、製造業中心の中西部の州の壊滅を助長した、とトランプが発言しているからだ。クリントンがTPPを支持したから、この4州の人々をひどく不利な立場に置いた他の貿易政策に関して、トランプはクリントンを攻撃するだろう。
 トランプがミシガン州で選挙活動している時、フォード・モーターに働く工場労働者のために、もしフォードが工場を閉鎖してメキシコへ移転するなら、メキシコで製造してアメリカに入って来る自動車すべてに、35%の関税を掛けると言った。これがミシガン州の賃金労働者たちの耳には、この上なく甘美な音楽のように響いたんだ。そしてこの時、トランプはAppleにも、iPhoneを中国で製造するのをやめて、ミシガンの工場で製造するように強要した。もちろん人々の胸は熱くなるわな。お隣の(ボーガス注:オハイオ州知事ジョン・ケーシックが手にするはずだった大勝利を、トランプが持ち逃げしたんだ。
 友よ、グリーンベイからピッツバーグまで、このあたりの人は、イングランド中流階級と同じだ。疲弊して、元気がなく、苦しんでいる。
(中略)
 イギリスで起きたことは、ここでも起きるだろう。ボリス・ジョンソン*2みたいなエルマー・ガントリー*3(口がうまいやり手のセールスマン)が現れ、どんなにひどい状態になるとわかっていても、今がチャンスなんだ!と確信させるように適当なことを大衆に言うだけだ。アメリカンドリームをぶち壊した奴ら全員に貼り付け! そしてアウトサイダードナルド・トランプが、奴らを懲らしめるためにやって来た! トランプに同意する必要はない! 好きになる必要だってない! トランプは、君らが嫌な人間たちに投げつける火炎瓶だ。それでなくても、彼らは君らに火炎瓶を投げつけてくるんだ! メッセージを送れ! トランプは君らのメッセンジャーだ!
 そして、ここで数学が役に立つ。2012年、共和党大統領候補だったミット・ロムニー*4は64人の選挙人の票差で敗北した。ミシガン州オハイオ州ペンシルベニア州ウイスコンシン州で投票された選挙人票を足してみれば、合計64だ。トランプの予想通りで、トランプがやればいいことは、アイダホ州からジョージア州まで(決してヒラリーには投票しない州)のレッドステート(共和党が優位の州)を制したら、あとはこの4つのラストベルト州を押さえるだけだ。トランプにはスイングステート(選挙のたびに結果が変わる州)のフロリダ州は必要ない。コロラド州バージニア州も必要ない。ミシガン州オハイオ州ペンシルベニア州ウイスコンシン州だけだ。これで、トランプはトップに躍り出るだろう。これが11月に起こる。
■2.怒れる白人、最後の抵抗。
 我がアメリカ男性たちが主導してきた240年間の統治は、終わろうとしている。一人の女性が、その座を引き継ごうとしている! なんでこんな事態になったんだ?! 注目! 警告のサインは出ていたが、俺たちはこれを見逃していた。ニクソン*5は、ジェンダーに冷たかったけど、タイトルIX(男女教育機会均等法)を作った。この法律は、学校で女子生徒も男子生徒と同じスポーツをする権利を持つべきだと言っている。その後女性たちは、民間ジェット機パイロットにもなれるようになった。気がついたら、ビヨンセが今年のスーパーボウル(俺たちのゲームだ!)で、大勢の黒人女性と一緒にフィールドに雪崩込み、拳を突き上げ、男性の支配はここで終わった! と宣言していた。おお、なんてことだ! 
 これは、危機に瀕している白人男性の心の中がかいま見える光景だ。本人の手から権力がすり抜けていき、彼らのやり方は、もはや容認されないという意識が芽生えている。この「フェミナチ」(保守派のフェミニストに対する蔑称)っていう怪物は、トランプが言ったような「目から血を流している、どこであっても血が出ている」(トランプが女性の生理を侮蔑した発言)奴らが、俺たち男を征服するんだ。そして今や、俺たちに指図してきた黒人の男に8年間耐えなきゃいけなかったのに、今度は大変なことは傍観する、そして威張り散らす女のもとで、8年間を過ごすことになるのか? その後の8年間は、ゲイがホワイトハウスに入るのか! それからトランスジェンダーか! 君たちは、そんなことを目の当たりにする。その時までには、動物にも人権を認められているだろう。そしていまいましいハムスターが、この国を統治していることだろう。これは止めないといけないな!
■3.ヒラリー問題。
