島田洋一
民主党の御用メディア米ABCテレビ*1はカマラ・ハリスについて「歴史的」を連発。バイデンとの最初の記者会見まで「歴史的初登場」(historic first appearance)には笑った。羞恥心皆無。
イヤイヤ日本メディアだって
カマラ・ハリス氏ってどんな人?彼女が歴史的な副大統領候補である理由 | ハフポスト
もしバイデン氏が当選した場合、ハリス氏は黒人として、さらに女性としてアメリカ初の副大統領になる。
◆主要政党の大統領/副大統領候補に選ばれた4番目の女性
これまでに、主要政党から大統領/副大統領候補に選ばれた女性は3人しかいない。
2016年民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏、2008年共和党副大統領候補のサラ・ペイリン氏*2、1984年民主党副大統領候補のジェラルディン・フェラーロ氏だ。
彼らは全員が、選挙戦で敗退している。
◆歴史的黒人大学出身の候補
バイデン氏とハリス氏が選ばれたことで、民主党は1980年代以来初めて、アイビー・リーグ*3出身ではない人物が大統領/副大統領の候補になった*4。
バイデン氏はデラウェア大学を卒業し、シラキュース大学で法律の学位を取得した。
ハリス氏はワシントンD.C.にあるハワード大学を1986年に卒業し、カリフォルニア大学ヘイスティング校で法律の学位を取得した。
ハワード大学は、黒人のための高等教育機関として作られた「歴史的黒人大学」の一つだ。
米民主党の副大統領候補に黒人女性のカマラ・ハリス上院議員 | アメリカ大統領選 | NHKニュース
ことし秋のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党のバイデン前副大統領は、副大統領候補に女性で黒人のカマラ・ハリス上院議員を選んだと発表しました。バイデン氏が大統領選挙で勝利すれば、ハリス氏がアメリカ史上初めての女性の副大統領になります。
バイデン氏はことし3月、副大統領候補に女性を選ぶと表明し、その後、黒人男性の死亡事件*5を受けた人種差別への抗議の高まりを受け、白人以外の候補を選ぶのではないかとみられていました。
今回の副大統領候補者選びはバイデン氏が当選すれば初めての女性副大統領になることに加え、民主党の次世代のリーダーになる可能性もあるとして注目されていました。
その理由の一つがバイデン氏の年齢です。バイデン氏は現在77歳、大統領に当選した場合、就任時には78歳と、アメリカ史上、最も高齢の大統領となります。
バイデン氏には健康問題への不安を指摘する声もあり、次の大統領選挙のころには81歳となるため、大統領になっても1期4年で次の世代に引き継ぐのではないかという見方があります。
また副大統領は大統領が職務を遂行できなくなった場合、その任を引き継ぐ継承順位の1位*6となるうえ、女性としては史上初めてとなるため、ハリス氏は次の大統領選挙で女性初の大統領の誕生に向けた道を開く有力候補になる可能性があります。
それだけに今回の副大統領候補選びは今後のアメリカ政治を占う選択としても注目されていました。
社説:黒人女性、副大統領候補 多様性の回復めざす選択 - 毎日新聞
主要政党での黒人女性の副大統領候補は230年余りの米国史で初めてだ。新型コロナウイルスや黒人差別問題をめぐって分断が深まるなか、融和や変革のメッセージとする狙いがあるのだろう。
ハリス氏を選んだのは、多様性を重視したからだろう。ジャマイカ系の父、インド系の母を持つ。中南米系やアジア系の支持拡大につながるとの目算もあろう。
今回の起用は米国史においてとりわけ重い意味を持つ。
南北戦争の結果、奴隷制は廃止され、黒人に参政権が認められた。しかし、女性に参政権が与えられたのはその50年後だ。
女性の政治参加や権利拡大に抵抗する保守的な風潮や差別的な考え方が根強く、憲法修正案がたびたび退けられたからだ。
米政界での男性優位はいまも変わっていない。連邦議員のうち女性は2割強にとどまる。黒人女性の上院議員はハリス氏を含めて2人しか誕生していない。
主要政党の女性大統領候補は民主党のクリントン元国務長官だけだ。過去の副大統領女性候補2人*7はともに白人だった。黒人女性となれば抵抗はより大きいだろう。
トランプ氏は排他主義や人種差別を助長し、米国の原動力である多様性を損ねてきた。それを回復できるかが問われている。
バイデン氏が勝っても高齢を理由に1期で退けば、ハリス氏が最有力の次期大統領候補となる。その資質があるのかにも、有権者の厳しい目が注がれるだろう。
などとしてるんですがね。
「女性で黒人」という要素は「リベラル派」には好意を持って受け取られるでしょうが、一方でトランプを支持するようなウヨ(米国民ではないとはいえ、島田もその一人ですが)は「それだけで毛嫌いしそう」ですし今のところは、選挙にどう影響するかは何とも言えない気がします。
*1:「安倍自民御用メディア」産経じゃあるまいし「御用メディア」呼ばわりとはお笑いです。
*3:ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学のこと(アイビー・リーグ - Wikipedia参照)
*4:ウィキペディアによれば、ビル・クリントン(1993年、1997年選挙大統領候補)はイェール大学卒、ゴア(2000年選挙大統領候補)はハーバード大学卒、ケリー(2004年選挙大統領候補)はイェール大学卒、オバマ(2008年、2012年選挙大統領候補)はコロンビア大学卒、ヒラリー・クリントン(2016年選挙大統領候補)はイェール大学卒です。
*6:有名なのが「ルーズベルト病死後に大統領に就任したトルーマン副大統領」「ケネディ暗殺後に大統領に就任したジョンソン副大統領」「ウォーターゲートでのニクソン辞任後に大統領に就任したフォード副大統領」ですね。
*7:モンデール大統領候補(民主党、1984年選挙:この時は共和党のレーガンが勝利)のジェラルディン・フェラーロ副大統領候補、マケイン大統領候補(共和党、2008年選挙:この時は民主党のオバマが勝利)のサラ・ペイリン副大統領候補のこと