 ここだけの話だけど、正直に話していいか?。俺はヒラリー・クリントンが好きだった、それもかなりな。ヒラリーがイラク戦争に賛成したから、俺は二度とヒラリーに投票しないと決めた。今日まで、そのつもりでいた。(ボーガス注:トランプという)ファシストもどきが最高司令官になるのを防ぐために、俺はその決心を改めようと思っている。
(中略)
 現実を見てみよう。ここでは、俺たちにとって最大の問題はトランプではなく、ヒラリーだ。ヒラリーはまったく人気がないし、有権者のほぼ70%が、ヒラリーを信用できないと言っているし、不誠実だと考えている。ヒラリーは旧来の政治を象徴している。
(中略)
 若い女性が、最大の反ヒラリー派だ。
(中略)
 そしてミレニアル世代が、毎日のようにヒラリーには投票しないと言っている。民主党員でも、無党派でも、オバマが大統領になった日とか、バーニー・サンダースが予備選の投票に臨んだ時みたいに、11月8日に目覚めて、みんなワクワクしながら急いでヒラリーに投票しに行くなんてことは、有り得ないだろう。そんな熱狂はどこにもない。そしてこの選挙の勝敗を決めるのは、たった一つのことだ。つまり、誰が家にいる人々をより多く引っ張りだして投票させるか、ということだ。トランプはちょうど今、有利な立場にいる。
■4.意気消沈したサンダース支持者票。
 クリントンに投票しないバーニーの支持者に、やきもきするのはやめよう。俺たちはクリントンに投票するんだ! 世論調査をみたら、今年ヒラリーに投票するサンダース支持者の数は、2008年にオバマに投票したヒラリー支持者の数より多い。ここが問題じゃない。
 やばいのは、ちまたのバーニー支持者が、当日ちょっと消極的だけどヒラリーに投票するために投票所に足を運ぶ。これが俺が言うところの「意気消沈した票」だ。つまり、そいつらは、投票所に有権者を5人連れて来ないんだ。それに、月に10時間選挙ボランティアをしない。どうしてヒラリーに投票するつもりなのかを、興奮した口調で話すこともない。
(中略)
■5. ジェシー・ベンチュラ効果。
 結局、有権者の何かしでかしてやろうというパワーを過小評価してはいけないし、いったん投票ブースのカーテンを閉めて、一人きりになったら、自分が隠れアナーキストだと自認している大衆を見くびってはいけない。投票ブースはセキュリティカメラや盗聴器が付いていないし、配偶者も子どもも上司も警官もいないし、いまいましい制限時間もない、世の中に残された数少ない貴重な場所だ。そこでは、必要なだけいることができるし、誰も何かをするように強制することはできない。ミッキーマウスとかドナルド・ダックと書いて投票することだって出来る。規則はないんだ。
 そして大勢の人間が疲弊した政治体制に怒っているから、大衆はトランプに同意するわけでもなく、トランプの偏狭な考えとかエゴを気に入っているとかでもなく、ただ、投票できるからっていうだけでトランプに投票する。計画をぶち壊しにして、パパやママをこまらせてやろうっていうくらいの気持ちで、これをやる。
 ナイアガラの滝の端に立っている時、一瞬、柵を越えたらどうなるんだろうって心の中で思うのと同じような感覚で、黒幕になったような気分で、どうなっちゃうのか見てみたい一心でトランプにポンと票を入れる奴はいっぱいいるだろう。
 90年代に、ミネソタ州で知事に(ボーガス注:ジェシー・ベンチュラ*6という)プロレスラーが選ばれたことを思い出してほしい。ミネソタ州の人たちの頭が悪いからそうなったわけじゃない。彼らが、ジェシー・ベンチュラは優秀な指導者で、政治的見識を持った人物だと思っていたら、彼に投票しなかっただろう。彼らは、ただ単にやってみただけだ。ミネソタ州は、アメリカでも最も賢明な州の一つだ。一方でミネソタ州の人たちはブラックユーモアを好む。そしてベンチュラに投票したのは、病んだ政治体制に対する、彼らなりの辛辣な悪ふざけだった。これがトランプにも再び起こる。
 HBOのトーク番組「リアル・タイム・ウィズ・ビル・マー」の共和党全国大会特集に出演した後、ホテルに戻ろうとしたら、ある男が俺を引き止めた。 
 「マイク、俺たちはトランプに投票しなきゃいけない。俺たちは大改造する必要がある」。
 そういうことか。それだけで、彼にとっては十分だった。「大改造する」ためなんだ。トランプ大統領誕生は、まさに大改造になるだろうし、投票した人々の大部分は、外野席に座って、そんなリアリティ・ショーを見たいと思っている。


週刊金曜日NHK新経営委員長に「日本会議福岡」名誉顧問:NHKが事実上の回答拒否
http://blogos.com/article/187439/

NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ*7」(湯山哲守・醍醐聰*8共同代表)は7月8日、「日本会議福岡」名誉顧問の石原進*9JR九州相談役が、このほどNHKの新経営委員長に就任した問題で、石原氏と経営委員会に対し、「名誉顧問の職を退くべきではないか」等の項目を連ねた質問書を提出した。
(中略)
 21日に前掲の「コミュニティ」宛にNHK経営委員会事務局名の回答文書が一通だけ届いたが、「個別のご意見、申し入れなどに対する回答は、差し控えさせていただいております」とあり、事実上の回答拒否だ。なお(3)については、「日本会議福岡」のHPから、以前石原氏の同「福岡」の名前と役職を明記していた箇所が現在、説明もなく削除されている。
 このため「コミュニティ」は23日、再度誠意ある回答を求める文書をNHK側に提出した。

 よくもまあ安倍もこんな非常識極右をNHK経営委員長に任命できるもんです。それにしても、JR東海の葛西*10といい、JR九州のこの御仁といい、JRというのはそう言う危ない会社なんでしょうか?


【ここから産経です】
■台湾の女性総統、早くも支持率に陰り 蔡英文氏「100日で成否を判断してほしくない」 世論は「優柔不断か強引かのどちらか」と辛辣
http://www.sankei.com/world/news/160820/wor1608200056-n1.html
 つまりは産経が強弁するほどには、国民党が支持を大きく失ってるわけでもないし、蔡英文民進党が熱狂的に支持されてるわけでもないって事です。そして蔡への支持にしても産経の言うような反中国ではないでしょう。


■中国人クルーズ船客の失踪相次ぐ 進む入国審査の簡易化…不法入国の新たな手口か
http://www.sankei.com/west/news/160820/wst1608200060-n1.html
 まあこんなんは例外でしょうが弱ったもんです。下手に規制強化すると客が減りますしね。とはいえ「例外だからどうでもいいよ」つうわけにもいかないでしょう。
 なお、興味深いのは産経ですら

 福岡市によると、昨年秋の調査で中国人客1人当たりの平均消費額は10万7千円。訪日客の経済効果は見過ごせず、審査簡易化の流れが変わる可能性は低い。「諸外国と比較し、日本の入国管理や在留管理は厳格だ」と指摘する国士舘大鈴木江理子*11教授(移民政策)は「審査が緩いと思われれば(クルーズ船を利用した)不法残留者が増える可能性もあるが、訪日客増加による経済的メリットも踏まえて対応を検討すべきだ」と話す。

とし「安易な規制強化は爆買い客の減少に繋がる危険性がある」としていることです。


■【米大統領選】トランプ氏が「黒人のために働く」? 支持率わずか1%に危機感
http://www.sankei.com/world/news/160820/wor1608200044-n1.html

 米大統領選の共和党候補トランプ氏は19日、中西部ミシガン州で演説し、大統領に就任すれば黒人のために働くと述べ、人種差別対策を重視する姿勢を強調した。白人労働者層を支持基盤とするトランプ氏は、最近の演説で黒人に投票を訴えることが多くなっている。黒人の間で支持率が極端に低く、危機感を強めているとみられる。
 ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCテレビが今月初旬に伝えた世論調査によると、黒人のトランプ氏支持はわずか1%で、民主党候補クリントン氏の91%と圧倒的な差がついている。

 予想通りの調査結果ですがさすがのトランプ陣営も「こんなに差がついたら痛い」ということはわかってるのでしょう。


■産経『【米大統領選】ロシアの反米路線が影 トランプ氏が「親露」選対本部長を更迭』
http://www.sankei.com/world/news/160820/wor1608200031-n1.html

 ロシアのプーチン*12大統領による反米路線が米大統領選に影を落としている。プーチン氏を「力強い指導者」と呼ぶ共和党候補の不動産王、ドナルド・トランプ氏(70)の選対本部長は、親露派のヤヌコビッチ・ウクライナ前政権から巨額の現金を受け取った疑惑が浮上、19日に辞任した。
 トランプ氏は19日、選対本部長のポール・マナフォート氏からの辞意を受け入れたとする声明を発表した。マナフォート氏は17日に実施された陣営幹部の人事刷新で権限を失い、事実上、更迭されていた。
 マナフォート氏には、ロシアに亡命したヤヌコビッチ*13前大統領が率いた「地域党」から2007〜12年に計1270万ドル(約12億7千万円)を受け取った疑惑が浮上。AP通信は18日、米国で地域党に有利な世論を形成するため、マナフォート氏が同党から米ロビー会社2社への220万ドルの送金に関わったと報じた。

 マナフォート氏辞任をスキャンダル辞任とする産経です。
 一方ハフポスト。

■ハフィントンポスト日本版『ドナルド・トランプ氏、「最も危険な政治フィクサー」起用で過激路線復活か』
http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/18/donald-trump_n_11580060.html

 アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が8月16日、選挙陣営の幹部を刷新した。劣勢に立たされた大統領選で、状況を好転させるための必死の試みだ。
 トランプ氏は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)に、共和党世論調査専門家で同党の顧問を務めてきたケリーアンコンウェイ氏を陣営の責任者に任命した。
(中略)
 バノン氏とコンウェイ氏を陣営の幹部に加えたことで、長年共和党選挙参謀をつとめ、トランプ陣営の選対本部長を務めていたポール・マナフォート氏が降格した。
(中略)
 バノン氏が運営する「ブライトバート・ニュース」は、トランプ氏を支持し、共和党の主流派やイスラム教徒を攻撃する過激な保守派のサイトだ。政治経験がないバノン氏を起用したことで、トランプ氏は強引で対立を招く方法で大統領選を闘うとみられる。
 無鉄砲な保守派として知られるバノン氏は、ポピュリストとナショナリストへ共感を示しており、以前から共和・民主両党から嫌われる存在だった。さらにトランプ氏と同じく、バノン氏も政界のエスタブリッシュメント既得権益層)を攻撃している。17日の声明では、バノン氏がかつて自身が「アメリカで最も危険な政治フィクサー」と呼ばれていたことを自慢気に語った。
 しかし昔からのトランプ氏の支援者や支持者らは、バノン氏が起用されたことを懸念している。「バノン氏は、トランプ氏の最も悪い部分を引き出すことになる」と、ある情報筋は語る。
 トランプ氏がバノン氏を起用する前、2人は何カ月も話し合っていた。ワシントン・ポストによると、バノン氏は衝動的でカッとなりやすいトランプ氏に、発言を控えろと言う人は無視するようにと勧めたという。
 このアドバイスはトランプ氏の心に響いた。彼は選挙期間中「(ボーガス注:過激な放言を控えることで)ピボット(意見をころころ変える人)」と呼ばれるのを嫌っていた。「私は私だ」とトランプ氏は16日、ウィスコンシン州で行われたテレビ局のインタビューで語った。
「私は変わりたい訳ではない。みなさんは『ああ、あなたは方向転換するのか』と言うが、方向転換はしたくない。政策を転換するのは、国民に対して不誠実だ」

 ハフポストではスキャンダル辞任というより「過激発言を控えるよう主張する、マナフォート氏」を嫌ったトランプが、バノン氏を起用した煽りでマナフォート氏が失脚したように見えます。どっちが正しいかといえば恐らく両方正しいのでしょう。
 「過激発言を控えるよう指摘するマナフォート氏が嫌いだから、トランプはスキャンダル発覚で彼を躊躇なく切れた」つうことでしょう。


■【スクリーン雑記帖・予告編つき】夏休み映画の主役は“異星人”や“お化け”ではなく中国? ハリウッドの「媚中」に日本の観客もあきれ気味!
http://www.sankei.com/premium/news/160820/prm1608200021-n1.html
 前も似たり寄ったりの内容を書いていましたが余計なお世話です。娯楽映画を作成するハリウッドが巨大市場・中国を意識し「映画の舞台を中国にしたり、中国人俳優を使ったり」することは悪い事でも何でもない。

 公開中のSF大作「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」。
(中略)
 人類の月面基地を総括するジャン司令官は中国人。演じたチン・ハンはシンガポールの俳優で、「ダークナイト」「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」などのハリウッド映画に出演している。ジャン司令官の姪のレイン・ラオは中国人の戦闘機パイロット。演じたアンジェラベイビーは上海生まれのモデルで、映画でも活躍中だ。
(中略)
 映画ではレインに恋した男性パイロットが「中国語の勉強をしようかな」なんて言うセリフも飛び出し、思わず苦笑してしまった。
 またエイリアンの襲撃という非常事態のため、国連安保理の各国首脳がモニターに映し出されて議論するのだが、その中の一人がアジア人。エンドロールで役名を確認するとやはり「Chinese President(中国国家主席)」とあった。
(中略)
 さらに中国の国有企業「蒙牛乳業」の牛乳が出てきた
(中略)
 こうした傾向は続きそうで、8月19日公開の「ゴーストバスターズ*14」では、幽霊退治をする女性4人組*15が構える調査会社のオフィスが、ニューヨークの中華料理店2階という設定。本編中では中華料理ネタやチャイナタウンでの尾行といった中国がらみのエピソードが散見される。

 それの何が問題なんだかさっぱりわかりません。

 ハリウッドの映画会社にとって、中国がもたらす巨額の投資資金や莫大な観客動員数はやはり魅力。中国にこびを売るのも分かるが、それによって失うものも大きいことに早く気づいてほしい。(伊藤徳裕)

 何を失ってるのかさっぱりわかりません。


■訪中の河村建夫*16官房長官共産党序列4位*17と会談
http://www.sankei.com/politics/news/160819/plt1608190015-n1.html
 まあ、安倍も反中国一本槍ではやっていけないからこうなるんでしょう。「麻生内閣官房長官」河村氏が親中派で中国と太いパイプがあるとも思えませんが、まあ、稲田のようなごろつき極右よりはマシなんでしょう。自民の伝統的親中派(例:河野洋平*18官房長官)は河村氏と違って逆に安倍とパイプがありませんしね。


■【五輪レスリング】吉田沙保里*19、4連覇ならず 米国のヘレン・マルーリスに敗れ「銀」 女子53キロ級
http://www.sankei.com/rio2016/news/160819/rio1608190030-n1.html
 過去の実績から「女子レスリング最強」とまで宣伝されることがあり、伊調馨*20とともに「金メダルが取れて当たり前」的な扱いをされる吉田ですがやはり「金メダルとはそう簡単なもんではない」のでしょう。
 この点は吉田や伊調ほどにはプレッシャーのない登坂絵莉 *21、土性沙羅 *22、川井梨紗子*23のほうが気が楽だったのでしょう。
 なお、吉田、伊調、登坂、土性、川井は皆「女子レスリングの名門・至学館大(旧称:中京女子大)出身」です。


*1:著書『アホでマヌケなアメリカ白人』(2002年、柏書房)、『おいブッシュ、世界を返せ!』(2003年、アーティストハウス)、『アホの壁 in USA』(2004年、柏書房)、『華氏911の真実』(2004年、ポプラ社)、『マイケル・ムーアへ:戦場から届いた107通の手紙』(2004年、ポプラ社)、『どうするオバマ?失せろブッシュ!』(2008年、青志社)、『マイケル・ムーア、語る。』(2013年、辰巳出版

*2:離脱派の中心人物の一人。元ロンドン市長で現在、英国外相

*3:バート・ランカスターがアカデミー主演男優賞を受賞した映画『エルマー・ガントリー』(1960年公開)の主人公。『エルマー・ガントリー』のあらすじについては町山智浩の説明(http://machiokoshi666.blog.fc2.com/blog-entry-95.html)を参照。

*4:マサチューセッツ州知事

*5:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*6:1998〜2002年までミネソタ州知事

*7:公式サイトhttp://kgcomshky.cocolog-nifty.com/

*8:個人ブログ(http://sdaigo.cocolog-nifty.com/)。著書『電気通信の料金と会計』(編著、1994年、税務経理協会)、『国際会計基準と日本の企業会計』(編著、1999年、中央経済社)、『自治体財政の会計学』(編著、2000年、新世社)、『労使交渉と会計情報:日本航空における労働条件の不利益変更をめぐる経営と会計』(2005年、白桃書房)、『消費増税の大罪:会計学者が明かす財源の代案』(2012年、柏書房)など

*9:JR九州社長、会長を経て相談役

*10:JR東海社長、会長を経て代表取締役名誉会長。代表権のある名誉会長は一般的には珍しく未だに葛西が社長、会長の上にたつワンマン経営だと言われる。安倍に近い右翼人士で、第一次安倍内閣教育再生会議委員を務めたり、産経グループの正論大賞を受賞したりしている。

*11:著書『日本で働く非正規滞在者』(2009年、明石書店)、『東日本大震災と外国人移住者たち』(編著、2012年、明石書店)、『外国人労働者受け入れを問う』(共著、2014年、岩波ブックレット)など

*12:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*13:首相を経て大統領。

*14:もともとは『ゴーストバスターズ』(1984年)、『ゴーストバスターズ2』(1989年)に続く『ゴーストバスターズ3』として製作される予定だったがオリジナルメンバーであるイゴン・スペングラー博士役のハロルド・ライミスが死去したことなどにより、前2作で監督を務めたアイヴァン・ライトマンが降板。のちに監督として就任したポール・フェイグの提案により、主人公をすべて女性に変えてのリブート作品(過去作品からアイデアを得ているが直接のつながりはない設定)となった(ウィキペ「ゴーストバスターズ(2016年の映画)」参照)。

*15:産経のこの書き方では4人のウチ1人は中国系のイメージですがウィキペ「ゴーストバスターズ(2016年の映画)」によれば、3人が白人、1人が黒人。一部からは「何故4人の中にアジア系が一人もいないのか」という批判があるらしい。

*16:小泉内閣文科相麻生内閣官房長官など歴任

*17:兪正声・人民政治協商会議主席のこと。なお1位が習近平国家主席・党総書記、2位が李克強首相、3位が張徳江全国人民代表大会全人代)常務委員長

*18:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*19:アテネ、北京、ロンドン五輪金メダル(女子レスリング55キロ級)、リオ五輪銀メダル(女子レスリング53キロ級)

*20:アテネ、北京、ロンドン五輪金メダル(女子レスリング63キロ級)、リオ五輪金メダル(女子レスリング58キロ級)

*21:リオ五輪金メダル(女子レスリング48キロ級)

*22:リオ五輪金メダル(女子レスリング69キロ級)

*23:リオ五輪金メダル(女子レスリング63キロ級)